※この作品はR-18です。

紅と黄金.r18   作:斬刄

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衝動〜レイゼルは激怒し、元皇女に裁きの鉄槌を

アルゼナルに送られたヒルダは監察官や司令官のジル、二人の言われたとおりのことをやった。

 

それ以降質問に対してヒルダは無言を貫いたが、ジルに全裸にされ、無理矢理に拷問を受け、彼女の秘部晒させ、処女を奪われようとしていた。助けに向かったレイゼルはそれを見て、憤怒してジルに殺意的衝動に駆られていた。そして、この収容所を危険な場所とみなし、徹底的に潰そうと考えた。

安全だと思っていたアルゼナルが今ここで妹を汚した以上、アルゼナルのゴミ共々に対して徹底的に制裁と断罪を下すことを決意した。

*****

 

 

レイゼルはスタンドで首を絞めているジルを解放し、今度は壁に投げつける。彼女は地面にひれ伏し、喉が苦しかった為に咳を出していた。

「ゲホッ、ゲホッ!」

「身体検査で処女を潰す、とかほざいていたな?

お前のような奴が穢れた手で妹に触れるなカスが」

『ハァ…やはりこうなってしまいましたか。まぁ嫌な予感はしてましたが。

ノーマは暴力的で反社会的な化け物っていう世界ですから、と?まぁ、ノーマを管理するのですから当然監視するマナがいてもおかしくはないですね…けど。差別と偏見をするしか能のない阿呆共はノーマの存在を受け入れようとしないから、いつまでたっても下らない連中なのですが』

「動くなよ、今から外すから」

レイゼルはスタンドを使ってヒルダにつけられた錠を力ずくで壊し、外す。

「おにい、ちゃん…えっと」

ヒルダはようやく自由に動けられ、ヒルダは抱きつこうとするものの下半身が尿で濡れており、抱けない。さらに、今のレイゼルの気分は最悪であるから機嫌を損ねるわけにはいかずに自重した。

『ヒルダ。レイゼルが怒ってましたよ。後で説教だと』

「ご、ごめんなさい…あたし、私は」

『…今レイゼルが一番怒っているのはそこにいる司令官に対してです。今は貴方を叱る場合じゃないですから安心してください。怖くて尿を出してますね…マスターは近くにあるトイレの紙があるのでそれで拭き取ってもらってください』

 

 

今のレイゼルは最悪な気分になっている。

この手で殺したいくらいだったが、殺してしまえば耐性のないヒルダにとってトラウマを植え付けてしまう。

レイゼルはジルをあえて生かし、アルヴァアロンでアルゼナルごと殲滅しようと考えていた。

『あ、それとですね。

総司令官のジルで良いですか?

貴方随分と、馬鹿なことをしましたねぇっ…ヒルダを丁重に扱って保護していれば、こんな酷い目にあうこともなかったでしょうに。

 

捕らえた後は身体検査という名の拷問ですか?

よくもそんな下衆みたいなことをしてくれましたね、失望ですよ。そんなことせずにヒルダに事情を聞いて手出ししなければまだ、よかったです。

寧ろ感謝するか、お礼していたかもしれないのに。

それを権利はないだとか、尊厳はないとか…今度は肉体的に尋問する始末ですから当然貴方方が一方的に酷い目にあってもそれは横暴だなんてそんな馬鹿馬鹿しくてアホみたいな反論しないですよね?

仕掛けたのはそっちですから当然でしょ?

 

もしも穏便であったのならば、こんなことにもならなかったのですがね。

触らぬ神に祟りなしとはよく言ったものです。

なのに秘密裏なことを力づくで強引に、そして無理矢理話そうしたこと…万死に値する。

事情聴取にてあまりにも非道な手段をしてなかったのなら助けに来たマスターとも話し合い、ここアルゼナルに被害を出すこともなかった。

 

 

 

よくもマスターの妹の心を傷つけ、汚そうとしたな下郎。

貴様らが今ここでやったことには本気で反吐が出る。

 

正直、不愉快な気分ですよ。

ですから、この代償は必ず高くつきますよ…払っても払いきれないほどの損害を。

だから、これだけは言わせてもらいますよ。

 

お前いや、お前達愚者共は選択を間違えた。

命を以て、罪を償え』

 

 

ヒルダを丁重に扱っていたのならレイゼルをここまで怒らせることはなかった。咄嗟にジルは痛みに堪えながらもリボルバーを抜いて殺そうとするも、レイゼルのザ・ワールドによって時間を止められる。

 

「無駄」

 

ジルが撃つ前に右手の義手をスタンドで粉々にする。スタンドを下がらせて、レイゼルが動き、右手の拳で正確に腹を狙い、抉るように殴る。

「がはっ…⁉︎」

 

 

ジルは膝を地面に着き、また倒れてしまう。レイゼルはヒルダを抱えて、この部屋から去った。

(逃がさんぞ…!)

 

ジルは顔と腹の痛みを堪えながらも立ち上がり司令室に向かう。彼らを捕まえるために全アルゼナルにいるノーマ達に侵入者を知らせる必要があった。

 

 

あの侵入者を捕らえて、痛い目に合わせる。そして、二人をリベルタスの駒の戦力として最前線に無理矢理戦わせると。

 

*****

 

レイゼルは全裸のヒルダを抱っこして脱出する。レヴェンにアルゼナルの内部を案内し、トイレにあるトイレットペーパーでレイゼルが綺麗に拭き取る。

「今は時間がない。俺が拭き取るけどいいよな」

「うん」

(私の濡れたおまんこ…おにいちゃんが拭き取ってくれてる)

 

レイゼルはペーパーをトイレの水に流す。ヒルダはレイゼルに拭き取られるのが恥ずかしかった。陰部をじっくりと見られていることに。

しかし、レイゼルはこんな事態になっているために恥ずかしがって躊躇うことせずに冷静に対処している。

 

【アルゼナル内に侵入者発生!速やかに確保せよ!銃火器の使用を許可する】

 

増援を要請し、力づくでレイゼルとヒルダの二人を捕まえよう立ち塞がる。

さらに銃系統も使ってくるために、撃ち殺されることも考えていた。

 

レイゼルを強引な手段を持って捕まえるか、最悪殺すことも厭わない。しかし、

 

「ぶちかます…!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ‼︎」

 

レイゼルはまず接近専用の武器を破壊し、徹底的に殴り飛ばされ、道をふさいでいたノーマの兵隊達は段々崩れていく。

 

 

「どけ、これ以上身体中の骨を折られたくないんならな」

 

 

レイゼルが放つ殺気に、ノーマ達は近づくのは危険だと感じた。

 

 

「う、うわぁぁぁぁあっ‼︎」

 

それでも、集団で立ち向かって襲いかかる。理由は、増援が銃を持ってきてくれたからだ。後方から銃が、前方から警棒をもっているノーマは恐れながらも勇敢に、攻撃する。

しかし、

「そうか、ならこっちは逆らえないように恐怖を植え付けるだけだ。レヴェン…防御モード」

(yes,your majesty!)

後ろから撃ってくる弾をバリアで張って防ぐ。それに驚いたノーマ達は戸惑い、その隙を見たレイゼルは前方の敵を先に潰す。

 

「ザ・ワールド」

 

ザ・ワールドのスタンドを出現させ時間を止める。大量のナイフを後方にいるノーマ全員に手足に投げつけ、銃を打てなくさせる。

 

「時は動き出す」

 

襲ってきたノーマ達はさらに骨の折れた。骨が折れる音、複数のナイフで手足を刺されて銃を持てなくなる。その痛みで苦しむ仲間の姿。

「あぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎痛い!痛いっ‼︎」

「腕が、腕がぁぁっ‼︎」

「誰か助けて…」

それを見たノーマ達は一人、また一人と下がって道を作る。

 

(う、嘘…)

(何が、どうなってるの)

「こいつらのような目にあいたくないならどけ」

侵入してきたレイゼル達に逆らう気力が薄れていく。囲まれていたのにたった一人で返り討ちにされた。いつの間にか仲間は倒れ、立ち塞がる人数も少なくなった。

 

目をつむってもなかったのに、増援が既に倒されたのを見て敵わないと感じてゆく。

 

身体全体を犠牲にしてでもレイゼルとヒルダを確保する覚悟はない。

 

「ヒルダ、アルヴァアロンに乗るぞ」

 

レイゼルはノーマ達のことを気にもせずにヒルダと一緒にアルヴァアロンに乗り込み、GNキャノンの準備をする。ノーマ達は去っていくのをただ呆然としか見ることができなかった。

 

 

「お兄ちゃん、あたし。ごめんなさい…」

「ヒルダ、お前のことも俺は怒っている。でも先にやらなきゃいないことがある…ヒルダはここで安心して眠っててくれ。すぐ終わらせるから」

 

 

レイゼルの言う通りにヒルダはレイゼルに膝枕をしてぐっすりと眠ってしまった。

 

「さーってと…それじゃあ処刑といこうか」

 

脅すような声色を変え、ビームライフルをアルゼナルに向ける。このままではアルゼナルが潰されるためにパラメイルに乗ろうと、メイルライダー向かうが、

 

「なんだよこれっ⁉︎」

「植物が絡まってる…」

「これじゃあ、パラメイルが出せない」

 

ヒルダを助け出す前にスタンドのゴールド・エクスペリエンスで雑草を急激に成長させた。急激に成長した雑草はパラメイルと砲台の隙間を絡ませて動かさないようにしている。アルゼナルで砲撃やパラメイルで反撃しようにも手が出せなかった。

 

レイゼルは司令室に電話をかけ、司令室にいるジルは受話器を取る。

 

「やってくれたな…」

「よう、総司令官ジル…いや、アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ…なにか言い残したいことはあるか?」

 

総司令官ジルであるが、ノーマには生まれた頃の本名がある。本名は知らないノーマが多い、知っているノーマは少数である。アルゼナルでは死んだ場合、墓地に本当の名前が記される。

赤子の頃にアルゼナルに送られたノーマが特に本名を知らなかった。

例えばヒルダの場合、ヒルデガルト・シュリーフォークトである。

しかし、アルゼナルだとヒルダという名前だけとなる。

「あんたのことは調べさせてもらったよ。リベルタスねぇ…古の民とノーマが手を取り合い、この腐った世界を壊す、か。

しかし、この世界の支配者であるエンブリヲに尽くしてしまい、肝心なリベルタスとやらを果たせなくなってしまった。

結果としては失笑だな。

お前のせいで一体何人死んだ?

敵であるエンブリオに焚き付けられ、自分のわがままで今まで戦ってくれた連中を野放しにしたのだから残念以外の何物でもないな」

「貴様、一体どうやってそれを…」

「どうやって、調べたのかなんてお前如きに教えるわけないだろ。たださ、リベルタスの計画に散々振り回されたノーマは哀れだなって思ったよ。あんたの失態をアルゼナルにいるノーマ達が知った場合…協力する連中はあんたのことをどう思うんだろうね?」

レイゼルがなぜジルのことについて知っているのかというのはエンブリヲの手先というわけでも、マナの情報で知ったわけでもない。レヴェンの探知能力を使って、アルゼナル内にある資料や情報を調べ尽くしているからだ。

「貴様、まさかエンブリヲの手先か!」

エンブリヲに肩入れしているとして、アルゼナルを襲ったのではないかと勘違いした。エンブリヲの手先ならエンブリヲからジルのことについて教えてもらうしか知る方法はない。

しかし、

「クククッ…アッハハハハ‼︎よくそこまで屈折できたな!言っておくがエンブリヲっていう人物は知らんぞ。今日初めて知ったんだからな。安心しろ、俺もまたエンブリヲを殺す側だ…そいつにも恨みがあるからな」

ジルは怒りを堪えた。ここで彼を怒らせてしまえばアルゼナルは一瞬に吹き飛ぶ。慎重に話し合いをした。

彼らを戦力にする為に、最悪二人まとめて殺しても構わない。エンブリヲの手先でなくとも敵ならば、容赦しないからだ。まず交渉をし、こっちに引き入れようと言葉巧みにレイゼルを勧誘しようとする。

「待て…我々を殲滅すれば、この世界の支配者を殺すことができなくなってしまうぞ‼︎

ここには奴を殺す絶対兵器がある!その娘はノーマだったな…悪いようにはしない。そのノーマを我々に引き渡し、大人しく協力してくれれば、その機体や貴様のことは一切聞かない。どうだ、我々と共に「もう黙れ、これ以上そっちの要望をいくら聞いても耳障りだ」なっ⁉︎」

レイゼルはジルの要望を聞くつもりは一切なかった。

「恋に身を落としてマナに対する復讐を失敗しておいて今度こそエンブリヲを殺すとかほざいて、集めたノーマを駒か道具扱い…見逃してくれたら歓迎してくれる、ねぇ?

で、どんな歓迎をしてくれるんだ?

引き渡す?大人しくする?ノーマを不用品扱いするこの場所にお前らが俺達を歓迎だと…何様のつもりだ?俺とヒルダを利用するだけ利用してやるの間違いなんじゃないのかテメェ。よくそんなふざけたことが言えたな?仮に協力したとしてお前の指示で俺達を踏み台にして散々な目に合わせ、利用するだけ利用し、こき使われるのなら…俺達の手でエンブリヲを殲滅する方が幾分もマシだ。

協力的ではない?

ヴィルキスが切り札?

ふざけるなよクズが、お前の計画にヒルダを駒として巻き込もうとしたことについても怒っているんだ。

笑わせるな、どれだけの人の人生を狂わされたと思っている。お前にとっては自分も他のノーマも駒扱い。

そんな奴を信用するわけがないだろ?

 

 

もう俺は引き金(トリガー)を引く。

 

お前らがなんでこんな窮地に立たされているか、その原因はたった一つ。

 

 

【ジル、あんたの尋問で純粋な俺の愛する妹を穢し、テメーは俺を怒らせた】…それが、たった一つのシンプルな答えだ。

 

 

 

アンタもエンブリヲも俺の手で裁いてやる。この腐った世界ごとな?だから先にアンタからまず終わらせる。

今楽にしてやる」

アルヴァアロンでアルゼナルを破壊しようとする。全パラメイルは出せない状態になっており、砲台も植物に絡まってしまい使えないようにされていた。

 

アルゼナルにむかって撃てば直撃は免れない。

 

もしもヒルダが既に穢されてしまったのならこんな無駄な会話をすることなくアルヴァアロンに乗って、無慈悲に躊躇なく撃っている。だがレイゼルにはもうこれ以上話を聞く気はもうない。

 

「直撃すれば、それで終わる‼︎‼︎」

 

放出ボタンを押せば、アルゼナルを一掃する。

チャージさせ一撃で消し飛ばす気でいた。

 

 

そのはずだった

「撃っちゃダメェェェッ‼︎」

施設から出てきたのは子ども達だ。

ヒルダと同じくらいの背丈をした青い女の子が泣きながら止めようとでてくる。後から幼年部の子供達も施設から出て撃ってほしくないと叫ぶ。

 

(なにっ…⁉︎)

レイゼルにとってはとても歯がゆく、引き金を引けない。

子供達を殺すことに良心が痛んだ。

 

レイゼルにはジル総司令官やマナを使う人達(クズの連中)、ノーマやメイルライダーもまた邪魔をするなら殺す覚悟はあった。しかし、アルゼナルにいる小さい子供達を殺す覚悟はできなかったからだ。

 

子供の死体など本心では見たくない。

アルゼナル丸ごと葬り、その子供ごと殺してしまえば、後に幼い子を殺してしまった罪悪感に迫られる。

 

「クソが‼︎子供にまでこんなことをさせてるのか‼︎‼︎」

 

アルヴァアロンのトリガーから手を離し、やつあたりした。引き金を引くつもりな右手が震えている。

気が散っていた証拠だった。

(あの子達は無垢で純粋だ、罪はない。いや、この施設に入った時点であんな小さい子達が死んでも誰も咎めないだろう…だが)

 

撃たなければヒルダを戒めた女を殺せない。レイゼルはどっちを優先するべきか考えていた。ここに長くいてもパラメイルが復活したら襲われてしまう。

 

そして、レイゼルは

「…もう撤退する。裁く気が失せた」

『宜しいのでしょうか?彼らは妹であるヒルダを汚し、万死に値することをしたのですよ?』

「もういいって言ってるんだ!」

報復を諦め、撃つのを躊躇った。ビームライフルをしまい、アルゼナルから離れようとする。

 

「もうこちらの撃つ気が失せた…じゃあな」

 

レイゼルはアルゼナルから立ち去り、妹と共に帰るべき場所に帰って行った。

 

あんな状態のままでアルゼナルを潰しても、後味が悪かった。確かにヒルダを穢したのは総司令官であるジルである。だから、ジルごとアルゼナルを殲滅することで報復は完了するはずだった。

 

 

しかし、レイゼルは無垢な子供達を容赦なく殺すほど無慈悲ではない。

 

アルヴァアロンに搭載されている太陽炉は人体に有害な影響をもたらす。アルゼナル殲滅と幼年部の小さな子供達を天秤にかけるのなら子供達の方が大きかった。理由は、子供の無残な死に様を見たくないからアルゼナルを潰せない。

(…復讐心で、子供は巻き込みたくない。次こんなことがあれば…俺自身の手でジルを必ず殺してやる)

戦場において子供の命を尊重するのは甘いと言われるが、年下の妹を持っているレイゼルにとって小さい子を撃てない。

結局、このまま帰ることになってしまった。

 

 

 

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