※この作品はR-18です。

IF~インフィニット・ストラトス~   作:アブソリュート

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書けたのは良いのですが……あまり自信がないです、ハイ。
本当にキャラの心情はこれで合っているのだろうか? と思うと納得できない部分が多々あったりします。でも、上手く表現できないので自分の中ではこれが精一杯でした。
今回は書くのが難しい部分が多かったですが書けてよかったです。
感想が正直怖いですが意見があったらビシバシとお願いします。
それでは、どうぞ!!


第二十八話「歯痒さ」

 「………………」

 

 「……ねぇ、どいうことなのよ」

 

 ……どういうこと、か。私は鈴に対する問いに答えることが出来なかった。地面に俯かせている鈴を見ると、その背中からは感じさせるものがあった。そこには親しい友人からの裏切られた絶望。鈴はこちらに振り返らず、ただ肩をワナワナと震わせている。

 本当は鈴に色々と言いたい事がたくさんある。―――が、私は鈴に言葉をかける資格など無いのだ。信頼してくれた友を斬った。その事実は紛れもない真実。

 

 「………………」

 

 私は鈴の方からラウラへと視線を向ける。その表情は予想通りというのか、それともこの状況が面白く感じているのか、わからないが黒い笑みを浮かべているということだけはわかった。

 私は、あの犯された翌日にラウラの言いつけを守りながら、ここ数日学園生活を送っていた。言いつけを守れば他の人には手を出さないという条件でお互い生活を過ごしていた。なのに―――。

 

 「……約束したじゃないか」

 

 「約束だと? ……あぁ、あれのことか」

 

 「そうだ。お前が守ると言ったから私は何も言わなかった。約束を守っていれば何事も無く生活が出来た。……はずなのに」

 

 「たしかに……あのときそういう約束をしたな。だが、おまえは勘違いをしている」

 

 「……勘違いって?」

 

 ラウラの言っていることが理解できなかった。何を勘違いしているというのだ。

 

 「なにもこいつらに手を出そうなどと考えていたわけではない。興味本位で覗きに来ただけだ」

 

 「詭弁に過ぎないな」

 

 きっぱりと言い放つがラウラはやれやれと首を横に振るだけである。

 

 「私はこいつらに奇襲をかけた訳でもなければ、ただ一言告げただけだが……それのどこが詭弁だというのだ?」

 

 「あんた……よくもそんなことが言えるわね!」

 

 先程まで地面に顔を俯かせていた鈴がハッと面を上げ、ラウラに怒声を浴びせるかのように言うが、それに対してラウラは何食わぬ顔をしている。まるで、そこまで言われることをしたかと言いたげな表情だった。

 

 「よくも、だと? 私はただ『ごちそうさまでした』と言っただけだが? それのどこがいけないというのだ」

 

 「あんたって奴はどこまでも!!」

 

 ものすごい剣幕でラウラに迫ろうとした鈴を手で制したのは―――背後にいた一夏であった。一夏は鈴の前に立つと手に携えていた雪片の剣先をラウラの方へ向けると、そのまま剣を構える。それはいつでも戦闘を始められるかのように感じさせられる。

 

 「……なんのつもりだ」

 

 「これ以上……鈴やセシリアに手を出すのなら、こっちにも考えがある」

 

 「それをすることでどうなるか分かってやっているのだな?」

 

 「それでも……大切な人の身に何かあるのだとしたら、私は前に立つ」

 

 「一夏……」

 

 鈴はてっきり一夏に裏切られたのかと思った。そんなことを考えた自分が恥ずかしいと感じた。恐らく一夏はこのドイツの転校生に何か弱みを握られている。それなのに自分が危険な立場にも関わらず、こうして前に出て守ろうとしてくれている。

 

 (あたしはバカだ)

 

 近くだからわかるが全身震えているのがよく見える。空中に浮いていながらも足は震え、手にある雪片の剣先はあちこちに動いて方向が定まっていない。いつも剣道の時やISで戦う時の姿勢がなっていなかった。

 そんな状態でも一夏はラウラから目を離さない。どんなに震えが止まらなかったとしても、どんなに怖い思いを抱えていても視線だけは外さなかった。

 お互いに無言で見詰め合う。その時間はたった数秒だというのに何時間もやっているかのような錯覚に襲われる。

 

 「……はぁ、悪かった」

 

 見詰め合うが束の間、しぶしぶな表情を見せるラウラ。素直に謝るラウラを信じられないと言わんばかりな顔をする鈴。それはそうだ。なんせ、先程まで黒い笑みを浮かべては挑発をして無理やり戦闘に引き込んだだけではなく、一夏に何らかの脅しを掛けたにも関わらず、溜息混じりながらも謝ったのだ。

 

 「少々、浮かれすぎていたのかもしれんな」

 

 「少々で済む程度ではなかったと思うけど」

 

 「むっ……まぁ、いい。元々は『甲龍』と『ブルー・ティアーズ』の性能がどれほどのものかを確かめたかっただけだ。だが興味本位というのは嘘ではない」

 

 「もう鈴たちには手を出さないで」

 

 「それはお前次第だ。それと状況によってだな」

 

 普通、アリーナのど真ん中で話す内容では無いはずだが、幸いにもアリーナにいる人数はそう多くはなかった。せいぜい十人いくかいかないか位であった。セシリアは一夏たちの近くではなく、少し離れたところからラウラに銃口を向けていた。

 それは、不穏な動きを見せたら撃つという意味を込められていた。一夏とラウラは周りに聞かれないよう小声で喋っているのでセシリアには声が届いていない。聞こえてくるのは鈴の怒鳴り声くらいなものだ。

 

 「お前たち……何を騒いでいる」

 

 「千冬姉……」

 

 普段と同じスーツ姿で、とことこと歩いてくる千冬。手に持つそれは普通の人なら持つのが困難なIS用近接ブレードを軽々と担いでいる。百七十センチもあるそれをISの補佐なしで持っているとつくづく常識離れしている。

 

 「模擬戦にしてはずいぶんと激しい戦闘だったな。それに加えてラウラが倒れているものだから勝負があったと思えば、一夏が鳳に零落白夜まで使う始末とは……どういうことだ?」

 

 一夏は上手く説明することが出来なかった。どう言っていいのか言葉が浮かび上がらないだけではない。そもそも一夏は全ての事を見ていた訳ではない。ラウラと鈴たちとの戦闘の一部始終を見ていたに過ぎない。ある程度、状況を把握が出来た上での発言だったのだ。

 それに、自分とラウラの状況を知られるわけにはいかない。自分だけなら良いとして他の人を巻き込みたくない。本当は助けを求めたい。しかし、それは彼女の性格上、無理なことだ。どんなに辛いことがあっても溜め込んでしまうのが一夏の良いところでもあり悪いところでもあった。

 

 (助けて―――と言いたい)

 

 だが、それは自分ではどうにも出来ない。たった一言のことなのに言えないのが歯痒い。すぐ傍に頼れる友人がいるのに。

元凶であるラウラは千冬が介入してから一言も口を開こうとしない。そもそもラウラは千冬の言葉には耳を傾けるものの視線は一夏にしか向けていなかった。誰も戦闘の理由を話そうとしないので、千冬は内心イライラしていた。戦闘が始まる様子がないと判断したセシリアは千冬の元へと近づき説明しようとした時、鈴がポツリと言葉を漏らす。

 

「―――あたしがコイツに喧嘩をふっかけたのよ」

 

「鈴さん!?」

 

それは思いもしないことだった。被害者はこちらだというのに鈴は自分達が悪いと言ったのだ。当然、セシリアは訳が分からなかった。どうして自分達が悪いと言わなくてはいけないのだと。

セシリアの気持ちを察したのか、鈴はプライベート・チャンネルを開く。

 

『あんたの言いたいことは分かるわ』

 

『でしたら! どうして……!』

 

『お願い―――』

 

セシリアの言いたいことは十分に分かる。でも、ここで事の全てを話してしまったらいけない気がする。それは何かまでは分からない。確信はないが中学のあの事件と似てなるものであり非でもある。そんな気がするのだ。

すでに言えるのならとっくに話しているはず。言えないという事はそれだけ大きな弱みを握られているということだろう。ならば、ここは話すときではない。例え、自分が悪者にされようとも。それに、一夏から『色々』と教えてもらったから。

 

『黙って、あたしの言うことに合わせてくれない?』

 

『鈴さん……』

 

そこまでする理由がセシリアには分からなかった。ライバルである鈴がラウラに何かしら侮辱されただけではなく、思い人である一夏に裏切られる形にまでなったというのに。それでも、なお彼女は一夏たちを庇うというのか。

本来なら己自身のプライドが許すはずがない。祖国の誇りを懸けてでも千冬に弁明をしようと思っていた。

けれど―――。

 

(鈴さん……貴女っていう人は)

 

周りの人に知られないように顔を俯かせて、唇を強く噛み締めている。ワナワナと震えている手は、アリーナの地面に食い込ませた土を強く握り締める。硬くなった土を落としては、新たに地面に指を食い込ませては拾った土を握り締めての繰り返し。

 

(……わかりましたわ)

 

それだけの理由が本当にあるのかは定かではないが嘘をついているようには見えない。ならば、ライバルとして信じるだけである。

 

「織斑先生。鈴さんの言っていることは本当ですわ」

 

「……どういうことだ? 説明しろ」

 

「簡単な話よ。単にアイツが気に食わなかっただけよ」

 

千冬は空いてる手を顎に添えると思案をめぐらせる。

 

「ふむ……どうにも信じられない。買い被っているわけではないが、お前は単純に気に食わなかったからと言って殴りに行くような奴ではないと思っている」

 

「買い被りだわ。あたしはそんなに出来た子じゃないわ。気に入らない相手がいたら問答無用で殴るわ」

 

実際、小学校に転入して来た時に一夏の発言が気に食わないという理由で殴ったことがあった。しかも気に食わなければ殴るというのが流儀とまで言うほどだ。しかし、そのことを知らない千冬にとって、それは疑わしいものに過ぎなかった。

 

「それが事実であるならそれ相応の処罰を下さなければならんぞ」

 

「はいはい。わかっているわよ」

 

「―――本当だな?」

 

念入りに二度も聞くが答えは同じだった。

 

「しつこいわね……なんなら後であの転校生の背後でも襲えば信じてもらえるわけ?」

 

「そんなことをやろうと思うのはお前くらいだろう。……ともあれ事情は分かった。鳳、オルコットについては後ほど処罰を伝える。一夏、ラウラについては詳しく話を聞く。では各自解散!!」

 

パンッ! と千冬が強く手を叩く。それはまるで銃声のように鋭く鳴り響いた。

 

 

 

 

「どういうことだ、凰!」

 

場所は屋上。時間は第三アリーナの一件から一時間以上も経過していた。屋上の柵に寄り掛かっている鈴に箒は怒鳴り散らす。鈴の表情はどこか苛立ちを見せる。隣にいるセシリアもどこか申し訳なさそうな表情をしていた。

 

「そのままの意味よ。何度も言ってるじゃない」

 

「トーナメントの参加が認められないなど言われて悔しくないのか!?」

 

言われなくても分かっているつもりだった。アリーナの一件について事情聴取が行われた。千冬は何度も鈴に真実を探り出そうとした。しかし、鈴は自分がしたとの一点張りで話がまともに進まなかった。鈴の隣にいたセシリアはあまり口に出さず、よく分からなかったとしか言えなかった。

事実、セシリアは強(あなが)ち間違ったことは言っていない。戦闘が始まったのも訳が分からないまま行われ、そのまま鈴に加勢した形だったのだから。鈴が何を言われて憤ったのか知らないのだ。

結果、処罰は今月開催される学年別トーナメントの出場を棄権という形で事が収まった。セシリアにとっては不本意ではあったが、それは自分だけではないと思えば幾分か気持ちが落ち着いた。

 

「……仕方ないですわ。わたくしたちはそれだけのことをしてしまったのですから」

 

セシリアが暗い声で告げると後ろにいたシャルルが箒をなだめる。

 

「もう終わったことなんだし……しょうがないよ」

 

「しょうがないだと? それはそうかもしれないが……一夏も一夏で何をしているんだ!」

 

鈴からの詳細では断片的ではあるものの一夏が鈴を斬ったという事実が許せなかった。どういう意味で斬ったのか知らないが他に方法がなかったのかと思う。仮に斬るだけの理由があったのだとしても一言謝罪なんなりと告げればいいのに、一夏は鈴に何も言わずに部屋に戻ったという。そこが箒にとって許せなかった。

 

「まあアイツはきっとあたしを止めようとしただけだと思うけど」

 

「ならあの転校生を止めればよかったではないか!?」

 

「あの時は、あたしが地面に倒れてるアイツの首元に武器を向けていたんだから傍から見たら、あたしのせいだと思うでしょ」

 

そのことも含んでやったのかもしれないと思うが、本来の『意図』は違うと鈴は踏んでいる。止めるにしてもやり方はどうであれ、本来の矛先は鈴に向けられるのが道理であった。だが、実際は違った。その矛先は鈴ではなくラウラへと向けられた。庇うべき相手なら剣を向けたりなどしない。

つまり、一夏は伝えたかったのだ。自分が置かれている立場、状況を少しでも伝えるために。しかし、それを知るのは恐らく自分だけであろう。現に千冬は気づいている様子はなかった。何か感づいている様子はあるがそこで止まっているに過ぎない。

かくいう自分自身も詳しいことは分からない。どういった経由で一夏が脅されたのかとか、脅されている内容はどうなのかはさっぱりだが。

 

「……一夏、どうしてだ?」

 

箒は手のひらを強く握り締めるが、そこには虚しさだけが残るだけだった。

 

 

 

 

その頃、一夏たちといえば―――。

 

「あの時、どうして私に刃を向けたのだ?」

 

アリーナの一件から一時間ほどの間、簡単な事情聴取を受けていた。こちらは鈴とは違って被害者側となったので、そう時間は掛からなかった。質問の受け答えと状況について話すだけであった。

寮の部屋に戻ってからラウラは一夏に疑問をぶつけるが返ってくるのはそっけない返答だった。

 

「さっき言った通りだけど……何か気に入らないことがあった?」

 

「気に入らないことだと? その質問はどうかと思うが……まあいい。私の予想ではあの女を斬るところまで想定内だった。だが、どうして私に刃を向けたのかが不思議でな」

 

「………………」

 

「奴に刃を向けるのでなく私に刃を向けることで奴に何かを伝えようとしたのではないのか? 会話でも詳しくは言わなかったが『約束』と言葉に出していたことだしな」

 

ラウラの答えに対して一夏は無言を通す。それを肯定と受け取ったラウラは一夏をベットに押し倒し、四つん這いになりながら見下ろす。

 

「……っ!」

 

「私は言ったはずだ。『どうなるか分かっているのか』と」

 

「………………」

 

それを言うと一夏の表情が青ざめていく。にやりと黒い笑みを浮かべるラウラ。一夏の耳元で低い声で囁くと、びくりっ! と肩を震わせる。

 

「さあ、寝るまでたっぷりと時間があるのだ。―――楽しもうではないか?」

 

誰かに助けを求めることさえ出来ない。だから願うしかない。

 

(誰か―――助けて)

 




書き終わってから気づいたんですが……やけに一夏がラウラに反抗的過ぎる気がするのは私だけ?
もっと脅されているのだから怯えさせた方がよかったのかなぁ?
まあ、ラウラが女だからということもあるのかもしれません(オイッ
次回は一夏とラウラの過ごした日々を書けたらいいかなぁーww
それと次回は『約束』が書けるといいかもしれませんね。
では次回の『一夏とラウラの性生活(えっ? 書くの?)』をお楽しみに~。

……そして、最近の悩みがキャラの口調が似ている人が多いので書くとき訳わかんなくなるでしたww
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