レヴェンがタスクの乗っていたエクシアを調べた結果、レヴェンと同じようにデバイスが搭載されていたことが判明した。このデバイスがパイロットにまで危害を加えようとしており、デバイス自身は誰が何をしているのかわからないために、直接干渉しようとする人を無差別にレーザーで撃ち殺している。
レヴェンはそのデバイスに話せるかどうかを調べて、交渉を持ちかける。
交渉は成功し、レヴェンはエクシアに入ってあったデバイスの設定をし直され、ちゃんと誰がいるのかを分かるようにした。
『一応、エクシアに入っていたデバイスとの話し合いの結果。我々には危害を加えないそうです。
しかしまぁ、交渉に3日かかりましたね…』
レヴェンがタスクのエクシアをどうにかして直し、デバイスの説得にも成功した。後は機体の強化(トランザムライザーシステム)だが、それにも時間がかかる。
*****
レイゼル達がのんびりしている間、アルゼナルの上空には大量のドラゴンがシンギュラーから出現していた。
更にドラゴン側にはバラメイルの形をした機体までも登場する。その機体の方はレヴェンが調べ、ドラゴン側の方で開発したものだったことが報告された。
収斂時空砲でアルゼナルのほとんどが吹き飛ばされたが、
『どうされますか?』
「…俺たちの知ったことか」
レイゼルはアルゼナルがどんな目にあおうが関係ない。その問題はアンジュ達でどうにかするしかなかった。
理由は、ヒルダがどんな目にあったかを兄が目に焼き付けている。アルゼナルを助けてあげる義理はないからだ。
が、アンジュ達を死なせるわけにはいかないので。アンジュがもしもピンチになったら行くことは考えた。
「あの時空砲に巻き込まれるアンジュじゃないはずだ」
結果的にアンジュのヴィルキスがドラゴンを追い出し、シンギュラーの奥へと押し帰していった。
ドラゴンがアルゼナルを襲ってきた以上、次の時は本気で攻めてくる。襲撃は予想通りまたアルゼナルが襲われたが、襲ってきたのは人間の方。
今度はメイルライダーの回収及びノーマの虐殺。流石にレイゼル達もアンジュとナオミが殺されるわけにもいかないので混戦の最中、遠距離で艦隊のピレスロイドを破壊していく。
そんな最中、アンジュリーゼとタスク、ヴィヴィアンの三人がエンブリヲの収斂時空砲によって行方不明となった。
*****
タスクにはまだエクシアを渡しておらずそのままの状態。軍事基地であるアルゼナルはノーマが一人もいない蛻の殻となっていた。
軍事基地にあるのは死体の山、ボロボロの基地内。遺体は特殊部隊によって撃ち殺され、死んでいったノーマの数。
「なんでこんな、酷いことを…」
悪臭に二人は手で口と鼻を押さえ、辺りを見渡していた。基地は放棄され、もう誰も使えなくなっている。ジルは生き残ったノーマだけでリベルタスを行うつもりでいた。が、ジルの言うリベルタスを行うと言ってもアンジュがいなければ行えない。
「そろそろミスルギを襲おうかなって」
レイゼル達はアンジュがまた着てないためにもしも自分達で解決できるのならすぐに取り掛かるように準備した。
戦力は整っており、ミスルギ皇国へと向かう。
向かっている間に黒いヴィルキスに乗っているサリア、エルシャ、クリスという3人のメイルライダーがレイゼル達の前に立ちふさがる。
『ダイヤモンドローズ騎士団(笑)…ぷっ』
「どうしたレヴェン?」
『あ、いえなんでも』
とは言っても実力差は圧倒的にレイゼル達の方が遥かに上回っている。彼女らは収斂時空砲を所持してはいるものの、エンブリヲからはまだ使ってはいけないと言われており、サリア達は押されていた。
「後は…親玉を殺して」
「私らがこの世界の法や規約をぶっ壊す!」
警備も手薄になっており、ここまでは順調だった。3人はキューエル達とアーニャに任せてレイゼルとヒルダの二人でようやく宮殿へと向かうものの。
「ま、ママっ…⁉︎」
そこには、ヒルダの母親の姿が宮殿の中におり捕獲されていた。母親は見知らぬ男達に拘束されており、手が出せない。
このままエンブリヲごと撃てばヒルダの母親は巻き込まれてしまう。
*****
母親の姿を見ていた二人が攻撃を中断してしまった。
「⁉︎どうしたの!」
「人質がっ…くそっ!しかも俺とヒルダの母親を使って!」
マリーカがヒルダに聞くが、二人とも全く反応しない。ヒルダは母親を人質に取られて呆然としていた。
あまりのことで身動きが取れない。
「どっ、どうするの⁉︎」
「早くして」
レイゼル達の目的はエンブリヲを倒してこの差別世界を終わらせる。しかし、その目的を達成する為にはエンブリヲを殺せばヒルダの母親も爆発に巻き込まれて死ぬ。
母ごと撃てばレイゼルはヒルダに恨まれる。
今の所キューエル達3人が押さえているものの、いくら技能が優れているとはいえ何時間も待つことはできない。
「それに、もう過去に母親の件はもう終わったんじゃないのかっ⁉︎どうするんだレイゼル‼︎‼︎」
「…キューエル、マリーカ、アーニャ。ヒルダを頼む」
レイゼルは機体を降りて、エンブリヲを機体で殺すのではなく、白兵戦で殺すつもりでいた。
*****
エンブリヲの隣にはクルエルがいる。
レイゼルは襲うのを知った上で母親をさらい、人質として使ったことがわかる。
ミスルギ皇国でパラメイル以外の機体であるナイトメアなどを所持していたために絡んでいたのは分かっていたことだが、母親を盾にするとは思わなかった。
クルエルはどこか別の場所に転移していった。
「エンブリヲ、降りたぞ。まさか人質を使うなんてな…しかも俺とヒルダの母親を…人質は何処へやった」
「君がレイゼルという男か、クルエルから聞いたよ?君はその機体でこの世界を敵に回しているそうだね」
「それがなんだ…」
エンブリヲはレイゼルに手を差し出して、こう頼んだ。
「私の配下にならないか?この世界を壊そう」
「下らない…戯言だな‼︎」
レイゼルはエンブリヲの頼みを即座に断り、スタンドを展開させる。ザ・ワールドでエンブリヲの心臓を貫き、遺体を壁に投げ飛ばす。
骨の折れる音が幾つもなった。
「世界をこんな風に歪ませて作った創造主が、世界を壊そうとしている俺に配下になってほしいってふざけてるのか?
死んでもゴメンだね」
余りにも呆気ない幕切れだった。レイゼルはエンブリヲの死体を確認し、ヒルダの母親を探した後に機体に乗って帰ろうと移動しているものの。
「乱暴な者だ。しかし、君は手を出さないで動かずに私を殺すとは思わなかったよ。
君は一体どんな手段で私を殺そうとしたんだろうね?」
「⁉︎生きているだと‼︎」
エンブリヲは平然とした姿で座りながら紅茶を飲んでいた。さっき死んでいたエンブリヲの遺体を確認するが、遺体がいつの間にか消えている。彼がよそ見している間にエンブリヲはレイゼルの隣に瞬間移動し、レイゼルの頭を人差し指でつつく。
レイゼルはエンブリヲを攻撃しようとすると、その直前で止められてしまった。
「お前っ…俺の頭に何をしたっ⁉︎」
「じきに分かるさ」
快楽が身体全体にまわり、陰茎の部分も膨れ上がっている。身体の快感も異様に敏感になっている。なんとか快感を悶えて抑えようとしている。もう一つの問題点として自分で自慰行為を何回かしても、精子が出せないこと。エンブリヲは明らかにレイゼルの感覚器官に何か細工を施していた。
「安心したまえ、今の君の身体は私が射精しろと言わなければ射精することが出来なくなっている。その後は元の感覚と男性器の状態になるから安心したまえ」
「俺を、一体どうするつもりだ…」
「君が配下になろうとしないのなら、君達が私を倒せるという希望を絶望に落とすように準備している。君が私に対して反抗的な態度を取るのは分かっている。だから、私に考えがある」
そう言うと、エンブリヲはレイゼルを空き部屋に連れてくる。空き部屋には椅子と、ロープを着ている幼い少女だけだった。その小さな少女は前にどこかで聞いたことのあるような声をしていた。
「さて、彼女はマナの光が突如使えなくなってしまった女の子だ。【椅子に座ってじっとしてなさい】」
「こいつっ…洗脳を。こんなことしても「さて、準備は整った」」
エンブリヲはレイゼルの方を向いて、肩を触る。触られるだけでも快感に変換され、じっと性感帯や自分の肌を抑えながら悶えている。喘ぎ声になりつつも、じっと堪えていた。
が、レイゼルの方は洗脳の解除はレヴェンに後からなんとかすれば良いと思っていた。洗脳を解いて、エンブリヲをどうにかして撤退する必要があった。こんな場所に長くいるつもりはなく、殺そうとしてもまた復活する彼に殺す手段が見つからないためこの状況から自分だけでも脱走することに決めた。
ーーー私はこの女の子を使って君を絶望の淵に落とし、手篭めにしようと思っている。ヒルダという女を手にすることはできなかったが、このやり方で君を苦しめるのなら十分だ。
手始めに君は、どれくらいの間、快感に堪えられるかな?
頑な心を持つレイゼルを壊そうと、エンブリヲはレイゼルの耳元で悪魔のように囁いた。