なんとなく陣川を出したかったので出してみました。
「それにしても、やっぱり引っかかりますね」
「杉下さんもそう思っていましたか。」
特命係の部屋で右京とカイトが話をしている。
「湯川文乃は「私たち」といいました。これは、その男が自分以外にもストーカーをしていたことを表しています。一回、このストーカー事件について、調べてみますかね。」
「僕は、捜査一課に行ってみようと思います。」
「えっ・・・でも、彼らが話をしてくれるのかどうか・・・。それに、俺この後悦子と会う約束しちゃったんですよね」
時刻はちょうど就業時間を過ぎていた。
「ならば、僕だけでも行ってみます。」
「おや?」
いつもであれば、捜査一課の三人の刑事がいて、鼻であしらわれるであろうが、捜査中なのか、就業時間を過ぎたからなのか、いつもの3人はいない。
「杉下警部が何のようですか?」
たまたま残業していたのは、陣川公平。捜査一課の経理担当の男だ。この男、経理としては非常に優秀であるにもかかわらず、刑事にあこがれては見当たり捜査を繰り返す上に、事件の容疑者になりそうな女性に一目惚れをしては見事にふられると言うことを繰り返していた。
「ちょっとストーカー事件について聞きたいと思っておりまして」
そういうと陣川はうれしそうに話し始めた。
「いやあ、伊丹さんたちの話を立ち聞きしまして、なんでも、手塚遼という男がタレントの姫川綾音をストーカーしていたみたいです。」
「そうですか・・・」
「で、その手塚遼という男は、東大生らしいんですが、三ヶ月前に自分の妹が死んでから大学にもろくに出ていなかったみたいです。」
陣川は話を続ける。
「なんでも、姫川綾音にしょっちゅうつきまとっていたとか。それは本人もいやがりますよね。品行方正って言われてる彼女ですけど、僕はあまり好きそうになれませんね。」
陣川は話を続ける。
「手塚遼は、妹の死をきっかけにストーカーをしているということですね。」
右京は陣川の話をまとめた。
「まあ、僕にも妹はいるのですが、ああはなりたくはないですね!」
陣川の妹-この兄とは違って比較的まともなのだが、別の事件を起こしてしまう。(S13-17「妹よ」)
「それでは、杉下さん、頑張ってください。あと、ソン君がいなくなったので、ぜひとも・・・」
陣川はうれしそうに話をしようとするが、特命係にはカイトがいると言うことを思ったのか、右京の顔が曇る。
後の事件で陣川はこのことを知ってしまうのだが・・・(S11-13「幸福な王子」)。
-翌日
右京は考えていた。品行方正とも言われている彼女には裏の顔がある。おそらく、彼女と一緒に写真に写っていた少女たちにも、何かがある。
そして、この事件は何かいやなことをもたらすだろう。
改めて、捜査一課を訪れる右京とカイト。
「おや、伊丹さんたちはいませんねえ」
右京は考えていた。
「おおっ!おまえたち、ここにいたか!」
そういうのは暇課長だ。
「なんでも、姫川綾音とその友人二人が失踪したらしい。」
暇課長が情報を与えてくれた。
「なんだって!」
「その、友人二人は?」
「印南美涼と椿利奈。ここに、その写真がある。」
この二人・・・
カイトと右京は、文乃が持っていた写真の顔を思い出した。あの二人は、間違いなく絡んでいる。
「そういえば、この美涼という女性、どこかで見たことがあります。」
カイトが答える。
「たしかファッションモデル雑誌でよく見かけました。それに、たしか自分のデザインしたファッションブランドを立ち上げるとかで、その試作品のアクセサリーなんかも売りに出されてました。」
「詳しいんですね」
右京はいくらかふしぎそうに答える。
「悦子がそういうのすきなものでして。結構プレゼントしたりしました。」
カイトはうれしそうに答える。
「伊丹さんたちはおそらく学校に行ったでしょうね。」
「我々も、行ってみましょう!」
カイトと右京は部屋を後にする。
ここから事件はさらに動き出します。
次回は聞き込みの予定です。