pixivに投稿しました同名タイトルの同一作品です。
既読の方はご注意ください
暴風が止み、ポート・プリーズ群島に静寂が訪れる。
既に何度目かもわからないティアマト・マグナとの闘いを終え一息ついたグラン一行、長期戦となったが、人的被害はなかったため表情は明るい。
しかし、グランにとって困ったことが一つあった。
「なあなあ! うちの舞凄かったやろ! 感想聞かせてや!」
ユエルは全くの無防備でじゃれつくようにグランへすり寄り、
「お疲れ様、後でご褒美を上げるわ♪」
「ねえ~ん団長~。早く部屋に帰ってだらだらしよう~ねえったら~♪」
マギサとメーテラは猫撫で声をグランに浴びせながら、露出度の高さを活かしてグランの視界と腕の感触をバラ色に染めてゆく。
それが頑張ったグランへの労いだと知ったのは後の事だったが、今のグランにとってはある種拷問だった。
星晶獣の危険な兆しを察知して船を飛ばし、呼応するように暴れ出した魔物には、仲間に手分けして対応してもらう。
状況に余裕はなく、精神と肉体の疲労に際限もない。ルリアも星晶獣の気配が安定したのを悟ると、グランの体の中で深い眠りについた。
当然グランも同様に休みたかったが、問題は股間だった。数日の間ポート・プリーズ群島を駆けまわり、夜の生活はご無沙汰。
激しい戦闘を終えて体は火照り、加えて先ほどのユエル、マギサ、メーテラである。
グランは性欲を持て余していた。泥のように眠るのは解消してからじゃなければ気が済まない。
とはいえ、適当な女性団員を見繕って誘うか、なんて思考にはならない。あまりに爛れた女性関係を築いている手前、見境がなくなれば即女性陣にそっぽを向かれるだろうことは目に見えている。
皆疲れているだろうし、もの悲しいが一人で処理を済ませよう。何度行うことになるかは自分でも想像がつかないが。
そう思った矢先グランが視界の端に捕らえたのは、同じくティアマト・マグナと戦闘したゼタだった。
「……ちゅるん」
ゼタはそんな音を出しながら、グランへ流し目を送り自身の人差し指をしゃぶって見せた。グランの視線がゼタを捕らえ、その他の人間がゼタを見ていない一瞬を捕らえた早業だった。
それが何を意味するかグランは察した。グランとて、共に星晶獣へと当たったゼタに期待がなかったと言えば嘘になる。持て余した情欲が自身だけでなく、かつ相手も自分を求めているのなら我慢をする理由はない。
グランは他の女性たちの誘惑をいなしながら宿に戻り、戻ってきた他の団員達も加えて祝杯を挙げた。
宴もたけなわといったところで半睡眠のルリアを体から出しカタリナに任せると、カタリナはビィも連れて「お疲れさま……明日は頼むぞ」と少し不満げな視線をしながら部屋へと戻っていった。他の一部の特別な――も同じような事を言いながら自室に戻っていく。
根回しの早いことだ、とグランは思わないでもなかったが、それよりも体と頭は期待と興奮で一杯だった。あの"指"があの"口"が、今宵どんな悦をもたらしてくれるのか。また、自分も彼女の官能に応えなくてはならない。存分に応えたい。
「こんばんは、グラン。いい子してた?」
自室で待っていたグランが外からのノックで扉を開け、ゼタを出迎える。
ゼタはいつもの真紅の鎧の恰好ではなかった。
白いファーが付いた草色のジャケットは肩まで羽織らず腕で止め、内の黒いキャミソールが肩から胸の谷間、へそを惜しげもなく披露している。
下は黒いサイハイブーツの中からニーソックスが伸び、ミニ丈のプリーツスカートとの間で肉好きのいい太ももの領域が露わになっている。
煽情的でありながら健康的でワイルド、グラサンを頭上に置き、ゼタは緊張した様子のない挑発的な笑顔でグランの部屋へ侵入した。
部屋の扉が閉まり、ごくりと喉をならしたグラン。ゼタは気付いた様子もなく軽く跳ねるようにしてグランの目の前に立つと、
「前一緒にバザラガを尾行してた時さー。ちらちらとあたしの体見てたよね、主に肌色のところ。気付いてないと思った?」
そう、このゼタの服装をグランは以前見たことがあった。ゼタが鎧をつけていない時の軽装。ティアマト・マグナとの戦闘から宿に戻った後、他の仲間の帰還を出迎えていたグランと違い、ゼタは空いた時間街へ繰り出していたようだ。
ゼタはグランの首へ腕を回す。服越しの胸が徐々に、徐々にとグランへと押し付けられていく。
「誘ったあたしが言うのもなんだけど、さすがにあの後体を少しぐらい冷まそうと思ったのよね。で、街に行って買い物とかしてたんだけど、全然ダメ。逆効果」
ゼタは言いながらグランと鼻と鼻をこすり合わせ、グランから視線を離さない。グランの瞳にゼタの瞳が映る。
「あんたのことが頭から離れない。本当、どうしちゃったのかしらね」
ゼタは自嘲するように笑ったあと、グランと唇を合わせた。グランも応じ、ゼタの背中へ手を回す。
お互い、相手を探るようなキスだった。体は火照り、頬は紅潮して甘い雰囲気。しかし、ゼタの心境に妙なしこりが残っているのを、グランはゼタの表情から察していた。
いや、しこりがない方がおかしいとグランは思う。自分たちはいつまで、この関係を続けるのだろう。
「ん……ちゅる……んん」
グランがゼタの唇を唇で撫でていると、向こうから舌でノックされた。珍しくグランが落ち着いていて、ゼタが焦れている。少しドアを開くと、にゅるりとゼタの舌が入り込んでくる。
「んん……ちゅる……はむっちゅる……れろっ」
互いの体がすり寄り、体と体の隙間がなくなる。ゆっくりと始まった舌の交合は、唾液の量が多くなるにつれペースが速くなっていく。
「ちゅるはふっんぷっはぁれろ」
お互いの口と口の間で舌がつながりながら乱舞し、べろべろとお互いをなめ尽くすかのように唾液が溢れ飛ぶ。ゼタとグランは薄く目を開けてお互いを見つめ、股間を服越しに上下させていた。
「んんむっあもっぷはっ、よっ」
ゼタは一端口を離すと、飛びつくようにしてグランの腰へ足を回した。予備動作があったためグランもよろめくことなく軽々とゼタを抱っこする。
「ねえ、なーんか他のこと考えてない?」
グランの盛り上がった箇所を、ゼタはスカートの中で円を描くように撫でる。グランはゼタを前にそんな余裕はないと本音を告げていたが、ゼタは始めた時から続くグランの余裕が気になった。
……初めての時は、お互いが本能をむき出しにして、後先の事も考えずただただ目の前の異性を求めた。人生で経験したことのなかった性の衝撃は、いつ思い出してもゼタの女を疼かせる。
その対象が、目の前にいる。今最高に興奮している。こんな相手他にはいない。
(けど、あんたにとっては)
あの経験は呪いだったのか。ゼタは切なげに唇を震わせ、深層の感情を悟られぬように微笑んだ。
「あたしに飽きちゃった? なーんて」
グランの返答は間髪入れなかった。むしゃぶりつくようにゼタの唇を奪い、舌を突き入れて腕に力を込める。
「んむぅう!? ちゅるっんんっ!?」
ゼタの体がびくりと震えた。グランの欲求は唇と舌に乗り、ゼタの唾液をごくごくと飲みながらゼタの舌を愛撫する。
「んんっはぶっんぁあ」
先ほどまでは争うように舌を絡みつかせたゼタだったが、今は激烈なグランの舌の攻勢になすがままだった。グランはゼタの歯茎の外側をマッサージするようになぞり、内頬に移ると舌先で押し抉る。
震えるゼタの舌を絡めとり、唾液を絞り出すかのようにちゅぶちゅぶと強い圧力でこすり合わせて吸い寄せる。
「んんっはぁあっんぷっはぁあ!」
口と口の間からゼタの荒い呼吸と嬌声が漏れる。ゼタは心地よさに足の力が抜けていくのと、乳首が硬度をもち始めて下着が湿り気を帯びていくのを自覚した。
グランはそのままゼタをベッドへ運び、ゼタに覆いかぶさるようにしてキスを続ける。ゼタに逃げ道はなく、力を抜いてキスに集中できる。
(あっこれっやばっ!?)
動物的なグランの舌に翻弄されるゼタだったが、反面優越感にも気づいてしまっていた。日中、妖艶な女性団員の誘惑をものともしなかったグランが今、自分に貪るようにキスしている。
ただでさえ舌技が肥え始めているグランの愛撫に加え、心にも甘い感情が広がり始める。
まだ服を着たままなのに、性器をまさぐられているわけでもないのに。
唇が、舌が、グランと繋がり糸を引く唾液の味が、深い波となってゼタに押し寄せる。
「んぐっ!? ふっんんんんんっ!!」
弱々しかったゼタの腕と足が、一斉にグランを締め付けた。ゼタは瞼を引き絞って雫をあふれさせ、女の園から蜜を分泌する。
グランの行為も、優しくあやすようなものに変わる。ゼタの頭を撫で、ちゅうちゅうとゼタの舌先を柔らかく吸った。
(うっ……わー……。キスだけで……本当にもう……反則……)
ゼタは心地よさから帰ってくると、グランの優しい仕草に少々の自己嫌悪と対抗心が沸いた。
「ちゅむ、次はあたしの番よね」
ゼタはグランの舌と唇を唇で押し出し、体の位置を反転させようと足を横へと力をいれた。グランも抵抗せず応じる。
ゼタはそのままベッドのへりにグランを腰掛けさせ、自身の頭上のサングラスを適当に避難させる。ジャケットを脱いでキャミソールだけになると、グランの膝を開けさせて盛り上がった股間に顔を寄せた。
「さーてと、それじゃあ……」
ゼタはグランのパンツに指をかけ、ズボンごと下ろしていく。グランが少し腰を浮かせたためするすると外衣は脱げ、我慢の涙を流すペニスがゼタの前に起立した。
「グランってば、ずいぶんとあたしの胸に興味津々みたいだし、どう? ここでしてみない?」
ゼタはペニスにふぅーと息を吹きかけながら、自身の豊満な胸を手で押し上げつつグランを見上げた。グランは壊れた機械のようにこくこくと首を縦に振り、ゼタの自尊心を悦ばせる。
「ふふ」
ゼタは得意げな笑みと共に肩ひもに手をかけ、支えをなくしたキャミソールを胸とグランのペニスで押さえる。
ペニスを掌で撫でながら胸に押し付け、グランを見上げながらウインク。唇を尖らせて唾液をグランの鈴口へ落とす。
「んん、どう?」
ゼタが体全体を動かし、キャミソールの布生地に包まれた胸で裏筋をこすり上げる。亀頭は親指でくにゅくにゅと押し撫で、グランがぴくりと感じるところを記憶していく。
「あっれー? もう出そうなんだ。楽しみはこれからよ?」
既にキスだけでイかされた事は記憶のかなた、喘ぐグランに気をよくし続けるゼタは、娼婦もかくやといった淫蕩な表情でキャミソールを下へ落した。
均整のとれた体に豊満な双丘、ピンク色の乳首は興奮を隠すことなく隆起している。汗でじんわりと光を反射する柔肌が、ぴっとりとペニスの表面と触れ合う。
「ほうらっ」
ゼタは鼻歌を歌いそうな陽気な表情でペニスを谷間に落とし込むと、胸を外から抑えて中央の圧力を強くし、再び唾液をペニスの亀頭へ。
胸を小気味よく上下に揺らし、双丘に包まれたペニスをグニグニとこすっていく。あふれる我慢汁がゼタの唾液と混ざり、ペニスと内胸を濡らして潤滑油となり、ぐちゅぐちゅと水音を立て始める。
グランの息が荒くなっていく。ゼタは視覚的な興奮による愛撫に頼らず、一気にグランを抜きにかかった。グランの表情を一端見るのをやめ、抱え込むようにグランのペニスへ前傾姿勢になる。
(……大きいわね。ならこのまま)
ゼタは谷間から突き出たペニスの亀頭をくわえ込む。ストローのようにちゅうちゅうと吸いながら、鈴口を舌先でほじくる。胸の上下運動を最大限まで高め、胸の下とグランの股間の付け根あたりがたぷたぷと音を立て始める。
タプタプタプタプタプ……。
「あむっちゅううっちゅうううぅうう!!」
胸で包まれ、亀頭はゼタの口の中で散々で苛め抜かれ、我慢汁は全てのみ込まれていく。グランは揺れるツインテールの金髪を見ながら、情けない声を出して体を震わせた。
ビュルルルルル!! ビュルルルル! ビュルルルル!!
「んぼう!? ……んくっけほっ、あむっちゅうううう……」
ゼタは塊のような精液に驚嘆し、一瞬口を離してしまった。ゼタの胸と顔が白く染まる。しかしすぐに咥え直し、絶頂の放出を最後まで口に収めんと唇をすぼめて吸引しつづける。
グランは腰が抜けるような感覚の中、ゼタの終わらない口淫にぴくぴくと腰とペニスを痙攣させた。長い射精で意識が混濁したが、しびれるようなゼタの舌先で現実に戻される。
まるで全力で剣を振り続けた後のような疲労感のまま、グランはぼんやりとゼタを見た。
射精は小康状態に陥り、最後にびゅるりとゼタの口内へ精液を放出。ゼタは唇をすぼめたままペニスを離す。ペニスと口の間で混濁液が糸を繋いでいる。
ゼタはそのままグランを見上げ、薄目のまま口を開いた。
「あー……」
その光景を見て、グランは心臓を鷲掴みにされたような感覚に陥った。
ゼタの口内はグランが放出した白濁液で満たされ、舌の上では気泡が弾けて雫を歯茎へ飛ばしている。
(よく見なさい。あんたの全部、受け止めてあげたわよ)
むわっと香る性の匂い。ともすれば気持ち悪さすら感じる姿かもしれなかったが、グランは精力が急速に戻り始めるのを自覚した。
「ん……」
ゼタは口を閉じてこくんと喉を鳴らす。淫蕩な顔は一気に崩れ、
「うえ、喉がねばつく。にっがー」
ベアトリクスに苦言を呈するときのような、なんとも微妙な表情になってしまった。グランも苦笑するしかない。
「仕方ないでしょ、初めてだったんだから。さ、もう元気そうだし」
ゼタは硬度を取り戻したペニスを見てニヤリと笑い、ぽいとブーツを脱いでソックスに手をかける。しかしグランがその手を止めた。
「ん? なに? ……はっはーん。あんたそういうのが好きなんだ。そういえば前も、ってちょ」
グランが少し外衣を着たままの方が好きなのかとからかおうと思ったゼタだったが、どうやら事情が違った。ゼタは強引に腹這いにベッドへ投げ出され、文句を言おうとしたところをうなじ、頬とキスをされてひるんでしまった。
「ん、あ、もう、どうしたの……て!?」
顔だけ後ろを向いたゼタは目を見開いた。グランの顔は制御しきれない興奮に染まり、既にゼタのパンツを半ばずらしてペニスをあてがっている。
苛烈なまでのグランの行動、荒い息、ゼタを見る瞳。理性のたがが外れている。そう、まるで、初めてゼタとベアトリクスの女を貪り尽くした、あの倉庫の時みたいに。
「あ……!」
ゼタの体に脊髄反射のように電流が走り、得も知れぬ本能が沸騰しているかのように尿道から液体が噴出する。
まだ入っていない。でも入ったら? あの時のように、イキ狂い、疲労も世間もなにもかも忘れて考える余裕もなくなって、ただただ与えられる快楽に浸って抜け出せなくなるのではないか。
瞬きの間にそれだけの思考が弾け、ゼタは喜びと期待に支配された。そして、グランの怒張は容赦せず、
……ズプンッ!!
「いっ!? あっいぎいぃいいぃっ!?」
グランに子宮口を押し上げられ、背中から抱きすくめられ、痛いほどに腹と胸が絞められる。ゼタの体をすべて征服しつくさんとするグランの動物的衝動が、ゼタの歯を食いしばらせてスカートとショーツをびしゃびしゃにしていく。
グランは右手でゼタの陰核を、左手で乳首を痛みが伴うギリギリまで捻りあげ、ゼタの首筋に甘くかみつき、ペニスを鈍器のように振り下ろして奥を突き上げ続ける。
バチュンバチュンバチュンバチュンバチュンッ!!
「あっひぃいああああ!? ああっいっいきぃひぃ!? あっとまふぁあああぁん!」
ビクビクビクビクビク!! プシャアアアア……。
ゼタの悲鳴のような嬌声と、止まらない分泌液と性臭が、グランの頭から優しさと気遣いを奪い、暴力的な愛撫を敢行させる。
グランの若さと性欲、ゼタの魅力的な痴態と仕草が薬の残り香に相乗し、二人は理性から解放されてただただ快楽を求める動物と化していく。
「ひぃぃああああっんむっんむうっぅうう!」
グランはゼタの顔を横に振り向かせて唇を奪い、陰核と乳首を緩急つけて握ってなぞり、腰の落としを残像が出るほどに高速化させていく。
ゼタの瞳は焦点が合わず涙があふれ、噴水のような潮がベッドの染みを広げていく。体は絶えずがくがくと震え、既に快楽を全神経に伝達する以外のすべての機能が停止しているようだった。
グランの獣のような腰も、限界を迎えようとしている。体力的なものではなく、ゼタの膣内が絶えず波打って圧力をかけ、子宮口がまるで亀頭に吸い付くかのように形を変えていく。
最後は、理性とも本能ともわからなかった。ゼタの力の入っていない両手が、乳首と両手をいじめるグランの手を撫でる。グランは愛撫をやめ、しかし腰の打ち付けはそのままに、ゼタと手を合わせて、指を絡ませて握りあう。
ゼタとグランは口を限界まで吸いあうと、ゼタは膣内で脈を打って締め上げ、グランは子宮口をこじ開けんがごとく奥の奥まで突き入れた。
ビュルルルルルビュルルルルビュルルルビュルルル!!
プシュップシュップシャアァァ……チョロロロ……。
ドバドバと射精が止まらず、ゼタの子宮を満たした精液が接合部からあふれて止まらない。グランはなおも腰を動かし、ゼタもなお膣内を締め上げ、体の許容限界を超えた快楽に身を落としていく。
ビュルルルルルビュルル……。
ビクン……ビクン……。
(これ……だめね……)
もやがかった世界でゼタがかろうじて思考できたのは、目の前の男の事だけだった。
(こんなの知ったら……離れられない……)
唇の感触、性器から背中まで包まれた体、握りあう手の温もりのどれもが、ゼタの脳内に麻薬のような快楽物質を作り続ける。
その後はもう無意識だった。互いぐったりとしたまま寝そべり、時折気づいたように体をこすり合わせ、キスをしながらまた接合して腰をくねらせる。
快楽への耐性には、グランの方があったようだ。時間がたつにつれゼタを暖かく包み込むように愛撫し、体位もゼタに負担のないものにシフトしていく。
(グラン……グラン……)
ゼタの意識が白く染まり、現実と夢の境がなくなっていく。夜が濃くなるにつれ嬌声は小さくなっていく。
グランの腕の中でゼタが静かに寝息を立て始めると、グランは最低限の後処理を済ませる。しかし、腕はずっとゼタに掴まれたままだった。
再びグランはゼタの隣に寝そべり、ゼタのおでこにキスをして今度こそ意識を闇に落とす。
窓が日差しを迎えると、ゼタが薄目を開けた。グランはまだ寝入っている。
(はぁ……やばいわね)
ゼタはグランの胸板に鼻を擦れさせながら、少々の危機感を抱いていた。
ゼタが他の女性に借りを作ってまで今夜グランと閨を共にしたのは、後日組織の関係で騎空団からしばらく離れなければならないからだった。
別に今生の別れではないし、問題がなければ数日で帰ってくる予定だ。しかし最近の組織のきな臭さを思えば油断はできない。
最悪、ゼタの槍の穂先を、向けたくもない人間に向けなければいけない日がくる。その予感が杞憂でないことを、ゼタは数多の修羅場を潜ってきた経験から確信していた。
(だけど、何が起こっても、こいつなら)
ゼタはグランの腕の中から抜け出し、グランに体重をかけぬように腕と膝で空間を作って覆いかぶさる。
(ふふ、寝ているときは子供なんだから)
グランならば、例えゼタがどんな判断を下したとしても、騎空団への帰還を笑顔で迎えてくれる。そして夜になれば、散々に体をいじめぬいて全てを――。
(高くつくんだから。覚悟してなさい)
ゼタの目の前に、グランの顔がある。ゼタの金髪がグランの頬を撫でた。グランがゆっくりと目を開ける。
「おはよ、グラン。昨日は随分とやってくれたわね」
ゼタは悪戯な笑みを浮かべ、唇を落とす。とりあえず今日はびちゃびちゃになった私服の代わりをこいつに奢らせようと、日中の算段をつけながら。