※この作品はR-18です。

紅と黄金.r18   作:斬刄

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VS聖杯(クルエル)Ⅰ

キューエル、マリーカ、アーニャの三人は紅蓮聖天八極式を相手に苦戦していた。性能は本物とは劣化しているとはいえ異常な速さで、間合いに詰めてくる。

 

偽物とはいえ三人を相手にしても、傷一つつけることができない。

 

「マリーカ!無事か!」

「はい!ですが…」

(トランザムを使っても、互角か。時間制限が刻一刻も迫ってきている…もう時間がない)

 

機体性能は三人を合わせてほぼ互角、ギリギリな状況で戦っていくのが精一杯だった。

間合いに入り、素早い攻撃を繰り出す。

長いこと戦っていても、無人機の敵は疲労もなければ、機体の損傷も直ぐに復活してしまう。

 

(気を緩めれば、奴の右手に掴まれてしまうっ…そうなったら一貫の終わりだ。かといって右手を警戒したら他がおろそかになってしまう)

 

かつてキューエルも、マリーカも生前にその機体に殺されている。本物ではないといっても、もう一度同じ機体とまた相対する事になるとは思ってもない。

 

手汗は止まらない、鳥肌が立ち怯えつつも素早い動きに長いこと集中しながら攻撃を回避していく。しかし、

 

(なっ⁉︎泥で、武器の形状を変化させたのか)

 

二人とも気が緩んでいたわけではない。

逃さない為に、泥で武器の形状を有り得ない角度に変形させたのだ。あらゆる方向に避けても、必ず追尾していく。

 

「くっ、やむおえないか!」

 

攻撃をキューエル自身に向けさせるよう、近づきつつGNライフルで牽制を取る。これならば、マリーカを優先するよりも防御の為に武器を戻すはずと思っていた。

しかし、伸ばした武器を崩し、新たに腕を生やしてキューエルの機体を掴もうとする。

 

「うそ、このままじゃ…兄様が」

「泥だからこそ、こんな芸当まで可能なのかっ…⁉︎」

 

生前にどういう末路を辿ったか。かつて純血派としてサザーランドに騎乗し、輻射波動を受けて脱出が起動せず、そのまま爆殺されたことを。

 

(だがそれでいい、その位置が凄く良い。

これでお前の速さを活かすことも出来ず、逃げ道も無くなった。

 

 

確かに防御はできんな、しかしそれは貴様もだろ?)

 

紅蓮の右手で掴まれた直後、ファングが貫く。拘束された時のみ発動し、紅蓮は形が崩れて海へ落ちていく。貫いたファングも爆発し、掴まれた機体もその爆破に飲み込まれる。

 

「嘘、そんな…今度は目の前「モニターちゃんと見て、キューエルは生きてる」…えっ?」

「二人とも安心してほしい。なんとか脱出ポットで逃げ、辛うじて生きている」

 

キューエルは、掴まれる直前に離脱した。

機体は失ったものの脱出機能が壊れて死亡したことを鮮明に覚えているからこそ、早い判断で爆破から避けた。

 

「良かった…!

でも兄様、なんであんな無茶を」

「こんな付け焼き刃の作戦、有能な操縦者ならすぐに見抜かれていただろう。

しかし、相手はそうじゃなかった。

無茶をしなければ…勝てなかった敵だ。

あの状況で躊躇していたら、今頃我々が蹂躙されている」

「つっ…」

その言葉に、マリーカは反論できなかった。

どんな攻撃も易々と回避され、トランザムを使用してギリギリ戦える状態だった。

アーニャの四重砲撃は火力があっても当たらなければ意味はなく、

 

「それで、二人の機体はどうだ?

機体を失った私は戦力外だが」

「もうエナジーフィラーが限界に来てる」

「私の方も、これ以上戦うのは」

 

紅蓮との戦闘だけでも、機体のエネルギーはギリギリだった。周りの泥を一掃したおかげで、今はまだ他の泥の機体から襲われることもない。

 

「…もう、これ以上は戦えんな。

プトレマイオスに引き上げるしかない…すまないがマリーカ、機体に入らせてほしい」

「分かりました。アーニャさんもそれで」

「うん、分かった」

 

泥状で、本機よりも劣化していたとはいえ、紅蓮とほぼ同等の機体が何機も襲ってきたら、いくらレイゼルとレヴェンに修行しても勝ち目はほぼ無い。

 

「後は頼んだぞ、レイゼル…」

 

三人は援護に向かうのを断念し、プトレマイオスへと帰っていった。

 

*****

 

サラマンディーネがアウラを解放したことで、泥の勢いは一気に増していく。解放後に外を見渡すと、ミスルギ皇国は襲撃した時以上に酷く、地獄と化した。

「馬鹿なっ…⁉︎」

泥達はアウラを発見すると同時に、民衆やピレスロイドを襲うのを止め、一斉に襲いかかってくる。

 

「何としてもアウラを守らなくては…!

ナーガ!カナメ!」

「はっ!」

 

サラマンディーネ達は必死にアウラを守る。

地上を見る余裕もそこまでなく、サザーランド達が下から射撃していく。

四方八方から狙われ、退路がない。

 

(…私の所為で)

「このままでは…アウラを守りきれないっ」

 

いくら機体の性能が上回っていたとしても、数の暴力と再生能力を用いる軍団に押し負けられていく。

満身創痍でアウラ、アウローラを守るのが精一杯の状況。ノーマ側もサラマンディーネ達を助けようとしても、圧倒的に戦力が足りない。

 

その一方でクルエルが生み出した泥の勢いは増し、機体も徐々に強くなっていく。陸地でしか動けなかった機体が今度はフロートを搭載して蘇り、ある時は散らばった泥がラグナメイルへと変異しようとする。散らばっていた泥の怪物達がミスルギ皇国に集い、アウラの周囲を囲う。

 

四面楚歌の如く、逃げ場がなかった。

 

『いいえ。

まだ、何も終わってなどいません』

「アウラ⁉︎アウラなのですか⁉︎

まだ終わっていないというのは」

『この時空融合によって、我々の同胞が必ず助けに来ます』

 

それでも、幽閉されていたアウラが復活したことで、ドラゴンの世界に援軍が来ることを予知した。時空融合の影響で重力波が脆弱化し、特異点が自然解放されていく。

 

次元の狭間から、ドラゴンが姫とノーマ達を助ける為に救援にやってきた。

 

『聞こえるか…偽りの…いや、ノーマの民よ。

 

我はアウラの巫女、アウラ・ミドガルディア。

アウラの民は、これより旗艦及びアウラを援護するっ‼︎』

「大巫女様っ…!」

大勢のドラゴン達が泥の機体を破壊し、アウラを護衛する。アウローラの周囲にいた泥もドラゴンの鱗と重力攻撃に耐えきれずに形もないまま粉微塵になっていく。

泥も強い機体だけが僅かに残り、ノーマ達とドラゴンで共闘しつつ戦うだけだった。

 

 

『…クルエルについて、お伝えしたいことがあります』

「あの者について、何かご存知でおられるのですか⁉︎」

 

アウラがクルエルのことについて何かを知っており、まずサラマンディーネに直接伝えていく。クルエルという聖杯の目的、泥の機体について全てを話す。

 

ーーかつてエンブリヲが管理する前の時期に、信仰があったことを。

彼はその聖杯について深くは知らなかったが、汚染された世界を享受し、維持してきたアウラのみが聖杯が実現していることを良く知っており、サラマンディーネに話していく。

 

『私の知る限りのことは話しました。

さぁ、まだ聖杯と相対して戦っている…彼らの元へ向かうのです』

「それはできませんっ⁉︎もし泥がアウラを取り込まれたら私達はもう手に負えなくなると」

『側近のナーガ、カナメ…そしてアウラの民の屈強さは、貴方が良くご存知のはずです。このまま私を守りつづけても、時空融合が完遂されれば我々は全滅します』

「では、やはり…この事態を終わらせる為にはクルエルを」

『アンジュを助け出し、聖杯を壊すのです』

 

泥の機体は半分をアウラに、もう半分はサラマンディーネを狙っていく。

 

大型ドラゴンが泥の猛攻を防ぎ、サラマンディーネの道を作っていく。彼女の近くにいたドラゴン達が一斉に叫び、先に行けと訴えていた。

「アウラっ…分かりました」

アウラはドラゴンの増援と自分の鱗を辛うじて泥の攻撃を守っている。サラマンディーネは、苦渋な気持ちになりながらもアウラの言葉を信じつつアンジュの元へと全速力で向かって行くのだった。

 

*****

 

 

クルエルは泥を用いて無限の兵隊を作り上げていく。泥から生成された小型ドラゴンとパラメイルは頭上から奇襲し、大型ドラゴンはビーム攻撃を防ぐ盾になる。

 

「レヴェン。

今撃墜させたの、これでいくつだ?」

『えーっと。60…くらいですかね』

「いくら倒してもキリがない…マジで前に進んでる気がしねぇよ」

 

泥を相手にしても、無駄にGN粒子を費やしていくだけ。いくらレヴェンの支援があるからといっても、無限に復活する敵を相手に戦うのは流石に無理があった。

 

「こんなんじゃ…私らジリ貧になるぞ。

どうすんだよ兄貴」

「分かっているっ…!」

 

迫り来る時空融合の制限時間、クルエルの撃破、アンジュの救出。アウラを助けることに成功しても状況はより一層に悪化し、タスク達はかなり焦っていた。

 

(…一体、どうすれば良い⁉

時間も迫ってきている。

あっちにいるアウラも取り込まれたら一貫の終わりだ。

もし、アンジュがクルエルの中で囚われてるのなら…このままだとお前ごと…)

 

もしクルエルの体内に消えたアンジュがいるのだとしたら、下手をすると彼女ごと始末する形になる。たとえクルエルを倒して世界を守れても、アンジュを救うことができなくなる。

彼らは思い悩んでいた。

「レヴェン!

本当に、救う手立ては無いのか⁉︎」

『残念ですが…調べてもエラーしか何も出ませんでした。

もうこのまま葬るしか…』

(アンジュ…本当に何処に行ってしまったんだ⁉︎)

勢いは止まらない。消えていったアンジュの安否にタスクもレイゼルも悩んでいた時に

 

『ご無事ですか、皆さんっ!

アウラから伝言を承りました‼︎』

「その声…サラマンディーネさん!」

 

サラマンディーネはまだ合流できていないが、

「アウラは無事か⁉︎」

『はい!アウラの民が次元融合の狭間から救援に来てくれました!

今、彼らがアウラを守っております!」

『…伝言ですか。ではナオミさん、そちらにも繋げておきますね』

 

レヴェンが通信をレイゼル、ヒルダ、タスクの三人に繋げていく。ナオミの方はレヴェンが気を利かせつつラグナメイルと回線を繋げた。

 

『今目の前にしているクルエルという存在は、エンブリヲが統治する前に顕現した聖杯です。

 

かつては崇拝した人類を厳選し、偉大なる夢見…つまり杯に相応しい存在を聖杯に入れ、命を失うことなく永遠の夢を見させること。人々は聖杯を讃え、聖杯は望み通りに選ばれし生贄を取り込んで夢を与えるという逸話がありました。

紫マントの骸骨が舞い降り、クルエルの中で満たされていくと。

 

ですが、時代が進むにつれクルエルを知る者は薄れていき、力も脆弱に落ちていったそうです。

最終的には聖杯を知る者もごく僅かとなり、聖杯の器も小さくなってしまいました。

 

エンブリヲもそのクルエルと手を組んでいたからには逸話を知っていたかもしれませんが、無関心だったのでしょう。

仮にその逸話が誠てあっても関与したところで、もし聖杯の器として選ばれ、逸話通りに分身だけではなくエンブリヲの本体が夢の中に永遠に幽閉されることになるのなら、手を出しても彼にとっては何の得にもなりません。

 

何故今になって聖杯の力が強まったかは分かりませんが…注意するべきは骸骨の紫マントが対象を覆い、生贄としてクルエルの体内に入れば、二度と戻って来られなくなり』

「…残念だが、それを聞く前にアンジュが取り込まれちまったよ。

ラグナメイルごとな」

『まさかアンジュが…』

「奴のことも知っていれば、俺が庇ってアンジュが囚われる事だってなかった筈だ。もっと早く知っていれば…どうしてっ」

 

取り込まれない為に細心の注意を払うよう教えてもらっても、時すでに遅かった。もうクルエルに取り込まれ、アンジュを助けることはできないと痛感する。

一番辛いのはアンジュの騎士であるタスクが、悔し涙を流していた。

しかし、

『いえ…待って下さい。ラグナメイルごと取り込まれているのだとしたら、まだ希望はあるかもしれません!

 

強い意志だけではクルエルから抜け出すことは叶いませんが、もしアンジュのヴィルキスも一緒なら…アウラが言っていました!

強き意志が、人の思いにラグナメイルは応えてくれると‼︎』

 

レイゼルの『ラグナメイルごと』という言葉を聞くと希望と人類の未来を照らす光であるラグナメイルは人の意志に応えるのならば、虚妄の夢を打ち砕き、クルエルの体内から抜け出すこともできると断言する。

 

「ラグナメイルが人の強い意志に応える?

てことはつまり…その機体と一緒ならアンジュを助けられるのか?」

『はい。アンジュが夢に打ち勝っても…体内の泥から抜け出すのにもヴィルキスの力が必要です。

 

泥の中はレイゼルさん達が苦戦していた機体が何体も待ち構えているなら、一機だけで突破するのは難しいです。でもラグナメイル同士が引かれ合い、アンジュが幽閉された場所を特定して見つけることができれば…』

「アンジュを助けられるのか⁉︎でも、ヴィルキスなら転移で脱出することも」

「タスク、それは考えが甘すぎるだろ。

エンブリヲを確実に殺せたんだから、流石に転移の予防策とってる」

『同時に、マスターとヒルダさんがいくら索敵してもアンジュを絶対に見つけられないよう体内には細工も施されている。

 

そのために、ラグナメイル同士でアンジュを見つけ出すって事ですね?

サラマンディーネさん』

『はい、その通りです』

 

レイゼルとタスクがナオミを見る。

今、ラグナメイルを所持しているのはターニャに託されたナオミだけだった。

 

「それじゃあ、話を聞く限り…助けに行けるのってターニャからラグナメイルをもらった私だけってこと?」

「現状助けに行けるのは…ナオミ、お前しかいないな」

「ジルとサリアの二人はまだ戦っているみてーだしな」

 

現状ラグナメイルを託されたナオミだけがクルエルの中に入ることが可能だったが、

 

『…いえタスク、貴方も助けに行けるはずです。

 

その機体は私と同じくデバイスが搭載されております。しかし、そのデバイスは…ラグナメイルの破片を取り込んでいるようです。

今から、そちらにデータをお送りしますね』

 

サラマンディーネの話を聞いたレヴェンは、タスクに伝える。レヴェンがガンダムをメンテナンスする際に、予め用意したレントゲン写真をタスクに送った。

 

ガンダムに入っていたその破片は、かつてアンジュが無人島に流れ着き、ヴィルキスを修理した時によく覚えていた。

 

「これ、ヴィルキスの破損した機体の一部だ」

『アンジュと離れ離れになっても、最悪ヴィルキス経由で一緒ならば。

強い意思がその欠けた部品と同調するのなら、それで辿ることも出来るかもしれません。

概ね予測したのではないのでしょうか』

「まさか、お前…アンジュがもしも離れることとなったら、この時のために」

 

デバイスは何も言わない。

少なくともタスクの為にアンジュが連れ去られることのないよう僅かな道標を、エクシアのデバイスは保持していた。

この機体もまた、ラグナメイルの一部を取り込んでいることでタスクもクルエルの中に入り込み、助けに向かうことができる。

 

『アンジュは夢幻に打ち勝つ事は出来ると信じてますから問題はその後…夢から抜け出せたとしても複数もの泥の敵が全方位から襲うはずです。お二人がクルエルの中に侵入するとしたら気をつけないといけないことがあるので覚えていて下さい。

もし入ることとなれば夢を阻害した者として、介入した者も…夢を見ているアンジュにも当然その影響を及ぼします。仮にアンジュを取り戻せたとしても、ナオミとタスクがもし夢の中で阻害するようなことをすれば…今度は二人とも生きて帰ること保証はできません。

 

彼女の意思で夢から醒めた後のタイミングで助けて下さい』

「アンジュは、強い意志を持っていることを僕も知っている。だから、自分の夢に振り回されることは絶対にないって信じている」

「俺もその意見には賛成だがな…仮に戻らなかったらどうするつもりだ」

『…戻れなかったその時は、クルエルごと撃ってもよろしいのですね?』

 

二人はレヴェンの質問に黙り込むしかできなかった。時間内に戻らなければ、次元の渦に巻き込まれてマナ、ノーマ、ドラゴンも、みんな死に絶える。

今までの戦いが、全て水の泡になってしまう。

 

「そうならない為に私達がアンジュを見つけて、助けるんだ」

「勝算は?」

「まだ分からないけど、アンジュだけに背負わせるわけにはいかないよ」

 

レイゼルは時間を確認し、考えた。

機体の状態も確認して、帰ってくれるまで戦えることができるのかと。まだレイゼルのアルヴァトーレとヒルダのヤークトアルケーガンダムも軽傷で済んでいる。

 

時間を確認し、目を閉じてレヴェンに聞く。

 

「…レヴェン、時空融合までにどれくらいかかる」

『時空融合完了の収斂率を計算すれば…あと50分くらいです。もう猶予はありません』

「タスク、ナオミ…30分だ。

それまでの間に俺とヒルダで抑えておく。

俺達もそれ以上待つことはできないし、キューエル達も既に戦線を離脱している。

…状況は最悪だ。

 

その時間までにはアンジュを助けろ、必ずだ‼︎

助け出した後、残りの時間でクルエルを倒す!」

「あぁ…分かった!」

『二人とも、ご武運を』

 

方針が決まると、タスクとナオミはクルエルの体内入り込むために突貫していく。

 

クルエルは彼らの挙動に動揺したのか、入り込ませないよう海中にある泥も形成させつつ、大量に出現させる。倍以上の数で道を遮ろうとしたが、アルヴァトーレのGN粒子砲で瞬く間に消し炭にされた。

 

「二人とも乗り込め、道はこっちが作る!」

「ありがとう!」

 

泥が再生する前にクルエルの体内へ、タスクとナオミが直接入っていく。

危険な賭けだが、キューエル達ですら苦戦した機体を再現するほどの脅威を持ち合わせている相手なら

 

(死ぬなよ…三人とも)

 

脱出するにしても、体外に出さまいと強力な敵を用意してくるのは予測がつく。泥で紅蓮を再現できたという事は、当然ランスロットといった機体まで再現してくるだろう。

 

「アンジュの件は二人がどうにかしてくれる。残る問題は…」

 

アレクトラと操られたサリアの二人はまだ戦っている。

レイゼル達には先に行けと言われているがサリアの猛攻で段々と押され気味になっている。放っておけばサリアが、トドメを刺すのも時間の問題だ。

 

(サラマンディーネの救援は、次元融合による収束率より早く来ないとどうしようも無い。

間に合わないとは言っていたが、全速力で何とか間に合うかも知れないな。

こっちもクルエルの始末とアンジュ達の御迎えの準備っつー役割がある。内側がダメなら、今度は外に出たところを袋叩きにしかねないだろうし。

 

それに、俺が背負えるのは精々二人のみ…幼少期から今まで信頼し愛してくれた妹(ヒルダ)と、荒んだ心を癒した妹(ライラ)だけだ)

「悪いけど…まだいけるか、ヒルダ?」

「まぁ兄貴が頑張るなら、アタシもいけるよ」

『私も、二人を全力でサポートします。

エネルギー切れの心配は入りませんが、その代わり機体の損傷はなるべく避けてください』

 

機体のエネルギーをレヴェンのサポートで補充させていく。二人とも長期戦になることを覚悟し、この場に留まって戦い続ける。

 

「来るぞ、背後は任せた!」

「兄貴もね!」

 

侵入を阻止しようとした泥はタスク達を追うことを止め、レイゼル達に襲い掛かる。

 

 

 

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