深夜の執務官犬散歩
じゃらじゃらと鈍い音が鳴る、金属の触れ合う音だ。
夜更けともなれば人通りも少なく、薄汚れた路地裏は月下に伸びる人影が二つあるのみだった。
人影、とは言うが、しかし一方は四足獣の如く、四足歩きだった。
上腕まで伸びた革手袋、膝上まである皮ブーツのお陰でアスファルトの上でも平気らしい。
いや、もちろん体重をかけて四つん這いで歩くのは、多少痛い。
それが余計に、気持ちが良いのだろう。
「ふぅ……うぅう」
紅い双眸を涙で潤ませたブロンドの美女は、声にならぬ喘ぎを零す。
恥ずかしそうに身をよじるものの、隠すものは何もない。
豊満な肉体に張り付いた黒いレザーのボンテージは、くびれた腰を締めあげ、乳房を強調し、その黒光りした艶で白い肌を引き立てる。
一歩ずつ進む度、重力に従って垂れた巨乳が揺れ、股間で反り返る肉棒が戦慄いた。
絶世の美女は、両性具有だった。
誰が知ろう、このあられもない、変態的な様を晒す女性が……管理局の執務官だなどと。
「フェイトちゃん、早くしないと見つかっちゃうよ」
鎖を端を持つ女性が、蔑みと喜悦と、嘲笑を混ぜた笑顔で言う。
その声音が優しく甘い響きである事が余計に彼女の嗜虐性を表していた。
高町なのは、管理局教導隊に所属する教導官、極めて上位のSランク級魔導師。
だが今はそんな日々の責務を離れ、一人の女として、堕落の喜悦を味わう身だ。
普段着のなのははもじもじともどかしそうに太腿をすりあわせ、火照った吐息を零す。
見れば、彼女もまた、服の前を突っ張らせていた。
なのはもフェイトも、女同士の愛の果てに、体をふたなり化していた。
鎖を持ち、フェイトに辱めを加える興奮に熱くなるなのは。
フェイトはフェイトで、なのはに苛められるのに内心ゾクゾクする。
それでも、顔を真っ赤にして上目遣いに哀願の声を絞り出した。
「なのは……も、もうやめない? こわいよ……ほんとに、見つかっちゃう」
乳房も肉茎も丸出しで、ボンテージに首輪、鎖という見事なマゾ雌コスチュームのフェイトは、恥ずかしさあまり死んでしまいそうだった。
いつ誰が通るとも知れない屋外で、こんな格好をするとは。
しかしなのはは知っている、フェイトはそういう方が……興奮する。
こんな言葉は形骸化した反応に過ぎなかった。
「フェイトちゃんが早く歩けば済む話だよ? ほら、早く早く!」
「ひゃ……きゃあ!」
ぐいぐいと引っ張られ、フェイトは四つん這いのまま無理やり連れて行かれる。
立って歩く事は許されない、二人の関係性は絶対的だった、フェイトは涙目でよろよろと歩く。
目も眩む羞恥心の中、次第に呼吸が荒く、吐息は甘くなっていく。
明滅して照らす古い電灯と、薄汚れたアスファルト、それを五感で捉えると、自分が本当に屋外で変態行為をしているというのが分かる。
ゾクゾクする……
「あはッ♪ フェイトちゃん、おつゆとお汁垂れてるよ? やっぱりマゾだね、ほんと、筋金入りのマゾ。ふふッ♡」
「え、うそ……やだッ」
言われて初めて気付いた。
街頭の光に身を晒し、風を浴びる柔肌の、ぬめりと冷やかさ。
太腿の内側を垂れる愛液、そして、勃起して下腹に反り返る亀頭から滴る、我慢汁。
なのはの言葉責めの刃に一層と体が熱くなり、溢れる汁気の量は増すばかりだ。
「フェイトちゃん」
そんなフェイトに、なのはの冷ややかな声。
さながら氷のような声音だった、優しげな笑みの奥に潜む鬼気に、フェイトの肌が粟立つ。
「ワンちゃんらしく、ワンって言わないと」
「あ、え……」
じっと見下ろす眼光。
冷たく、鋭く、ゾクゾクとフェイトの背筋をくすぐる嗜虐の気配。
「わ、わん……わんッ」
うっとり涙を流しながら、フェイトは気づけば口にしていた。
すっかり秘所は濡れそぼり、湯気が立ちそうなほど茹だっている。
膣も陰茎も燃えたように滾っていた。
なのはもなのはで興奮をより高め、息を荒くし、スカートの前を突っ張らせる。
二人はそのまま早足で目的の場所に向かった。
公園だ。
当たり前だが深夜ともなれば人気はなく、ましてや郊外の寂れた場所に訪れる者はまずいない。
情事を重ねるには十二分。
下調べして事前にチェックしていた目的地、公園内のある場所に、なのはは向かう。
そこはトイレだった。
薄汚い、不衛生な、寂れた空間、まさにおあつらえ向きだった。
なのははわざわざその中の、男性用の方へと足を踏み入れた。
一瞬躊躇したフェイトだが、拒絶できる権利はない。
それに……胸の鼓動は早鐘を打って興奮に身が滾る。
ふうふうと息を切らしながら、男子トイレに入るフェイト、彼女もこんなところに来るのは初めてだった。
三つほど並ぶ小便器からはつんとアンモニアの匂いが漂う。
なのははその前にフェイトを引っ立てると、命令を下す。
「ほら、ちんちんして」
「ん、ぅえ?」
「ちんちん、しなさい」
「……わ、わん」
こくこくと頷き、フェイトは顔を真っ赤にして小便器の前で両脚を広げ、言われた通りのポーズを取った。
丸めた手を掲げ、がに股開きになって、股間の隆々とそびえる肉棒は下腹にまで反り返る。
なのはは顔を崩して一層と嗜虐的に笑った。
「あはは! そんな格好しておっきくなったおちんちん揺らして、まだ勃起してるんだ。ほんとヘンタイさんだね、ヘンタイわんちゃん……かわいい、ふふ♡」
「わん、わん……わふぅう!」
裏返った雌犬の声が、湿った壁に反響する。
なのははフェイトの背後を取ると、そのたおやかな肢体にぬるりと指を這わせた。
豊かに揺れる胸を揉みしだき、尖った乳首を捏ね回す。
そして何より重点的に、反り返った剛直を扱き立てた。
かなり力を込めて握りしめているのか痛いくらいの摩擦での手コキ責め。
だがそれでもフェイトは感じる。
だらだらと溢れた我慢汁は止まらず、淫らな水音を奏でる。
「ほぉら、おちんちんを便器に向けて、狙いを定めて。ん? そろそろイクでしょ? 私の手の中で硬いチンポびくびく震えて、大きくなって、分かるよ? 今までいっぱい出させてあげてきたもんね、さあ……出しちゃえ♡」
ぎゅう、と強く乳首を抓りながら、なのはの容赦ない指の捻りが肉棒を、特に敏感なカリのあたりを擦り上げた。
まだ初めてほんの数分だったというのに、巧みな手管はあっという間に絶頂へと彼女を導く。
フェイトは便器めがけて黄濁としたほどの凄まじい量の精液を剛直からひり出した。
「わ、ワン! わんわん、わん、ふぅ……わふう!」
それでもまだ犬の鳴き真似を続け、歪んだ倒錯的快楽に溺れるフェイト。
射精はたっぷり一分は続いた。
何度も痙攣しては便器を濡らす精液、つんと漂う青臭い香り。
なのはは鼻を鳴らしてその匂いを満喫しながら、指にへばりついた精液を舐めとる。
「濃くって美味しい。凄い量だね、おしっこ代わりに便器をザーメン漬けにした気分はどう? かわいいよ、フェイトちゃん」
「わん……わん」
「まだワンコのまま、偉いね。じゃあ、今度はこっち来て、ほら」
「わんぅ」
鎖を引き、なのははフェイトの肉体を個室に押しこむ。
便座カバーを下ろした便器に手を突かせれば、むっちりと肉を乗せた尻がなのはの目の前に晒された。
ぱんぱんに肉を詰め込んだ、極上の尻、張りと柔らかさを併せ持った白い肉の双丘。
なめらかなきめ細かい肌をひとしきり撫でると、もう我慢も限界だったのか、なのははすかさずスカートをめくって自慢の剛直を取り出した。
アインハルトに比べると少し劣るが、それでも凄まじい規格外の巨根。
白い肌と対比になる赤黒さと、節くれだった凶悪なシルエットを描く威容。
亀頭が、くちゅりと入り口に触れた。
「ん!」
それだけでもなのはは上ずった声を漏らす。
熱い、溶けてしまいそうだった。
しかし熱くなるのはこれからだ、もっともっと激しく、貪る為に、なのはは思い切り腰を反らし、突き出した。
「ひゃふうう!!」
声を裏返して鳴くフェイト。
ボンデージに包まれた豊満な肉を揺らし、四つん這いのケダモノの格好で蹂躙される。
据えた匂いのする狭いトイレの中、二匹の雌は生殖の欲望に取り憑かれた。
「フェイトちゃん、くぅあッ♡ フェイトちゃんの、オマンコ……締まる、ふぅうッ♡ どう? ワンコになって、ケダモノ交尾するの良い? 良いでしょ!? ほら! ね!?」
「わん……わん、わん……わんんぅうッ♡」
まだ犬の鳴き真似をし、愛するなのはに服従する悦びに涙まで流すフェイト。
そんな彼女の反応に腰使いは激しさを増す。
がっしりと巨大で肉厚な尻を鷲掴みにし、尻たぶに指を埋めながら、髪を振り乱して愛しい恋人を犯しぬく。
なのははぐっと体を倒してフェイトに身を寄せ、彼女の背中に乳房を押し当てながら、耳元に口を寄せる。
ちろりと舌が伸び、髪の甘い香りを深呼吸で吸い込みながら、なのはは舌先でフェイトの耳を舐めまわした。
「わん、わんんッ♡」
フェイトの鳴き声が一オクターブ高くなる。
そこがとても敏感なのをなのはは良く知っていた、耳を舐めるたびにきゅっと膣の締め付けも増す。
狭い肉穴をほじくり返し、奥まで突き上げ、同時にもっと上の、そして深みに至る快楽を欲し、なのはは愛撫を強めた。
舌先はとうとう耳たぶのみならず耳の穴まで滑り込み、ちゅうと吸い上げる。
瞬間、あっという間にフェイトのペニスが、また白い粘り気の放物線を描く。
トイレの床をベトベトに濡らし、フェイトはひんひんと鳴き声を上げた。
「あ、あふ……わふ! わんッ♡」
ぶるぶると痙攣するたび、膣壁はなのなの大きなペニスを吸い上げ、捏ねる。
媚肉の震えるざわめきは堪らなかった。
なのはの腰使いは強く、激しく、鋭く、バネ仕掛けの如く振るわれる。
断続的な肉と肉のぶつかる音色は、ムチのように響いた。
「わん……わん、わん!」
あまりに過剰な快感で、悲鳴に近い声になるフェイト。
なのははそれでも止めない、当たり前だ、まだ一度も射精していないのだから。
だが決壊の瞬間は近かった。
あともう少し……ほんの、数往復……その瞬間を求め、なのははより力強く素早く叩き込む。
そして、ついに、びくんと腰が跳ねる。
「出すよ! エッチなワンちゃんに……私の、精液……ザーメン、うけとってぇ!!」
叫びが室内に木霊し、濃密な飛沫が結合部から溢れる。
青臭い精液の匂いを溢れさせ、逆流した白濁が床を濡らす。
その量たるや先ほどのフェイトのそれを超えていた。
べっとりトイレを汚しきり、二人はアクメの余韻に恍惚を味わう。
この長々続く射精の後味は、甘美を極めた、まるで神経が砂糖漬けにされて煮溶かされるようだった。
「あぁ、ふぁ……くぅ……」
二度の連続射精でぐったり力を失い、フェイトが弛緩する。
そんな彼女をなのはは支え、抱き寄せた。
くびれた贅肉の薄い腰を抱き支え、引き寄せて、優しいキスで頬を濡らす。
「あッ……なのはぁ」
「フェイトちゃん、かわいい……ふふ♡」
「ん、ふぅ……じゅる、ちゅ、んッ」
ちろちろと舌を伸ばし、絡ませ、女同士の濃厚なディープキス。
唾液の橋を架けつつ顔を離せば、もうすっかり発情の熱気が蘇り、なのはとフェイトは肌を火照らせた。
「ねえ、フェイトちゃん。場所変えて……もっと、しよっか?」
蕩けるような表情と声で、なのはが聞く。
答えるべき答えは一つだけ。
「うん……」
こくんと小さくフェイトは頷き、顔を寄せ、もう一度キスをした。
終幕