自分の独自解釈がいっぱい入っているかもしれません
あと、活動報告で書きましたがこれからの展開は矛盾だらけになると思います
それでもOKでもいいと言って貰えると嬉しいです!!
それではどうぞ!!
サアアアァァァ……。
寮の部屋に水が流れ落ちる音が響く。寮の付属のシャワールームから二人の少女の影がドアに浮かび上がっている。
「どうだ一夏?水が耳に入ったりしてはいないか?」
「んぅ……大丈夫。少しくすぐったいぐらいかな」
私、織斑一夏は幼なじみの篠ノ之箒と一緒にお風呂に入ることが日課である。未だに一人で体を洗うことが出来ずにいた。そのせいで箒に苦労をかけていた。
「いつもゴメン……。まだ体を見るのが出来ないんだ」
「気にするな。それでは私の役目がなくなってしまう」
そう言ってくれるのは嬉しい。けど、箒に負担をかけていると思うと申し訳なくなってくる。
「それと今日は一夏、お前に話がある」
「……話って?」
箒はいつもより真剣な表情で告げる。
「そ、そのだな……最近お前を避けていてすまない」
「いいよ。別に気にしてないから」
気にしていなかった訳ではないが箒には箒なりになにかあると思っていたから、それほど気にはならなかった。それに……。
「今朝は助けてくれたでしょ?私が女だってバレないようにフォローもしてくれたじゃない」
「当たり前だ。私はお前を守ると言ったではないか」
「そうだね」
他の人が聞いたら、じゃあ何で避ける必要があったんだと言うかもしれない。でも、私でもそうしたかもしれない。箒に何があったのか何て実際に現場を見てたわけではないからわからない。大方、鈴が箒に何か言ったように感じられる。
最近の二人はどこからどう見ても様子がおかしい。鈴は箒に敵意の視線を向けるし箒に至っては鈴から避けているのが遠くから見ていてもよくわかる。だから二人の間で何かあったに違いない。しかも私絡みなのは間違いない。
私の推測が正しければ鈴は箒にこう言うだろう。あんたのせいで一夏は死にそうになったのよ、ってね。指摘された箒は私に会う度に鈴の言葉を思いだす。考えた末に私に対する行動が避けるしかなかった。そんな感じではないだろうか。
でも箒も私と同じ女の子なのだ。普通、十六歳の少女が友を死なせそうにな事態になったら今まで通りにいかないだろう。むしろ箒の対応はごく普通の反応だと思う。千冬姉や鈴はそうは思わないかもしれない。
けど、罪悪感やいろんな感情を抱えている中、助けに行ったりたり普段通りに接しようとすることは大変だ。それでも、時間をかけても謝ることはなかなか出来ないと思う。
だから……私は箒を責めようとも思わない。むしろ感謝をしている。こんな私を受け入れ手助けをしてくれる。小さなことでも、それが支えになるのだから。
「箒」
「なんだ?」
「―――いつもありがとう」
感謝の心を込めて言う。すると箒は恥ずかしそうな表情をする。
「そ、そうか……?それは良かった」
「うん。……それじゃあ、そろそろ出ようか」
私と箒はシャワールームを後にするのであった、
「……こ、こうか?」
「それでは表面しか乾かせていないだろう。しっかり手で髪を持ち上げる感覚でやるのだ」
「む、むむぅ……」
い、意外に難しいな。この間まで千冬姉や箒に髪を乾かしてもらっていたが、いざ自分でやると出来ないものだな。男の時は楽だった。髪も短いし適当にやればそれで終わりなのだから。
だが、これからは一人でも出来なくてはいけないのだ。必ずしも男に戻れる保証がないのだからな。なら、覚えておいても損はしないはずだ。
「箒や千冬姉はどうしてそんなに上手いんだ?」
「それは昔からやってきたからに決まっているだろう」
ですよね……。
そんなやり取りをしているとドアがノックされる音が聞こえる。
「私だ。夜遅くにすまない」
「あ、すみません。今開けますので」箒がドアを開けると、そこには姉である千冬姉が立っていた。
「今寝るところだったか?」
「いえまだ髪を乾かしている途中だったので」
「ああ、実は先程決まったことを報告しなくてはいけないと思ってだな」
こんな時間まで会議があったのか。……教師って大変だな。
「報告ってどんな?」
「実はだな……部屋の移住が決まったのだ」
―――えっ?
「ま、待ってください!本気ですか!?」
「篠ノ之、お前の言いたいことは分かる。だが、これには理由がある」
私は千冬姉の言ったことに一つ心当たりがあった。……恐らくあれしかない。
「……シャルルのことでしょ、千冬姉?」
「何だと?」
「ほう……気づいてたか」
箒は不思議そうな表情し千冬姉は関心した口調だった。
「確証があるわけじゃないけど……以前の、いや、今の私と同じ感じがしたからかな」
「経験者が言うことは違うな」
「どういうことですか?話が全く分からないのですが……」
話について行けてない箒に説明をする。
「つまり、シャルルが男じゃないってことだよ」
「何故、お前はそう思うんだ」
「まず男だったら私みたいに世間で話題になるはずだと思うの」
実際、私は世間では世界で初めてISを動かした男性として発表された。ならば二人目が現れたならばニュースになってもおかしくないはずだ。この情報社会の中で新聞にも雑誌にも載らないということは有り得ない。
それほど重大なことを世間で公開されなかったのはシャルルが女だったからか、あるいは何か他の手段を使って情報を隠してきたか。どちらかだと思う。
「情報を伏せるという手段を使ったからなのではないか?それならば今まで男だということが知られなくても不思議ではないだろう」
「そうかも知れない。だけど、隠してきたものを今更男だったことを言うメリットは?」
「そ、それは知らん」
「うん、私も思う。だったら最初から男だと言えばいいと思うの」
隠してきた意味が分からなくなるのだ。となると、残りは先程言ったことになる。
「だが、それではあまりにも信憑性が欠けるではないか」
「それに、もう一つ理由がある」
箒が言ったことに対して千冬姉がもう一つの理由を告げる。
「奴が学園に提出した個人情報だ」
「それのどこがあいつが女だと直結するのですか?」
「まあ、落ち着け。ここだけの話だがこの学園に入るとき書類を提出すれば入れるのだ」
「そうなんですか!?」
それは私も驚いた。けど、それならば私が女だって学園にバレてないのには納得する。身体検査があったらどうにも出来ないのだから。
「ああ、だから一夏もこうして男としているのだから」
「それはそれで問題だと思うのですが……」
それについてはどう意見だ。
「だから幾らでも偽造など出来る。問題はISを動かせるか、動かせないか、そこが一番大事なところだ」
そう、ここは誰もが入れる訳ではない。一定基準値を満たした者しか入れない。だから女子全員が入れるわけではないのだ。むしろISを動かせない女性なんて山のようにいるのだ。仮にも動かせたとしても専用機が必ずしも貰えるわけではない。ある意味狭き門なのだ、ここは。
「だが、奴は試験に合格した。見たところかなりの腕前だ」
まだまだひよっこだがな、と千冬姉は言う。いや、そんなこと言ったらほとんどの人がひよっこだと思うよ。
「後は転入手続きをしたら終わりだ」
「なるほど」
「だが奴がそこまでする理由が分からんがな」
それについては私も同意見だった。そこまでリスクを犯してIS学園に転入する理由が解らない。
「じゃあ、一夏はシャルルと同室になるのですか?」
「その事について先ほどまで会議を開いていたのだ」
「私はこれからどうするの……?」
不安げな視線を向けると千冬姉は私の頭を撫で気分を落ち着かせようとする。
「話し合った結果……篠ノ之」
「は、はい」
箒は少し緊張していたのか上擦った声で返事をする。
「お前はデュノアと同室になった。そして奴の監視を個人的に頼みたい」
ある程度予測できていた私は驚かずに済んだ。この流れで千冬姉が私とシャルルを同室にするとは思えなかったからだ。千冬姉の発言に箒は不安げな表情を浮かべる。
「……私なんかがそんな大事な役が務まるのでしょうか」
「……篠ノ之」
千冬姉は箒の肩に手を置き話始める。
「お前が最近一夏を避けていたのは知っていた」
あえて言わなかったと千冬は言う。
「だが、お前は今朝一夏を助けたではないか」
「それは……当たり前です」
「そうかもしれん。……何故、私がなにもしなかったか分かるか?」
あの時とは私がシャルルに触られたときのことをだろう。千冬姉の問に箒は首を横に振り、解りませんと言う。
「あの時、私はすぐさま一夏に駆け寄って助けるべきだったかもしれん。だが……最近思うのだ。もし、一夏の側に居なかった時のことを」
「千冬姉……」
千冬姉の言う通りなのかもしれない。いつまでも千冬姉が側に居るわけではないのだ。千冬姉も誰かと結婚して遠くへ行くかもしれない。そう思うと何だか寂しくなってくる。
「なら私以外に助けてくれる奴がいるとするなら、それは一夏の周りにいる奴しかいない」
「……はい」
「だからこそお前や鳳に任せたのだ。だが、私もなるべく助けるつもりだ」
「……解りました!」
箒は千冬姉の言葉が伝わったのか決意を表すかのように返事をする。すると千冬姉は少し安心したのかほっと一息つく。
「それで……肝心の私は誰と一緒になるの?」
鈴は確か相部屋の人が決まってたはずだから私と一緒になるとは思えない。千冬姉は寮長だから一緒になれない。あと私の秘密を知っている人は……いない筈だけど。
「ああ、同室になる奴は―――ボーデヴィッヒだ」
「「……………」」
私と箒はあまりのことに思わず絶句する。まさか、この場であの銀髪の少女の名前が出るとは思わなかった。
「以前、ドイツで世話になったとき一夏のことを少し話してある」
「千冬さん。そんな大事なことをどうして言わなかったんですか」
「まさか、あいつがIS学園に転入してくるとはおもわなかったのでな」
ち、千冬姉……何て言うかいい加減だな。というか結構大事な話だよね。
「まあなんだ。少し近寄りがたい雰囲気を出しているが良い奴だ。仲良くしてやってくれ」
「……わかった」
千冬姉が言うのだから間違いはないだろう。そして私は荷造りを始め転校生のラウラの部屋へと向かうのであった。
コンコンッ。
「夜遅くにすみません。今日から相部屋にならせてもらう織斑ですけど」
指示された部屋に着きドアをノックすると朝に見た銀髪の少女が出てくる。私の姿を確認すると入るように促す。
「こんなところではなんだ。早く入れ」
「あ、失礼します……」
なんか朝とは違って見える気がする。まだ会話らしきものをしてないが千冬姉に似ている気がして話しやすいかもしれない。ベットの所に着くとラウラはコップを二つ用意して水を入れる。入れ終わるとこちらに持ってきてそのうちの一つを渡してくる。
「私も来たばかりなのでな。何ももてなす物がないのだ。すまないが水でいいだろうか?」
「あ、いや、それはいいんだけど……千冬姉から何か聞いてる?」
「ああ、お前の体のことや風呂についても聞いた。あとはその他諸々だ」
大体のことを聞いてるらしく少し安心する。こうして普通に接してもらえると気が楽になる。
「ふぅ……」
もらった水を飲んで一息つく。自己紹介がまだだと気付きしようとした瞬間、眠気が襲ってくる。
「あ、あれ?」
急に足の力が抜けて倒れそうになったところをラウラに抱きかかえられる。すぐ側にあるベットまで運んでもらうとラウラが耳の近くで囁く。
「……疲れているのだろう。今日はゆっくりと休め」
「え、あ、うん。ごめんもう寝るね」
曖昧な返事を返すとすぐさま夢の中へと連れて行かれるのであった。
「……………」
ラウラと呼ばれる少女は自身のISのプライベート・チャンネルを開きある人物に通信を送る。
『―――受諾。クラリッサ・ハルフォーフ大尉です』
「……私だ。ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐だ」
『はっ、どのようなご用件でしょうか?』
「ついに『あれ』を決行する」
『―――ッ!!ついに、ですか……』
『あれ』と言った瞬間、クラリッサ大尉は息を凝らす。以前から聞かされていたことだが、いざ始めるとなると緊張感が襲う。
「……そちらの準備は?」
『はっ!すでに準備は整っています』
「……そうか」
『……宜しいのですか?』
「なにがだ?」
ラウラの問に対しクラリッサは呼吸を整え告げる。
『貴女は織斑教官を本国に連れて帰るのではなかったのですか?』
「……そうだったな」
『ですが、今やろうと思っていることは目的とかけ離れています』
「そうだ。これは私的事情だ。国のためでもなく部隊のためでもない。ただ、私がやりたいと思ってしていることだ」
『……後悔するかもしれませんよ』
「ああ、するかもしれん。これからやることにメリットなどないのだからな」
そう―――メリットなどない。だが……止まらない。止まりなどしないのだ。
「さあ……始めようではないか」
これから長い、長い夜が始まろうとしていた。
次回はエロです!!
まさかのラウラが……なのがわかります!!