姫川綾音こと湯川文乃の事務所に乗り込むことにした右京とカイト。しかし、結果は散々であった・・・。
「えええええ!?」
カイトは驚いてしまった。目の前の上司が、文乃に話を聞きに行こうと言っているのだ。
確かに記者会見などでの態度は現段階では怪しい物があるとはいえ、文乃はストーカーの被害者であり、さらに文乃が犯罪の容疑者でも関係者であるとも断定はできていない。
「でも、杉下さん、この段階では彼女はまだ被害者ですよ。それに、確かに会見は少し堂々としていすぎですけど・・・」
「細かいことが気になるのが、僕の悪い癖です!」
右京はそういった。
その日の午後-
「杉下さん、本当にいくんですか?」
「ええ、気になることがあったら調べなければなりません。」
特命係の二人は早い昼食を終え、文乃の事務所に向かった。
-事務所
「失礼します。姫川綾音さんはいらっしゃいますか?」
右京は丁寧に訪ねる。
「どちら様でしょうか?取材の方ですか?」
事務所の関係者は言う。
「いえ、こういう者です」
二人はそう言うと警察手帳を取り出す。
「警察の方が、何のご用でしょうか?」
事務所のスタッフは少し顔色を曇らせた
「ええ、ちょっと、ストーカーの件で、姫川さんに話を聞きたいと思っていまして」
「はあ・・・」
事務所のスタッフは何か困惑した顔をしていた。
文乃の控え室に通される。
「警察の方が、その節は本当にお世話になりました」
姫川綾音こと湯川文乃-その姿は一見清楚で、品行方正な美少女、まさに大和撫子と言うにふさわしい面立ちであった。
「いやあ、あなたのような方に会えて本当に光栄です。」
カイトはこういった。
「ファンサービスですか?まあ、うれしい。」
「今回、実はあなたが受けたストーカー被害について、お話を伺いたいと思いまして。」
右京はこういった。
「その件では、警察に話をしたとおりです。」
文乃の顔は少し引きつっていた。
「一人の男が、私にずっとつきまとうのです。おまえは、俺が誰だかわかるのかとか?いろいろと聞いてくるのですが、」
「答えられないことは答えられない、そう言ってもなおも執拗に聞いてくるのですわ。」
文乃は声をあらたげる。
「ですから、学園や、警察の方にお願いして、彼に私たちへの付きまといを中止するように言ったのですわ。」
「なるほど」
カイトはそういった。
「ですが、先日の記者会見はいささか堂々としすぎていたというか、被害を受けたのであれば、もう少し恐れているのかなと思いました」
右京は自分の疑問を率直に投げかける。
「あれは、ストーカー被害を受けている女性たち、男性たちから虐げられている女性たちにもっと声を上げて欲しい、そういうことです。」
文乃はもっともらしく答えるが、どこか焦りの表情があったことを見逃さなかった。
「おや、この写真。」
文乃の部屋に飾ってあった写真には4人の少女が写っている。
「この写真の少女、どこかで・・・」
カイトがそう言いかけると、文乃はその写真を取り上げた。
「別に、私の交友関係なんて・・・それに、私は被害者です。もう、お帰りください!」
文乃は急に態度を変えて、右京たち怒りを向けた。
その日の夕方、刑事部長室で直立するカイトと右京
「おまえたち、また騒ぎをおこしおって!」
刑事部長である内村は声を大きく出していた。
「ストーカーの被害者に事情聴取をするとは、なんと言うことだ!」
中園も怒っている。
「まったく。勝手なまねはするな!事務所から苦情が来たぞ」
内村はさらに怒る。
-夕方、花の里
「杉下さん、今日の彼女の態度、おかしかったですね」
カイトが右京に訪ねる。
「ええ、彼女は何か隠しています。それに「私たち」っていってました」
右京は熱燗を飲みながら答える
「それに、彼女の写真にあった4人の少女、彼女と同じ制服を着ていましたね。
それに、あのうちの一人、印南美涼だったんじゃないかと思うんです」
カイトは続ける
「印南美涼、そういえばファッションモデルとして活躍しているとか。」
右京は答える。
「ええ、もしストーカーとして言われている男があの4人と何らかの関係があるのだとすれば?」
「なるほど、彼女にはどうしてもその男をストーカーに仕立て上げたかった」
右京は続ける。
「カイト君、まだまだこの案件、調べてみる必要がありそうですね。」
「はい、杉下さん」
二人はそう言うと花の里を後にした。
第3話から事件が動き出します。
タイトルは「羅城門の下人」へと変更しました。