アーニャの方はレイゼルとヒルダ、マリーカとキューエルの四人の営みについて文句は言われることはない。レヴェンが彼女の気分転換の相手をしていている。
キューエルとマリーカについては一線を越えて以降、いつもくっついている。
身体検査と体調管理の際については兄と妹は身体を審査し合っていた。アーニャの方はマリーカとヒルダがやっている。風邪をひいたりなど健康の管理はちゃんとしなければならないために必要なことである。
一線を超えている中ならお互いに自分の身体を調べればいいとレヴェンはつまらなく言っている。
『どうせ、身体検査や健康診断のさいに裸になって調べていくうちにエッチな展開になってましたが…まぁこの大変な時期にエッチの際、SEXして中出しをしなかったのは褒めますけど。
淫語が真夜中に大声で聞こえてますから全部丸わかりですよー』
「「「「⁉︎」」」」
身体検査の後、四人は我慢できずに滅茶苦茶にフェラやパイズリ、自慰の見せ合いっこなどエッチなことをしていたのがバレバレで、レイゼル兄妹とソレイシィ兄妹はバレたことにもじもじと恥ずかしがっていた。
「「「「き、気付かれた…」」」」
それから2ヶ月が経って、まず二人の妹達の胸がまた大きくなっていたこと。マリーカはCカップ、ヒルダの胸はEカップぐらいにまで大きくなっている。
マリーカは胸が小さかったために成長したことに嬉しく思っている。なぜ胸が大きくなっていたかという理由としては
「「兄貴(兄様)がいつもエッチなことで胸ばっか揉むからだろ(ですっ)…」」
大好きな人や彼氏に揉まれることによって女性ホルモンが分泌され、それに反応して大きくなったとレヴェンが解説をしている。それを聞いたアーニャは胸を掴んで揉んでいるものの、自分の胸を自分でやっても効果がないと言われ、すぐに揉むのをやめた。
逆に
「揉んで…」
「ゑ⁉︎」
「好きな人に揉まれると大きくなるのなら、レイゼルでも構わない」
アーニャにとってレイゼルは好きの対象となっている。キューエルもまた嫌いというわけではないが、レイゼルの方が好意としては上回っている。
しかし、アーニャの好きは家族かつ異性として好きの意味である。
「アーニャ。その…こういうのはもう少し成長してから考えて欲しい」
(…レイゼルのばか)
アーニャの頭を撫でて、機嫌をとって胸を揉まないようにしているもののアーニャの本心はレイゼルに拗ねている。
ヒルダの方はこれ以上胸が成長しても邪魔なだけだからこれくらいがちょうど良いと本人が言ており、アーニャもまた成長期だから希望はあるとレヴェンが一言言っていた。こうして一年が経ってゆきレイゼルは18歳、ヒルダは16歳となった。
*****
故郷であるエンデランド連合に帰り、リィアンから出て外出する。周囲に人がいないかレイゼルが気を配り、後ろからいつもヒルダの背後を見守っている。
「俺の方は隠れて見守ってるから、終わったら後から出てくる」
「うん、危なくなったら助けて。あと…いつものやって」
ヒルダはレイゼルに顔を近づける。
「んっ…」
それは、行ってきますのキス。
小さい頃はキスでさえも戸惑い、レイゼルは禁断な関係を避けようと前は考えていたが、今ではもう愛しているから構わないという関係になっている。
「ぷはっ…この関係をママに見られたらどう思うんだろうね。受け入れてくれるかな?」
「まぁ俺の方は血の繋がりあいもない義理兄だからママは結婚に否定はしないだろうけど」
「たとえ兄貴と血が繋がってても…私はエッチなことをしたいな。キューエルとマリーカのように」
たとえレイゼルと血の繋がりがあっても禁断な関係になっても構わないとヒルダは考えていた。
ようやく母親の家に向かって歩いてゆく。
*****
ヒルダは歩いて家に向かう途中に近くの林檎の木を見て、林檎の実がなっている。それを取って食べていた。その林檎は幼い頃に母親が作ってくれたアップルパイをよく食べていた頃を思い出す。
(帰ってきたんだ、この10年間は逃亡してたけど無駄じゃなかった。私、やっと…ようやく会えるよママ)
暮らしていた実家にたどり着いて、泣きそうになりながら
「ママっ…ママ!」
家に入ろうとした。が、ドアにノーマの検知器があるかどうか心配だったったために入るのを躊躇う。
しかし、ヒルダは母親を信じて開けた。家に入ると、幼い頃から暮らしていた時と全く昔のままで変わらない。
机にあるオルゴールを鳴らして、10年ぶりに音を聞いて目を瞑る。
何も変わってない上っていた木も、家の中も何も変わっていなかったことにヒルダは安心した。
「どなた?どなたかしら?」
「マ、ママっ」
ヒルダは自分の娘だと言おうとしたものの、母親は娘の友達だと勘違いをしている。母親はマナを使って、歓迎している。
ヒルダは母親自分のことを何も家に滞在するしかなかった。
*****
晴れていたはずなのに、雨が降っている。ヒルダは母親に会うことはできたが、まだ自分のことを娘だとヒルダは言ってない。
(何かがおかしい…なんだこの胸騒ぎは)
大丈夫かどうかを最後まで見定める必要があった。レイゼルには母親の言っていた『娘のお友達』という言葉に引っかかっていたからだ。
「分からないよね、こんなに大きくなっちゃったんだもん」
まだ母親が目の前にいるヒルダのことを娘の友達だと勘違いしている。そもそも娘はヒルダだけだというのに他に子を産んだというのはレイゼルやヒルダには聞いていない。
焼き上げていたアップルパイを母親が持っていき、ヒルダに出してあげる。
その時、
「ただいま、ママ!」
「おかえりなさいヒルダ。学校早かったのね」
9歳くらいの少女がこの家に帰宅してきた。ヒルダは母親の台詞と目の前にいる少女に驚きを隠せなかった。
少女は持っていた花束を母親に渡す。
「はいこれ、お誕生日おめでとう!」
「あぁ、覚えてくれたの」
「当たり前でしょ!親子だもん!あ、アップルパイ!食べていい?」
レイゼルの予想は当たってしまった。
気のせいだと彼は現実から目を背きたかったが、それがあり得てしまった。
しかもその少女にヒルダと名付けられている。
「この人誰?」
「あら、お友達じゃなかったの?」
ヒルダは自分こそがヒルダであり娘だと言い聞かせる。
レイゼルは次の母親の行動を考えてしまい悪寒がする。腐敗した世界に住んでいた母親は娘を拒絶するということに、恐れていた。
「おい…そんなこと言うわけないよな。おい、やめてくれよ母さん。これ以上ヒルダを、妹を、頼むから…苦しませないでくれ」
ヒルダはとうとう、自分のことをようやく明かす。
10年間離れ離れになっていた母親の娘だと母親に向かって言ってしまった。
「生きていたの…なんで帰ってきたの。逃亡中に死んだと連絡が来たはずなのに。帰って…二度と来ないで!」
「ま、ママ…冗談だよね」
母親を愛していたヒルダの心はボロボロになって壊れそうだった。
「ママじゃないわ…私の娘はこの子だけよ!」
「えっ、でも…この人がママの娘ならもしかしたら私のお姉さん」
「違うわ、こいつは化け物よ!」
ヒルダはそう言われたことで、蝕われてしまう。
母親の娘はマナを使って防ごうとするも、ヒルダがマナの結界に触れて破壊してしまう。
マナを壊したのを見てしまい、叫びながら倒れた。
ヒルダは母親に近づこうとするも
「来ないで!やっと…悪夢を忘れて、幸せになれたのよ。その幸せを奪わないで…帰って…お願いだから、貴方がここに来たことは誰にも言わない。約束する、約束するから…」
ヒルダに向かってここに来ていなかったと約束すると言いながら、土下座して謝っている。
レイゼルはその行為を見て母親が余りにも醜く、彼の表情は青ざめていた。
ヒルダの目には大粒の涙が溢れている。
「ママ、酷いよっ…」
「帰れって言ってんでしょ!貴方なんか、貴方なんか生まれてこなきゃ良かったのよ!
さっさと私の前から、消えてよ!」
それを見たレイゼルは隠れることをやめて、母親が投げたアップルパイを右手で防ぐ。
彼の手はパイまみれで汚れていた。
レイゼルが我慢できずにこうして出てきた以上、母親の行為を見ていられなかった。
「それが、娘に対する言葉か…そういうことなんだな。全て、見せてもらったよ」
「れ、レイゼル⁉︎なんで貴方まで」
義理兄の登場に、母親は恐怖した。
ヒルダを拒絶したことを、もう一人の娘を持っていることも、全てを見られてしまったからだ。
「もう…いい、ヒルダを拒絶するのなら。俺は、貴方が捨てたヒルダの面倒を…いや、貴方が捨てた娘の全てを責任持って俺が貰う。
今の貴方にはヒルダを渡せない。
それとここを出て行った理由は俺もまたヒルダと同じようマナが使えないからだよ」
母親はレイゼルもまた拒絶する。
レイゼルもまたマナが使えないから化け物だと罵倒する。ヒルダは泣いて苦しんでも、レイゼルは動じない。
レイゼルの心は冷淡だった。母親の言葉では、レイゼルは無視してヒルダを庇う。
「貴方もヒルダと一緒だったの…」
「えぇ、そうです母上。だからあの時俺が助けて、二人だけで逃亡生活をやっていきました。貴方の娘を…いや、もう今となっては化け物扱いしてるから娘として見ることは出来ない、か」
「庇うのね、同じノーマだから「黙れ‼︎これ以上…これ以上、ヒルダを侮辱するのはこの俺が許さない!」」
レイゼルもまた、ヒルダと同じように泣いていた。新しく子を産み、その子の名前をヒルダとして育てている目の前の母親を軽蔑している。
(こんなことを思いたくなかったっ…)
拒絶する態度をとった母親にレイゼルは今でも失望している。母親だからヒルダを否定することはないと心からそう思いたかった。
しかし、時は残酷である。
二人がこの家から去っている間に下らない法に適応されてしまった。
娘よりも法を。
帰ってきたヒルダを化け物だと否定し、見ていた兄も心をズタズタにされている。母親の件だけではなく自分のことも許せなかった。
「来ないで!二人とも化物だったのね!貴方もこんなことなら拾うんじゃなかった」
「あんたがヒルダを見捨てても、俺は絶対に妹を見捨てない。命に代えてもだ。
あぁ、貴方の言うとおり出て行けばいいんでしょ?分かってるよ。もう行こう、ヒルダ…」
レイゼルはヒルダの肩を掴んで、この家から去っていった。
*****
母親は役人を呼んで、二人を捕らえようとした。
レヴェンがレイゼルに周囲の状況を報告して、役人の目を欺いてヒルダを連れて隠れながらリィアンに帰って行く。
「ただいま…」
「お、おかえり。ん、どうした?」
ヒルダの目の周りは真っ赤になっていてレイゼルにしがみついて泣いている。レイゼルの方も暗い顔をしており、話したくても話せない状態だった。
「悪いキューエル、どうなったかは後にしてほしい」
(…声をかけない方が良いか)
キューエルは察して、これ以上話をかけなかった。二人が帰ってきてから部屋に入って篭りっきり、今のレイゼルとヒルダの状態から察してそっとしておいたほうが良かった。
マリーカはシュミレーションで機体の を動かして、一人で戦っていた。汗をかいて、そばにあるタオルで拭いている。
「キューエル、レイゼル達が帰ってきたの?」
「そうだが、今彼らの部屋に入らないほうがいいだろう。そっとしておいた方がいい」
かなり気まずい空気になっている。
レイゼル達の部屋ではヒルダが母に10年間も待ち続けたのに拒絶されたことを悲しんでおり、泣きながらレイゼルに本心をぶつけていた。
「私、私‼︎もうわかんないよ‼︎ママに再会したのに…嫌われて‼︎。私を売って役人まで呼びやがったんだ。全部私のせいだって!」
母親をずっと信じたのに裏切られてしまった。あんなに愛してくれたのに、あんなに好きだったのに役人を呼んで兄妹もろとも売ろうとしたこと。
「ヒルダ、母親が好きだったのは小さい頃から俺も分かっている。
苦悩も分かるし、一緒に泣いてる。
母親はあんなこと言ったけど、俺はヒルダが生きてて良かったって思ってるよ。
だから、絶対に見捨てない。
何があっても俺は、お兄ちゃんはお前の味方だ」
「お兄ちゃん…お兄ちゃぁぁぁん‼︎」
堪えきれない思いが涙になって溢れてゆく。悲しみを抱えるヒルダの苦しみをレイゼルが優しく受け止めていた。
兄の前で泣いて、レイゼルはそれを受け止めている。
今のヒルダには家族として受け入れてくれている義理兄しかいなかった。
母親はヒルダが死んで、もう一人子供を産み、マナを使える娘を『ヒルダ』として育てていた。
「思いっきり精一杯泣け、溜め込むと余計苦しくなる。その悲しみは俺が受け止めるから」
今のヒルダにはレイゼルに依存して、泣くことしか出来なかった。
*****
「大丈夫?思いっきり泣いた?私達、帰ってきた二人のことが心配で」
「うん、もう大丈夫だから」
マリーカはヒルダのことが心配だった。ヒルダの目の周りが赤く腫れていて、泣きじゃくっていたことが分かる。
今のヒルダはまだ落ち着いておらず、義理兄としてレイゼルが事情を話し、何があったのかを話した。
「ヒルダ…苦しかったよね、こんな…こんなのって」
「マリーカ、マリーカぁぁ…ママに見捨てられたぁぁ」
マリーカは泣きながらヒルダを抱擁し、ヒルダも前のことを思い出してしまい再度泣いてしまった。
「それが…それが親のやることか!」
キューエルも話を聞いていくうちにヒルダの母親を許せず、母が娘であるが死んだと思ってまた子供を産んだことに怒っていた。
「キューエル、俺も母親のことについては幻滅している。でもな、いくらこちらから母親を罵倒しても、あんな母親でも幼い頃に世話をしてくれて育ててくれたからな。
俺もヒルダも苦しむだけだ…だからね、この話はもうここでお終いなんだ」
「そうか…すまない」
レイゼルはキューエルを説得して、この件についてこれ以上関与しても無意味だということを分からせた。キューエルはさっきまでの怒っていたのが急に鎮まって、レイゼルに謝った。
*****
ヒルダの母親の一件から2日が経って、レヴェンからとうとう完成したとの報告が来た。
「大浴場もついでで」
「ハァ…どうりで遅いわけで」
プトレマイオスにトランザム以外にも色々つけており、あとで理解するのは時間がかかる為に後回しにされてある。大浴場の方は自動的に掃除する為に心配の必要はなかった。
「あーっ、生き返る」
5人で大浴場に入ることとなった。レイゼルが身体を洗っている所にアーニャが近づく。
「おっきくない…萎んでる」
「あ、アーニャ⁉︎」
レイゼルの陰茎を右手の人差し指で触っていた。いつもは身体を見て大きくし、ヒルダとイチャイチャしているはずだと思っていた。
「…しないの?二人きりで」
「今日はそうしたい気分じゃないから」
母親に二人とも拒絶されているために、そんな気分ではなかった。しかし、アーニャは興味がありそうに触りつづけて、生理現象で大きくなりそうになる。
「やばっ…」
レイゼルは流石に小さいアーニャに見せまいと隠そうとするが。
「見せないとダメ」
「アーニャ、こういうのは大人になってから「いいーじゃん。アーニャも思春期でしょ?こういうのにも興味があるなんて心外だけどさ」」
ヒルダが後ろからレイゼルをおさえて、勃起した陰茎をアーニャにガン見されている。
「き、キューエルと同じくらい大きくて、勃ってる」
キューエルやマリーカにも見られて
レイゼルは3人に視姦されていた気分だった。ヒルダは勃起した陰茎を掴んで、亀頭を撫でている。
「いーっぱいエッチなこと教えてたくせに。私が積極的になったら兄貴ったら私の眼の前でイっちゃたっけ。最初は兄貴は私のことを遠ざけようとしたけどさ。でも、お互いにアルゼナルから救った後に一緒に淫乱になっちゃったんだもんね…私、兄貴と一緒にいて本当によかった」
レイゼルに対するヒルダの本心だった。二人だけの暮らしをして性的な行為に成長するにつれて過激なものになってゆく。
「レイゼルお兄ちゃんにいつも救われた。連れ去られそうな時も、処女を失いそうな時も最後に義理のお兄ちゃんがいつも助けてくれる…私の王子様なんだ。いつも側にいてくれたからさ。
あ、私ね。こんな私だから兄依存症になっちゃった…こんな私でもいいかな?」
ヒルダはレイゼルにいつも引っ付いている。今のヒルダには兄なしでは考えられず、こんな風にさせたレイゼルがしっかりしなければ兄妹の性的興奮はありえなかった。
「だったら俺は、妹依存症だな?逆に聞くけどこんな俺でもいいか?」
「うん、いいよ」
しかし、流石にレイゼルもヒルダの周囲による理不尽さに心が参っていた。前は妹にそろそろ自立させようと考えたことあった。関係は兄と妹だからそこは弁えようと。
彼はヒルダを正しい道に導く為に頑張るという点もあった。兄妹だから結局結婚も父母にもなれない。
しかし、ヒルダを一人にさせると何度も危険に晒される。処女や人としての尊厳は奪われそうになるわで、もう自分が守らなくちゃダメなんだとレイゼルは思っている。
たとえ妹と一線を超えても、構わなかった。
「もう、バカァ…当たり前だろ」
「ヒルダァ…」
「おにぃちゃん…」
二人はトロトロな顔で幸せに浸りながら身体を洗っている。ヒルダは手コキをして、レイゼルはヒルダの胸をわしずかみしながら舌を出す。ヒルダはその舌を加えて、ベロチューを堪能している。
「完全にスイッチ入ってるな…今日のことがまるでなかったように」
「やっぱりしちゃうんだ、二人揃ってエッチなんだよね。私達も大概だけど」
「私、レイゼル達が気持ち良くなった顔とエッチなことするの見てみたい」
「「「ジーッ」」」
キューエル兄妹とアーニャは風呂に入りながらレイゼル達の性的行為をじっと見ている。レイゼルとヒルダがどんなことをしているのか、どういうプレイをしているのか見てみたいという興味本位だった。
「なっ!ジロジロ見るなぁ!それと、アーニャにはまだ早いっての!」
二人は3人に視姦していることに気づいて、咄嗟に見させないようにした。
「理由、保健体育の勉強。内容はオーガニズム、自慰、性的興奮とかの身体的なことについて。
安心して、教科書貰って知っただけだから。実技は全く知らない。
二人のを見ながらキューエルとマリーカに色々と教えてもらう」
「お前なぁ…」
「あぁぁもう!風呂出る!ちょっと兄貴来い!」
3人ともレイゼル達を調子よくからかっていた。ヒルダはレイゼルを連れて恥ずかしがりながら風呂から出る。
「…逃げた」
*****
5人の身体から湯気が出ており、長い間風呂に浸かっていた。レヴェンはプトレマイオス完成に疲れているために、動画を見ながら皮肉を喋っていた。
『あービターチョコ〜、ビタァァァァァァチョゥゥゥコォォォ。にっがいビゥゥィィタァァァァァァーチョョコォォォオはいかがですかー』
「…なんか愚痴、多くなった?」
二組の兄妹の絡み合いに、レヴェンもとうとう頭がやられていた。作業している間にイチャイチャしているから一言二言くらいはあっても仕方がなかった。
『あんなの聞いたり見たりしたら愚痴の一つでも言わないとやってられませんからね!もしもデバイスではなく身体を動かせれるのなら、ちゃぶ台返ししたいくらいですよ!それと、鎮圧者やツッコミ役がいないということに異議を申し立てたい!』
「私に言っても無駄だと思うよ?」
レヴェンが疲れているもう一つの理由は、誰もツッコミや場を取り締まる人がいないこと。マスターであるレイゼルはヒルダにご執心であり、キューエルは最初は ガチガチな性格であるから普通に暮らしていたが、自慰行為を妹に見られてソレイシィ家の兄妹もレイゼルと同じ状態。
アーニャは止める気はないから、結局レヴェンが纏めるしかできなかった。
「なぁ、一言言わせてくれないか…」
『な、なんでしゃうか?』
レイゼルが静かに立ち上がり、レヴェンに近づく。今までイチャイチャしていたマスターが急に態度を変えて真剣な目で話していた。
「悪いけど…こういう兄妹だから諦めろ、レヴェン」
『私にも一言…知ってましたよチグショォオ!それと、船作るの大変でしたので1週間ぐらいは働きませんから!引きこもりますからね!』
「あぁ、お疲れ」
それ以降レヴェンは機体の整備は結局やってくれたがそれ以外のことは何もしておらず、船や機体などをチェックするのは仕事としてではない。
プトレマイオスの中をじっくりと見てリィアンだけではなくもう一つ船を持つことができたことに喜んでいた。
母親との決別、ヒルダやレイゼルにとって苦しい選択だったが。母親が産まなきゃよかった、拾わなきゃよかったと散々否定された結果だった。それでも
「後悔してるか?またここにずっと」
「ううん、兄貴には感謝してるんだ…私の帰る場所を作ってくれたから。
だからいつまでも一緒にいる。兄弟愛っていうのも一線超えたし、これから先も責任取ってくれたから」
「ヒルダ…本当にありがとな。俺を愛してくれて」
ノーマが出てきたら家族でさえも虐げられることを何も知らないまま、故郷へ向かい。残酷な真実を知って、母親は二人の存在を否定され、二度とこないでと言われる。その後は役人に追われ、心をズタズタにされたヒルダは思いっきり泣いていた。
故郷であるエンデガルド連合を出ていく。母親とまた別れ、悲しみながらも進んでいくしか二人には選択肢はない。
ヒルダにはレイゼルが。
レイゼルにはヒルダが。
そして、キューエル、マリーカ、アーニャ、レヴェンがいる。
レイゼルとヒルダだけではなく、みんながいることが何よりの救いだった。
それから1年が経つ。
洗礼の儀にて、ミスルギ皇国の第一皇女アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギがノーマだという知らせがレヴェンから来た。