もしかしたら付け加えていくかもしれません
色々と忙しいですが頑張って書いていきます!!
「……何故、こんなことになったんだ」
「ほ、箒……」
昼休み、私たちは屋上にいた。
普通、高校の屋上と言えば危険があるからと言って立ち入り禁止になっているのだが、ここIS学園では立ち入りが許可されている。美しく配置された花壇には季節の花々が咲き誇り、欧州を思わせる石畳が落ち着いている。それぞれのテーブルにはイスが用意されていて、晴れた日の昼休みともなると女子たちで賑わう。
そんな中、私たちはこうして屋上で昼食を食べるところだったが……。
「何故だ、何故なのだ? 久しぶりに一夏と二人きりで食べるはずだった昼食がこのようになってしまったのだ」
「たまにはみなさんと一緒にでも、よろしいではありませんか」
「そうそう。一人や二人増えたって変わんないわよ」
箒の横にいるのはセシリア。そして、箒の肩をぽんぽんと叩く鈴。
私の隣に座っているシャルルは、あははと苦笑いしながらその場の雰囲気を見守っていた。
「―――っ! 大体、お前たちが、私が一夏を誘った途端について来たではないか!」
「そ、そんなことはありませんわよ?」
「そうよ。単なる偶然……『たまたま』よ」
「おい、鳳。何故『たまたま』の部分を強調するのだ?」
「べぇ~つにぃ~」
口笛を吹いてはぐらかす鈴。箒は額に青筋を浮き上がらせつつも持ち上げた拳を押さえる。だが拳を振るわない理由があった。それは、傍に置いてある包みにくるんだ手作り弁当があったからだ。
そう―――これは、たった数分前の話なのだが。
授業が終わると同時に箒は私のところに来て昼食の誘いをしてきたのだ。おそらくは昨日の事についていろいろと話したいことがあったんだと思う。そんな箒の行動を見計らったかのようにセシリアもこちらに来ると……。
「わ、わたくしもご一緒しますわ!」
「な、なんだと!?」
セシリアの行動に思わず驚愕の表情を浮かべる箒に追撃と言わんばかりか廊下から鈴の顔が現れる。すると鈴はセシリアと同じことをする。
「一夏~! 一緒に昼ごはんを食べに行くわよ」
「なっ!? 鳳までもか!」
「……あっ。なら、僕も一緒にいいかな?」
「シャ、シャルルまでもか……」
―――と、こんな感じ。ついには私たち二人だけの昼食が大人数で食べる羽目になったということだ。
「どうして、いつも私の邪魔ばかりしてくるのだ……」
「まあまあ……また今度二人で食べよう?」
「ああ……そうだな」
箒は少し涙目になりながらも返事をしてくれる。最近、箒の涙ぐむ姿が妙に可愛いと思う。だけど、言葉で言うと怒られる気がするから心の中にだけに仕舞って置くことにしよう。
「はい一夏。これアンタにあげるわ」
そう言うと鈴はタッパーを私に手渡す。タッパーの蓋を開けるとそこには懐かしいとも言える酢豚が詰まっていた。
「あっ、懐かしい!」
「久々に作ってみたのよ。味の保証はちょっと出来ないけど」
随分前に鈴に作って貰ったことがある。初めて作って貰った酢豚はそれはもう壊滅的だった。それから鈴は必死に酢豚が作れるように努力した。何度も練習を重ねた結果、初めの時と比べて見違える程の出来映えだった。酢豚だけではなく次第には他の中華料理も作れるようになった。
「何だか懐かしいな」
「あたしは思い出したくないものの一つだけどね」
二人で昔の思い出に浸っているとセシリアがわざとらしく咳払いをする。
「コホンコホン。―――一夏さん、わたくしも今朝はたまたま偶然の因果か早く目が覚めまして、こういうものを用意してみましたの。よろしければおひとつどうぞ」
バスケットを開くセシリア。そこには色取り取りで綺麗に仕上がっているサンドイッチが並んでいる。見た目は凄くおいしそうに感じさせ食欲をそそられる。……のだが。
「………………」
見た目がまともなのにいろんな匂いがする。例えば、ツンとする匂いや食べていないのにもかかわらず辛さを感じさせる匂いがする。
他のみんなも感じたのか誰も言葉には出さず無言になっていた。いや、絶句と言ったほうがいいのかもしれない。それどころかこちらから目を背けるという始末だ。お前ら……いくら何でも薄情だろ。
「……? どうかしまして?」
「あ、いや! 何でもないよ!」
いろいろと言いたい事があるが言ってはいけない気がする。どうしてこんな匂いがするのかとか、何の調味料を入れればこうなるのかとか、聞いたらいけない気がする。
まあ、実家が由緒正しい名家―――すなわち超金持ちの令嬢となると料理が苦手なのは仕方がないかもしれない。専属のシェフだって何人も仕えているだろうし、包丁を握ったことすらないかもしれない。
そう思うと仕方がないかもしれないが……さすがにこれはちょっと、な?
「言いたいことがあるんだったら言ったほうがいいわよ」
「じゃあ、鈴は『セシリアの料理は食べられません』って面と向かって言うことが出来るの?」
「あたし? あたしは言わないわよ」
じゃあ、そういうことを簡単に言わないで欲しい。こそこそと鈴と話しているとセシリアが不安そうな表情を浮かべる。
「あの……一夏さん?」
「な、何?」
「もしかして、わたくしの料理は嫌でしたか?」
「そ、そんなことはないよ……ありがとう」
そう言ってセシリアからサンドイッチを受け取る。鈴の方に視線を向けると笑うのを必死に堪えていた。最近、鈴が薄情者に思える。
ただ、本当に困ったときは助けてくれるのだが、こういうときだけ薄情にならないで欲しい。いや、本当に
「……んっ」
「……? どうしたのシャルル」
「あ、ごめん。ちょっと寝不足なだけだから」
私の隣に座っているシャルルが眠そうに目を擦っていた。確かに昨日の部屋の移動は急なことだったから就寝時間が遅かったのかもしれない。だけど、私と違って睡眠時間は確保できたはずだ。最低でも六時間は取れるはずだが……。
「昨日、箒と何かあったのか?」
「ううん。別に何もなかったよ。むしろ、優しかったけど」
「じゃあ、何でそんなに眠そうなんだ?」
「うん……実は―――」
そして、シャルルは昨日の出来事を話し始める。
「初めまして、僕の名前はシャルル・デュノアです。これからよろしく」
「ああ、私の名前は篠ノ之箒だ。女の私と同室だが仲良くしてもらえると助かる」
「じゃあ、箒って呼んでもいいかな?」
「ああ、構わない。ならば、私もシャルルと呼んでも良いか?」
「うん。構わないよ」
僕、シャルル・デュノアは今日から篠ノ之箒と一緒に過ごすことになった。本来なら男である織斑一夏と同室になるはずだったんだけど急遽、変更ということで別々の部屋になった。
詳しい理由が聞けなかった。ただ、また変更するかもしれないということを言われた。
(やっぱり……無理があったんじゃないかな)
今更、二人目の操縦者が現れたと言っても信じられてないのも無理はない。ニュースにさえ上げられていないのだ。普通なら一夏のように世間に知らされるのが当たり前なのだ。むしろ、よく男として転入が出来たと思うくらいだ。
(同室になれなかったのは残念だけど、学校で会えるからそれでいいのかな?)
「ん? どうした、シャルル」
「あ、ちょっと、ぼーっとしちゃった」
「そうか。そろそろ就寝時間だからな。寝るとしよう」
そう言ってお互い寝る準備をした。お風呂は更衣室のシャワーを使ったから入る必要がない。
そして、話し合った結果、僕がシャワールーム。箒がベット付近で着替えをすることに決まった。それからは特に何もなく、後は寝るだけになりベットの場所を決めて中に入る。
「それじゃあ……お休み」
「ああ」
部屋の電気を消して目を閉じ眠ろうとするが―――。
「………………」
……何だろう? 背中に視線が向けられてる気がする。後ろを振り向くが箒はすでに寝ている様子だった。
(あれ? 僕の気のせいかな?)
再び眠ろうと試みるが背中から視線を感じる。
「………………」
……まさかね。再度、後ろを振り向くが、やはり同じだった。
「………………」
ジィィィィィッーーーーー。
(う、うぅ……どうしよう。眠れない)
「―――と、いうことなんだけど」
「………………」
シャルルは少し疲れた様子でため息をつく。私は箒に目を向けると……。
「………………」
視線だけではなく顔を明後日の方向に向けていた。
(ほ、箒……)
いくら千冬姉に頼まれたからって、そんなやり方で大丈夫なのかな。結構……心配だ。
「………………」
箒に無言で弁当を差し出される。箒の顔を覗うと落ち込んだ様子だった。どう声を掛ければいいのか分からなかったので、とりあえず受け取った弁当を開けることにした。
「……美味しそう」
弁当を開けると、そこには鮭の塩焼きに鶏肉の唐揚げ、こんにゃくとゴボウの唐辛子炒め、ほうれん草のゴマ和えというなんともバランスが取れた献立の数々がそこにあった。
「すごい……どれも美味しそう」
「起きた時間が早かったからな。暇だったので作ってみただけだ」
「それでも嬉しいよ」
「そ、そうか……」
箒は頬を赤く染めて嬉しそうな表情で自分の弁当箱を開ける。当たり前だが私が貰った弁当は箒と同じ弁当だ。だが―――。
(あれ……?)
箒の弁当の中に鶏肉の唐揚げだけ入っていなかった。弁当を添えている手には絆創膏がいくつも貼られていた。
きっと、慣れていないのに弁当を朝から作ったんだろう。今まで箒が料理していた姿など見たことがない。弁当の中身を見ても決して形がきれいとは言えない。
けれど、不器用ながらも作ってくれた弁当は冷えてはいたが温かみを感じた。
(……ありがとう)
本当に箒には世話になってばかりだな、私は。つくづくそう思った。
「それじゃあ、食べようか」
みんなと一緒にいただきますと言ってから、私はまず始めに箒の弁当から手をつけた。
「んっ! 美味しい!」
弁当なので当たり前だが冷えているのにもかかわらず箒の唐揚げは美味しかった。衣がパリッとしていてベタついていない。後味もしつこくなく、食欲がそそられるほどのものだった。
「そうか、それはよかった」
「うん! 今度作り方を教えてくれるか?」
「ああ、いいぞ」
初めてなのにこうも上手く作れるものなのだろうか。私が初めて料理を作ったときには上手くできなかった。それでも千冬姉はいつも『おいしい、おいしい』と言いながら食べてくれた。嫌な顔を一つも出さず完食してくれた。そのときからかな。もっと美味しいものを作ろうと思ったのは。
「箒」
「な、なんだ?」
「……はい」
私は唐揚げを一口サイズに切って、箸を持ち上げる。唐揚げを落とさないように左手で添える。
「い、一夏!?」
「……うん? どうかしたのか?」
「い、いや、その、だな……」
「はい、あーん」
そう言って箒の口元まで持っていくと箒もそれにつられて口を開く。
「あ、あーん……」
多少ぎこちないながらもそう言って唐揚げをほおばる箒。顔は恥ずかしいのか林檎のように真っ赤になっていた。
「………………」
「………………」
今更だが、ものすごく恥ずかしい。何故、私は『はい、あーん』をしてしまったのだ。箒に感化されたのか私も同じくらい顔が赤くなっている気がする。鈴やセシリアたちに目を向けると私や箒と同じく顔が真っ赤だった。
「「「「「………………」」」」」
辺り一面に沈黙が広がる。ああ、鈴。こういうときに助けてくれないか。セシリアは……何で嬉しそうな顔をしているんだ?
「い、一夏さんと一緒に……う、うふふ!!」
うん……聞いたらいけない気がする。何を? とは絶対聞かないでおこう。
「えっと……そろそろ行かないと授業に間に合わないかも」
沈黙の雰囲気の中、シャルルが話を切り出す。その言葉を聞くと弁当を片付け教室へ一旦戻る仕度をし始める。私も弁当を片付けベンチから立とうとするが―――。
「―――あっ」
「一夏、どうしたのよ」
鈴が不思議そうに訊いてくるのに対し、私は何でもないと答え、先に教室に向かってと告げる。
「なんでよ。早く戻らないと千冬さんに怒られるわよ」
「……うん。すぐ戻るから先に行っていいよ」
「……? わかったわ」
そう言って鈴たちは各自、弁当を抱えて屋上を後にするのであった。
「………………」
私は鈴たちが屋上からいなくなるのを確認してから屋上の入り口付近に声を掛ける。
「―――ほう。よく私がここにいることが分かったな」
「お前が朝に言っていたじゃないか。『お前のすぐ近くにいる』って」
「ああ……そういえばそうだったな」
そう言うとラウラは屋上のドアの近くの日陰からふっと現れる。
「どうした? 授業に間に合わんぞ」
「……もう少ししたら行くから」
ラウラは私のところまで近づいてくると、急に手を掴まれベンチから引き剥がそうとしてくる。
「なっ!? やめ―――」
「―――溢れてきたのだろ?」
「―――っ!!」
その言葉を聞いた瞬間、体が硬直する。ラウラは歪んだ笑みを浮かべながら私に告げる。
「昨日の残りがまだ残っていたのだろ? 朝、シャワーを浴びながら全部掻き出したと思ったのにな」
「……くっ」
無理やりベンチから引き剥がされたせいで中から白い液体が流れているのが感じる。内股にしているが流れが止まるわけではない。それでも、少しでも止めようと力を入れようとするが、ラウラの発言によって止められる。
「いいのか? 『あのこと』がばれてもいいなら止めはしないが……」
「―――っ」
「分かったなら内股にするのは止めろ」
私はラウラに言われた通り内股を止めて普段の立ち方に戻す。すると、下着が湿ってくるのが感じられる。……気持ち悪い。
「そうだ。それでいい。どうせ、私から逃げられないのだ」
そう言うとラウラは二人だけしかいない屋上で可笑しそうに笑ったのであった。
何か……シャルルの描写が少ない気が(あれ?)
次には一夏が握られている弱みについて話せたらいいな~(笑)
指摘する部分がありましたら言ってください
あと、かなり後半がいい加減かもしれません
なんか本当にスイマセン(汗