※この作品はR-18です。

IF~インフィニット・ストラトス~   作:アブソリュート

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もう何と言ったら良いのか……。
日に日に暑さが増して進まないのと勉強で全然書けない(泣)
一気に投稿するつもりだったけど、この調子だと何時になるか分からないのでいつものペースで書いていこうと思います。
何かもうスイマセン。
ああ……早く三巻に移りたいなぁ~。


第二十五話「疑惑」

 「あのね、箒がオルコットさんや鳳さんと苦戦するのは仕方がないけど、勝てないわけじゃないんだよ」

 

 「うむ……何がいけないのだ?」

 

 「多分、単純に射撃武器の特性が把握出来ていないからだと思うんだよ」

 

 「言われてみればそうかもしれんな」

 

 シャルルがIS学園に転校してきて五日ほど経つ。同室になってから少しずつだが打解けてきているはずだ。

 今日は土曜日。IS学園では土曜の午前は理論学習、午後は自由時間となっていた。とはいえ土曜のこの時間帯となると生徒で一杯になる。無論、理由は明白。ほとんどの生徒が実習を目的として使っているからだ。

 それは私も同じこと。今日はこうして他の奴らと一緒にではなくシャルルにお願いをして軽い手合わせをしてもらった後、ISについてレクチャーを受けていた。

 

 「でも、正直驚いたよ。まさか箒が僕にお願いをするとは思わなかったよ」

 

 「……それは篠ノ之束の妹だからか?」

 

 私は顔を俯かせて言うとシャルルはハッとした表情でゴメンと謝る。

 

 「そんなつもりじゃなかったんだ。気に障ったならゴメンね?」

 

 「いや、私もすまなかった。話を戻してくれ」

 

 「あ、うん。話は戻るけど箒の場合、把握というより知識として知っている感じかな。さっき僕と戦ったとき、ほとんど間合いを詰められなかったでしょ?」

 

 「ああ、詰めようとしたが近づくどころか一定の距離で対処されたな」

 

 「箒のISは『打鉄』だからね。どうしても近接格闘スタイルになるんだ。なら、より深く射撃武器の特性を把握しないと勝つことは難しいと思うよ」

 

 「はあ……私もオルコットや鳳みたいに専用機があれば良かったのだが」

  

 私はつくづく思う。専用機があれば一夏の隣にいることができる。何度このことを考えたことか。学園から借りることで訓練をしているが、いつも使える訳ではない。時には使えない日だってある。

 だが、一夏たちは違う。アリーナが使えればいつでも出来るのだ。それに比べて私は未だに専用機を持ち合わせていない。

 

 (私にも専用機に乗る日が来るのだろうか……)

 

 「……箒? 聞こえてる?」

 

 「ん? ああ、すまない」

 

 どうやら考え事をしていたせいかシャルルが呼んでいたことに気づかなかったようだ。

 まだ教わってからそんなに経ってないがシャルルの説明はわかりやすい。

 

 (それに比べて私は一夏に―――)

 

 『こう、ずばーっとやってから、がきんっ! どかんっ! という感じだ』

 

 ……今、思うと物凄く恥ずかしい。だが、鳳やセシリアも確か―――。

 

 『う~んと確かこうやってからこうするのよ。……えっ? 何言ってるかわからないだって? 感じるのよ! 大事なのは感覚よ!』

 

 『防御の時は右半身を斜め上前方へ五度傾けて、回避の時は後方へ二十度反転ですわ』

 

 「………………」

 

 ―――ああ、大丈夫。私だけではない。二人とも私と同じだったな。

 

 「はあ……今日も駄目でしたわね」

 

 「そういうこともあるでしょ。一夏だって人付き合いがあるんだから」

 

 「それはそうですが……」

 

 噂をすればなんとやらだ。私とシャルルの姿を見つけたからなのかこちらに、とぼとぼ歩いてくる二人の姿があった。

 

 「どうしたのだ? お前たちは一夏とするのではなかったのか?」

 

 「それがですね。今日もまた……」

 

 「あのドイツの軍人と一緒にするから、また今度って言われたのよ」

 

 「……またか。ここ数日そうだな」

 

 私はどうしたのかと思い、鳳たちに声を掛けたが案の定の返事が返ってきた。

 ここ数日、この調子だ。何かと理由をつけて一夏を誘っているのだが、どうも付き合いが悪い。昼食には誘うと来るのだが、朝食や夕食に誘ってもあまり来ないことがある。しかし、訓練のときに誘うとすると必ずと言ってもいいほど誘いを断るのだ。

 そして、今日もまた一夏は鳳たちの誘いを断ったらしい。

 

 「一夏さんはわたくしたちといるのが飽きたのでしょうか?」

 

 「あー……それはないと思うんだけど。まあ、たまにはいいんじゃない? あたしたちだけでもさ」

 

 「………………」

 

 ……珍しい。あれほど一夏絡みになると何かと言う鳳がこんなことを言うなんて。正直、驚いた。

 

 (いかん……集中力が下がっているな)

 

 わざわざ自身の時間を削ってまでシャルルは私に付き合っているのに対し、私は集中を切らし過ぎていた。一旦、鳳の会話の内容を心の中に仕舞い込む。再び、集中力を高めてシャルルのレクチャーを受ける。

 

 「何度もすまないな、シャルル。レクチャーを再会してもらえるか?」

 

 「ううん、気にしてないよ。じゃあ、これから射撃武器の練習をしてみようか。はい、これ」

 

 そう言って私に渡してきたのは、先の手合わせで使用していた五五口径アサルトライフル『ヴェント』だった。

 

 「確か他の使用者の武器は使えないはずだったが……」

 

 「普通はね。でも所有者が使用許諾(アンロック)すれば、登録してある人全員使用できるんだ。―――うん、今箒の機体に使用許諾を発行したから使えるはずだよ。試しに撃ってみて」

 

 「ああ、わかった」

 

 初めての銃器は剣とは違った重みを感じさせる。実際にはISのエネルギーフィールドで重さは感じないが、なんとなくそんな気がした。いつもはブレードしか使わないせいか違和感がハンパない。

 

 「構え方はこうか?」

 

 「えっと……脇を締めて。それと左腕はこっち。そうそう、そんな感じ」

 

 私の背後に回ったシャルルの身長差はあまり変わらないが、ISの特性で浮いていることから自由な動きで体を誘導する。

 

 「本当なら撃ったときに大きな反動が来るけど、ほとんどがISが自動で相殺してくれるから心配する必要は無いよ。センサー・リンクは出来てる?」

 

 「うむ、出来てるぞ」

 

 高速状態での射撃なためか、ハイパーセンサーとの連携が必要となる。『打鉄』のメニューを開き、ターゲットサイトを含む銃撃に必要な情報をIS操縦者に送るために武器とハイパーセンサーを接続する。

 

 「では、行くぞ」

 

 「うん。とりあえず撃つだけで結構違うと思うよ」

 

 シャルルに言われた通りに銃器の引き金をぐっと指に力を込めると、ものすごい火薬の炸裂音をたてる。

 

 ドンッ!!

 

 「―――ッ!?」

 

 いくらISが自動で相殺するとはいえ、ここまで大きく感じてしまうのか。

 

 「どうだった?」

 

 「あ、ああ。想像していたよりも凄いものだな。なんと言えばよいか……そう、一言で表すなら『速い』としか言いようが無い」

 

 弾丸の速度はかなり速いということは頭では理解していたが、自分で撃つとそれがより実感できる。剣とは違った手応えに心臓が高鳴っていた。

 

 「そう、そうなんだよ。弾丸って面積が小さい分だけ速い。だけど、軌道予測さえ合っていれば簡単に命中させられることが出来るし、外れても牽制になる。だから箒が間合いを詰めようとしても心の何処かで『怖い』と思う部分があるんだ。それで自然にブレーキが掛かって詰められないんだと思うんだ」

 

 「なるほど」

 

 同じ格闘メインの一夏はともかく、セシリアや鳳と戦うとき一方的な展開になる理由はそういうことか。道理で近づくことが出来ないわけだ。

 

 「あ、そのまま続けて撃っていいから。一マガジン使い切っていいよ」

 

 「うむ、了解だ」

 

 先程より幾分か落ち着いたせいか、私は二、三発空撃ちをする。手から伝わる衝撃を感じながら、どうすれば間合いが詰められるのか考えていた。

 

 「そういえば、シャルルのISはリヴァイブではなかったか?」

 

 「うん、そうだよ。―――あ、段々と腕が離れてきてるから、ちゃんと一回ごとに脇を締めてね」

 

 「ふむ……こうか?」

 

 「大丈夫だよ。あと、なるべく銃身を移動させて視線の延長線上に置いた方がいいね。首を傾けて撃つと、とっさに反応できないから」

 

 質問に答えつつも指導をするシャルル。さらに私は訊いてみることにした。

 

 「では訊くが、そのISは山田先生が乗っていたものと随分違うと思うのだが同じ機体なのか?」

 

 副担任である山田真耶が使っていたIS『ラファール・リヴァイブ』はネイビーカラーに四枚の多方向加速推進翼(マルチ・スラスター)が特徴的なシルエットをしていた。それに比べてシャルルの機体はカラーだけではなく全体のフォルムが違っていた。

 背中の背負った一対の推進翼は中央部分から二つの翼に分かれていて、機動性と加速性が高められている。さらに、アーマー部分も『ラファール・リヴァイブ』より小さくシェイクアップされているうえに、マルチウェポンラックとして大きなリアスカートが付いている。

 そして何より違うのは肩部分のアーマーが全て取り外されていた。本来付属の四枚の物理シールドの代わりに左腕にシールドと一体化した腕部装甲が付けられていた。右腕には射撃の邪魔にならないようにスキンアーマーだけ付いている。

 

 「ううん、僕は山田先生のと違っていろいろいじってるよ。この子の名前は『ラファール・リヴァイブ・カスタムⅡ』。基本装備(プリセット)をいくつか外して、その上で拡張領域(パススロット)を倍にしたんだ」

 

 「倍だと!? それではシャルルの武装は……」

 

 「多分、二十個くらいあるんじゃないかな」

 

 まさに武器の火薬庫というわけか。セシリアや鳳とは、また違った意味で性質が悪い。

 大体のIS装備には五個。あるいは多くても八個が限度である。そんなに多く武器を積んだとしても同時に使うことなど出来ない。操縦者の力量が無い限りただの宝の持ち腐れというわけだ。なのに、それだけ武器を積むということは何かしらの技を持ってるのかもしれんな。

 

 「ねえねえ、そろそろアリーナの閉館時間が迫っていることだし一戦やらない?」

 

 傍でシャルルのレクチャーが終わるのを待っていた鈴は二人に声をかける。箒とシャルルはお互いに視線を交わし頷く。

 

 「うん。僕はいいよ」

 

 「ああ、私もいいぞ」

 

 「なら四人いることだし二対二にわかれましょ」

 

 「では、わたくしと鈴さん。箒さんとシャルルさんで分かれたほうが、先程まで聞いていたことが活かせるでしょうから」

 

 「そうだな。そうさせてもらおうか」

 

 こうして私たちはアリーナの閉館時間まで模擬戦をしてからあがるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 「………………」

 

 鈴は箒がシャルルのレクチャーを受けている間、あることを考えていた。

 

 (一夏……あたしたちに何を隠してんの?)

 

 あの時、あたしはセシリアに平気なように言ったが、内心ではそうは思ってない。むしろ逆だ。

 つい先日の昼食を共にしたときから気になってたことがある。あの後、結局のところ一夏は授業に遅れた。千冬さんもどうしたのかと思い理由を訊いたところ―――。

 

 『すみません。ちょっとお腹の調子が悪かったので少し遅れました』

 

 確かにあの時の顔色は決して優れているとは言えなかった。けれど、あたしはあの顔に見覚えがある。そう―――中学二年のあの事件の時、迷惑を掛けないように隠していた時と同じ表情をしていた。

 (それに……なんだか、あのドイツの転校生と同室になってから気がする)

 

 一夏とドイツの転校生と同室になって以来、表情が硬い。表向きは笑顔だが、あれは本当の意味で笑っているとは思えない。長年の付き合いで分かる。あれは愛想笑いだ。しかも乾いた声でちっとも笑っているとは思えなかった。

 

 (一夏……今度は一体何を抱え込んでいるのよ)

 

 また中学同様に女だとばらされることを恐れているからなのか。それとは別の内容で脅されているから言えないのか。真実はわからない。

 決めつけるのは良くないことだってわかってる。けれど、なんとも言えない胸騒ぎがここ数日起こっているのだ。

 

 (一夏―――)

 

 また、あたしはあんたを救うことが出来ないの?

 今は心の中に留めて、鈴は箒たちに模擬戦について話を切り出すのであった。

 




次はいよいよシャルルの正体が明らかに!?
そして、鈴とセシリアの前に立ちはだかるのは、例の噂の―――。
……とまあ、ここまでにしておきますので。
原作通りではありませんよ?
何せ、この小説はR-18なのだから!!
……調子こいてスイマセンでした!!
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