「・・・・黒ウサギ」
命の部屋へと赴こうとしている黒ウサギに、飛鳥がいやに神妙な面持ちで声を掛けた。
「なんでしょうか飛鳥さん?」
「あなた・・・・命くんのところに行こうとしているのかしら?」
「ええ。そうですが・・・・」
「行ってはダメよ!」
飛鳥は黒ウサギの手を強く掴む。
「飛鳥さん?」
「あなたが命くんに何をされているのかは知っているわ。あなただけじゃなく、春日部さんやペスト、レティシアもだっていうことも・・・・・ダメよ黒ウサギ。行ってはダメ。今の命くんは普通じゃない」
飛鳥は黒ウサギ達が命としている情事の事を知っていた。知っているがゆえに黒ウサギを引き止めたのだ。
命は変わってしまった・・・・・元々表情は乏しい方であったが、最近では以前と比べてもめっきり笑わなくなってしまい、まるで狂ったかのように黒ウサギ達との情事に耽る。
明らかに普通ではない・・・・・そんな命のもとに黒ウサギ達を向かわせたくない。それは飛鳥にとって、仲間としての気遣い。黒ウサギ達に対しても・・・・・そして命に対してもだ。
「飛鳥さん・・・・・心配してくださるのですね。ありがとうございます。ですが・・・・すみません」
黒ウサギは飛鳥の手を振りほどいた。
「私は・・・・行きます。命さんのところに」
「・・・・どうして?あなただってわかっているでしょう?今の命くんは・・・・」
「たしかに普通ではありません。まるで何かに怯えているいかのように私達との情事にふけってしまっています。そのことは私もよく理解していますが・・・・でも、幸せなんです」
「え?」
「命さんに抱かれるのが、交わるのが黒ウサギにとって幸せでたまらないんです。こんな幸福感、これまで生きてきた中で感じたことがありません。私は・・・・この幸せを手放したくない」
儚げな笑みを浮かべながら、黒ウサギは飛鳥にそう告げる。
これまでの人生において、奉仕と献身に身を委ねてきた黒ウサギにとって愛する命に抱かれるのは堪らない幸福であった。
たとえそれが愚かで、間違っている行為だとしても・・・・黒ウサギにはもう止めることはできない。その幸福に酔いしれ、とらわれてしまったのだから。
「でも・・・だけど・・・・」
「飛鳥さんも・・・・十六夜さんに抱かれているときは幸せを感じていますよね?」
「それは・・・・」
飛鳥は否定することはできなかった。確かに十六夜との交わりは飛鳥にとっては幸福以外のなにものでもない。それ故に・・・・黒ウサギにそれを手離せと強く言えなくなってしまったのだ。
「・・・・もう行きますね。命さんが待っていますので」
黒ウサギは飛鳥に背を向けて、命も待つ部屋へと歩をすすめる。
「黒・・・・ウサギ」
歩みをすすめる黒ウサギに手を伸ばす飛鳥であったが、それ手が届くことはなかった。
「んちゅ・・・れろ・・・・」
「いいよ黒ウサギ。上手だ」
ベッドの上で横たわる命。黒ウサギはそんな命の剛直をその豊満な胸で挟んでしごき、少しだけ出ている先端に舌を這わせていた。
「本当ですか?」
「ああ・・・・本当だよ」
黒ウサギを褒めながら優しく頭を撫でる命。それに気をよくしたのか、黒ウサギの動きは激しさを増す。
「っ・・・・黒ウサギ、そろそろ出そうだ。全部飲んでくれるか?」
「はい。んくっ・・・」
命に言われて、剛直を口いっぱいに頬張る黒ウサギ。それとほぼ同時に、白濁した欲望が勢いよく黒ウサギの口内を埋め尽くした。
「んぐっ!?んんっ・・・・」
その勢い、そして液の濃さに戸惑いつつも、黒ウサギは喉を鳴らしながら飲み込んでいく。
一気には無理だが、少しづつ・・・・まるでじっくりと味わうかのように。
「ぷはっ・・・・全部飲みましたよ命さん」
数十秒かけてようやく全て飲み込むことができた黒ウサギはニッコリと命に微笑みを見せた。
その微笑みは、まるで『褒めて褒めて』と言っているかのようだ。
「ああ・・・・・よくやった。えらいえらい」
「えへへ」
黒ウサギの意図を察した命は、再び頭を優しく撫でる。命の行為に、黒ウサギはご満悦だ。
「さて・・・・そろそろ挿れてやる」
「あ、ちょっと待ってください」
肩を掴んで、押し倒そうとする命に、黒ウサギは待ったをかける。
「どうした?」
「今回は・・・・その・・・・私が上になります」
恥ずかしそうに頬をほんのり紅く染めながら黒ウサギは言う。散々恥ずかしいことをしておいてそれもどうかと思うが・・・・
「そうか・・・・それじゃあ頼むよ黒ウサギ」
今回は黒ウサギの言うとおりにしようと、命はベッドに背を預ける。
そして黒ウサギは、命の上に跨り、一度出したにも関わらず依然そそり立つ剛直に奉仕だけでべちょべちょに濡れてしまっている自身の秘部を押し当てた。
「いきます命さん・・・・・んんっ!」
ひと思いに一気に腰を下ろして、命の剛直を最奥まで挿入する。圧迫感と同時に快楽、そして幸福感が黒ウサギに襲いかかり、軽く絶頂してしまった。
「やっぱ・・り命さんの・・・すごいです・・・・んああっ!」
絶頂の余韻で動きが鈍くなってしまった黒ウサギであるが直ぐに立て直し、腰を上下に動かし命に快楽を与え、自身も快楽を貪る。
抜けると思えるほどギリギリまで腰を上げた後に勢いよく腰を下ろして奥に叩きるける・・・・その繰り返しではあるが、それでもしっかりと両者に快楽を与える。
さらに、腰を大きく動かしているため、黒ウサギの豊満な胸も揺れている。その光景は壮観だ。
「はははっつ。そんなに一生懸命に腰振っちゃって・・・本当に淫乱なウサギだな。やっぱり黒ウサギは発情ウサギだ」
「んんっ!それでも・・・・いいですっ!淫乱でも・・・発情ウサギでもいいっ!命さんに抱いてもらえるなら・・・・この幸せを享受出来るなら・・・・なんでもいいです!」
「・・・・・あはははははっ!なんだよおい・・・・黒ウサギも壊れてるじゃないか!」
「それでも・・・・壊れててもいいっ!ああんっ!命さん・・・・愛してますっ!」
たとえ壊れても・・・・愛してもらえるから・・・・それで幸せなら・・・・それで構わない。今の黒ウサギは快楽と幸福感を何よりも求めているのだ。
「愛している・・・・か。俺も・・・・愛しているよ黒ウサギ」
「ひいんっ!?」
突然命から突き上げられて、黒ウサギは嬌声をあげる。
「あひっ!待ってください命さん!今日は私が・・・・!」
「それもいいと思ったけど・・・・気が変わった。やっぱり俺が愛でてやる」
「んああっ!」
突き上げられるたびに結合部からは愛液が溢れ出し、黒ウサギの口からは嬌声が漏れ出す。数回突き上げられては絶頂しを繰り返し、黒ウサギの思考は白く染まっていき何も考えられなくなっていく。
「いいっ・・・・いいよぉ!命さん・・・・すごくいいですっ!もう・・・もうイっちゃいますぅ!!」
「黒ウサギ・・・・黒ウサギ!」
ラストスパートと言わんばかりに、互いに腰を打ち付け合う。パンパンと乾いた音が部屋に響きき渡る。
そして・・・・
「黒・・・・ウサギィ!」
「んああああぁぁぁっ!!」
その時が来た。黒ウサギの膣中に先程を上回る量の欲望の白濁液がぶちまけられ、黒ウサギは今日一番の絶頂を迎えて叫び声を上げる。
「はあはあ・・・・命・・・さん」
絶頂し、脱力してした黒ウサギは命の上に倒れ込んでしまった。
「命さん・・・・愛してます。私・・・・すごく幸せです」
絶頂によって心身共に疲れ果ててしまった黒ウサギは、意識が朧げになりながらそう告げる。自身が幸せになるための言葉を。
「ああ・・・・俺も幸せだよ」
命もまた、幸せだと黒ウサギに告げた。
だが・・・・命のその消え入りそうなほどに儚げな笑顔を見て、黒ウサギは察してしまう。
その言葉が・・・・偽りだということに。
(・・・・命さんの・・・・嘘・・・・つき・・・・ごめん・・・・なさい)
手を伸ばし、命の頬に触れると同時に・・・・黒ウサギの意識は途絶えてしまった。
私は『幸』せ
あなたは『幸』せ?