ん?
今コイツ何て言った?
「悪い、よく聞こえなかった」
すると女子生徒は蔑んだような表情で、
「どうやら男はいやらしい想像をしている間聴力を失ってしまうようね」
「・・・・・・。痴漢って俺のことか?」
「当たり前でしょ。アンタ、さっき超絶やらしいオーラを発してたわ。どうせあの綺麗な学校長の事でも考えてたんでしょ?」
どうやら俺が学校長とのムフフ(意味深)な妄想をしていた事がバレたようだ。こうなったらもう、開き直るしかない。
「わ、悪いかっ! 日本国憲法には『いやらしい妄想をしてはいけません』なんて事書いてなかったぞ?」
「はぁ。そこで開き直るのね・・・・・・」
「どうだ、俺は正しいだろう。グヘヘ」
「変態な自分を正当化するとか、恥ずかしくないの?」
うっ。
コイツの言葉、なんかグサグサ刺さってくるのだがそれって俺だけなのだろうか。とまあ、こんな感じで会話していたわけだが。そんな時。
突然、視界が揺らいだ。
地面が大きく揺れ、俺はバランスを崩し床に倒れた。ついていた電気は消えてあたりは暗闇に包まれる。これは地震だろうか。周りも大混乱で、怪我をした者、パニックに陥った者と様々だ。本来なら先生から何らかの指示があるべきだが、そのような指示が出る気配はない。
「ったく、先生たちは何やってんだよ・・・・・・」
すこしだけ慣れた夜目を凝らして周りを見渡すが、さっきまで入学式に参加していた教師は一人も見当たらない。
「あ、アンタ無事だったのね」
後ろから声をかけられ、びびって振り向くと、そこにはさっき俺を痴漢扱いした女子生徒が立っていた。
「こんな暗いのによく分かったな」
「こんなのすぐ慣れるでしょ。それより、これって地震なのかしら?」
「ああ、それ以外考えられないな」
そんな時、かすかに戦いの音が聞こえた。戦い――つまり魔法を使った戦闘。どうやらその音は女子生徒にも聞こえたようだ。
「何なのかしら、この音」
「見当もつかん」
「どうやら地震じゃなさそうね。どうする?」
「とりあえず、外に出よう。どうするかはその後考える」
「わかったわ。・・・・・・アンタ、痴漢のくせに意外と冷静なのね」
「まあな。経験だよ」
「経験?今までにもこんな経験したわけ?」
「・・・・・・いや、やっぱりなんでもない。気にすんな」
話を強引に打ち切り、俺は外に向かって走り出す。女子生徒も後についてくる。
ここで気づいた事がひとつ。外に近づくほど、強くなるにおいがあった。それは、どこかで嗅いだ覚えのある匂いだ。おそらくは、火薬だろう。小学生の頃に、爆竹でよく遊んでいたので火薬のにおいはよくわかる。
と、いうことは――
「おい、さっきの揺れ、爆発かもしれないぞ」
「ええ、そうね。火薬のようなにおいがするものね」
女子生徒も気づいたようだ。さすが俺を変態扱いするだけのことはある。
そのまま走ること一分。
ついに外に通じるドアにたどり着いた。俺は、女子生徒に念のため尋ねる。
「おい、外に出たらけっこう危ない目にあうかもしれない。それでもいいか?」
「構わないわ。アタシも何が起こっているのか知りたい」
「よっしゃ、じゃあ行くか・・・・・・!」
北朝鮮怖いですね。