これで一区切りですね!
さ~てとぼちぼち書いていきますか
「……んぅ」
(ここは一体……?)
ここが何処なのか周囲を見回そうとし、体を起こそうとするが体中から悲鳴が上がる。痛みが強くうまく起き上がることができない。仕方がないので起き上がるのは諦め、ベットに戻る。
起き上がる時に周囲を見た感じだとここが保健室だとわかった。入学式そうそう私は気絶をした。その時に一度だけ運ばれた覚えがある。
……あれ?これってデジャブって言うやつか?
「目が覚めたか」
カーテンで仕切られていた所を開け、こちらにやって来るのが姉の千冬姉である。
「幸い、体に致命的な損傷はないが、しばらくの間は全身にある打撲による痛みが続くだろう。少し辛いとは思うが……我慢してくれ」
「……うん」
少し頭がぼーっとする。私は千冬姉の話を聞きながら、なぜ自分の体がこんな怪我を負ったのか考える。なんとなくだが、思い出して気がする。
「千冬姉……。あの後、私は……」
「……あぁ、あの後お前は――――」
千冬姉の話によると、私が敵のISを倒したかと思いきや最後の力を振り絞り私に攻撃をしたそうだ。鈴とセシリアが武器を構え、攻撃を加えようとするが敵は私を攻撃した後、そのまま崩れ落ちたそうだ。つまり、敵を倒したと気を抜いたせいで運悪く攻撃を食らってしまったということだ。
(……情けないな)
あれほど気を引き締めていたのにも関わらず、最後の最後には自分の悪い癖が出てしまった。……これからは気をつけよう。
「……心配かけてごめ―――」
ごめんと最後まで言えなかった。理由は簡単だ。……千冬姉が私のことを抱きしめているからだ。しかも、布団ごと抱き締めているせいで手が出せない。あと、付け加えるなら抱き締める力が強くって少し痛い。
「ち、千冬姉……痛いよ」
「……したんだぞ」
「えっ?」
千冬姉の声がよく聞こえない。気のせいかもしれないが少し泣きぐもった声が気がする。
「……ごめん、もう一回言ってくれる?」
「……心配したんだぞ!」
千冬姉の声が保健室一帯に響き渡る。耳元がうるさかったがそんなことは気にしなかった。
「心配って……私は大丈夫だよ」
「何が大丈夫だっ!もしかしたらお前は死んでいたかもしれないのだぞ!」
「それは……」
そうかもしれないが……。
「私はこれ以上お前に何かがあったらどうすればいいんだ……」
「千冬姉……」
「もう、これ以上は失いたくない……」
……そうだよな。あの日から千冬姉は悔やんでいたもんな。私が女になった時からずっと。人前では厳しいことを言ったりする人だけど、本当は恐くてたまらなかったんだよな。……私がいろんなものを失ったから。
本来の性別。
生まれてくるはずだった名も無き赤ん坊。
本当の家族。
家族に関しては千冬姉もそうだと思うけど、それすら自分のせいで失ったと思い込んでる。
……本当にこの姉は。
「……千冬姉」
「……なんだ?」
「……私はいなくならないよ」
「……そうは言い切れんだろ?」
「ううん」
――――約束する。
「もう、どこにもいなくならないから……」
「……本当か?」
「……私のことが信じられない?」
「……いや、一夏を信じる」
そう言うと千冬姉は私にキスをしてくる。
「……んっ……ふぅっ……」
「……んっ……」
長い様で短い、この前とは違い激しくなく長いキスではなかった。
「……千冬姉?」
……珍しい。いつもならこんなに優しくキスをしないのに……。
「……嫌、じゃないのか?」
「嫌?何で?」
「……それは……あれだ。お前と私は姉妹なんだぞ」
「そうだね」
「しかも、あんなことがあったんだぞ?……例え私が男ではなくともこんなことをされたら普通は嫌がるものではないのか?」
だってそれはーーー。
「千冬姉だから」
「……何だと?」
「だって千冬姉はさ……私の家族なんだよ。たった一人の家族なんだよ?」
「…………」
「大会を捨ててまで……自分の夢を捨ててまで私を助けに来てくれた姉なんだよ」
「……当たり前だ。家族を助けない奴が家族であるはずがなかろう」
「……そうだよね。そんな千冬姉だから私はキスされても嫌じゃない」
「……一夏」
「……何?」
「……ありがとう、な」
「……千冬n……ふぅ」
再度私は千冬姉によってキスをされる。
激しくはない……その代わり長い、長いキスをされる。
ガラガラっと保健室の扉が開かれる。
「失礼します。織斑くん調子はどうです……か?」
「「…………」」
……見られた。
保健室に入ってきたのは山田先生だった。山田先生が入ってきたことにより私と千冬姉がキスをしている所を目撃されてしまった……。山田先生は顔を真っ赤に染め、あわわわっとあわふためいている。すると、千冬姉が私の唇から離れ山田先生に近づいていく。千冬姉は顔を俯いたまま山田先生に告げる。
「……山田先生」
「は、はぃっ!?」
かなりテンパっている山田先生。しかし、千冬姉はそんなことはお構いなしに山田先生の首根っこを掴み引きずっていく。
「お、織斑先生っ!?あ、あの、私!?」
「さあ、仕事に戻ろうか……覚悟しておけよ」
何で私だけこんな目に~……という台詞を廊下に残し去って行った。
……哀れな人だな。
(そういえば箒たちはどうしたんだろう……)
そんなことを思いながら一夏は眠りに着くのであった。
―――― 一方、箒と鈴はというと……。
「――――グゥッ!」
ドンっと大きな音をたてる。鈴が箒の制服の襟の部分を掴み上げ、壁に向かって押し付けたからである。
ここは保健室から反対側にある女子トイレである。何故、そんな場所に二人がいるのかというと――――。
「……ちょっとアンタ」
「……なんだ」
箒は一夏の様子を見に行こうと思っていたところを鳳によって呼び止められた。……正直なところ早く一夏の元に行きたいのだが。
「私はこれから一夏の所に行くのだ。用件を早く言え」
「……ここじゃあ話をすると面倒だから移動するわよ」
「おい!私は急いでいると――――」
「――――うるさい」
鈴は箒の言うことを最後まで聞かず、無理やり手を掴み取りその場から移動する。箒は鈴の手を振りほどこうと腕に力を入れるがびくともしない。そして私は一夏の保健室とは反対方向の女子トイレへと連れてかれた。
私は鳳に文句を言おうとした瞬間、制服の襟元を掴まれ背後の壁へと打ちつけられた。そして現在に至る。
「……い、一体、何のつもりだ?」
「一体何のつもりか?っですって……それはこっちの台詞よ!」
鋭い眼光で箒を見る鈴。その鋭い目を見た箒は一瞬怖気つく。
……千冬さんほどではないがこんな小さな体にどんな力を持っているというのか。力だけじゃない。目の鋭さが一般家庭にいる娘がする目ではない。例えるなら修羅場を潜り抜けた戦士の目であると言ってもおかしくはないだろう……。
「アンタはわかってそんなことを言ってんの?誰のせいで一夏が怪我をしたのか」
「そ、それは……」
……否定できない。あれは私が浅はかな行動を取ったから一夏が怪我をしてしまったのだから。
「……あたしは正直に言うとアンタに感謝していたのよ」
「私に感謝だと?」
私は鳳に感謝をされる覚えはないのだが……。
「一夏が言ってたわ。アンタがあたしが来るまでにいろいろ助けてもらったってね」
「そ、そうか……」
箒は嬉しく思った。自分が一夏の役に立ててないと思っていたが好きな人からそう思われたら嬉しくなるのも当然だろう。しかし、鈴はだけどっと言葉を続ける。
「……今はアンタのことを勘違いしていたようだったわ」
「……勘違いだと?」
「千冬さんがアンタに一夏のことを任せると言ったから大丈夫だと思ったけど……ここまで馬鹿な奴だとは思わなかったわ」
「なあっ!?」
鈴に馬鹿呼ばわりされて怒りがこみ上げる箒。しかし、鈴は箒にそれがいけないんじゃないっと指摘をする。
「アンタがすぐに感情的に動くからあんなことが起きたんでしょうが!」
「ぐうっ!?」
鈴は箒の襟元を自身の顔に近づかせる。そして、そのまま勢いよく壁に打ちつける。
「そのせいで一夏が死にそうになったのよ!そんなことも理解できないの……アンタは!」
「ぐうっ……かはっ……」
二、三度壁に打ちつけられた後、鈴は箒の襟を放す。ズズッと音をたてながら箒は地面に座り込む。打ち付けられた背中と頭が熱を帯びてかなり痛む。
「……次、一夏に被害を及ぼすようだったら……只じゃ済まないから」
「…………」
鈴は勢いよく扉を開き、閉める時も同じく勢いをつけながら閉める。その姿を箒はただ、呆然とその背中を見ることしかできなかった。
学園の地下五十メートル。そこにはレベル4権限を持つ関係者しか入れない、隠された空間だった。機能を停止したISはすぐさまそこへと運び込まれ、解析が始められた。それから二時間、千冬は何度もアリーナでの戦闘映像を繰り返し見ている。
「………………」
室内は薄暗く、ディスプレイの光で照らされた千冬の顔は、ひどく冷たいものだった。
「織斑先生?」
ディスプレイに割り込みでウインドウが開く。ドアのカメラから送られてきたそれには、ブック型端末を持った真耶が映し出されていた。
「入っていいぞ」
許可をもらったどあが開くと、真耶は先ほどとは違い幾分きびきびとした動作で入室した。
「あのISの解析結果が出ましたよ」
「そうか。それで?」
「はい。あれは――――無人機でした」
世界中で開発が進むISの、そのまだ完成していない技術。遠隔操作(リモート・コントロール)と独立稼動(スタンド・アーロン)。そのどちらか、あるいは両方の技術があの謎のISに使われている。その事実は、すぐさま学園関係者全員に緘口令が敷かれるほどだった。
「どのような方法で動いていたのかは不明です。織斑君の最後の攻撃で機能中枢が焼きれていました。修復も、おそらく無理かと」
「コアの方はどうだ?」
「……それが、登録されてないコアでした」
「そうか」
やはりな、と続ける。どこか確信じみた発言をする千冬に、真耶は怪訝そうな顔をする。
「何か心当たりがあるのですか?」
「いや、ないな。今のところは――――まだな」
そう言って千冬はまたディスプレイの映像に視線を戻す。それは教師の顔ではなく、戦士の顔に近かった。
かつて世界最高位の座にあった、伝説の操縦者。その現役時代を思わせる鋭い瞳は、ただただ映像を見つめ続けた。
皆さん、一つ気になりませんでしたか?
優勝したらの件についてです
……あれは入れるのを止めました
読めばわかると思いますが、あんな状況で箒が告白宣言ができるわけがありません(お前のせいだろ!)
仮に入れたとしても変になると思ったので入れませんでした(笑)
そして、次章はオリジナル展開にしていくつもりです
原作どおりではありませんよ?
特に、ラウラを注目していってもらえるとうれしいかな?