ナオミとアンジュはアルゼナルへと無事に帰還した。パラメイルに乗ってアルゼナルへと向かっている。
「ナオミ、ただいま帰還しました!」
「…ご苦労だった。まさか生きていたとはな」
ジル総司令はナオミが無事で戻ってきてなかったらミランダとココ、第一中隊の誰かに探してもらおうと考えていた。通信が途絶えて行方不明と報告していたが、ナオミが戻ってきたことで生還したことに驚いている。
通信機器についてはドラゴンの襲撃にてほとんど壊されたとナオミは司令に報告していた。
「よく無事に帰ってきたな!」
「ほんとだよ。通信が切れたって言われたときにはヒヤヒヤしたよ」
食堂ではナオミが帰ってくるとロザリーとクリスから先に心配した。ドラゴンに墜落されそうになった時や、黄金のきたいに撃ち落とされそうになったこともあった。
「ナオミちゃんとアンジュちゃんは帰ってくるって信じてたもの」
「よく生きていたね〜」
通信が途絶えて墜落されてしまったんじゃないかと第一中隊全員が心配していたがナオミがこうして生きていることに安堵している。
「ま、お金のことについては不運だよなぁ」
「奇跡的に生きてるだけでもいいと思いなよ。でも…なんであいつ」
対してアンジュの方は受け入れているエルシャとヴィヴィアン、ミランダとココは喜んでいるもののロザリーとクリス、サリアは不満でならない。
3人は冷たい態度を取っている。
「勘違いしないことね、ジルが必要なのはあなたじゃなくてヴィルキスよ。それでも第一中隊の隊長としてあなたの帰還を歓迎しなきゃならない私の気持ちが分かる?」
「それって歓迎してないって言っているのと同じことだけど」
「そう解釈してもらって構わないわ」
それでもアンジュの生還を嬉しく思う人はいる。ミランダとココの二人はアンジュの元に向かい、嬉しく思っていた。
「良かったぁ〜アンジュリーゼ様とナオミが生きてて」
「私も驚いたよ。ナオミの連絡が途絶えた時はハラハラしてたけど二人とも無事でよかった」
ミランダとココはアンジュのことを受け入れており、一人ぼっちというわけではない。
そして、レイゼルのことについては二人が口を滑らさない限りはレイゼル達がアンジュやアルゼナルを襲うことはない。
*****
レイゼル達がアンジュ達と別れて三日が経つ。もうプトレマイオスが出来ているので空の上ではなく海の上でのんびりとしていた。
呑気に5人でトランプをしている。
もう戦力は整っているためにレイゼル達で今からミスルギ皇国を潰しに向かうことはできる。
「これからどうする気だ」
「どうするもなにも約束した以上はアルゼナルには当分手出しできないからね…」
これからどうするかというのについて行き詰っていた。
アルゼナルの情報にてドラゴンの正体までは知ることはできたものの、ドラゴンがどこからきているのか。
シンギュラーの向こうに行ける手段が見つからない。
しかも、クルエルという存在と黒いドラゴンと機体、そして黒幕のエンブリヲの情報は掴めないまま。
キューエルとレイゼルは遊びながらもこれからの方針の話をしているが、全く進展しない。
「アルゼナルにはアンジュとナオミの二人に約束した以上。あの二人がどうするかわからない限りは関与はできなくなっちゃだし、はい上がり」
「あ、私もです」
ヒルダとマリーカはすぐに早抜けする。アーニャも後から手札が無くなり残りはいつもレイゼルとキューエルの二人だった。
こうして、二日間もダラダラ過ごすこととなっている。
「兎も角、方針が決められずグズグズするのは良くない。なぜ…な ぜ 上 が れ な い ん だっ ⁉︎」
キューエルの手が震えている。彼だけがジョーカーのカードを持ってた。
キューエルは全戦全敗している。レイゼルは迷いすぎて時間をかけてしまい、オロオロしてしまう。対してキューエルは非常に分かりやすい。
「目と表情でわかる。キューエル、弱い?」
「ポーカーフェイスじゃなかったな。バレバレだったぞ」
アーニャにも察せられて、こうしてみんなにいじられている。レイゼルの方も安心して手札を取ることができる。
「しかし本当にどうする気だ?このまま船に燻っていても何も進展しないぞ…」
「うーん…タスクに会うというのはどうだ?彼ならエンブリヲのことについて知っているし、悪い人ってわけじゃないと思う」
無人島で出会ったタスクのことだった。彼のことについて調べると古の民でありヴィルキスの騎士である新情報が出てきた。
彼に出会えば何か分かるんじゃないかと、早速探せばいいとレイゼルは考えた。
『いや確かにそうなんですが…タスクの居場所がわからないと』
「ほら、そこはレヴェンの超技術で」
レヴェンの能力はマナの世界でどんなことをしているのかや、食べ物についてなど情報を採取することができる。
機体を保管することも可能だが、この情報網のおかげでレイゼル達はこうして何年間も逃亡し続けることができる。
『いやいやマスター、幾ら何でも無茶ですって。そりゃあインターネットのようにマップでどこに何があるのかというのは分かりますが…どんな人物がいるのかなんて事細かにできないですよ。
てゆうか、世界全体の全てを把握するなんてどんだけハイテクなんですか。
いくらなんでもそこまでできません。
パラメイルのメイルライダーがどんな人物なのかなんて近かったから分かったようなものですし』
しかし、レヴェンにもできることとできないことがある。
タスクの居場所を特定するのは不可能だった。彼はもう無人島にはいない。彼が移動している以上、どこにいるのか分からなかった。
*****
深夜、レイゼルとヒルダの部屋。
「あーにーきっ」
「はいはい」
ヒルダの方は準備万端だった。二人は服の方は脱いでおり、キスをしている。初めての時、レイゼルは考慮したものの今となっては恒例となっている。
「あのさ、エッチなことして見られるって結構ゾクゾクするんだな…ナオミって子に見られて感じてた」
前にナオミがいてもエッチな行為をしていたことだった。ナオミからはドア越しで見ていたのは二人とも気付いており、見られつつも興奮して続けていた。
「あ、あのね。頼みがあるんだけど…私に見られながら自慰してもらっていい?」
「い、いきなりだな。でも…そ、その…オカズが必要、つまりはその…」
「い、いいよ。私も兄貴の見て自慰するから。大浴場にでも移動しようか?」
ヒルダの裸を見ながら、レイゼルは勃起した陰茎を上下に動かす。ヒルダはレイゼルが自慰行為しているのを見て、クリトリスと乳首を触る。
段々と乳首が硬くなってゆく。
「あぁぁっ、もうっ我慢できない」
「うん、イク…」
義理兄の白濁液がヒルダの身体に飛び散り、後からヒルダも潮を吹き出した。ヒルダは指先で胸に飛び散った白濁液をすくい取り、舌をだして舐める。
「たまにはこういうのもいいかもな…」
ヒルダは身体に疲労が出て、レイゼルに抱きつく。ヒルダはそのまま寝込んでしまい、レイゼルに頭を撫でられていた。
*****
アンジュとナオミがレイゼル達のことについて口を滑らせることはない。
その間にやっていることは、エンブリヲの情報。アレクトラが何を知っているのかまだ分からずレイゼル達はいろんな国へと周り調べたものの。この件については全く得ることはできなかった。が、
『とんでもないことが分かりました…ミスルギ皇国に黒い機体が複数も』
「なっ…どうして⁉︎」
まず、ミスルギ皇国の敷地内に大量の黒い機体が用意されていたこと。前に襲ってきたトリスタンやランスロット。今度は陸地にサザーランドやグロータス、空中にはアヘッドとスマルトアロンが用意されていた。
ミスルギ皇国の情報収集については正解だった。あのまま何も知らずにミスルギ皇国を襲撃すれば、大量の機体に数の暴力で襲われてしまう。
クルエルとミスルギ皇国と手を結んでいることがはっきりと分かる。ミスルギ皇国の民を背負っているのはジュリオ一世。そして、彼は妹であるアンジュリーゼをノーマとして追い出した兄だった。
「こいつが、アンジュを…愚兄が妹を」
「レイゼルにいちゃん…」
家族である妹を売った最低な兄にレイゼルは静かに怒っていた。義理とはいえ兄の身分であるレイゼルはジュリオに対して怒りを隠さない。
タスクの方は探しても結局見つからなかった。彼がどこにいるのかは不明のまま。
そんなある日のことだった。
『…おや、パラメイルの反応がありますね?』
「おいおいこんな場所にパラメイル?なんで?アルゼナルとはかなり遠くに離したはずなんだが…」
上空にはパラメイルに乗っていたのはナオミがいた。彼女はミスルギ皇国の方へと向かっている。
レイゼルはデバイスのレヴェンに通じて彼女に通信して、プトレマイオスに降りるように指示する。
「ナオミ?どうしたんだ?」
「アンジュがっ…アンジュがミスルギ皇国に連れ去られて‼︎」
「えっ、ちょっ、ハァァッ⁉︎」
その知らせはあまりにも唐突だった。
アンジュリーゼは何者かによって無理矢理ミスルギ皇国へと連れて行かれてしまった。
「ど、どういうことだよ!アンジュが攫われた⁉︎アルゼナルの管理はどうなってんだ⁉︎」
「その、話が長くなるんだけどいいかな?」
アルゼナルにはフェスタというものが存在する。1年に一度だけノーマが休んでもいい日である。
アンジュが一人だけになっているところをアルゼナルへに侵入した何者かに狙われて連れ去られてしまった。しかし、レイゼル達の方はそんな行事は全く知らない。
レイゼル達がもっとそのことに気付いていれば、アンジュがミスルギ皇国に連れ去られることはなかった。
「おい待て⁉︎あそこにはサザーランドやヴィンセント、ジンクスが大量に待ち伏せしているんだぞ⁉︎」
「簡単に助けるのは難しいかっ…」
ミスルギ皇国を調査して、テロリストを未然に防ぐために黒い機体が待ち構えている。
「…ナオミはそのままミスルギ皇国へ。俺達の通信機を渡す。俺達の方もどうにか策を練る。通信機についてはアルゼナルに話すなよ、アンジュを回収し終えたら俺達の元に来い。それを回収する」
「う、うん。わかった」
ナオミはレイゼルから通信機をもらい、ミスルギ皇国へと向かっていった。パラメイルで助けに行こうにも狙撃されてしまう。レイゼル達の方も協力しようと考えてはいるが数が多すぎてナオミを守りきれるかわからない。
「五人でやれるのか…?」
*****
『ナオミ、今どうなってる?』
「ミスルギ皇国にはついたよ。それと、近くにいたおじさんがアンジュのことについて教えてもらった。
アンジュは処刑されてしまう…これから処刑台に案内してくれるって」
『…大丈夫なのか?』
「うん、まだ私のことはバレてない」
ナオミがミスルギ皇国にたどり着き、アンジュが処刑されてしまう。聞かされる。アンジュ処刑の夜。処刑を見過ごさない連中を狙撃して潰す黒い機体が構えている。
処刑台の近くにはアンジュの兄のジュリオと妹のシルヴィア。しかし、妹の方は鞭でアンジュを処刑される前に叩いている。
処刑されそうになっているアンジュは歌を歌っていた。ナオミはそれを聞いて助けに行こうとするも、道を案内してくれたおじさんに止められてしまう。
おじさんは恐怖して叫んだ。
しかし、
「だ、誰か!ここにノーマがい」
「
駆けつけてきたレイゼルがナオミを助けて、おじさんを当身で気絶させる。時は動き出し、ナオミはいつの間にかおじさんが倒れていることに驚いた。
「大丈夫かナオミ」
「う、うん。ありがとうレイゼル。
でも私、アンジュを!」
「あぁ、今アーニャとヒルダが奇襲をかけようとしている」
アーニャの四重ハドロン砲で周囲の敵を一掃し、アルケーガンダムのファングで残りの敵を潰す算段だった。
二人を陽動にして、回収役としてレイゼルとナオミが処刑台の元へ向かい助ける。二人を襲う黒い機体が大量に出現したらキューエルとマリーカが背後から襲うように指示している。
「今すぐに行くか、ん?どうしたヒルダ」
『おい!兄貴!見たことねぇ機体が処刑台近くで大暴れしてんだけど…』
「?なんだその機体は?」
処刑台の方を見てみると、一機だけ処刑台の場所を滅茶苦茶にしている機体がいた。
「おい、あれって…」
『えぇどう見ても【ガンダムエクシア】ですね』
エクシアが周囲にいる黒い機体を殲滅する。憲兵も実弾を使って撃とうとするも全く効かない。
「なんだ、これはっ」
突然現れたことで腰を抜けたジュリオとただ呆然に見ることしかできないシルヴィア。コックピットが開いて、機体からある人物が出てきた。
「貴方…タスク⁉︎」
「迎えに来たよアンジュ」
ガンダムエクシアに乗っていたのはタスクだった。
「貴方その機体…」
「ごめん、今は話せる状況じゃない。とにかくここをうわぁっ⁉︎」
段差があることに気づかずに転んでしまい、アンジュの股間に顔を突っ込んでしまう。
「なっ、こんの…変態っ!」
「アイタタタ…」
アンジュは思わずタスクを思いっきり蹴飛ばしてしまう。タスクは蹴飛ばされ、打ったところを抑えているが気絶していない。
「殺しても構わん!すぐにでも殺せ!」
ジュリオはまだのこっている兵隊に指示をして反乱分子と処刑されるアンジュを殺すよう命じた。が、タスクがエクシアに乗って撹乱してくれたことによってレイゼルの方は動きやすかった。
レイゼルは時を止めて煙幕をばら撒き、目を眩ませる。
「アンジュ!」
「ナオミ!貴方まで⁉︎」
ナオミはパラメイルに乗ってアンジュを迎えようとしている。煙によって市民や他の人達は彼らが全く見えない。
だが、ナオミを狙うかのように背後から黒い機体は自動的に動いて狙撃している。
「僕は囮になる!君達二人は早くアルゼナルへ!」
「タスク、貴方何者なの…」
「僕は…ヴィルキスの騎士さ」
タスクはエクシアに乗り込み、黒い機体を両断する。標的はアンジュリーゼではなくエクシアへと変更し、黒いランスロットとトリスタンもマナのパイロットが乗ってタスクを追う。
アンジュとナオミはそのままアルゼナルへと帰っていくものの、タスクは二人を無事に送ってくれるまで囮を続けていた。
レイゼルはタスクがエクシアを持っていることに驚いたが、このままだと撃ち落とされかねない。
『どうする、兄貴…』
「俺とヒルダ、アーニャはタスクの元へ…キューエルとマリーカはアンジュとナオミの援護を」
『了解だ』
レイゼル達もタスクの詳細については後回しにし、今は黒い機体の囮役をしているタスクをすぐにでも助けることを優先した。