幕愛の物語 【Fate/Grand order】 作:TDA
その少女、藤丸立香はこれまで多くの英霊と絆を結んできた。
男も、女も、どちらかよくわからない者も。
古代人も、未来人も、異世界人も。
聖人も、悪人も、人類を絶滅へと導こうとする巨悪すらも、彼女をマスターと認めるようになった。
しかしどうしても、打ち解けてくれない相手がいる。
「さーて、ほんとにこんなのでうまく行くのかな」
一人そう呟くと、彼女は姿見の前で服を脱ぎ始めた。
※ ※ ※
幼い頃から、立香は犬が好きだった。
それも大型なら大型なほどいい。
テレビか何かで、背中に子供を乗せた犬の映像を見た時は、あんな犬が欲しいと両親にねだって何日も駄々をこねた。
結局、そういう大型犬は庶民では飼えないと諭され、枕を涙で濡らした。
成長した今でも、将来の夢は「アイリッシュ・ウルフハウンドが飼えるような大きな家に住むこと」である。
亜種特異点・新宿でアヴェンジャー(最初はライダーのクラスだったが)と出会った時、実は密かに、恐怖よりも魅力を感じていた。
甲冑を着込んだ成人男性を乗せて軽々と走り回るその大きさ、俊敏さ。
街頭に照らされて鈍く光り、風になびいて波打つ銀色の毛並み。
復讐に猛り狂いながらなお知性の輝きを宿す瞳。
一目見て立香は、心臓を鷲掴みにされてしまったのだ。
新宿の件が一段落してから、彼女は早速サーヴァント召喚を行った。
黒鍵やらヒゲのおじさんのポートレートやらをダヴィンチに投げつけて緑色のキューブに変えたりしつつも、ついに新宿のアヴェンジャー召喚に成功。
これで抱きついてモフモフするのも、背中にまたがってサンタオルタとレースをするのも、お腹を枕にして一緒に寝るのも自由!
――という期待は当て外れとなった。
とりあえず種火や修練周回に連れ回し、海賊狩りで英雄の証を集める時にも、マリアナ海溝の底で痴女と一緒に痴女を倒した時も共に戦った。
最初は威嚇のうなり声ばかりだったアヴェンジャーは、次第にこちらに心を許すようになってくれた。
ほんの時たまではあるが、笑顔を見てくれることもある。
しかし……それはなんというか、職場で同僚として一緒に仕事をする程度の関係とでも言おうか。
特に用が無い時にはさっさと帰ってしまう。抱きついたり構おうとしたりすると、避けたり押しのけたりされる。
プライベートまでは付き合ってくれないのだ。
それでも、もっと親密な仲になりたいと彼女は思い、何人かに相談してみたりした。
新宿のサーヴァント同士縁のあるモリアーティは、今の段階ですでにありえないほど親密だと言った。そもそも本来、相互理解不能なのが新宿のアヴェンジャーなのだと。
動物会話で仲をとりもってくれないかと頼んだ金時は、意外にも首を左右に振った。種族が違うのだからわかりあえないことだってあると、遠い目を(サングラスで隠れているので推測)しながら語った。
同じく動物と意思疎通できるエルキドゥは、種族を超えた友情を得るには、お互いが財や肉体を消耗し尽くすまで戦えば良いと教えてくれた。外見や物腰のたおやかさに反して、言うことが物騒だ。なんにせよ、一般人の立香にはあまり参考にならない回答だった。
最後の頼みの綱は
「狼……それはローマである」
お前はなんでもかんでもローマだな、と思ってはいけない。
ロムルスは幼子の時、狼の乳を飲んで育ったという伝説がある。
いわば狼を家族としていた時期があるのだから、何か有用な意見が得られるかもしれないと、立香は辛抱強く次の言葉を待つ。
「
会話ウインドウがなかったら意思疎通を諦めていたところだ、と思いながら、立香は頷いた。
「かの狼王は人を憎みきっている。それぞれが狼であり、人である限り、真に分かり合うのは無理であろう。しかし狼がお前の姿に獣を見出せばあるいは……」
「私の姿に獣を見出す?」
「うむ、狼王は嗅覚を失っているがゆえに、視覚から入るのがよかろう。それはさぞ
※ ※ ※
いったんマイルームに戻った立香は、ロムルスの言葉を何度も繰り返し考えてみた。
「獣……私が獣の姿になる……? 獣の姿……獣…………つまりビースト……デンジャラス・ビースト……これが答えだというの、ロムルス……」
早速、立香はマシュの部屋を訪ねて、例の衣装をまだ持っているかどうか聞いた。
マシュは顔を真っ赤にして、手を左右に振った。
「ああああれはお祭りの雰囲気で浮かれて頭がおかしくなっていたというかいえでもどうしてもというなら先輩の前でだけならもう一度着ることも嫌ではないというか」
宥めるのに十分ほどかかったが、どうやらエリザベート(キャスター)のところに預けてあるらしい。
というわけでハロエリの部屋に行き、「ニトクリスの高速神言がチート過ぎる。あいつが来て以来、明らかに出番が減った。キャラがかぶっているというより星4全体攻撃宝具キャスターとしてかぶっているし」という愚痴に「でもほら、エリちゃんはスター供給がスゴイから」と適当に慰めつつ衣装をゲットする。
そのままではサイズが合わないので、ヴラド(バーサーカー)に仕立て直しを頼むとすぐにやってくれた。
とても狂化がかかっているとは思えないほど快く応じてくれたが、中高年の男性がこんな衣装を手慣れた様子で扱うこと自体、ちょっと狂っているといえるかもしれない。
そんなこんなで、話は冒頭に戻る。
※ ※ ※
カルデア制服を脱いで、立香はその伸びやかな肢体を外気にさらす。
日本人女性としては、やや長身で、均整がとれた体つきだ。
カルデアに入った当初より、若干筋肉がついたか。あれだけの冒険・戦闘を重ねれば無理もない。サーヴァント筋肉勢の訓練を受けていることであるし。
半分は単なる紐という、オオカミ少女の仮装衣装を手にとり、身につけていく。
「あ、あれ? もしかして、マシュってば私より胸大きい……?」
胸当ての位置が微妙にズレて、今ひとつ収まりが悪い。
立香も決して胸が小さいといわけではないのだが、とにかく彼女は小さな布地と紐で構成された衣装を体に合わせようと悪戦苦闘した。
「まああの時、マシュはちょっと太ってたからね」
本人が聞いていたら新撰組隊士のように吐血していたであろう無慈悲な独り言を呟きながら、透明人間と格闘するように着衣を試みること十数分。
ようやく、辛うじて、形にはなった。
油断するとすぐ、ピンク色の乳輪が見えてしまいそうなので、マイルームから外に出たら大変なことになってしまう。
というか、全て身につけてみて改めて気づいたのは、仕立直しが実はうまく行ってないということだ。
縦はともかく横のサイズが合っていない。男性であるヴラド公はそこまで気が回らなかったということか。
「よく考えたらマタハリあたりに頼むのが筋だったんじゃ」
なぜドスケベ衣装→ヴラドとなったのか。それは世界を超え次元を超えた大いなる集合意思っぽいなんかの影響だが立香には知る由もない。
とその時、ドアのチャイムが鳴った。
モニターでチェックすると、呼び出しておいたアヴェンジャーが来ている。
頼んだ通り、ヘシアンはいないようだった。
透明人間は、名前の通り見えないが、魔力の感じからしていないはずである。
立香は最後の仕上げとして、狼耳のカチューシャをつけて、ドアを開いた。
「い、いらっしゃいアヴェンジャー。わざわざ呼びつけてごめんね」
のっそりと入室してくるアヴェンジャー。
立香を見る目が、どことなく胡乱なものを見る目つきである。
「あ、あのね。私、アヴェンジャーともっと仲良くなりたいなって思って。この格好、どうかな、えへへへ……」
低く唸りながら、アヴェンジャーはゆっくりと立香の周囲を回っっている。
ここに至って、立香は狼女の仮装をすることがアヴェンジャーの機嫌を損ねる可能性について思い至った。
侮辱していると取られたらどうしようか。
焦った立香は、立ったままでいるのは違うのではと思い、四つん這いになってみる。
「ほらほら、私も狼だよー。わおーん!」
アヴェンジャーの反応は、特に無し。
表情の読めない獣の目でじっと見つめられて、立香の全身に汗が滲む。
「あの、アヴェンジャー? 怒ってる? 私ね、アヴェンジャーとほんとに仲良くなりたいんだよ。マスターとサーヴァントってだけじゃなくて、友達みたいに、家族みたいになりたいの。だから、きゃあっ」
突然、アヴェンジャーは立香に突進した。
鼻面が首の下に突っ込まれ、ぐいと上に跳ね上げられる。
為す術もなく、立香は四つん這いから縦に反転して仰向けになった。
「あ、アヴェンジャー!? なにを……」
大勢を立て直す暇もなく、アヴェンジャが覆いかぶさってくる。
立香の顔の真上で、大きな口がかっと開かれた。
真っ赤な口腔内に、一本一本が人間の親指ほどもある鋭い牙が並んでいる。
常人ならば、凶器そのものの歯列を見て震え上がるか、自分の最期を悟って覚悟を決めるかしただろう。
しかし立香は、容易く己の命を奪いうる獣の歯列を美しいと思った。格好いいと見とれた。
そして次の瞬間、アヴェンジャーの舌がぺろりと立香の顔を舐めた。
「あっ……」
二度、三度と、手のひらほどもある大きく柔らかい舌が、立香の顔を舐める。
「あはっ、あははっ、くすぐったいよアヴェンジャー」
ペロリペロリと頬や顎、首を舐める狼。
立香がなすがままになっていると、徐々に舌が下がってくる。
綺麗なラインを引く鎖骨や、鳩尾を舐められて、立香はくすぐったさに身体をくねくねと波打たせる。
「やんっ、もうアヴェンジャーったら……あっ」
気がつくと、乳房が両方とも丸出しになっていた。
元から身体に合わず、引っかかっているだけ、という状態だったせいで、少し暴れだだけでそうなってしまったのだ。
反射的に胸を隠す立香だったが、すぐに両手を外側に投げ出した。
「まあいいかぁ。だって私、狼女だもんね。狼だったら服着てないのが当たり前だし……」
巨乳というほどでもないが、立香の胸は女性的な豊かさにおいては必要充分なサイズだ。
若々しい張りがあって、仰向けでも重力に抗って、乳首がツンと天を向いている。
その柔らかい膨らみを、アヴェンジャーが下からすくい上げるように舐める。
「ひゃあんっ! あっ、あんっ、あっ、んあっ、あ……!」
立香の反応が気に入ったのか、アヴェンジャーは2つの膨らみを重点的に舐め回した。
柔らかい舌で何度もねぶり回されるのは、立香にとってこれまでに経験したことのない独特の感触で、嬌声を抑えられない。
「んあっ、あっ、そんな、おっぱいばっかり舐められたらっ……! あっ、へ、変な気持ちなっちゃうよぉ……!」
何度も舌で愛撫されるうちに、頂点の赤色が濃くなり、ピンと固く尖ってしまう。
その部分を舌先でつんつんと突いたり、乳輪の部分をくるくると舐め回したりと、アヴェンジャーの舌使いは人間並みに器用だった。
立香が感じる様を見て、明らかに彼女を快楽に導こうしている愛撫だった。
「んんんっ、あっ、アヴェンジャー……も、もう駄目っ、乳首、そんなにっ、あっ、刺激、されたら……んあっ、あああっ!」
熱い吐息と共に、切ない声を上げる立香。
ひとしきり乳房を舐め回された結果、立香の胸は狼の唾液でべとべとだ。
その胸が、激しく高鳴る。呼吸に合わせ、大きく上下する。
頭の中に桃色の霞がかかったようで、立香はなにも出来ず、アヴェンジャーの為すがままになっていた。
続いて、アヴェンジャーはそろそろと後ろへ下がる。
次の攻撃目標は、ヘソだった。
縦に伸びた形の良いヘソをほじるように舌先で責め立てる。
「ふあぁぁ!? やぁっ、そこっ、そこはダメっ、ひっ、あっ、変な感じになっちゃう!」
先程とはうってかわって、足をばたつかせながらアヴェンジャーの顔を押しのけようとする立香。
ヘソは敏感だが少し違うらしい、と悟ったのか、アヴェンジャーは次の段階に移った。
立香が快感に身をよじったり、未知の感覚に暴れたりしたせいで、元から緩かったボトム部分は半分以上外れかけていた。
アヴェンジャーが鼻先でひょいと振り払っただけで、立香の秘所があらわになってしまう。
これまでの前戯で、立香の女性器はすでに濡れている。
その場所を、アヴェンジャーがくんくんと嗅ぐので、立香は恥ずかしさに顔を覆った。
「ううう……わ、私は狼だから……アニマルだから恥ずかしくないし、裸が当たり前だし……」
自分に言い聞かせるように独り言を言っている。
アヴェンジャーの身体が邪魔をして、今更脚を閉じることもできない。
アヴェンジャーの愛撫が再開される。
「んんっ、あっ、ふ、ああっ……あっ、そこぉ……」
陰唇を中心に、クリトリスや会陰部まで、狼の舌が縱橫に這い回った。
アヴェンジャーの舌が動くたびに、立香の腰が感電したように跳ね上がる。
最初は恥じらっていたのが、だんだんとそんな余裕が無くなってくる。
顔を覆っていた腕が左右に投げ出されて、よがり声が大きくなっていく。
「あっ、気持ちいい……気持ちいいよ、アヴェンジャー……あっ、んっ、んんんっ……」
とうとう、立香は快感を素直に認めて、口に出すようになってしまった。
「そこ……そこ、もっとして欲しい……んんっ、あっ、気持ちいいっ、アベンジャーっ、もっと気持ちよくしてっ! あっ、あっ、いいっ、いいよぉ……!」
今や立香は脚を閉じるどころか自分から開脚し、アヴェンジャーの口に押し付けるように、腰を浮かせていた。
もはや、自分が動物に性器を舐められていることへの抵抗感は吹き飛んでいる。
アヴェンジャーも、甘い声を出す立香の求めに応じて、舌の動きに熱が入るようになっていく。
「あっ、あっ、中にっ、中に舌がぁ……そんな風にされたらっ、んああっ、イっちゃう……イっちゃう……!」
立香の秘唇は、これまでの行為ですでに綻んでいたが、そこをこじ開けるように舌が差し込まれた。
立香の背が弓なりに反り、激しい快楽の予感に一層声が大きくなる。
「あああっ、イクっ、イクぅぅぅぅっ!」
立香の下半身が痙攣する。指先が床を掻きむしる。
陰部から潮が吹き出し、狼の顔にかかるほどだった。
「はぁっ、はぁっ……あ、アヴェンジャー……」
今までの中で、一番激しい絶頂だった。
立香は全身に残る激しい快楽の余韻に浸りながら、うっとりとした目で狼を見る。
気だるさを堪えながら身体を起こして両手を広げ、狼の首にまわして、抱きついた。
アヴェンジャーはその行動を嫌がらずに受け入れる。
相手の口元に頬を擦り寄せながら、立香は夢見心地といった様子で言う。
「すごく……すごく気持ちよかった……好き、アヴェンジャー……んん……」
感極まった立香は、アヴェンジャーの口元にキスした。
アヴェンジャーもお返しとばかりに、立花の顔をペロリと舐める。
さらに立香は自分も舌を突き出して、狼の舌を舐める。
「んんっ、んっ、れろ……ちゅっ、ちゅっ……」
夢中で、狼とのディープキスをする立香。
舌と舌を重ねてすり合わせたり、吸い付いて甘噛みしたり。
立香は自分が、心から狼になりきってしまったと思った。
アヴェンジャーの首に抱きついて、銀色の毛皮を撫でさすりするうち、立香は相手の股間が目に入った。
肉の鞘から、真っ赤な肉棒が伸びている。
人間のそれとは形状が違うが、見間違えるはずもない。
「アヴェンジャー……オチンチン、大きくなってるね。私で興奮してくれたの? 嬉しい……私を、メスとして見てくれてるんだね」
自分を人間の女ではなく、仲間として扱ってくれているとわかって、立香の胸に喜びが溢れる。
立花は四つん這いでアヴェンジャーの後ろ足までにじり進むと、そっと勃起したペニスに手を伸ばした。
「ねえ、触ってもいいかな? 私もアヴェンジャーのこと、気持ちよくしたいよ」
アヴェンジャーは無言で立香を見つめている。
恐る恐る、立香は肉棒に触れた。
巨大な体躯に比例するように、アヴェンジャーの肉棒も大きかった。
いや、大きいというより、長い。人間のものに比べて細く長く、槍のような形状。
立香も年頃の若い女性なので、こういうことに多少の知識はある。
あとは流れと本能でなんとかなると、ペニスを握った。
「…………」
アヴェンジャーは無言だが、嫌そうにはしていない。
立香はペニスを握った手を、前後に動かし、しごいてみる。
力加減がよくわからないので、生卵を掴むように優しく。
「どう、アヴェンジャー。気持ちいい? 痛い? もっと強く握った方がいいのかな」
最後の質問で、ウォンと吠えた。
立香は一つ頷くと、握力を少しずつ強めていく。
「どう、これぐらい? もっと強くしてもいい?
相手が拒否する様子をみせないので、立香はやや強めに握ってしごく。
アヴェンジャーの目が細まるのを、立香は見逃さなかった。
「ふふ、これぐらいがいいんだね。もっとしてあげるね」
自分がさっき与えられた快楽をお返しできているとわかって、立香ははしゃいだ笑みを浮かべる。
単にペニスを刺激するだけでなく、弱い部分を探してそこを重点的に責めたり、時には陰嚢の方にまで手を伸ばしたりした。
立香が左手で袋を包み込み、ゆっくりと揉みしだくと、アヴェンジャーは気持ちよさそうに尻尾を振って、性の快感を味わっているようだ。
オスの急所中の急所を相手に預けているのは、立香を全面的に信頼している証拠でもある。
そんなアヴェンジャーの姿を見て、立香はますます相手に奉仕してあげたくなった。
「お口でも、してあげるね。んっ、ちゅっ……」
狼のペニスを口にすることに、不思議と抵抗感は無かった。
なにしろ、さっきまでアヴェンジャーの方が彼女の陰部を舐めてくれていたのだし、そもそも今の立香は狼女なのだから、これはごく当然のことだ、と自然に思えた。
「んっ、れろ、れろ……ちゅっ、ちゅぷっ……気持ちいい? 私、うまくできてるかな、ちゅっ、れろ……」
狼のものはもちろん、人間のペニスをフェラした経験も無いので、立香は少し不安になる。
なんとか断片的な知識を総動員して、献身的なまでに熱心な口唇奉仕を続けた。
すると、アヴェンジャーはその場にどさりと横に倒れた。
ああそうか、と立香はすぐに相手の意図を察した。
今まで少々無理な体制でフェラをしていたのが、これで立香も寝転がって奉仕することができる。
言葉は交わせないが行動で示すアヴェンジャーの姿に、寡黙だが頼りがいのある男らしさを感じてしまい、立香は胸が高鳴るのを感じた。
自分もまた、アヴェンジャーのことを異性として意識しはじめているのかもしれないと、思った。
横向きに寝そべって、アヴェンジャーの股間に顔を寄せて、フェラを再開する。
もっと獣臭がするのではないかと思っていたのだが、そうでもない。
獣の臭いは確かにあるが、不快ではなかった。
むしろ自分にもこの匂いを付けてほしい、マーキングして欲しいとすら思いながら、ペニスを口に含む。
「んんっ、んむっ、ちゅ……れろ……ちゅぷっ、ちゅくっ……んっ、うっぐっ……!」
長く先端の尖ったペニスが喉に当たって、立香はえづく。
涙が目の端から溢れてしまうが、それでも肉棒をしゃぶるのをやめない。
一方、アヴェンジャーもまた、そんな立香の股間に顔を寄せ、クンニを始める。
人と狼のシックスナインが出来、淫猥な水音が室内に静かに響き続ける。
しばらくして、アヴェンジャーが立ち上がった。
それまで快楽に蕩けながらペニスをしゃぶっていた立香は、口からペニスが抜け出るのをぼんやりと見送る。
「アヴェンジャー?」
アヴェンジャーはその場で180度方向転換すると、前足でぐっと立香の肩を押して、彼女をうつ伏せにした。
そして、その上から覆いかぶさるように移動する。
「あっ、これって……!」
太ももにひたりと肉棒が接触する感触を覚え、立香はようやく、アヴェンジャーの意図に気がついた。
「そ、そうだよね。こうなるよね。い、いいよ。私、アヴェンジャーとだったら交尾してもいい……家族になりたいって言ったのは私だもの。家族になるって、そういうことだもんね」
獣とセックスすることへの背徳感はあれど、嫌悪感は無かった。
緊張と、興奮に頬を赤く染めながら、立香は相手が挿入し易いように、自分から脚を開いて、腰を上げる。
愛液と唾液で充分に濡れていた立香の秘裂は、容易く狼の肉棒を受け入れた。
「んあっ、あっ、あああああっっ!」
人間のものと違って先端から根本までほぼ太さが変わらないため、抵抗なくずるずると入ってしまう。
膣奥をいきなりぐいと突き上げられて、立香は目と口を大きく開いて悶絶する。
「あぐぅぅぅっ! オ、オチンチンが……オチンチンが一番深い場所に刺さってるぅぅっ! んああっ、あっ、あああああっ!」
その状態から、狼はさらに腰を前後に振り始めた。
固く勃起したペニスの先端が、何度も何度も立香の一番深い場所に打ち付けられる。
「あぐっ、ああっ、ひっ、そ、そんなことされたらっ、うぐっ、お、おヘソの奥まで届いてるみたいっ……! ふぐぅぅっ、くっ、おぅっ、んおおおおぉ……!」
立香の口から、唾液と共に低いよがり声が溢れ出る。
うら若い乙女のものとは思えない獣のような声。
舌を出して短い呼吸を繰り返す姿といい、彼女の姿はまるで雌犬だった。
接合部からは愛液が滲み出て、太ももにまで流れていく。
彼女の女性器は、完全に狼のペニスを受け入れていた。
と、アヴェンジャーの腰の動きが止まった。
「はぁ……はぁ……え……なんで止め……あっ、あがっ!? うそ……ああああっ! 大っきくなって、ひぃぃぃぃっ!?」
立香が背を弓なりにそらして叫んだ。
狼の交尾は犬とほぼ同じで、雄は男性器を挿入した後、根本がコブ状に膨らんで抜けないようになる。
立香もそのことを聞きかじってはいたが、自分の身に起こってようやく思い出した。
「うぐっ……あっ……くっ、さ、裂けちゃ……んんんっ……!」
膣穴が限界近くまで拡張される苦しみに、立香は耐える。
額に脂汗が浮かぶが、拳を握りしめ、歯を噛み締めて苦痛の声が出ないように押さえ込んだ。
あまり辛そうなそぶりを見せると、アヴェンジャーがやめてしまうかもしれないと思ったのだ。
「大丈夫……んんっ……だ、大丈夫だよアヴェンジャー……だから、最後までして、ね……交尾……最後までしてほしい……私、メスだから……アヴェンジャーの精液、雌狼の私に種付けしてほしい……」
目元に涙を浮かべながらも、立香は首を捻ってアヴェンジャーの顔を見て、気丈に微笑んで見せる。
アヴェンジャーのその様子を見て、ぐいと腰を突きこんだ。
「はぐぅっ?! あっ、あっ、出てる……! 精液出てる……っ! んああっ、あーっ!」
一番深い場所まで挿入された状態で、狼の射精が始まった。
人間のそれと違って、一気に放出されるのではなく、長時間かけてゆっくり放たれる。
「んんっ、んっ、ああ……わかるよ……アヴェンジャーの精液、私のお腹に……赤ちゃんのお部屋に流れこんでる……嬉しいよアヴェンジャー……あっ、んああっ……!」
膨張した肉棒の圧力にも慣れ始め、立香の声がどんどん甘く切なくなっていく。
アヴェンジャーと一つに繋がった喜びが、そのまま快感へと変じていくようだった。
「あがっ、あっ、す、すごいぃ……あうっ、アヴェンジャーの……んおおっ、オチンチン……っ、わ、私っ……好きになっちゃうっ……! んぐっ、狼のオチンチン大好きになっちゃうっ……!」
長い射精によって子宮にどんどん熱い精液が溜まっていく感覚すら、立香には快感となっていた。
これほど完全にメスの獣として扱われてしまっては、もう人間のペニスでは満足できないかもしれない、とすら思った。
アヴェンジャーが再び腰を動かし始める。立香もそれに合わせて、腰を使い出した。
射精されながらのピストンという二重の刺激に、彼女は止めどなく絶頂へと駆け上がっていく。
「あっ、んあっ、ああっ、もうイっちゃう……アヴェンジャーの、狼のオチンチンでイっちゃうっ! あっ、ああっ、イクっ、イクっ、んああああああーっ!!」
手足をぶるぶると震わせながら、立香は一際大きなよがり声と共にアクメを迎える。
絶頂に伴って膣が締まるのが良かったのか、アヴェンジャーもまた一声吠えた。
「はぁ……はぁ……はぁ……んん……あ……気持ちよかった……幸せだよ、アヴェンジャー……」
官能的な吐息を漏らす立香の肩にアヴェンジャーの前足がかかり、ごろんと彼女の身体を半回転させる。
「ふあああああ!?」
膣内にみっちりとコブが詰まった状態で身体を表に返され、立香は悲鳴とも嬌声ともつかぬ声をあげる。
イったばかりで感じやすくなっているところにそんな刺激が加わって、彼女はもう一度小さく絶頂を迎え、股間から潮まで吹き出してしまった。
後背位から正常位の形になった立香の顔を、アヴェンジャーがペロリと舐める。
「んん……アヴェンジャー……人間のやり方でも愛してくれるの……? んっ、ちゅっ……」
絶頂の余韻で力の入らない腕をなんとか動かして、立香はアヴェンジャーの首を抱き、その舌に口づけした。
狼の交尾は長く、まだ終わらない。
立香とアヴェンジャーは繋がったまま、上下の粘膜の接触を楽しみ続けた。
※ ※ ※
レイシフト先は、なるべく人工物が無い場所とお願いした。
当時の地図・資料など、どうやって調べたのかわからないが、スタッフは立香たちの要望に最大限応えてくれたようだ。
見渡す限り目に入るのは、丈の低い草の生えた荒野、丘、まばらな立木、緩やかな崖、そして吸い込まれそうなほど高く蒼い空。
あの忌まわしくも荘厳な光帯はすでに無く、空を横切るのは連れ立って飛ぶ2羽の鳥だけだった。
第五の特異点・アメリカ。ニューメキシコ州カランポー渓谷。
ヘシアンも透明人間も連れてきていない。
立香とアヴェンジャーは、同時に深呼吸した。
草の匂い、木の匂い、虫の匂い、土の匂い……まだ人類文明に蹂躙される前の、大自然の香が鼻孔を抜けて肺に届く。
アヴェンジャーは目を細めて虚空を見つめ、偉大な彫像のように立ち尽くしている。
嗅覚を失ってなお、故郷の空気が狼の心を震わせるのだろうか。
やがて、アヴェンジャーはその場に伏せた。
じっと立香の顔を見ている。
「いいの?」
言葉を交わさなくとも、相手の意思がはっきりと立香にはわかった。
「■■■■■■ーッ!」
一声、高らかに吠えるアヴェンジャー。
立香はその声に応えて、アヴェンジャーの背中にまたがった。
アヴェンジャーが立ち上がる。
立香の視界が1メートル以上高くなり、アメリカの大地がさらに遠方まで見渡せる。
静かに、アヴェンジャーは歩き始めた。
徐々に速度を増していく。
分厚い毛皮の下で、強靭な野生の筋肉がうねるのが、足腰を通じてわかる。
同時に、振り落とされることがないよう注意が払われているのもわかった。
「あはっ、あははははっ!」
思わず、立香の口から笑い声が漏れた。
遠い昔の幼い夢が叶ったのだ。
無限に続いているようにすら見える広大な平原を、少女を背に乗せたロボはどこまでも駆けていく。
了