※この作品はR-18です。

変態が思いついたネタ話   作:あみの

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十文字くらいで。




そろそろタイトルをまともにしようと考える

 

 

近衛 近右衛門は頭を抱えていた。

多くの学生が修学旅行に出掛けた昨日、何の予兆もなくエヴァンジェリンの呪いが何者かによって解かれた。

エヴァンジェリン自身が解いた可能性は低いだろう。出来るならネギを襲わず解いているだろうし、このタイミングでというのも不自然だ。

学園内の誰か? それとも自分達が知らぬ魔法関係者がこの麻帆良学園に忍び込みエヴァンジェリンの封印を解いた? 全ては憶測に過ぎず、また可能性も限りなく低い。

まず紅き翼(アラルブラ)の中核と言っていいナギ・スプリングフィールドが掛けた呪いを解ける魔法使いは、まずこの学園に所属していない。まずそんな奴が世界の何処かに居れば、魔法関係者が放って置くはずがない。しかし実際、魔力自体はナギをも超える者が居る。だがその呪いの掛け方に問題がある。

適当な呪文に力尽くで押し込める魔力。型の違うプラモデルをハンマーで強引に叩き付けて合わせたようなものだ。

解けはするだろうが、恐ろしく時間が掛かる。今から十年や二十年で解ければ御の字だろうか。

そんな出鱈目な呪いが、昨日解かれた。

 

咄嗟に動けたものは居ない。麻帆良学園の長でもあり関東魔術教会の理事も務める学園長ですら、何が起きたか分からなかった程に。

しかし腐っても高位の魔法使い、それなりに場数も踏んでいる。まずは一般生徒に被害が出ないよう広範囲に人除けと防御結界を張り、魔法関係の教師・生徒を緊急招集。素早く指示を出し配置に就かせる。

教師も生徒も、これまでにない程に顔を強張らせていた。ある者は恐怖に震え、ある者は今にも倒れそうだ。

向かう場所は敷地内にある森の中にポツリと佇む一軒家。作戦と呼べるものも無く、呪いの解かれたエヴァンジェリンをどうするかも決まっていない。殺すことは論外。戦力が圧倒的に足りないことと、相手は吸血鬼の真祖(ハイ・デイライトウォーカー)であること。もし本気を出されてしまえば、戦力の九割強は確実に死ぬと考えていい。

エヴァンジェリンに呪いを掛けたナギの息子であるネギが居れば状況は変わったか? 答えは否。ネギは暇潰しの観賞生物であり、エヴァンジェリンの気紛れで生かしているだけだ。数ヶ月先のネギであれば、少しは変わったかもしれないが。

 

エヴァンジェリンの家を包囲するように人員を配置し、念を入れて自分達が居る範囲に二重の防御結界を張る。正直気休め程度にしかならないが、無いよりは幾分かマシだ。

長年(とは言っても学園長から見てだが)の付き合いからエヴァンジェリンがいきなり暴れ出すということは無いと思うが、恨みが無いわけではないだろう。力を極力抑えられているのを理由に、何度も無理を強要してきたこともある。今更悔いても遅いのだが。

学園長は魔法を使って声を大きく響かせ、家の中に居るであろうエヴァンジェリンに声を掛ける。しかし出てきたのは茶髪の青年。玄関のドアを少し開け、顔だけをにょっと出し辺りを見渡し「あんらまー」と小さく声を上げる。

 

誰? というのが、その場に居た者達全員が思ったこと。青年は至って普通だ。魔力も感じなければ威圧も感じない、何処にでもいそうな青年。だがここではそれが逆に不自然だった。

普通の人間であれば、人除けでこの結界内には入って来れない。極稀に入ってくることもあるが、魔法を行使する者にとって人生で一度あるかないかだろう。

何よりも彼は、エヴァンジェリンンの家から出てきた。呪いの解かれた吸血鬼の家から。

これでもう一般人という線は消えたも同然。そして自分達を見た反応が何と言うか、薄過ぎる。彼は魔法関係者であり、エヴァンジェリンの知り合い。それも出入りが自由なほどに。

 

「(先日の少年に続きあの青年…一体エヴァンジェリンなんの用があって―――まさか)」

 

まさか呪いを解いたのは、あの青年達なのか…?

青年は知らないが、先日の少年は自分も不老不死であると言った。それもエヴァンジェリンとは比べ物にならないほど生きている。であれば、一応納得はいく。エヴァンジェリンより長生きしていれば、それだけ魔法に関する経験も多いということだ。解呪の仕方を知っていてもおかしい事ではない。

しかし何故、彼等はエヴァンジェリンの呪いを解いてしまったのか。

青年は一度ドアを閉めると、数秒後外に出た。頭にチャチャゼロを乗せながら。

 

「どうしたの、こんな集まって。学園長ってそんな暇なの?」

「む、何故ワシが学園長だと思う?」

「だってこの間…あ、この顔じゃなかったか」

「ぬっ―――!?」

 

青年は自分の顔を粘土のようにぐにゃぐにゃと捏ね繰り回し、時には引っ張り、伸ばす。

突然の行動にその場に居た多くの魔法関係者が目を見張る。思わず嫌悪感を示した者も居た。変わり身の術や変化の魔法といったものは数多く在れど、身体の一部を粘土のように捏ね繰り回して作り上げる魔法と言うのは聞いた事が無い。

青年が手を退かせば、その顔は学園長が知っている少年の顔に様変わりしていた。身体とのバランスがおかしいが。

 

「ラントだよ、ラント。思い出した?」

「お主か…あの姿は偽りだったのじゃな」

「あの姿の方が、この国では馴染みやすいと思ってさ。まぁ、この姿は結構どの国にも受け入れられるけど」

 

顔を叩けば、あら元通り。先程と同じ青年の顔に。

 

「で、どうしたの? こんなに人集めたりして」

「聞きたいのじゃが、エヴァンジェリンの呪いを解いたのはお主か?」

「うん」

 

あっさりと、そして当たり前だと言うように答えたラント。

 

「では聞こう。何故、エヴァンジェリンの呪いを解いた?」

「解いてって言われたから」

「……それだけか?」

「えっ、不十分? えーっとじゃあ…エヴァが好きだから」

「ソウイウコト聞イテンジャナイト思ウゼ」

 

チャチャゼロに突っ込まれながら、ラントは何が足りないのか考える。それに対し学園長は混乱していた。それだけの理由で解いたのかと。エヴァンジェリンの呪いが解かれるメリット・デメリットも考えずに。

考えようとしても無駄だ。相手は両名共に不老不死、何を考えているか等常人に解る筈も無い。解呪の方法について聞いても理解出来ないだろう。

 

「して、そのエヴァンジェリンはどうしたのじゃ」

「一気に魔力量が多くなったから、熱出して寝てるよ。エヴァを潰すつもりなら相手になるけど?」

「オ、殺ルカ!?」

 

あくまで微笑みながら聞いてくるラントと、殺る気満々のチャチャゼロ。チャチャゼロはいいとして、問題はラントだ。勝ち負け以前の問題で、不老不死と戦うことが間違っている。そう考えると、ナギは相当とんでもない事をやり遂げたのだ。

 

「遠慮しておこう。曾孫の顔も見たいのでな。じゃが、これだけは言わせてもらう」

 

学園長はラントを睨み付け、威厳たっぷりに言い放った。

 

「生徒に危害を加えてみろ。不老不死と言えど、この身全てを捧げてでも止める。良いな?」

「はいよー。さ、話し合いは終わりでいい? お引取り願いたいんだけど」

「忠告はしたぞい。皆の者、撤収じゃ。これ以上は意味が無い」

 

困惑の声が上がるも、学園長はそれを制し引き返した。

不安はある。あの二人が大人しくしてくれればいいのだが、それは賭けるしかない。

昨日の出来事を思い返していれば、既に時刻は夜の八時を過ぎていた。

 

 

 

「ナァ、本当ニ危害加エネエノカ?」

「危害は加えないよ。危害はね」

「ト言ウト?」

「恋仲とか寝取りはありってことでいいんですよねぇ…」

「オオ、ゲスイゲスイ」

「学園長は曾孫の顔が見たいって言ってたから、孫はいるんかね?」

「御主人ト同ジクラスダナ」

「…曾孫がその娘と俺の子だったら、学園長どんな顔するかなー」

「多分ショックデ死ヌナ。目ヲキラキラサセスギダ」

 

そんな会話が撤収後に行われていたなど、学園長は知らない。

 

 






「タイトル浮かばないけどまぁ取り敢えず書いてみようっていう稚拙な考えによって生み出されたモノ」
このタイトルから
「変態が思いついたネタ話」
このタイトルにします。

これで更に避ける人が増えるでしょう。

木乃香さん、夜道には気を付けて下さい。
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