私が一夏の過去編で蘭は一夏たちと同じ学校になっていましたが原作を読み返してみると……蘭は有名私立女子学校に通っていることが解りました!
というわけなので原作とは違い、蘭は一夏と同じ学校に通っているという設定にしていますのであしからず
第十九話「悪友との再会」
六月頭、日曜日。
私は久々に中学の友達の家―――そう、悪友の五反田の家に来てる。
「最近はどうだ?」
「どう……って何が?」
「学校は楽しいか?」
「そうだね……鈴もいるしね」
「ファーストの幼馴染みにも出会うことができたんだろ?」
「うん……いろいろ助けてもらってるよ」
「そうか……それでさぁ……」
「……なあ、弾?」
「なんだ?」
話しかけてくれるのはいいのだが……。
「私の気を引こうとしても無駄だぞ?」
「……ちくしょうっ!!だったら少しは手加減をしやがれ……って、ああ!?」
この男の名前は五反田弾。私の中学からの友達である。以前、とあることがあってから鈴と一緒につるんでいた奴だ。何かの縁があったのか知らないが三年間同じクラスだったのだ。それゆえ、あの事件から多くのことで世話になった恩人でもある。
……それは一旦置いておいて。今は弾の部屋でゲームをしていたところだった。テレビの画面には私の方には『You win!』と映っている。私達がしていたゲームは『IS/VS(インフィニット・ストラトス/ヴァースト・スカイ』という格闘ゲームだ。このゲームは第二回IS世界大会『モンド・グロッソ』のデータを元に作っている。ちなみに千冬姉のデータは入っていない。……なんでも諸事情によって入っていないことになっている。
だが、一部の人はとある隠しコマンドを入力すると……使えたりする。ちなみに知っているのは私と千冬姉だけだ。
「何なんだよその機体はよ!?シールドエネルギーをごっそりもっていくとか、どんなチートを使ってんだよ!」
それはそうだ。何せ、私が使っている機体、『暮桜(くれざくら)』は白式とほぼ同じ武器『零落白夜』が使えるのだ。こちらのシールドエネルギーを消費すれば発動できる。当たったらほぼ、勝ちと言ってもいいぐらい反則な機体なのだ。
「そんなチート機体を使ったら俺が勝てないだろうが」
「そんなことは知らない。第一、久々にやる奴相手をフルボッコした奴は何処のどいつだ?」
「いや~お前とやっていたら楽しくってな。つい本気を出しちまったぜ」
「……全く」
私が弾に対し、ため息をつくと弾はゲーム機を片付けだす。弾はゲーム機を片付けながら私にここ最近のことを聞いてくる。
「そういえばIS学園って女子高なんだろ?」
「そうだけど……また、どうしてそんなことを聞いてくるんだ?」
昔のようにやましいことを考えているのではないかと疑いの視線を送ると、弾は慌てるように違うと弁解してくる。
「ち、違う!そういう意味じゃねぇって!」
「……じゃあ、なに?」
「お、俺が言いたいことは……その……」
「……弾?」
あまりにも言いづらそうにしている弾の様子に少し驚いてしまう。そこまで私に話しづらいことがあるのかと思おうと不安に思い、身を構えてしまう。
「……こんなことを言うのもあれだけどよ。今は女子しかいないから、ある意味大丈夫かもしんないけどよ……」
「……ああ」
「……もし、将来のことを考えるとなると……どうなんだ?」
「将来のこと?」
そう聞き返すと弾は歯切れが悪くなっていく。しばらくすると、弾は何か決心した様子で告げる。
「……その~あれだ。お、お前が男と付き合ったり結婚するかもしれないだろ?」
「…………」
正直な気持ち、私は男と付き合うつもりなど考えていなかった。
あの事件から性行為に対するトラウマと男性に対する恐怖があるので、会話ならまだしも接触行為をされただけで拒否反応が起こってしまう。そんな症状を持っているのに男と付き合うという想像ができるはずがない。
……ただ、弾や御手洗なら触られても一応大丈夫だ。特に弾には手を握られても不快な気持ちが出てこない。自分でも不思議に思うくらい大丈夫なのだ。……なんでだろう?
「だからさ……少しはトラウマを克服するように何かした方がいいんじゃないのかってさ」
「……それ、は」
そうかもしれない……。けれど、あの時のことを思い出しそうで怖い。
「べ、別に無理してまで治そうとしなくてもいいんだぜ!ただ、俺は……」
「……わかってる」
そう、コイツはなんだかんだ言って私のことを凄く心配してくれる。以前、IS学園に行くことになったという事を知らせに行ったら弾は悔しそうな顔をしていたのを鮮明に覚えている。
ISは女にしか使えない。今の世の中、男は弱い存在として見られている。そんな自分とは違う場所に行ってしまう。そばで守ってあげたくてもそれが叶わないということ。……それが歯痒くて仕方がないのだろう。
――――だけど、私は思う。そばで守ることが全てじゃないと思う。
「……弾」
「な、何だよ?」
「……いつもありがとう」
少しはにかむようにして言うと弾は頬を赤く染め顔を背けてしまう。私は弾の手を取って両手で包むように握りしめる。すると顔を背けていた弾が戸惑った様子でこちらの方を向いてくる。そんな様子を私は構わず言葉を告げる。
「私は弾が親友で良かったと思っているよ」
「きゅ、急にどうしたんだよ?」
「なぜだか分からないが……言わなきゃいけない気がしてな」
なんでこんなことを言わなきゃいけないのかわからない……けど、言わないといけない気がした。
「……そっか。そう言って貰えると嬉しいぜ」
弾は嬉しそうに私の頭を撫でる。
……なんで私の知り合いはいつも頭を撫でるんだ?でも、撫でられることで喜んでいる私でもあった。なんて言えばいいのだろう……そう、すごく心地が良いのだ。安心感が出ると表現すればよいのだろうか。
そんなことを考えていると弾は私にさっきの質問をしてくる。
「……で?どうする?」
「…………」
他の男の人とやるのは無理だが……弾なら大丈夫な気がした。
「少し怖いが……やってみる」
「……わかった。嫌だったりしたらすぐに突き飛ばしたりしてくれて構わないから」
私と弾はお互い正面を向き合う。その際に視線と視線が合ってしまう。お互い、自分を見られていると思ってしまうと恥ずかしさが湧いてくる。その場から気まずい雰囲気が漂ってくる。
「…………」
「…………」
両者共々、頬を赤く染め照れている様子が見られる。第三者から見れば初々しい恋人達にしか見えない。一夏はこのままだと気まずくて仕方がないと思い、弾に話しかける。
「……それで?私はどうすれいい?」
「そうだな……とりあえず始めは手でも握ってみるか」
弾は少し恥ずかしそうに手を出す。私はその手を取り、指を絡める。
改めて手を握ってみたがこれは何て言うか……変に照れるな。恥ずかしいせいなのか胸がドキドキと鳴っていることがわかる。弾に知られていないだろうかと疑問を抱きながらも表向きは平然とした態度をとる。
「……どうだ?」
「……どうって言われると、ね」
恥ずかしいが嫌ではないのは確かだ。そもそも私は弾に手を触られても大丈夫なはずだ。指を絡めるということはしないでも頭を撫でられたりするのだぞ?これでもう根を上げるようではやらないと思うのだ……。
「まあ、いつもやってることだから大丈夫か」
「指を絡めたりはしないがな」
「……次は抱き合ってみるか」
弾は私をそのまま手を引き胸元まで連れてくる。その時、私の顔が弾の心臓にあたる部分に埋まる。
ドクンッ、ドクンッ。
……弾の心臓の音がはっきりと聞こえる。心音は普段より速く打っているのが感じられる。……おそらく弾も緊張しているのだろう。弾の体が震えているのが何よりも証拠だ。私に拒絶されないか、嫌がってないか、そんな感じだろう。
だから私も弾の背中に腕を回し、同じことをする。弾はビクッと体を震わせ目をきゅっと閉じる。少し経ってから弾は再び目を開く。そして私に問いかける。
「……嫌、じゃないか?」
「……ううん、大丈夫」
「気持ち悪かったり無理してやってないか?」
「……大丈夫」
やっぱり安心してしまう。千冬姉とは違った意味で安心してしまう。
「……そっか、そいつは良かった」
二人はしばらくその状態でいると部屋の扉が開かれる。
「お兄、一夏さん、そろそろお昼ご飯が出来ました……よ」
「「………………」」
シーン。
弾の部屋一帯が沈黙が広がる。いつも思うのだがどうしてこうもタイミングが悪いのだ?一番見られたくないときに……。
蘭は固まっている弾に声をかける
「……お兄?」
「は、はいっ!?なんでしょうか!?」
妹の蘭に対し、素っ頓狂な声を上げる弾。弾の背中から冷や汗が吹き出てくる。
「……何してたの?」
「い、いや別に何もしていないぞ!?」
……弾。それだとあからさま何かしましたと言っているものだぞ?まあ実際にはなにもされてはいないのだが。
「じゃあ、何で一夏さんと抱き合っているの?」
「そ、それはだな……」
「弾が私の男に対するトラウマを克服するための特訓をしてくれたんだ」
テンパっている弾に代わって私が蘭に説明をする。すると蘭は驚いた顔をしつつ、疑いの視線を弾に向ける。
「……お兄、それ本当?」
「あ、ああ!ほ、本当さ!」
「世の中に珍しいことがあるんだね、お兄」
「余計なお世話だ!」
いつも思うが本当にこの兄妹は仲がいいな。
「……それで二人はいつまで抱き合ってんですか」
私と弾はお互いに自分が置かれてる状況を確認する。今の状況は私と弾がお互いに抱き合っている状態である。その状況を理解した弾は私から勢いよく離れる。
「わ、悪い―――がっ!?」
離れた際に後ろにあったテレビにおもいっきり頭をぶつける。そして、そのまま私の方に倒れて行くのを―――蘭の膝蹴りによって阻止される。
「う、うぅ……我が妹よ」
「何ですか?」
「ひ、膝でわざわざやらなくてもよかったのでは……ないでしょうか?」
「どこぞの主人公にみたいにラッキースケベなことが出来ると思ったら大間違いです」
それは何の主人公だと言いながら弾は床に崩れ落ちた。その光景を見ていた私は動けずにいた。
……相変わらず弾には厳しいんだね。そう思った一夏の手を引いて起き上がらせ食堂に連れていこうとする蘭。私はさすがに弾が哀れだと思い、蘭に訊く。
「あ、あの……蘭?」
「何ですか、一夏さん?」
「さすがに弾が可哀想な気がするんだが……」
そう言うと蘭は一度止まり、鼻に触るか触れないかのところに人差し指をピッと伸ばし告げる。
「いいですか一夏さん!男の人は狼なんですよ!?」
「そ、そうだな」
「いつ襲われてもおかしくないんですよ!」
「そうかも知れないが……弾は違うと思うのだが?」
そう言うが蘭はそんなことありませんと首を横におもいっきり振り私の言葉を否定する。
「一夏さんはお兄のあそこを見ましたか!?」
「い、いや……見てないけど」
それどころではなかったからな。あの時の私は緊張していて意識してなかったからな。
「私の口からは言えませんが一つだけ分かることがあります」
「それは?」
「……お兄が一夏さんに興奮しているということだけは分かりました」
「!?」
一夏は蘭を理解したのか顔を真っ赤になる。だが、次の言葉で表情が一変する。
「もしお兄が一夏さんを犯した奴らみたいに襲って来たらどうするつもりだったんですか!!」
「……あっ」
その言葉を聞いた瞬間顔に溜まっていた熱が一気に冷えていく。すると、足に震えも襲ってくる。かろうじて立っているところだ。
「お兄ぃだって男なんですから絶対という保証はないんですよ!」
「…………」
「お兄が緊張していたか分かりませんが、一夏の匂いを嗅いでも襲わなかったのはある意味奇跡に近いんですよ!」
――――そうなのだ。私の首元から普通の人とは違った臭いが出るのだ。それが何なのか解っていたのにも関わらず、後先考えず行動をしてしまった。
「………うっ……」
そう思ったら私の足が力が入らなくなりそのままその場に座り込んでしまう。そして、あの犯された時のことを思い出すと震えがとまらなくなってくる。目に涙が溢れ、そのまま泣き崩れそうになったところを蘭が抱き締めてくる。
「……別に一夏さんを責めている訳ではありませんよ。ただ、あんなことがあったから心配なんです」
「……ひっぐ……うん……」
「お兄のことを信頼してないわけではないんです。あれでも一夏さんのことを一番心配していることぐらい分かります」
「………………」
「……でも、少しは自分を大切にしてください。今の一夏さんは女の子ですから」
蘭は私をギュッとその時だけ抱き締めた。抱き締め終わるとすぐさま離れる。
「……あまりくっつくと私も抑えられていける自信がありませんから」
ふふっと蘭は微笑みを浮かべながら言う。私は目の涙を拭いながら立ち上がる。蘭は私の手を引き、再び食堂へと向かいだす。
「……一夏さん」
「……なんだ?」
「――――決めました」
蘭は私の手を離し、握りこぶしを作り宣言した。
「――――私もIS学園に入ります!」
「……え?」
私は蘭の発言に驚いてしまう。確かにIS学園に入ることは可能だろうが、何故そう思ったのか不思議だった。
「私も一夏さんの隣で頑張ってみたいと思ったんです。……確かに鈴さんのように強くは無いですけど――――私も一夏さんを守りたいって思ってるんです」
「…………そう」
「お兄も頑張ってるのに私もやらないわけにはいきません。だから――――」
「……全く」
どうして私の知り合いはすぐ私を守りたがるのかな……。だけど、いやな気分じゃない。
「……わかった」
「!本当ですか!」
「うん。……蘭が入学してくるのを楽しみにしているよ」
「はいっ!」
蘭は元気な声で返事をする。
こうして私の楽しい休暇が過ぎていくのであったのだ。
おまけ
五反田家食堂にて
一「……そういえば弾はいいの?」
蘭「……あぁ、お兄ですか?」
一「ああ、あのままにしていってよかったのか?」
蘭「いいんですよ。……たまには、ね」
一「?」
五反田弾の部屋にて
弾「じ、じーちゃん……」
厳「なんだ弾?」
弾「……なんでおたまを持って俺に近づくの?」
厳「そりゃあお前のそのあほな頭を治してやろうと俺の親切心で来てやったんだろうか」
弾「い、いや、そうじゃなくって何でおたまを――――」
厳「ほれ、歯を食いしばれよ」
弾「えっ?あの、じーちゃん?ちょ、たん――――ギャアアアアアアッッッッ!!!!!!」
次回からはラウラの登場だーー-ー!!!!!(予定)
皆さんの期待に応えられるオリジナル展開にしていきたいと思いますので応援よろしくお願いします!!
そして文才が無くってマジスイマセン(汗