「成程な、おおよそのスタッフの人数と間取りも分かった。あとは地下か」
「うん、そう。私と凜子先輩は、そこで……」
アンダーエデンの一室で、虎太郎とゆきかぜは互いの情報をすり合わせていた。
今回、ゆきかぜと凜子を救出するに当たって難関となるキメラ微生体を排除する方法を脱出までに発見、入手しなければならない。
虎太郎が可能性として考えているのはアンダーエデンの医療室――ゆきかぜと凜子が洗脳と改造を施された医療室とは名ばかりの実験室だ――に隠されていると踏んでいた。
奴隷娼婦は魔界における最高級の娼婦だ。
金持ちの中には手元に置いておきたいと望む物好きもいるだろう。
不知火という例もあり、人身売買にも手を染めているリーアルが、客の要求に答えられない状況を作っておくとも考え辛い。間違いなく解除法は其処にある。
ほぼ確信していた予想は、既に確定的な情報へと変化している。危険を冒すには十分だろう。
「さて、まだ時間あるな。お前を長く買い過ぎた」
「長いって、どれくらい?」
「半日……?」
「ちょ、それって結構な金額になるんじゃ!?」
「いいんだよ、金払いがいいのをアピールしときたいからな」
「いや、そうじゃなくて、虎太兄の安月給でどうやって……?」
「うるさいよ! 仕事と報酬の釣り合いが取れてねぇって再認識させんな! 死にたくなるだろうが!」
対魔忍は今や表向きは非公式だが、立派な政府公認機関である。
とは言え、その給料は安い。元より日本はそれほど金に余裕のある国でもなく、割り裂ける予算には限界がある。
その分、福祉厚生は手厚く、死亡時、行方不明時には十分な金額が遺族、家族に支払われる。が、天涯孤独の身である虎太郎には何の関係もない話である。
虎太郎に支払われる給金は下忍のそれと大差はない。
救出班という特殊な任務についているものの、危険手当などは一切受け取っていなかった。
アサギどころか九郎や紫も、これには難色を示したものの、余計な金の動きでオレの存在に焦点が当たるのを防ぎたいとこれを一蹴。金に執着して命を失うよりも、命に執着してタダ働きをした方がマシという結論だった。
対魔忍に支払われる金の動きに着目する者など、ましてやそれを調べ上げられる者など、ほぼいないというのにこの警戒心である。
救出班の潤沢な装備は、殆どが米連や魔族から鹵獲したものを使用しており、特殊な機械装備に関してはアルフレッドが設計を行い、虎太郎が組み上げている。
活動資金に関しては、これもまたアルフレッドのお陰である。アルフレッドの演算機能は人界・魔界問わない高度な演算機能を備えた製造物が石を並べて数えているようなレベルであり、株や為替で稼ぐなど赤子の手を捻るが如し、である。
但し、虎太郎を甘やかすのはよくないとでも考えているのだろうか、プライベートにおける資金提供はゼロだった。
「はあ、しかし腹減ったな。メシ喰うか」
「……そういうの普通、敵地のド真ん中でする?」
「安全は確保されてんだ。何の問題もないし、警戒を解いたわけじゃない。おら、上着来てキッチンに来い。飯の作り方、教えてやるよ」
「……う、うん」
助けに来てくれた安心からか、ゆきかぜは今の今まで奴隷娼婦の衣装のままであったのを忘れていたらしく顔を赤くした。
その誰でも愛くるしいと感じるであろう仕草にも、虎太郎は眉一つ動かさずに上着を脱いでシャツを捲る。
それからてんやわんやの料理教室が始まった。
元より使用の予定もつもりもなかったのだろう、安アパートの方がまだ広い狭苦しいキッチンで互いの身体を押し退け合いながら、調理は出来るが好きでない男と調理自体が全くできない女のコラボレーションだ。
一月前の料理兼食事会でも思い出したのか、ゆきかぜの表情にはかつての笑顔が戻っていた。
出来上がったのは二人分のカルボナーラ。
流石のリーアルも客の口に入るかもしれないものにまで媚薬を仕込むつもりはなかったらしく、安全面は虎太郎が調理の前に確保してある。
二人ともラブホテルのような一室での食事は気が滅入ったが、折角作ったのだから食べねば損だ。行儀よく手を合わせて、パクリと一口。
「「うーん」」
「いまいちだな。やっぱ卵とチーズだけじゃなぁ。あとベーコンと生クリームも欲しかった」
「なんか、凄い大味。男の料理、って感じ」
素直に二人で作った料理への感想を述べながら、それぞれがぺろりと平らげる。
虎太郎は元々男、この程度の量なら簡単に腹の中へと収められる。
ゆきかぜは久方ぶりの他人との食事。ましてや恋い焦がれた相手と一緒であれば、沈んでいた気持ちも浮上し、食欲も取り戻そう。
「ふー、何だかまともな食事、凄く久し振りの気がする」
「あー、何? 飯もまともに食わせて貰えなかったか」
「そうじゃないよ。ただ、何を食べても味がしなかった気がしてただけ」
「そうかい。飯を喰えてただけ上等だ。それもできなくなったらいよいよ終わりだからな」
それだけ言うと虎太郎は食後の一服にしゃれ込む。
ゆきかぜは机に頬杖をついて、その光景を意外そうに眺める。
虎太郎は忍らしい忍だった。それは彼女に見せてきた下忍としての顔であっても変わりはない。身体に臭いが染み着くような嗜好品を好むとは思ってなかったようだ。
「虎太兄、煙草吸うんだ」
「悪いか?」
「ううん、何ていうかかっこいいかも。絵になるっていうか。臭いけど、臭いけど」
「二回も言うな………………おい」
「え? 何?」
「……………………何でもねぇ」
(無意識か、結構キてんな、おい)
虎太郎は紫煙の味を楽しみながらも、厄介な現実に頭痛を覚える。
先程から机の下で自分自身の片足を刺激するものがあった。
ゆきかぜはハイヒールを脱ぎ、両脚を使ってこすこすと優しく擦り上げてきていたのだ。
当の本人に視線を向けても、両目には対魔忍としての強い意志の光が灯っているものの、頬や口元は蕩け緩み、ときおり舌なめずりまで見せている。
キていると評したのは無意識下にまで奴隷娼婦としての仕草が擦り込まれつつある点だ。
(分かっちゃいたが、こりゃ凜子の方も相当ヤバいことになってるな。仕方がねぇ、連続して顔を出しては怪しまれるかもしれんが、明日はあっちだ)
僅かな変化を見せた虎太郎の表情に気付いていたものの、ゆきかぜは頬杖をついたままで男を誘う仕草を止めず、気付いてもいない。
その様子に、珍しく僅かな逡巡を見せた虎太郎は決断を下し、煙草を揉み消す。
「ゆきかぜ、仕事の話だ。少しいいか?」
「――――う、うん」
如何に洗脳改造を施され、身も心も奴隷娼婦になりつつあったゆきかぜも、対魔忍としての仕事と言われれば、姿勢を正し表情も引き締まる。
脚だけで雄を誘うような仕草を中断させた。無意識とは言え、大した精神力だ。
「これから、お前を抱く」
「わ、分かっ――――えぇっ!?」
当然と言えば当然の言動と反応であった。
虎太郎としては、ここでゆきかぜを抱いておかなければ任務に支障を来す。
半日も奴隷娼婦を買ったのに、一度も手を出さずに帰るなど不信感を抱かれても仕方がない。奴隷娼婦はかつての花魁ではないのだ。
ベッドメイクを行う専門のスタッフに何の汚れもないシーツとベッドに違和感を持たれ、リーアルにその事実が耳に入るのは極力避けたい事態だ。
ゆきかぜとしても、再会できた喜びで虎太郎が任務中であることを忘れており、望むべくもない展開に驚きを隠せない。
しかし、事実を正しく認識していくと次第に不機嫌な表情になる。抱きたいから抱くというのもそれはそれで酷い話であるが、仕事だから抱かせろというのも輪にかけて酷い話だが、ゆきかぜの乙女心的には前者の方がまだマシだったようである。
「虎太兄さ、私が虎太兄のこと好きって言ったの覚えてる?」
「お前、オレのこと鳥頭だとでも思ってんのか。だが、これも仕事だ、文句言うな」
「分かってたけど…………ないわー」
「オレから言わせりゃお前の反応の方がないわー、だ、馬鹿」
虎太郎は両腕を組んで背もたれに身体を預け、そっぽを向いたゆきかぜを眺める。
リスのように頬を膨らませ、明らかに私は不機嫌ですと表現する様は愛くるしい限りであったが、彼にしてみれば面倒なことこの上ない。
それに仕事として抱くのも、彼なりのなけなしの気遣いでもあったのは確かだ。
何にせよ、ゆきかぜは譲ることはないだろう。踏み躙られた尊厳と乙女心を守る為に。
となれば、譲らなければならないのは自分の方だという自覚が、虎太郎にはあった。
「分かった。これからお前を抱くのは、完全なプライベートだ。後悔すんなよ」
「――――へ? え? ていうか、それ、どういう……?」
意外なほどあっさりと願いを聞き入れてくれた虎太郎に、ゆきかぜは驚きと困惑を隠せない。
一人の女として思いを告げた以上、対魔忍としての任務よりも優先したくなっただけ。どうしようもない子供の我が儘である自覚はあったのだ。
いや、それ以上に虎太郎の妙な言い回しに妙な違和感を覚えていた。
虎太郎は困惑するゆきかぜを無視し、その背後に回り込む。そして、ゆっくりと上着を脱がし始めた。
「仕事でってんなら加減もするがプライベートだ、頭が可笑しくなっても知らんぞ?」
「……ふぅ、……んっ、はぁ」
「それでもいいのか……?」
露わになった肩を一撫でされただけで、身体の芯と脳髄の奥底まで発情の熱が灯り、ゆきかぜの呼吸は荒くなる。
くらくらと熱で浮かされた脳ではまともに思考など出来なかったが、抱いた感情は紛れもない恐怖だった。
虎太郎は何の意味もない嘘はつかない。嘘をつく以上は其処に何らかの意図があり、最も効果的なタイミングでさらりと相手を騙す。
そもそも、彼は下手な嘘をつくよりも、真実を部分的に語ることで、相手に事実を誤認させる手法を好む。嘘は積み重ねるほどに露見のリスクが伴うからだ。
「…………もん」
「あぁ……?」
「どうせ、もう頭なんか可笑しく、なっちゃってるもん。なら――――なら、虎太兄の女になった方がいいもん」
対魔忍としては恐怖を、奴隷娼婦としては欲望を抱えておきながら、その全てを押し退けて、ゆきかぜは女としての願いを口にする。背後を振り返った瞳は潤み、身体はひっきりなしに震えていた。
「お前、オレが考えてるよりも女だな。そこまでいうなら仕方がない」
「ひゃぁう――っ!?」
その願いを受け取ったのか、虎太郎はゆきかぜを抱え上げる。お姫様だっこという奴だ。
余りにも青臭い願いであったが、ゆきかぜとしては好みのシュチュエーションである。その逞しい両腕と体温に包まれるだけで、全てが満たされてしまいそうだった。
まるで壊れ物を扱うような慎重さでゆきかぜの身体をベッドへと寝かせる。
ゆきかぜは反射的に胸と股間を腕で隠した。何の意味もない努力であるのは理解していたが、はしたなく発情した性感帯を見られたくはなかったのだろう。
「………………はむぅ」
(あぁ、最初は優しくキスして欲しかったのにぃ、自分から口を開けて、こんないやらしいキス、しちゃってるよぉ)
唾液を交換し、舌同士を絡め合わせるキスを交わす。
一度たりとて自分から望んだことはなかった熱烈なディープキスを、自分からねだる浅ましさに、ゆきかぜは恥じらいで頭の芯をグラつかせた。
しかし、そんな恥じらいも直ぐに溶けてなくなる。
突き出した舌を唇で甘噛みされるだけで、腰砕けになるほどの快楽が脳と子宮に奔り、甘えた鼻息を漏らしてしまう。
流し込まれ、送り込む唾液をくちゅくちゅと混ぜ合わせる度に熱を発し、全てが蕩けていく。
最早、女として見苦しいまでの荒い鼻息すら気にならない。口腔愛撫だけで、どこまでも官能が高められていく。
「ひゅ、ごい、……きひゅ、って、こく、こひゃにぃ、ごく」
(口って、こんなに凄いの? ベロチュー、ベロフェラ、舌吸われる度に、頭びりびりするぅ)
虎太兄、虎太兄と形にならない声で何度となく虎太郎の名を呼ぶ。
快感とは別の、そして本来であれば同時に与えられる女の喜びに、ゆきかぜは全身をくねらせて歓喜を表現する。
(あ、ダメ、……これだめぇ、こんなのキスじゃないよぉ、セックス、お口セックスで、イクゥ!)
「んん、ン゛ンン、んんん~~~~~っ!!」
最後に、虎太郎の口腔に差し込んだ舌を甘く噛まれ、一線を軽く超えてしまう。
ゆきかぜは顔は快楽を受け入れる為に一切動かさず、爪先で腰を高く持ち上げ絶頂を報せる。
舌を犬のように垂れ下げながら自分を見上げるゆきかぜに、虎太郎は薄く笑うばかりだった。
「しゅ、っごい、よぉ……虎太、兄、キス、上手、すぎぃ……あっ、首!」
「こんなもんで根を上げてちゃ、先が思いやられる」
「あっあっ、ん! ……首、吸い付かないで、あと残っちゃうよぉ」
「
ちゅうちゅうと唇が吸い付いた部分に、熱と柔らかい痛みを覚え性行の跡を残されたことに、言葉だけの拒絶を見せる。
「さて、次は……」
「こ、虎太兄……? ひゃぁん! ゆ、指ぃ!?」
左手を取られたかと思えば、指の一本一本を舐め上げられ、吸い付かれる。
体験したことのない愛撫に、快感よりも驚きが勝ってしまい可笑しな声を上げてしまうが、それは始めだけだった。
全ての指を味わうと、掌、手首、前腕、肘、二の腕とナメクジが這うような速度で舐め上げられ、時折、キスマークを残していく。無論、右腕も同様だ。
舌が這う度に快感の度合いが増していく。
奴隷娼婦としていきなり快楽の渦に叩き込まれるような経験とは異なり、ゆっくりと天上に向かって押し上げられていく感覚だった。
「や、止めてよ、虎太兄ぃ、……そんなとこの匂、ひぁうぅん! 舐めるのもダメェ!」
「いい匂いだ。発情した女の匂いだな。そんなに嬉しいか」
「ひゃ、ひゃってぇ! あっ、ひぃぃ、虎太兄なら、きゃふぅ、何されても、あふぅ、悦んじゃうぅ!」
脇から発せられる牝のフェロモンと噴き出した汗を賞味され、ゆきかぜは羞恥と悦びの狭間で身悶える。
だが、それだけでは終わらない。舌は脇を移動し、鎖骨を下り、乳房を苛め、腹を伝い、臍を抉り、鼠蹊部を滑り、太ももを舐り、足の指までしゃぶられる。
文字通り、全身の味を確かめられるような愛撫に、ゆきかぜは小刻みなアクメを何度となくキメる。
まるで汚されたと嘆くゆきかぜの身体を舐め清めるように、或いは更に自分の色で染め上げていくかのようだ。
「ひあっ……んん、……くぅ、んっ、ふ……あ、あぁ、ンッッ」
肝心な部分を避けた愛撫にも拘わらず、貪欲にアクメを貪る自身の身体に情けなさを覚えながらも、ゆきかぜは身体を見下ろすと甘えた恥ずかしい声を抑えられなかった。
(うぅ、こんなに目一杯、足開いちゃって、それに、凄い量のキスマーク残されちゃってる。……こ、これ、もう完全にエッチの証拠じゃない。こ、虎太兄に自分の女だって独占されちゃってる証拠だよぉ!)
自分から股を広げ、女の象徴への刺激を望む雌のポーズよりも、身体に残った赤と白の斑点模様に目が行ってしまう。
面白半分でキスマークを客から残されたことはあるが、それはこんな徹底したものではなかった。これは確かに、情交の跡ではなく所有権の主張だ。
その事実に、ゆきかぜは早鐘のような鼓動が更に早さを増し、より一層虎太郎への思いが強くなる。
何時も何時も涼しげな顔をして、地獄を見た知り合いにすら優しさも見せない徹底した現実主義者の癖に、独占欲は強いのかもしれない。少なくとも、自分から離れていかない限り、誰の手にも触れさせることを嫌いそうだ。
その独占欲の中心に今は自分がいるという事実に、ゆきかぜは甘い切なさを女そのものである子宮に滾らせてしまう。
虎太郎はゆきかぜの背中に手を回し、コンプレックスである薄い胸に顔を寄せる。
「さて、そろそろ、お楽しみだな」
「はぁー、はぁー、……んく、ま、待って、まだイっ――――ひぁああん!!」
小石のように硬く凝った桜色の蕾に、息を吹きかけられただけでゆきかぜは黄色い悲鳴を上げてしまう。
虎太郎はその様子に念入りな愛撫の効果を確認し、容赦なく乳首に吸い付き、もう片側を指で抓む。
「んんっくぅんんん! ひぁぁああぁあああああっっ!!」
唇を噛み咽喉から上がってきた嬌声を噛み殺そうとしたが、無駄な努力に過ぎなかった。
乳頭からの刺激は上は脳天まで、下は足先まで満遍なく全身を行き渡る。
今まで誰に受けたものよりも、性技に長けた筈のリーアルに与えられたものとすら比較にならない快感が駆け巡る。
「ま、まっ! くっふぅぅ! いひぃっ、コリって、コリってェ! あ、ぐ、んきゃぁぁあああぁッッ!!」
何とか快楽を反らそうと、身体を捻り、首をいやいやと振っては見るが、虎太郎は許してくれない。指も唇も離れなかった。
指がコリコリと乳首を捏ね回せば腰が跳ね、噛まれ吸われる度に潮を噴く。
「ひゃふ! ……んっ、くぅ、かはっ……あ、あっ、ンぅッんんっ、はぁんんっ!!」
「次は下だぞ」
「こ、こひゃにひぃ、……こ、壊れ、……わらひぃ、ほんろにこわれひゃう……こ、こわいよぉ」
「だから言ったろうが、頭可笑しくなるって。ったく、もう少し我慢しろ。ほぐさなくちゃ辛いのはお前なんだよ」
「うう、……んひゅぅ」
駄々を捏ねる子供に向ける呆れを含んだ口調で、早くも呂律の回らなくなり始めたゆきかぜをあやす。
けれど、あやすための行動はどうしようもなく男女のそれだ。唇と唇、舌と舌を絡め合わせ、接吻はゆきかぜの不安を吸い出すように激しい。
「……れろっ、れろ……ちゅ、じゅる……ちゅぅぅ……っっんぅ、ンんぐぅぅぅぅぅ!!」
「……ッッ」
頃合を見計らい、とうに開ききっていた膣口に指を滑り込ませる。彼の誤算は声を抑えようとしたゆきかぜに差し込んだ舌を噛みつかれたことか。
「はっ、はっ、あっン、クぅん、ンン、んーーーっ! ンふぅんんんんっっ!!」
「ふん、成程。で、Gスポットがここだな?」
「あっひぃぃぃいいいぃいいいいんっっ!!」
はしたないアクメ声を聴かせまいと歯を喰いしばったゆきかぜであったが、敏感過ぎる膣の更に敏感な弱点を指で擦られ、あっさりと志を手放してしまう。
興奮と発情によってぷっくりと膨らんだGスポットを、指紋で刺激するかのような繊細な指使いで絶頂に達していた。膣肉は震え、指を締めつけ白濁した本気汁を噴出させる。
「ゆきかぜ、辛いかもしれんが、連続してイカせるからな」
「はっへぇ……、か、ひゅ……ま、まっへぇ……」
「そうでもしなきゃ、苦しいだけなんだよ。オレのデカいから」
「ま、ま、あっあっあっぁぁああああぁぁぁぁああッッ!!」
人差し指と中指で交互にGスポットを掻き毟る動きに、ゆきかぜは両脚を突っ張らせて腰を浮かせて、熱い雌潮を噴く。
子宮から伝わる快楽の電流は指の先から髪の毛先まで、余すことなく全身に迸る。
白痴に染まる意識と自我すら崩壊しかねない快感の中にありながら、女の象徴を虎太郎専用に書き換えられる確かな感覚に、ゆきかぜは誰にも見せたことのない淫らに蕩けた女の笑みを浮かべるのだった。
―――――
――――
―――
――
―
「は……ひ、……ひふぅ……んぁ……ぅう」
「これぐらい解せばいいか」
数えきれないアクメに息も絶え絶えなゆきかぜを見下ろし、虎太郎は愛液ですっかりとふやけた指を舐めた。
意識を失ってこそいないが忘我の境地にあるゆきかぜが戻ってくるまでの間に服を脱ぎ捨てる。彼女が戻ってきたのは全てを脱ぎ捨てるのと同時だった。
「はっ……はぁ……ふぅ……虎太兄、凄すぎるよぉ。指だけで、あんなにイカされるの、初めて」
「元々、敏感になってるからな。まあ、改造されてなくても十分それぐらいは出来るけど」
「…………そ、そうなんだ」
「それで、続きいけそうか?」
「……ひっ」
自らの一物を見せつけるように、手に残った愛液を扱きながら塗りたくる。
ゆきかぜは見たこともない威容に恐怖から小さい悲鳴を上げたが、口元は緩んで笑みを象っていた。
震える瞳は紛れもない恐怖を示し、口元の淫蕩な笑みは抑えきれない期待を孕んでいる。剛直に釘付けになりながら、何度も何度も生唾を飲み込んでいるのだ、疑いようなどない。
「や、優しく、優しくね。も、もう私、頭ぱーになっちゃってるから」
「分かった。優しく、だな。可愛い女のリクエストだ。応えてやるとも」
「か、可愛いとか。改造されてエッチになっちゃってるし、もう何人に犯されてるのか分からないのに、イヤらしいだけだよ……」
「オレはエロい女は嫌いじゃなくてね。これからお前を抱く回数が一番多くなるのはオレだ。しっかり見ておけよ」
「――う、うん」
本当の意味で虎太郎の女になる瞬間を前に、ゆきかぜはごくりと咽喉を鳴らせて生唾を飲み込む。
亀頭を押し当てただけで、膣口は吸い付き奥へ奥へと、はしたないほど誘おうとしているのが、ゆきかぜにも理解できた。
そして、彼女が危惧していた挿入できるのかという不安に反して、秘裂は驚くほど抵抗なく虎太郎の長大なものをあっさりと飲み込んだ。
「う、くぅ、こ、虎太兄っ、な、何これなにこれナニコレぇぇぇぇぇっっ!!」
「ッ、かなり解したんだが、やっぱりオレには少しキツい、な」
「ハ、ハっ、すごい、こたにぃのすごい! さっきからイキっぱなし、だよぉぉぉっ!」
怒張が奥へと進む度、小刻みな絶頂を繰り返す。
ゆきかぜは冗談抜きで一秒単位で襲い掛かるアクメの放流に、意識ごと焼き切れてしまいそうだった。
快楽ですら今までの悍ましい性交渉とは比較にならない上、それ以上に凄まじかったのは多幸感の波だ。
快楽だけしかない偽りの女の幸せではなく、愛した男に愛されるという本物の絶頂と女の幸せに、望んでもいない男との性行の記憶すら溶かされていく。
何度も何度も絶頂と潮吹きを繰り返し、侵入してくる男性器に子宮口は熱い本気汁を引っ掛けながら迎え入れる。
「これで、奥までっ、と。流石に、全部は入らんか」
「は、反則、これはんそくぅ! いっかい、一回で、うぅ、奴隷、娼婦だったのに、女の子に戻っちゃってるぅ!」
「そりゃ、マズいか?」
「やだやだやだぁ! 虎太兄の女の子がいいもん! このまま、このままぁ! ゆきかぜのおまんこに、ほんものセックス教え込んでぇぇぇ!!」
「はいよ。分かりました、お姫様」
「んぶぅ……ちゅろ、んれぇ……、もっろ、唾のまへてぇ、ごくん、ゴキュ、ゴクゴク、んぇはぁああぁっ」
膣に飲み込まれたものは一切動かさず、口に溜めた唾液をゆきかぜの望むままに送り込む。
甘い蜜でも飲むように、いや、ゆきかぜにとってはこれ以上ない甘露を飲み下していく。
ゆきかぜは両手両脚を虎太郎の身体に巻き付け、自分へと引き寄せながら激しい口唇愛撫を繰り返した。
長い時間をかけて、互いの味を確かめ合うとゆきかぜは何とか落ち着きを取り戻す。
それでも瞳は愛情と欲情で濡れ、まだまだ足りないと虎太郎を求めていた。
「こ、虎太兄、ギュってしてぇ。そのまま、一緒にイこ? ね?」
「我が儘なお姫様だ。ま、昔からそうだったからな、お前。いいぞ、こうだけどな」
「きゃ、ふぅううんっ!!」
虎太郎はゆきかぜの背中に手を回すと、そのまま胡座をかいて対面座位へと移行する。
但し、ゆきかぜの子宮にも膣にも負担を掛けないように身体を支え、快楽だけを追求できるように細心の注意を払う。
愛する男の
「こ、こた……虎太兄、うぅ、ごめ、ごめん、ね、ひぐぅ、ごめん、なさい」
「何だ、どうした?」
何かを堪えるように顔をくしゃくしゃに歪めて泣きながら、ゆきかぜは震える声で必死に謝る。
「も、もう、がまん、できないよぉ……おしっこ、でちゃうぅ、もう、やだぁぁ、虎太兄、きらいに、ならないでぇ」
「我慢しなくていいぞ。全部見せてみろ。それにな、興奮するぞ。女が全部曝けだすなんぞ、オレのものにしてる気がして、なっ」
「あ、あっ――――――う、うぅ、うう゛ぅぅうぅぅっ」
例えようもなく優しく子宮を揺さぶられたゆきかぜは、それだけで尿道は決壊し、失禁アクメを披露する。
ゆきかぜは低く呻きながらも、徹底した羞恥と征服されている感覚に酔い痴れた。
二人の間でビチャビチャと垂れ流されるアンモニア臭漂う恥ずかしい液体に、かつてないほどゆきかぜは顔を赤くし、虎太郎は満足から笑みを浮かべる。
「ぜ、ぜんぶ、み、見せちゃった。うー、はうぅ!」
「何言ってる。これからはこれ以上も見せて貰うからな。……で、だ。そろそろ、満足できそうか?」
「う、うん。私の
「分かった。優しく、だな」
くつくつと笑いながら、虎太郎は今一度ゆきかぜと口付けを交わす。
抽送は行わず、亀頭に吸い付いて離さない子宮口をすりこぎで捏ね回すように刺激し、ゆっくりと官能を高めていった。
ゆきかぜはその度に全身に痙攣を走らせ、膣をきゅっきゅと締め付け、雄の象徴を射精へと導いていく。
我慢汁を子宮内に吐き出す度に膣は蠕動し、更に粘液を噴き出す。ぐるぐると高まっていく性感にゆきかぜは限界を迎え、虎太郎はそれに合わせる。
「い、イク、イクね虎太兄! 虎太兄専用の女の子になってイクから、女の子アクメ、下さいぃぃぃ!!」
「ああ、いいぞ。ゆきかぜ、イけ、っ」
「えっひぃぃいいいぃ! いっくぅぅううう、おまんこイクイクいくぅぅうううぅぅううっ!!」
子宮口に完全に押し付けられた肉棒は激しく脈打ちながら、大量の精液を吐き出した。
ゆきかぜは絶頂の衝撃を噛み締めると、虎太郎にすっぽりと抱きすくめられる形で自らもまた絡めた手足を引き締めて体温の交換をする。
「あァッ、イッてるぅ! 虎太兄の、女の子になりながら、イッて、るぅぅ、中出し、気持ちいいきもちいいキモチイイっ!!」
「こりゃ、っ、いいな」
ゆきかぜは無意識に擦り込まれていたはずの奴隷娼婦の技を、初めて意識的に男の精を絞り取るために使っていた。
虎太郎に固定された腰を、それでも必死にくねらせ、襞は蠕動を繰り返して子宮への吐精を肉棒に望む。
「うぅ、まだ出てる、ザーメン出てるぅ……おまんこも、子宮も熱いので、いっぱいなのにぃ……」
「まだまだ、でるよ、っとぉ」
「あひぃ! いっぱい、いっぱいだよぉ! はっひぃ、あっあっあぁぁああぁあ!!」
ゆきかぜは涙も涎も垂らしながら、射精に合わせて止めらないアクメを賞味する。
手足と腰は電流でも流したかのように激しい痙攣を見せ、それによって虎太郎の女になったと披露した。
「…………こらにぃ、わらし、ひあわへぇ♡」
ゆきかぜは生まれて初めて奴隷娼婦としてではなく、女としての絶頂を精一杯噛み締め、楽しみ、呂律の回らなくなった口調で愛した男に心境を伝えると、多幸感によってプツリと意識の糸を斬られるのだった。
―――――
――――
―――
――
―
「ん、みゅぅ……?」
ゆきかぜが失神から戻ってきたのは、どれほど時間が経ってからだろう。
瞳を上げ、べたつく汗を不快に思いながらも気怠い身体に従って、ぼうと天上を見上げる。
「あ、虎太兄っ!」
数瞬経っても愛しい温もりが感じられず、ゆきかぜは跳ね起きる。
周囲を見回すが、虎太郎は影も形もなかったものの、ベッドに残った温もりから今し方まで隣で寄り添ってくれたことを察した。
その時、シャワーの音が耳朶を叩き、ほっと息をつく。
あのまま何も言葉を交わさないままに別れてしまうのは、余りに寂しかった。
ゆきかぜは両脚を揃えて両腕で抱え、膝の上に頬を置く。
まずあったのはシャワーを誘ってくれてよかったのに、という小さな不満。そして、抱えきれないほどの幸せだった。
ほにゃり、とゆきかぜの顔が崩れる。念願叶った乙女の表情は、こんなものかもしれない。
一人で笑みを浮かべていると、ガラリとバスルームの扉が開く音がし、暫らくしてからズボンだけを穿いてタオルで頭を拭いている虎太郎が現れる。
「ああ、悪いな。先にシャワー浴びさせて――――なんだぁ、その顔?」
「ふふ、初恋が叶っちゃった女の子の顔ー」
「初恋が叶うねぇ……ほんとにこの状態が叶ってるって言えるか?」
「うん、叶っちゃってる。私がそう感じてるんだから、虎太兄だって口出し無用」
「なら、いいけどな」
世間一般では、叶ったとは言うまい。
誰であっても能力と性能でしか人を望まない男。そんな男が向ける愛など、せいぜいが道具に向ける愛と変わらない。
けれど、ゆきかぜにしてみれば、それは早合点だと言わざるを得ない。
虎太郎は受け取ったものをそのまま返す。ならば、男として愛するのなら、女として愛し返してくれるということでもある。
問題は、自分から動かなければ微動だにせず、その上、誰に対しても適用されてしまうというところだが、その全てをゆきかぜは愛していると断言できる。理屈も道理も関係ない、愛とはそういうものだ。
「ほら、こっちこい。愛してやる」
「何それ、くさいよ虎太兄――――あ」
「安心しろ、自覚はある」
そういうと、虎太郎はゆきかぜの頭を抱き寄せ、胸板へと押し当てる。
服の上からでは分からなかった厚い胸板と鍛え上げられた肉体に、普段見せている下忍としての表情以外にも顔があるのに気付きながらも、ゆきかぜは何も問わない。
今は、そんなことよりもこの温かみと静かな鼓動を感じていたかった。
「耐えられそうか?」
「うん。大丈夫、心配しないで」
「そうか。お前はオレを信じなくてもいいが、オレの誓いは信じてもいい」
「ううん、虎太兄のこと、全部ひっくるめて信じてるよ」
「――――チッ」
「そういうとこ、ほんとさいってー。そこで誓いだけ信じるって言ったら、見捨てる算段立てるつもりだったでしょ」
まあな、と悪びれる素振りもみせず、虎太郎は平然と告げる。
彼としては言い分が立つのだろう。誓いはあくまでも自分の受けたものを返すであって、誓いだけを信じるのであれば適用外だと言い張るつもりらしい。
思わずゆきかぜは苦笑する。そんなひっかけにかかる訳がない。長年、虎太郎のことを見続けてきたのだから。
「少し怖いけど、虎太兄がまた抱き締めてくれるなら、大丈夫だよ」
「そうか。物好きだな、お前は」
「虎太兄の女の子ですから」
ふんすと笑ってみせるゆきかぜであったが、虎太郎の観察眼はその身体が震えているのを見逃す筈もない。
どれだけ気丈に振る舞おうとも、どれだけ誇り高い対魔忍であろうとも、怖いものは怖い。泣きだせるものならば、今すぐにでも泣き出してしまいたいだろう。
それでも迷惑を掛けまいとするゆきかぜに、虎太郎は嘆息する。これでは勇気づけの一つでもくれてやらねば、男が廃るというものだ。
抱いていた頭の額に口をつける。額へのキスは祝福を意味していた。
額を両手で抑え、不思議そうに虎太郎の表情を眺めると、またしても表情を幸せそうに崩す。
「えへへ、今のキス、一番嬉しかったかも」
「こんなもんでよければ、いくらでも」
虎太郎はゆきかぜの震えが消失したことを確認すると、耳に頭、瞼、鼻、顔中のパーツに好き放題キスの雨を降らす。
この程度でゆきかぜの恐怖が軽減し、任務が速やかに進行するのであれば、安いものだ。
「もー、やめてってば。そんなちゅっちゅちゅっちゅ、しないでよ――――――――いい加減に、しなさいっ!」
「あれェ? 嫌だったか?」
「嫌とかそういうのじゃなくて、このままちゅっちゅされたら、またしてもらいごにょごにょ――――と、兎に角、もうおしまい!」
次第に萎んでいく声に続いて、ピシャリとした拒絶に虎太郎は肩を竦めるだけだった。
「それから、凜子先輩もちゃんと虎太兄の女の子にしてあげること!」
「お前、それでいいのか?」
「いいよ、っていうか虎太兄は女の子に愛されたら、否応なしに応えちゃうし。それに私のことが分かるなら、凜子先輩もどんな気持ちか分かるでしょ?」
「まあ、そりゃあ。ただ一つだけ聞きたい――――――お前等、揃いも揃って頭大丈夫か?」
「――ふんっ!!」
「ぶふぅ!? …………すまん、今のはオレがどう考えても悪いわ。ただな、どうしても疑問でな?」
思い切り張り手を頬に喰らうが文句は言わない。流石に虎太郎も今の発言には反省しているようだ。
客観的に見て、虎太郎はすき好んで惚れるような男ではない。それは彼自身も自覚がある。
多くの人間は共感を求め、広い世界の中で同じ意見の者を探している。その中で、ただ一人外れているのが虎太郎だ。
普段は上手く周囲を欺いており、自身も異常という自覚のある完全な異常者だ。ニーチェが提唱した精神的超人ですらない、精神的異形とでも呼べばよいのか。
自らの異常性に自覚がある彼にしてみれば、自分の何処がいいのか欠片も分からない。
「もう、本当に覚えてないんだ。はぁぁぁ、とんでもない人のこと好きになっちゃったなぁ」
「ん? それ、凜子にも言われたな」
「教えてあげませんー。私はもうヘソ曲げちゃったから。凜子先輩に聞いて。ほら、もう時間なんでしょ? 早く服着よ?」
「お、おぉう」
質問をはぐらかされ、仕方なしにベッドから立ち上がる。
そして、ヘソを曲げたという割りに、ゆきかぜはいやに献身的だ。脱いであったシャツを着せて、ネクタイまで締めている。
思いのほか慣れた手つきに虎太郎はふとした疑問を口にした。
「…………お前、ネクタイ締めるの練習したか?」
「う、バレたか。氷室さんが虎太兄のネクタイ締めてるの見て、羨ましくて凄く練習しました、はい」
「…………――――――健気か!」
「恋する乙女は健気で当たり前!」
照れ隠しなのか、ゆきかぜはきつめにネクタイを締め上げて、虎太郎に苦悶の呻きを上げさせると上着を着させる。一月前と何ら変わないやり取りだ。
「耐えられなくなったら監視カメラに何かサインを送れ、計画を早める」
「うん、分かった。虎太兄も、無理だけはしないで。死んじゃ、やだ」
「オレは“逃げの虎太郎”だ。自分が逃げるのも、誰かを逃がすのも、誰よりも得手な男さ――――なんてな」
ゆきかぜの頭を一撫でし、そんな冗談を口にする。
ゆきかぜもまた、それ以上を口にすることはない。精神的に言えば、これからの時は彼女の方が遥かに辛いというのに、気丈な少女だった。
小さく手を振る彼女の姿を眺めながら、扉を閉める。
そこで虎太郎は大きく息を吐いて扉に視線を向けた。
その瞳には、自分のような男に惚れてしまった少女に対する憐れみとも、厄介な少女に惚れられてしまった自分への哀れみとも取れる憂いの光が宿っていた。
「――――さて、と」
それきり、その光は消え失せ別の光が灯る。
何処までも深く、何処までも冷たく、何処までも残酷に、何処までも容赦なく、何処までも加減を知らない、忍の名の通り、心に潜ませた刃そのものの眼光だ。
虎太郎は気弱な