レイゼルは妹に容赦無く中出しをしているものの、避妊薬を飲ませているので妊娠することはない。その避妊薬は子供にも飲めるような安全なものではあるが、何回も飲ませてしまうと毒になるので回数は少ない。
「随分と仲良くなっているんだね」
「もう驚かんぞ」
完全に兄であるレイゼルに依存して一緒にいることが多くなっている。ライラはこうしてないと不安になって怯えてしまう。
「まさか、二人の妹にまで手をかけるつもりじゃないだろうな?お前が欲するって訳じゃないはずだ」
「母親はどうするのかね?君達の性行為を見て、失神して倒れているのだが」
レイゼルとライラが性行為をしていた映像が流れ出る。あんなものを母親が見てしまえば、穢されたと思って嘆いているのが思い浮かんでいた。
「クズが…」
「君も同じだろう?」
レイゼルは母親の考慮もなしに、娘を選んだ。彼は母親の身も心配していたが、母親の方は助けたとしても娘のことで殺意を持って殺そうとするに違いなかった。
「あぁしなかったら…今頃ライラは孤独に耐えきれずに自殺していた‼︎」
「だからあの幼女を優しく愛でたとでも?」
その話で二人の関係を映像で見ていたエンブリヲは母親に知らせており、レイゼルとライラの性的な関係になっている部分を見られている。
(悪趣味な奴だ)
人の生活を監視して、嘲笑うかのようにエンブリヲはレイゼルをいつでも見られる。レイゼルは話が済んだら、部屋へと帰っていった。
「大丈夫ですか?お兄さん」
「あぁ、俺は平気だよ?お疲れ様」
ライラはメイドの格好で部屋を掃除していた。レイゼルが無理矢理着せさせたものではなく、ライラがタンスの中にあったものを着用している。他にも衣服があったもののほとんどが洗濯に入れており、その服しかない。
(俺は…ヒルダを犯したっていう禁断な関係になって…ここに来て母さんや、母親の娘まで酷いことをしたんだ。そんな俺が、兄って呼ばれる資格があるのか?)
次の日もレイゼルはエンブリヲに呼び出されて、二人は紅茶を飲んでいた。エンブリヲは清々しい顔でこうして対談しているものの、聞いているレイゼルの方はここにいることが苦痛で、不愉快きわまりない。すぐにでもエンブリヲのいる部屋を出たいくらいに。
「ダイヤモンドローズ騎士団に俺が?何で?」
「君は実に優秀な存在だ、是非とも彼女達と協力してもらいたい。母親の方はもう人質じゃなくなったからね。
君の同意するかどうかを決めてほしい」
前にその3人組がレイゼル達を襲ってきて、返り討ちにしたのは覚えている。ふざけたネーミングの作戦で戦っていたものの、内容の方はちゃんとしっかりしていた。
だが、レイゼルの方は伏兵(キューエルとマリーカ)を用意していたために彼らの攻撃なんて造作もなかった。
「断る、俺は一人で十分だ。自分の身は自分で守る…守るとってもここにいる妹一人で定員オーバーだ」
「そうか、入りたいと志願するなら私を呼びたまえ」
*****
部屋に戻っている間に、青いツインテールのした少女が話しかけようとする。名前はサリア、ターニャ、イルマという3人組であり、レイゼルは既にレヴェンからの情報で知っていた。
「ねぇ、あなたがレイゼルって人?」
(確か、レヴェンに笑われてたな…あんな厨二病の名前をつけたのはこの女か?)
サリアは緑とオレンジのラグラメイルのメイルライダーに向かって技名のような指示をして、陣形を構えていた。指示された二人の方は呆れていたが、ちゃんと陣形を構えて襲ってきた。
「あぁ、確かに俺がレイ」
喋る前に彼女は右手でナイフを取り出して突き刺してきたが、レイゼルは右手でサリアの腕を掴んで防ぐ。首のところまでは届かず、サリアは腕を振り払って拘束を解いた。
「会話のマナーがなってないな。話す前にいきなり暴力で分からせるつもりか」
「…エンブリヲ様に何を吹き込んだの?」
ナイフに力が込められており、彼女の殺意がレイゼルに向けられている。エンブリヲに忠誠を尽くしており、話す前に攻撃してきたために敵視している。ここに連れてきたレイゼルをエンブリヲは何故か彼を歓迎し、二人だけで話し合ったりする機会が多かった。
「怖いな…疑り深いとここまで酷いことをするものなのか?」
「答えなさい!」
「「騎士団長」」
レイゼルはサリアの手を離さずに力強く握っている。イルマとターニャがレイゼルに発砲しようとするが、スタンドで二人を吹き飛ばした。
「話をしただけだ。誑かすんだったら俺はこんなところにはいない。ともかく、今のところ俺はまだ逆らう気はないよ」
「なら、今後反逆する可能性はあるってことね」
サリアはそう言って力を緩もうとせず、攻めて来るが、レイゼルは自分が殺されそうになっても3人相手に手加減している。怒りに身を任せている3人を対処するのはヒルダの特訓の相手をするよりも容易いことだった。
「ハァ…俺を殺そうとしたところで、エンブリヲは愚かなことをしたお前らを軽蔑するだけだ。なのにすぐに敵と認識して襲ってくる。
それと、あんな男に忠誠心を持ってもいいが…俺にとってお前らがどうなろうが知ったことじゃない。あいつは誰も愛してない、お前らがあの男をどう思おうが勝手だが最終的に酷い末路になるだろうな」
エンブリヲを侮辱されたことに3人がまた更に感情的になって襲ってくる。
しかし、
『
スタンドで時を止めて、イルマとターニャの二人に峰打ち、サリアは背負い投げて地面に叩きつけた。時は動き出し、二人はその場で倒れ、サリアはレイゼルに背負い投げられて仰向けの状態になっている。
「良かったな、エンブリヲの手下で。
そうじゃなかったら首の骨折ってたぞ…殺しはしない。けど、次は死にたくなるほどの地獄を味あわせてやる。それが嫌なら俺に関わるな」
「レイゼルっ…‼︎」
そう警告して、3人を置いて部屋へと帰っていく。
サリアはレイゼルの警告を聞かずに殺せなかったことを悔しながらに彼を睨んでいた。
*****
レイゼルはここに住ましてもらっているために多少の協力は課せられている。動けようがないから部屋で何もせずにのんびりここにいても迷惑になるために。だから、彼にできることは
「あら、こんにちわ。また手伝ってくれるの?」
「あ!レイゼルお兄ちゃんだ」
「こんにちは!」
子供がレイゼルの方に向かって足に抱きく。子供達は彼に挨拶し、活発に動いていた。
エルシャというノーマの女性はアルゼナルではメイルライダーをやっていた。アルゼナルが襲われてから、子供達が犠牲となって一度は死んだもののエンブリヲが生き返らえらせた。
生き返らせた子供達をここに連れてきて、エンブリヲ幼稚園というものを用意した。幼稚園の名前とかエルシャもまたエンブリヲに感化されているのは気が引いたが、それ以外はレイゼルにとって何の問題はなかった。
子供の身体には何の害もなく、活発に動いている。
『君も同じだろう?』
(…俺は)
エンブリヲにクズと言い放っていたが、人のことは言えなかった。ヒルダとの肉体関係、母親を見捨ててもう一人の子までも肉体関係を育んでしまった。普通の人がそれを聞いたら、引いてしまうのは言うまでもない。
義理兄であるレイゼルが家族として入ったせいで無茶苦茶にした。そのことでレイゼルは悩まされていた。
それでも、目の前にいるノーマの子供達に欲情して犯すほどレイゼルは酷く狂っていない。あの時のように、ヒルダの復讐を執行しなかったのはまだ善良の心を持っていたからだ。
まだ子供はレイゼルのズボンを引っ張っており、遊ぼうと構っている。他の子を見ると、こけて足を挫いて座り込んでいる子がいた。
「あらあら」
「じゃあ、俺が行っておきますので」
だから、子育てをするのは嫌いというわけではない。前に妹のヒルダを嫌々と言わずに世話をしていたのはレイゼルだった。そのため、小さい頃のヒルダと近い年頃の子の世話はちゃんとできる。
「傷口は先に水で洗っとかないとな。バイ菌が入ってしまう」
立ちそうにない子をレイゼルが抱っこして、水場へと向かった。
足の傷口を洗い、傷薬をつける。
レイゼルにとっては、ライラという妹と子供達との触れ合いが何よりの癒しだった。
*****
「いつもありがとうね」
「それほどでも」
子供は遊び疲れで寝ており、布団の中に入っていた。こうしてレイゼルが手を貸してくれているおかげでエルシャの負担を軽くしている。
「…ちょっと貴方と二人だけで話しをしたいの。良いかしら?」
「?…なんでしょうか」
エルシャとレイゼルの二人だけで対談していた。
彼は警戒せず、椅子に腰掛けて肩の力を軽くしている。彼女だけに警戒しない理由は、エンブリヲの場合は自分に有利な取引を持ちかねず、サリアは話にならない。クリスはレイゼルと話す以前の問題で興味を持ってない。
そのため真面に聞いてくれるのはエルシャしかいなかった。
「随分、ここまで生き残るのに苦しい思いをしたのね」
「それは勿論…しっかりしてないと、生き残れないから」
兄妹二人が、生き残る為にも幾度か苦労があった。
まずヒルダを救う為にスタンドを強化するため精神を強く維持したこと。マナで生活している他人の物を盗み、アルゼナルの件では妹の身勝手が原因だったけれど一番問題だった司令に兄が憤慨してノーマも敵に回した。
ヒルダ以外のこの世界の住民が全力で二人を殺そうとしてくる。ならば、レイゼルは妹以外誰も信用してなかった。それくらい必死になっていた。
「なんで、アルゼナルを葬らなかったの?エンブリヲさんから聞いたわ。
妹さんのことも。
ジル司令官が妹を拷問にかけたのを目にしてしまったのでしょ?貴方のことを恨んで反感をかっていたけれど…貴方にとって私達は殺したいくらい憎かったはずよ」
「そうですね。ジルという司令官があと一歩、これ以上ないくらいのことをしでかすのなら…俺はアルゼナルにいるノーマを蹂躙して皆殺しにしても構いませんでした。
多分…貴方と子供達を含めて。
俺は、血の繋がった兄じゃない。
ただの義理の兄なだけで…妹達についてはその」
「敵に回したっていっても…貴方は本当に妹思いの優しい人なのね」
優しい人という言葉に、レイゼルは身震いし恐怖した。
(やめろ。俺は善良なんかじゃない)
今までどれだけ酷いことをしたか。
ヒルダを苦しめてしまい、母親を救うこともできず、母親が新しく孕んだ娘を犯した。
こんな兄が果たして真面な人間だと言えるのか。良い人とか、善良とか、優しいということを言われる筋合いはなかった。
「今の貴方は心に余裕がないわ。周りが敵だらけで、常に自分を奮い立たせている」
エルシャの言っていることは本当だった。優しいという言葉で急に落ち着きをなくし、危機感を抱いている。
「何を言っているんですか、俺が緊張することなんて「嘘。貴方の顔を見れば分かるのよ、すごく悲しそうな眼をしてる」む、無理なんて俺はしていない、勝手にそう決めつけないでくれ」
「心を閉ざして、しまいこんだまま溜め込むとね、いつかはポッキリと折れてしまうわ。
今の貴方はまだ、妹さん以外にも誰かに助けを求めているのよ。」
(や、めろっ)
エルシャが心配していた内容は、レイゼルにとって大きな悩みとなっている。心を見透かされることに、恐怖を抱いていた。この女は侮れない。
夢でヒルダの母親がレイゼルに憎悪を抱いて迫りこんでくる悪夢を見てしまった。事情が事情とはいえ母親の娘を犯した上に母親を地獄の底に叩き落とし、帰ってヒルダにどう思われてしまうのか。
何日間か心が落ち着かず、エンブリヲはその隙を狙って堕とそうとする。エンブリヲと同じように支配しようとするのか。
ライラという妹に助けを求めても、彼の心は満たされない。彼が助けを求めているのは
「止めてくれっ‼︎そんな話、俺にはもう耐えられない!」
「待って!」
レイゼルは自我を保てなくなって逃げ出そうとするが、エルシャが彼の腕を掴む。もう彼にとってこの話は聞いていられなかった。
心を打ち明けられるのはヒルダしかおらず、胸の内にある罪悪感が日に日に増していった。敵であるノーマに明かせば明かすほど恐怖心が滲み出る。
「頼む、もう構わな「構うわ、貴方は悪い人じゃないのだもの」いいや違う‼︎俺は、悪い存在だ!妹の気持ちを考えないせいで怖い思いをさせた!アルゼナルを徹底的に潰そうとして、禁断の関係になって、家族そのものを滅茶苦茶にしてしまった俺が‼︎そんな俺が誰かに認められたり褒められちゃいけないんだよ‼︎」
レイゼルは妹の為に動いてはいたものの、ヒルダ家の関係が崩したのはレイゼルだった。二人の妹はレイゼルに溺愛し、母親を蹴落とした。
しかし、レイゼル本人は悪い意味でこんなはずじゃなかったと思っている。
母親と娘はあそこで夢を見て、暮らし。ヒルダとレイゼルは遠い場所で幸せに暮らすはずだった。それを台無しにしたのはエンブリヲだが、彼と同じく壊したのはレイゼルもまた例外ではない。
「そういう、ことだったのね」
「もういいか?」
エルシャはレイゼルの手を離した後に、今度は抱きついた。自分が悪い悪いと言っても、エルシャはそんなことない、違うわと否定する。
「あの時にアルゼナルを壊さないでくれて…本当にありがとう。貴方が子供思いでいい人で本当に良かった」
「いいや…俺は良い人なんかじゃない。話を聞いていないのか。
貴方は、俺をバカにしてるのか…?」
「してないわ、これっぽっちも 」
レイゼルにとってヒルダを狙おうとするのなら誰であろうと殺すことも厭わない。ライラは二人が相談しているのをドアを覗いて見ていた。
(お兄さん…今までずっと戦って、苦しい思いをしてきたんだ。私、ここにくるまで何も知らなかった)
レイゼルは妹達を一番最優先にした。
自分の身を投げ出してでも守りたいものだから、助けれるのなら死んでも本望だった。
しかし、その行動が望んでいた結果が悪い方向に向かっている。ヒルダがそんなレイゼルを許す不安もあり、行動を褒められることに疑問を感じてしまった。
彼自身、初めて知った一人のノーマに心を見透かされるとは本気で思ってもない。
「正直なところ…今の俺は貴方を殺したくない。親密になるべきじゃなかったって心から後悔している」
「そんなこと言わないで。だったら、妹さんと和解して私と一緒にエンブリヲさんと協力して…子供達を」
「それはできない。でも、できれば俺は貴方とは戦いたくない。エンブリヲを認めない理由は…家族を無茶苦茶にしたのはあいつだからだ。話は終わりだ」
エルシャの頼みをバッサリと断り、レイゼルはライラを呼んで部屋に帰ろうとする。
「俺は、話が通用しない奴らばっかり会ってきたからな。
だから、誰も信用してなかった。
妹を除いては、それに…」
ーーーーあんたと戦いたくない理由は…目的は違えど、やることは俺と似ているからだよ
レイゼルはヒルダを、エルシャは子供を守るためにも。どんな非人道的なことをしても守りたい人がいるからだ。その為に他の誰かを抹殺したり、殺したりしても。
レイゼルの悩みとしては自分の行動が悪い方向へと向かっていって、恐怖しているから。ヒルダのために人質の母親を助けようと思っても、もう一人の娘が自殺をしようとするから見ていれらなくなって救った。けど、どうしてこうなったってところですかね。そのせいで母親救うことは難しくなったし、ヒルダと再会するときになんて答えればいいか悩んでいる。
エルシャって子供のことについても考えてるし、小さい頃のヒルダについても分かってましたから。
『アンジュちゃんって似てるのよ、昔のヒルダちゃんに。
だから、お姉さんほっとけないの』
5話だと原作のヒルダがアンジュの機体を落とそうと企み、見事に成功して嬉しく思ってました(そのおかげでアンジュはタスクに会えたわけですけど)
気に入らないから、親愛だったゾーラを殺したからという理由があったから陥れようとしてたし。
機体を落としたくなるのはわかってましたし。
こっちの考えとしてエルシャってホント母親らしい思うんですよ。仲間のことをちゃんとよく見てますし、レイゼルの隠していた悩みも分からないわけがないので、こうなっています。もしも、エルシャがヒルダとレイゼルの母親とかだったらどれだけ幸せだったことか。
レイゼルは妹における責任の重荷で苦しむだろうし、ヒルダの方はそんな兄を見て悩んでました。
『ノーマもマナも信用できない。全てが敵だらけだから、兄である俺が一番しっかりしなきゃ』
『自分のせいでお兄ちゃんが苦しんでいる』
まぁヒルダの母親だったとしてもそれなりに幸せだったかもしれない。
これは、作者の勝手な望みですけど母親がマナを持っていたとしてもモモカ・荻野目と同じように尽くしていたのなら…救いはまだあったのかも。