時間は待ってはくれない。
現実を見よう。
…やっぱネギ達とも絡ませた方がいいのかなー。
修学旅行。
それは学校行事で一位二位を争う人気行事。
麻帆良学園女子中等部、3-Aの生徒達もこのイベントを楽しみにしていた。
そして、このイベントは生徒だけではなく3-Aの担任であるネギ・スプリングフィールド(魔法使い)も心待ちにしていたのだ。
確かに修学旅行自体は楽しみであるのだが、ネギにはまた違う目的がある。
一つ、学園長から手渡された親書を届けること。宛先は関西呪術協会。
そして二つ目は、父に関する手掛かりを見つけ出すと言うもの。
修学旅行の行き先は京都。伝統文化や老舗と聞けば、多くの人はこの地名を挙げるのではなかろうか。
そこにどんな手掛かりがあるかは分からないが、行ってみる価値はある。タカミチ曰く、父であるナギ・スプリングフィールドは京都に別荘を設けてたらしい。
そんな期待を胸に膨らませながら、まだ幼い少年は生徒を引き連れ京都行きの新幹線へと乗り込んだ。
「それでは皆さん、15年度の修学旅行が始まりました。この四泊五日の旅行で楽しい思い出を一杯作ってくださいね!」
「「「はーい!」」」
「麻帆良学園の修学旅行は班ごとの自由時間も多く取っており楽しい旅になるとは思いますが、その分怪我や迷子、他人への配慮を一人一人が意識しなければいけません。特に怪我には気をつけぶっ!?」
「あ、すいません」
注意事項を述べるネギに車内弁当を乗せた台車が激突し、生徒達の笑いが聞こえてくる。
そんなネギの姿を見て、
麻帆良学園 エヴァンジェリン宅
「んぁぁあああああああああああああ…」
「んぁぁあああじゃない、離せ! 朝っぱらから無駄な労力を使わせるんじゃない!」
「まだ一緒に寝てようよぉ~」
「私は紅茶が飲みたいんだ、邪魔をするな!」
ネギ達3-Aが新幹線でドタバタしている頃、麻帆良学園にあるエヴァンジェリンの自宅の寝室(二階)では、ラントがエヴァンジェリンの腰に腕を回し抱き付いて駄々を捏ねていた。
エヴァンジェリンはそれを必死に引き剥がそうとするが、子供体型からは想像出来ない力でホールドされてしまっているため引き摺りながら一階の食卓に向かうしかない。
「痛いっ 痛いっ 痛いっ んぁっ」
「(想像以上に階段を降り難い…)」
「痛っ…か、階段であっても絶対に離さないからなぁ…」
「それはいいが、金玉潰しても知らんぞ」
「そんな都合良く起こるわけぇいんんっ!!!」
「…言わんこっちゃない」
あれだけ強く握られていた手は解け、金玉を両手で包みながらエヴァンジェリンの脇を通ってゴロゴロと階段を下っていく。そんなラントをエヴァンジェリンは無視し、茶々丸が用意した紅茶を飲み始める。
不老不死でも痛いものは痛いのだ。急所は急所、痛くないことなんてない。
「玉は…ある。良かった…まぁ再生出来るんだけど。あ、ヤバイお腹痛くなってきた」
「ハハハハハハハッ」
「笑い事じゃないからねっ!?」
暢気に笑うエヴァンジェリンに突っ込みを入れつつ、ラントはゴロゴロと床を転がりながら痛みが引くのを待つ。
何故金玉に衝撃を与えるとあれほどの痛みが腹部に来るのか。
そもそも金玉は内臓の一部であり、最初から股の間にぶら下がっていたわけではない。
元は腹部にあったものが進化と共に押し出され、あの位置に定着したのだ。
ではそれは何故か。金玉は繁殖に欠かせないもので、精子を作る機能がある。そして精子を作るためには金玉を冷却する必要があるため体内ではそれが難しい。
結果、どれほどの厚さかよく分からない玉袋に納まったというわけ。そして最初の疑問、何故衝撃を与えると腹部が痛くなるのか。
考えてみて欲しい。金玉は内臓の一部なのだ、それなのにあんな薄い皮膚でしか守られていない。筋肉も骨も無い正しく急所……内臓に衝撃を与えれば痛いのは当然。腹が痛くなるのは、元々そこにあったものだからだ。
「…治まった」
「良かったな」
「てことでもっかい寝よ」
「一人で寝てろ」
「冷たっ…茶々丸ー「ダメだぞ」なんでー?」
「どうせ茶々丸と一緒に寝るとか言うんだろ」
「うん」
「何がうん、だ。茶々丸は私の従者だぞ、この後も付き合ってもらうんだ」
「突き合う?」
「お前が想像してるようなことは一切起きないぞ」
「なーんだ。じゃあチャチャゼロと遊んでる」
「呼ンダカ」
「随分早いっすね!」
「スタンバッテタ」
うひょーい! と、先程の眠たげな表情を一瞬で切り替え子供のような(見た目はな!)溌剌笑顔になるラント。茶々丸と同じエヴァンジェリンの従者であるチャチャゼロは両手に大きさの違う刃物を持ちはしゃいでいる。
チャチャゼロの動力源はエヴァンジェリンから供給される魔力であり、魔力が満ちている空間(別荘内や魔力を行使した戦場、魔法世界など)以外では動けず、本来は喋ることしかできない。
しかし、今は宙に浮き元気に刃物を振り回している。
チャチャゼロはエヴァンジェリンの従者である。しかしチャチャゼロを生み出したのはラントだ。エヴァンジェリンが百五十歳辺りの誕生日を迎えた時、ラントがプレゼントしたものがチャチャゼロだった。
その時は魔力に反応して喋る人形だったのだが、エヴァンジェリンが戦闘にも使えるようにと手を加えると殺戮マシーンへと姿を変えた。原動力は、エヴァンジェリンと別れるまではラントの魔力を使用。
「ヤッパラントノ魔力ガ一番馴染ムナ。御主人ノハ相性ハ良インダガ、全然供給サレテコネーシナ」
「まぁ魔力とも似て非なるものだからねー。対象の身体に馴染ませる効果もあるし」
「悪かったな、これでも供給には回してるんだ。それよりラント、いつまでその姿でいるつもりなんだ?」
エヴァンジェリンに言われ、ラントは自分の身体を見る。
「…何か変?」
「正直言うぞ、お前にショタ系は似合わない」
「――――――」
絶望を目の当たりにしたような顔をするラント。何がそこまでショックなのかよく分からない。
「じゃ、じゃあ俺はどうすれば」
「いや、私と出会った頃の姿に戻せばいいだろ」
「いつの話してんだよ…どんなだっけ…」
ブツブツと呟きながら洗面所へと向かい、ラントは鏡を見ながら自分の顔を捏ね繰り回す。
「これか? これ? 違うな…これか! …うーん、ちょっと違う。これ? あ、これっぽい…もうちょっと頬肉上げてっと。あー、確かこんな顔だったな」
パンッと指パッチンをすればそこに少年の姿は無く、居たのは平均的な身長に中肉中背の男がいた。
髪は茶、瞳の色は見る者によって変わる不思議な色。顔立ちは少年のようなあどけなさが残っているような角の目立たないもの。イケメンというよりも、美少年に近い感じか。
「エヴァー、こんな感じ?」
「………」
「エヴァ?」
「…ん、あぁ。上出来だ」
「(マスターが照れてる…。四月二十二日、マスターが照れる。―――記録)」
「照れてる? もしかして照れてる? 可愛いなぁーエヴァは!」
「て、照れてない! 相変わらずその腑抜け顔が板に付いていたからっ」
「(珍しいから写真も撮っておこう)」
「オ前等ホントニ仲イイナ」
エヴァンジェリンは、皆から愛されていた。
金玉云々は刃牙と自己経験からの考察をまとめた結果です。本当かどうかは個人で判断してください。
というか単語的にはどうなんだろ、R-18入れたほうがいいのかな。でもそこまで書くつもりはないし。
表現は卑猥じゃないからセーフ? 本番で起きていることの状況を説明・解説したらアウト(R-18タグ)だろうけど。
十歳や女子中学生が性器関連を意識したり言ったりするのは恥ずかしいことだろうけど、不老不死は恥ずかしくないでしょ。逆に不老不死でも初心だったら引くわ。…まぁそんなエヴァちゃんも見てみたいけど。
不老不死で魔女狩りの時代、こんな可愛い子殺すだけってのは考えられないよね。
注意事項
・エヴァンジェリンは経験有
・中学生は…いや、でも今の時代中学生でも卒業してるやつはしてるし…。龍宮 真名も経験有(ロケットの人)
・下単語
・ロリババ良いだろいい加減に―――このコメントは凍結しました―――。