■今回のテーマは「しっとりセックス」です。
俺が眼覚めた時、外はまだ仄暗い早朝だった。
寝惚け眼で見上げた部屋の中は、灰青のモノクロ調にぼやけている。
早く起きすぎたと、うとうとしつつ布団の温かさの中でしばしまどろんでいる時だった。股間で蠢く存在に気付いたのは。
上半身を起こすと、自分の腰辺りで掛け布団を押し上げている“そいつ”に声をかけた。
「こんな時間に、どちら様だ?」
返事はない。
どうやら、余程その行為に夢中になっている様だ。
一方、俺の意思とは関係無く勃起した肉棒は、生暖かくぬめる感覚に喜んでいる。流石に、誰だかも分からない相手に射精させられるというのも良い気はしない。
掛け布団を掴んで勢いよく剥ぎ取り、不埒な侵入者の姿を露わにした。
「ぷはぁっ、お目覚めかい」
男根を口一杯に頬ばっていたその侵入者は、驚いた様子もなく俺を見上げている。
あー……お前だったのか。
「――木曾、いつの間に潜り込んでいたんだ」
「眼がさめちまってな。今週からは、俺が秘書艦だから……いても立ってもいられなくなってお前の所に来た」
「遠足の前日に眠れなくなる子供かお前は……まあいい。大体分かったから、取り合えずこっち来いよ」
「ん……」
木曾はまだ勃起したままの肉棒を名残惜しそうに離すと、俺の胸に抱きついてきた。
抱き返すと、華奢な肢体の熱が伝わってくる。
「全く、寝ている間に悪さするのは関心しないぞ」
「お前が気持良さそうに寝ていたから、つい」
気を使っているのか使っていないのかよく分からない。ある意味では木曾らしいが。
「そんなに待ちきれないなら、前日に俺の元へ来てもいいんだぞ」
「――いいのか?」
「お前は妙な所で遠慮する奴だな……何、俺とお前の仲じゃないか、な?」
「ぁぅ……」
いつも木曾が言っている台詞をそっくり返すと、当人は顔を赤らめて俯いた。
その様が大変可愛らしいので、木曾の髪をわしゃわしゃと撫でてやった。シトラスの少しツンとする爽やかな香りが漂ってくる。
木曾は「でへへ……」と気持ちよさげに、撫でられるままに身を任せている。
「――所でだ。さっきあんな風にフェラされたせいで、相当ムラムラ来てるんだ。だからこのまま……いいだろう?」
柔らかな肢体を掻き抱きながら耳元で囁くと、木曾も甘い声でそれに応えた。
「あぁ……好きにしてくれ、あんっ」
首筋に接吻を浴びせかけ、唇を押し付けて強く吸っては白い肌にキスマークを刻んでゆく。
手を服の下に潜り込ませると、程よい大きさの柔らかな膨らみを掴んだ。ブラは着けていない。
掌でしっとりとした感触の乳肉をやわやわと揉みしだき、肉突起を摘み上げては扱く。
「ん゛ぅ……っ」
硬く勃起してきた乳首を刺激されて、木曾は甘い吐息を吐いた。
乳房を揉みながら唇を重ね、ぶちゅぶちゅと粘っこく舌同士を絡ませる。
熱い唾液を流し込む。木曾は喉を鳴らしてそれを飲み込みながら――体をビクビクッと痙攣させた。
「イったのか」
「……少し」
「それならもっと……」
「ふぁぁ……っっ♡」
再び唇が交わり、木曾は陶然とした表情で、蕩けるようなディープキスを受け入れた。
脂肪の薄い引き締まった腹を撫でながら、下着の中に手を差し入れる。既に絶頂を迎え濡れそぼっていた割れ目は、触れると水音を立てた。
「んぁんっ、ぁっぁっ……」
陰唇を指でなぞりあげると、切なげな声が上がる。
ヒクついた肉孔が突き立てた指を食い締めてくる。すっかり出来上がっているようだった。
「挿入れるぞ……」
膣孔に肉槍の先を押し当てると、ゆっくりと沈めていった。
「はぁぁぁ……っ♡ あぁ……お前の熱いのが、俺のナカいっぱいに来てるぅ……っ♡♡♡」
熱い喘ぎ声を上げて、木曾は俺の肉塊を根元まで受け入れた。
俺の方も、みっちりと肉棒を包みこむ肉壁の感触に堪らず熱い息を吐く。木曾の初めてを奪って以来、こうして幾度となくシているが、この締め付けの良さはいつ味わっても良い。
肉孔を擦り上げる動きだけでも、膣壁が蠢き収縮し、只でさえ心地よい名器が更なる快楽をもたらす。勿論、気持ちよさを感じているのは木曾も同じだった。
「あぁあ゛……っ♡ そこ、凄くいい……ん゛っ、もっと擦って……っ」
平時とは全く違う甘ったるい嬌声を上げて、男根を奥まで受け入れて腰を揺らす木曾。接合部から漏れる粘っこい水音は、彼女の感じている欲情の証だった。
ゆっくりと、そしてねっとりと粘膜を擦り合わせる快感に浸っていた。余りにもシンプルな獣の営み、だがそれだけが今は全てだった。
青白い光の射す静寂の中、こうして繋がっている事だけの時間が流れてゆく。
そして、どちらからともなく絶頂が近づいて来たことを意味するように呼吸が速くなってゆく。肉がぶつかり合う音が部屋に響き渡る。
「はぁっ、あっあ゛っ♡ あ゛ぅぅっ♡ もう、だめ、おれ、もうイっちゃ……っ♡♡♡」
木曾は白く引き締まった足を絡めてくると、体を仰け反らせて絶頂に達する。強烈に膣肉が収縮し、俺を離すまいと締め上げてくる。
それに耐えられる筈もなく、俺は木曾の最奥に向けて欲望の塊を放った。
「ぅぅう゛……っ♡ ぅんっ♡ お前の熱いの、いっぱい入ってくる♡ ……こんなに射精したら、子供できちゃうな……♡」
熱い精液を子宮で全て受け止め、恍惚とした表情の木曾。
「俺は、木曾の子供だったら欲しいけどな。そしたら、木曾はお母さんだな」
「お母さん……そうだな、有りだと思う、うん」
「照れてんのか、こいつぅ」
「~~~~っ」
木曾は恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にして、布団の中に隠れてしまった。可愛い奴め。
「おーい、その布団に俺も入れてくれよ」
「……」
「朝が明けるまでもうちょっと寝たいんだ、お前と一緒にな」
「……いいぞ」
ようやく顔を覗かせた木曾は、まだ恥じらいを残しつつも、掛け布団を捲って俺を迎え入れてくれた。
布団の中に潜り込むと、お互いに抱き合いながら肌の温度を感じあった。
「んー、木曾の抱き心地は最高だ」
「俺も、お前に抱かれているのは、やっぱいいもんだな……って思う」
おでことおでこを軽く合わせると、目と目が合う。薄暗い中でも、木曾のエメラルド色の瞳は綺麗だ。
「今週は……いや、今後ともよろしくな」
「ああ……任せろ」
「それじゃ……」
「朝まで……」
「「おやすみなさい」」