※この作品はR-18です。

紅と黄金.r18   作:斬刄

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最終決戦

整備が完了し、ミスルギ皇国へ向かう準備ができた。

いつでも応戦できる状態となっている。

 

「全員…準備できてるな?」

 

彼らはアウラ奪還とノーマ解放のための最後の戦いに挑む。

サラマンディーネからまだ次元融合が始まってはいないと連絡が来ているが、海が少し黒く濁っており、悪天候になっていることから只ならぬ不穏な空気が漂っている。

 

まるでこの世の終わりがやって来るかのように。

 

『みんな、聞こえる?

総司令官のアンジュよ…これから私達はミスルギに侵攻、アケノミハシラへと強行突入するわ』

 

反社会的と呼ばれたノーマ、アウラの民。

争いあっていた彼らが互いに手を取り合い、エンブリヲを倒す為に向かう。総員、戦う覚悟はできていた。

向かう先は、アウラが捕らえられているアケノミハシラへと。

 

ーーラスト・リベルタス

 

調律者に対する宣戦布告と、この世界における差別社会の終わり、彼女達による最後の反逆として相応しい作戦名だった。

 

『神様だろうが、何だろうが…殺して、勝って、みんなで生きるわよっ‼︎』

 

エンブリヲが死んだことの確認、洗脳されたサリア達の説得、アウラ奪還を達成することで平穏に終わらせてくれれば、誰も死ぬことなく全員が生還して帰ることができる。

 

 

世界を救う為の、最後の戦いが始まった。

 

*****

 

マナの国々からは外部からやってくるノーマの襲来によって艦艇とピレスロイドを送り込む。

 

しかし、只の兵器如きでアンジュとレイゼル達は止まらない。

彼らはドラゴンとの戦いから何度も生き死にを味わい、この残酷な世界を生きる為に必至に抗ってきた。ドラゴンとノーマが同盟を組んだことで、ラグナメイルとエンブリヲが助けに来ない限り生半可な戦力で退けようとしても完膚無きまで殲滅される。

 

いくらマナを扱う彼らが国々と結束を固めたとしても、いくら兵力を集めたところでもう勝ち目などなかった。

 

 

「全軍!我に続けっ!」

「「「イエス、マムっ‼︎」」」

 

もうマナ使いの軍隊ではこの勢いを止めることはできない。ミスルギ皇国へと進軍していく時、サリア達のラグナメイルが散開しつつクルエルを探しているのを発見した。

 

「サリア…?一体何やってんの」

「アンジュっ…邪魔しないでっ!」

 

サリアは頭に血が上っており、話が聞ける状態ではない。クリスとも離れており、側から見て様子がおかしいことはすぐに分かった。

 

「あんただけ幸せになれてっ…!それなのに私は、私はっ‼︎なんでこんな目に会わないといけないのよっ‼︎」

 

エンブリヲが死んで、激昂している彼女の背後には黒い塊が空に浮上し、みるみるうちに形状が変化していく。

 

「おい、レヴェン。あれは一体何だ…」

『私のデータでさえも見たことのない機体…いや、これはひょっとしてまさか…複数もの機体が融合していませ…⁉︎

 

さ、避けてください!絶対それに触れてはいけてはいけませんっ‼︎』

 

アンジュとサリアを覆い被せつつ襲おうとする。が、動きが遅かったからかアンジュとサリアの二人はすぐ気づき、斬り合うよりもその場から離れること優先した。

 

「なに…これ」

『海から何かやってきます!これは…⁉︎』

 

海から黒い泥とパラメイルとドラゴンの残骸が塊の元に向かって集まる。それを吸収し、ドラゴンとパラメイルを融合させたものへと作り上げていく。そして、

 

【出来損ないの世界と、その世界で強く生き抗う人々よ】

 

キューエルとマリーナの二人は聞き覚えのあるような違和感を感じた。前まではぶっきらぼうに、子供染みたように喋っていたのに今では落ち着きのある話している。

 

「まさか、この声はクルエルなのか?

いや…最初に会った時は、そんな言い方じゃなかったはずだ…」

【その時はまだ、成熟していなかったからだ。前の人格はとっくに廃棄されている。

 

幼虫から蛹に、蛹の中で溶かされ、そして蝶となるように】

 

まだ未成長であったクルエルは、あの黒く染まったドラゴンとパラメイル、弱い機体を呼び出すことしかできなかった。

 

「貴方が、貴方が…エンブリヲを殺したの‼︎」

【確かにあの調律者を殺したのは私だ、聖杯の器にふさわしくなかった】

「聖杯?」

 

クルエルは包み隠さずサリアに殺した事を言うが、タスクは耳を疑っていた。

 

エンブリヲはこうも呆気なく簡単に死ぬなんて、そんな都合のいい話を信じられる訳がないと。

「エンブリヲは不死身だ、そんな話を信じられるわけが…」

【不確定存在による入れ替わりも無力化させ、奴の本体ごと抹消した。

これがその証拠だ。

 

あの全知全能の者を器にするべきかと私は考えたが、あのような者では歪な器になる。

聖杯は作り出せない】

 

クルエルがそう言うと、エンブリヲの抜け殻だけを出現させた。

十字架に縛られ、磔にされていた。彼の持っていた機体であるヒステリカもクルエルが操作している。

 

「そう…やっぱり貴方が‼︎」

「…エンブリヲを殺したというのは、本当だったのか⁉︎」

 

サリアは殺したことを宣言したクルエルに睨み、タスクはあのエンブリヲを倒したことに驚いている。

レイゼルの言葉は本当だった。

 

『この世界の理、歪みを私は見た。世界をなるべく泳がせた結果、最早救いようがないと判断した。

だからこそ滅ぼさなくてはならない』

「⁉︎な、なんだ!」

「た、助けてくれぇ⁉︎」

 

黒い泥は海を侵食し、まずマナ達が乗っている艦艇を取り込む。黒い泥は空高くクルエルの元へと吸収していく。

 

『作られし人工生命も、ノーマも、ドラゴンも、全世界のあらゆる物を糧とし、この聖杯で満たす』

「聖杯…?どう言う事だ?」

 

全員が聖杯という言葉に首を傾げる。

国の至る場所が次元融合と泥によって崩れる。二つあった地球を一つにし、その黒い泥であらゆるものを覆い尽くされていく。

 

「お、おい…なんかこれ、ヤバいんじゃねぇのかよ!」

ロザリーが周囲を見渡すと世界各地で地震が発生し、水中火山が噴火する。あるところでは地盤が崩れ、台風が発生し、天変地異が起こっていた。

 

【終わりの時が来た。

世界を壊し、作り変える。

その時が来たれば、聖杯は完成される】

 

起こる被害は災害だけではなく、次元融合まで発生している。不完全に別れた世界を一つにし、纏めて一掃しようとしていた。

 

「…世界を壊して作り直すと言ったのか?

お前は、エンブリヲと同じことを言うんだな!」

【あの男は勝手に作った世界でさえ、彼自身好感を持つことはできなかった。

 

だが私は、この醜い世界を如何に変えるか、その答えを私は知っている】

 

目の前にいるこの怪物は、レイゼル達ですら知らない。戦いながらも言葉を交わせれる程の余裕はまだある。

 

四方八方敵に囲まれつつも、アウローラを守っている。

 

【遠い未来この世界は滅びるだろう。

その時期が早くなるだけのこと。

リベルタスなど必要はない、今あるこの滅びを…聖杯の入れ物になることを受け入れればいい】

「聖杯ってまさか…要は生きている全員を皆殺しにして、この世界を作り変えるんじゃないだろうな⁉︎

 

にしたって…俺とアンジュには攻撃してこないのはどういう事だ?」

 

レイゼルとアンジュには一切の危害を加えようとしない。

 

【レイゼル、アンジュリーゼ。

君達は歪んだ世界を忌み嫌っていた。

ノーマを許すな、生かしておくなど散々言われたことも。

 

世界を壊して生きたいと一度は望んだはずだ。

器に選ばれし者は、世界を変える力を有する。君達にはその器になる資格がある】

 

クルエルの言う通り、アンジュは幸せな暮らしに恵まれたはずなのに実はノーマだった事で人生のどん底に突き落とされた。レイゼルは母親でさえもみんなが妹のヒルダを虐げようとしているこの世界を本気で許せなかった。

 

一歩間違えれば二人は大きな力を手にした事で、世界を大きく狂わせ、今度は復讐という名で蹂躙する事も考えていたかもしれない。

 

「そうね…許さないって、そう思ってたこともあったわ」

「俺も…俺達兄妹もそのことについては否定しない」

 

二人とも否定はしなかった。レイゼルはノーマの法律を忌み嫌い、アンジュはノーマだと白日に晒されたことで故郷を見聞きして、思い知らされた。

 

彼らを腐った国の家畜だと、忌むべき敵だとどれ程強く思ったことか。

 

「けど、この世界を嫌いになることはもう出来なくなった。

第一中隊のみんな、タスク、モモカ、サラ子達と出会い、私を信じてくれる人がいることを。

私も、他の誰かを信じる為に戦っている。

ノーマの解放も、私達には生きて叶えたい夢がある。

 

だから世界を壊そうとする貴方に勝って、私達は生きるわ」

「俺は、ヒルダのような身内以外の連中を誰も信じることは出来なかった。

もしその感情を維持していたら、俺は心を捨てて無差別に殺しても何も感じない狂人にでもなっていただろう。その内、俺は妹の本心すら蔑ろにしていたかもしれない。

 

でも、アルゼナルを葬りさろうとするあの引き金を撃たなかったことも、ヒルダの妹を救ったことも、子供達を助けたことも。

後悔はない。

 

それが、俺自身の選択だからだ」

【人は、いつの日か永遠の眠りを迎える。

その時期が早く、器となれば痛みも苦しみも感じることも無い。

安らかに眠れるというのは、確かに幸福なことでは無いのか。

死は大した問題ではない】

「確かにいつかは眠るでしょうね。

でもそれは…少なくとも今じゃないわ!」

「死ぬかどうかは、お前が決めることじゃない‼︎

自分の歩く道は、自分で決めるっ‼︎」

 

レヴェンがこっそりとエネルギーを回復させ。可動式の主砲を前に出し、巨大ビーム砲を展開する。あの怪物を仕留めるには、収斂時空砲でも可能だが、既に時間に余裕があったおかげで既に用意している。

 

あとは発射ボタンを押せばいいだけだったが、サリアは無言のままレイゼルの機体に近づき、剣で斬りつけてくる。

 

「な、何で俺にっ⁉︎」

「サリア!

あのクルエルの話を聞いてなかったの⁉︎

エンブリヲを殺したのは」

【過酷なる道へと向かうのか、何故理解に苦しむ。ならば、自らの意思のない主人から離れた道具は聖杯の為に動くが良い。

 

絶望を知れ

 

神器を壊さんとする愚か者を排除せよ】

「なん、だとっ…⁉︎それじゃあサリアは」

 

記憶の改竄によって憎む対象をクルエルからレイゼルへと変換させた。サリアの憎悪はレイゼルに向けられる。今の彼女は、目の前の人に愛人を殺されて冷静になれないまま激情に駆られていた。

 

アンジュが前に出ている以上、発射ができないままアルヴァトーレのエネルギーはそのまま保持することとなった。

 

「レイゼル、貴方が、貴方がやったのねっ…‼︎‼︎よくも、よくもエンブリヲ様をっ!」

「なっ…サリア!目ぇ覚ませよ!

今度はあんなデカブツに操られやがって!」

 

ゾーラとロザリーが止めようとするとクリスが横から割って入り、不意をついて二人を襲う。

 

「どいて、エンブリヲ君を殺したそいつ。

殺さなくちゃ…」

「クリスもかよ、畜生!」

「…サリアはあの赤髪の男に任せて、私らはクリスを優先する!

ロザリー、それでいいな!」

 

ゾーラとロザリーは、サリアよりもクリスをどうにかすることにした。元々ゾーラの後輩は自分がどうにかするとレイゼルには話している。

 

エンブリヲに言葉巧みに従順になっていたはずが、今度はクルエルの手でサリア達が操り人形になっている。

 

「やめろテメェっ‼︎」

「ヒルダっ⁉︎」

「アンジュ…お前はタスクと一緒にクルエルのところへ行け!どのみち俺達にはアウローラを守る役目がある!」

 

サリアがレイゼルばかりを襲っているため、ヒルダがアルケーガンダムのバスターソードで剣を防ぐ。怒りで我を忘れ、彼女は話を聞く気にもならない。

 

「行こう、アンジュ!」

「分かったわ…」

 

アンジュ達はクルエルを倒す為に向かった。

一方、キューエル達は周囲にいる黒い小型ドラゴンとパラメイルを何とか撃破していた。

一体一体はそこまで強いわけではないが、数の量が多い為、時間がかかる。

 

「不味い…レイゼル達の助けに向かう「あ、あぁっ…」おい⁉︎マリーカどうし」

 

二人のそばにまた別の機体が出現する。

黒い泥から出てきた機体は、生前によく覚えている。かつて自分達を殺した機体、紅蓮が目の前に出現した。

 

エナジーウイングの赤い翼と、右手にある輻射推進型自在可動有線式右腕部、左手には呂号乙型特斬刀。紅蓮聖天八極式がソレイシィ兄妹を殺さんと構えていた。

 

(馬鹿な…この機体は⁉︎)

 

マリーカは怯え、キューエルは頭を抱えている。もしどちらかが、あの過去のように死ぬことが目の前で起きてしまったら。

だが、敵は考える時間も与えてくれない。

 

「き、キューエルっ‼︎」

 

いつの間にか裏に回わられ、既に右手の輻射波動機構で機体を掴もうとしている。マリーカの声でやっと反応したキュ〜エルだが、既に詰め寄られている。

(不味い、これは死)

 

それを、シュタルクハドロン砲でキューエルを助ける。

 

「気を抜いちゃ、ダメ」

「あ、ありがとうございます…」

 

二人は気が散って、戦いに集中できなかった。自分達が殺されてしまい、片方が生きていても目の前で殺されるという最悪な展開が頭に浮かんでしまう。

二人とも全力を出すことが出来なかった。

 

「大丈夫。自分を信じて」

 

アーニャは二人を励ます。二人がどういう死を迎えたのか、戦場であの機体によって命を散らしたのかと彼女は理解した。

 

アーニャのハドロン砲を撃たれても、損傷は少ない。

 

「やるぞ、マリーカ」

「兄様…」

「二人で、乗り越えるんだ」

「…うんっ!」

 

余計なことは考えず、お互いを信じて生きる事に決める。

 

「「トランザムっ‼︎」」

 

エナジーウィングの速さに追いつくために、トランザムシステムを起動させた。二人の兄妹は、かつての強敵を打倒する為に立ち向かう。

 

*****

 

クルエルの方にはアンジュとタスクが突っ込もうとしている。黒いドラゴンも機体、自然災害と次元融合を引き起こしている元凶が目の前にいる以上、立ち向かえるとしたら残りはアンジュとタスクだけ。

 

「サリアとクリスを元に戻しなさいっ!」

 

しかし、紫色のマントをかぶった骸骨がアンジュの背後に突然出現し、彼女を覆った。

 

『深い夢へ、安らかに眠れ。

お前にもあるはずだ、心の闇が』

「えっ…?」

「アンジュ‼︎」

覆われた彼女は身につけている衣服、指輪、そしてヴィルキスごと取り込む。マジックショーのように、マントを開くと何もなくなっている。

骸骨も消え去っていた。

 

「アンジュを何処へやった!」

【覚めることない深い夢へ。生と死の狭間で、望むはずの幸福な夢を見ているだろう】

 

クルエルの体内から機体が出現する。

前衛にはヒステリカとヴィルキス、後衛にはアルヴァアロン。泥で生成されたものだが、機体の性能は本物に近い。

三機ともタスクの前に立ちはだかり、ガンダムエクシアに乗ってるタスクを潰さんと武器を構える。

 

「頼む、俺にアンジュを助ける為の力を貸してくれっ…エクシアっ!」

 

タスクの言葉に応えるかのように、エクシアのGN粒子は輝きを増す。

 

*****

 

倒しても倒しても、減る様子がない。破壊されて飛び散った泥は、また複数もの船とドラゴン、パラメイル、ラグナメイルを形成して襲ってくる。

 

「倒しても倒しても…これでは」

 

確かに元凶のエンブリヲはドラゴンとノーマ達にとって最大の脅威だったが、この怪物は異常の強さを発揮している。

 

いくら倒しても海中から何度も再現されてしまい、敵の精鋭に限度はない。

 

「アンタさえいなければ!エンブリヲ様はっ…よくもよくもよくもぉぉっ!」

「サリア!正気に戻れ!」

「絶対に殺してやるっ!この手で!」

 

クルエル側のパラメイルがサリアの援護に回る。

レイゼルはアウローラを守るのが役目だが、サリアが全速力でレイゼルに向かって来ている。

 

(もう止む無しか⁉︎)

 

このまま止まれば、流れ弾でアウローラが当たる可能性があるため護衛を諦めた。

いまはヒルダが何とか攻撃を防いでいるが、殺さずに生かすのも時間の問題だった。

 

 

「レヴェン…あの機体」

『えぇ、彼女を洗脳した後にクレオパトラの武器性能が急激に向上しています。

あのクルエルの仕業でしょう…』

レイゼルとヒルダは何とかなるが、ゾーラ達はクリスを止めるのはこれまで以上に難しくなっている。

 

「ねぇ兄貴…これ本気に潰さないと私達が殺されてしまうよ」

「分かってる。キューエル達も助けに行かないといけないっていうのに…その上、アンジュまで」

ミスルギに向かうはずなのに、倒すべきエンブリヲは本当に殺され、次元融合もクルエルによって止まることはない。

ここに止まれば、アンジュが元に戻ってきたとしても全滅されかねない。

だからレイゼルは、

 

「おい、サラマンディーネ!護衛とアウローラを引き連れて、アケノミハシラへと向かえ!」

「ですが!」

「今、アウラを助ける事が出来るのはお前以外いない!そうじゃないのか‼︎

 

次元融合を止める方法も、あの怪物のことも…もしかしたら知っているかもしれない!だから早く助けに行け!

もう一刻の猶予もない!」

 

サラマンディーネ達に頼むしかなかった。レイゼル達も第一中隊も手が離せず、ドラゴン達に先に向かわせるしかなかった。

レイゼルが動けない以上、柱を壊す役割を持っているアウローラに向かわせる。

(アンジュ…)

 

ここに収斂時空砲を使える人は、焔龍號に乗っているサラマンディーネしかいない。

 

「分かりました…ご武運を」

「あぁ…頼んだぞ!

アウローラも聞こえているか!

その方針でいいな!」

『聞こえてるよ!

じゃあ、私らは先に行かせてもらうね!』

「頼んだぞ!」

サラマンディーネ達はミスルギ皇国へと向かい、後を追うかのようにアウローラも動く。

サリア達は追うことなく、レイゼルを狙うのはある意味好都合だった。

 

アウローラはジャスミンが指揮をとり、サラマンディーネ達と共にミスルギ皇国へと向かう。

 

「エンブリヲ様を殺した、その報いを受けなさい‼︎」

「…サリアを正気に戻す、か。

だがもし、無理だとするなら」

 

サリアが殺す気で向かっている以上、命がかかっているのなら黙ってヒルダを殺されるわけにもいかない。

 

「はぁぁぁっ!」

 

その横からまた別のラグナメイルが飛んでレイゼル達を助ける。オレンジ色が付けられているレイジアだったが、一瞬レイゼルはエルシャが助けに来てくれたのだと思っていた。

 

だが今の彼女は、メイルライダー新兵と、ナオミ達と一緒にアウラを助けに向かうためアウローラに向かっている。

 

ならば、この機体に乗っている人物は誰なのか、

 

「誰なの!そこを退きなさい‼︎」

「…ラグナメイルと騎士の紋章、それだけで強くなったと思っていたのか?その上、また別の誰かに手篭めにされてるとはな」

クレオパトラの放つ一撃を、横からレイジアが受け止める。

その声を聞くと、エルシャがではない。

 

「まさかっ…お前⁉︎」

『予想外でしたね…マスター。

まさか彼女が我々を助けるとは』

「久しぶりだな、サリア」

 

機体に乗って助けたのは、ジル司令ことアレクトラだった。

 




クルエルの姿
上半身:スカルグレイモン
下半身:キメラ化(大型ドラゴンとパラメイル、ラグナメイルとNMFを合成)
骨は散らばっていた機体の部品を集め、骨組みを形状にさせた。
生身は暗い泥から集めた残骸を寄せ集め、自分の体にしている。
本体は六角形の紫結晶であり、心臓部に付けている。
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