※この作品はR-18です。

門番やってたら美少女とエロエロな関係になってしまった。   作:ココナポッカ

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なんだかんだで不良天人の美少女と仲良くなった。前編

 

 

 いつも通りの、夜の門番の時間。

 

 ちょっと前に危険な妖怪に襲われてからというものの、それからの僕は心を入れ替えて警戒心を強めながら、里の警備に当たっていた。

 あの時は早苗の神力を施したお札のおかげで助かった。今も一応早苗から貰ったお札を常備しているのだが、警戒を高めておいて損はないだろう。

 というか、今までが不真面目すぎたんだ。他の門番は真面目に里の見張りをしているというのに、その傍らで僕は美少女とセックスしまくり、しまいには仕事時間中に美少女が来てくれないかなあとか、邪な思いまで抱いていた。

 あの日珍しく危険な妖怪がやってきたのは、不真面目な態度で門番をつとめていた僕への罰なんだ。

 

 そういう意味でも、しっかりと心を入れ替えて警備をしなければ……そう思っていた矢先だった。

 

 

「あれ、人間じゃない? あいつらって夜の外は危険だからって、みんな家の中に引っ込んでたんじゃないの。……ちょっと驚かしてみようかしら」

 

 

 不意に上から響いた誰かの声。声質からして女の声だろうか? しかし、聞き覚えはなかったその声に僕は一気に警戒を強めて、即座に上を向く。

 

 

「て、ええええ!?」

 

 

 すると青色の長い髪をした女の子が片手に剣を持って、空中から真下、つまり僕のいる場所に突っ込んでくるのが見えた。

 驚きの声を上げて一瞬怯んでしまう僕。何者か知らないが、僕は急いで早苗から貰ったお札を宙に飛ばした。

 

 

「遅いわ!」

 

 

 が、青い髪の少女は手にした剣で、お札を切り飛ばし、そのまま地面に着地。少女を中心に土煙が巻き上がり、やがて土煙が消えると少女は僕を見た。

 

 

「うわわ! ま、待ってください! あなたは見る限り知能のある妖怪ですよね? もし言葉が通じるならお願いします! 襲わないでください!」

 

 

 頼りの武器だった早苗のお札を容易くあしらわれた僕は、あっさりと三流の雑魚みたいな言葉を吐いた。さっきまで心を入れ替えて真面目に門番をしていた僕だったが、ここまで力の差を思い知らされては抵抗しようとする気すら起きなかった。見た感じは可愛らしい人間の少女みたいな人物だが、簡単に早苗のお札を無効化したんだ。そんな相手に抵抗しようというのがおかしいだろう。

 しかしいきなり襲いかかってきた奴が、弱者である僕の話を聞いてくれるのだろうか。いや、そうであって欲しい。じゃないと死ぬ。

 

 そう思っていると、少女は剣先を地面に突き刺してため息を吐きながら言った。

 

 

「はあ? 知能のある妖怪? 失礼な言い方ね。あたしは天人なの。わかる、地上に住んでるあんた達人間とは違って、高貴で偉い身分なの。野蛮で見境のない妖怪なんかと一緒にしないでちょうだい」

 

 

 と、偉ぶった感じで高圧的に話しかけてくる少女。いきなり人に襲いかかるのは野蛮に等しい行為だと、この少女は高貴な身分でありながら知らないのだろうか。

 

 

「なによ、そのなにか言いたげな顔は」

「いえ何でもないです。……天人ってたしか、天界に住んでる方々のことですよね?」

「そうよ」

 

 

 天人。天界という場所に住む存在で、たゆまぬ修行に励んだ者や、大きな成果を残した神官にのみなることができる、端的に言うと偉い存在だ。

 偉そうな態度をとられるのはまだいい。だけど、なんで天人が僕を襲ってきたんだ?

 

 

「え、ただ暇だったからよ。夜に、しかも里の外で突っ立ってる人間がいるなんて珍しかったから、ちょっかいかけただけ。殺すつもりはないから安心していいわよ」

 

 

 ええ……なんだそれ。ちょっかいだとしても、僕からしてみれば命の危機を感じたわけだけど。知能のない妖怪よりもある意味厄介な気がするぞ。

 

 

「天人ってみんなこんななの……」

「こんなってどういう意味よ」

「い、いえ決して悪く言ったわけでは」

 

 

 殺すつもりは無いと言っているが、未だに安心できずへりくだった態度を続ける僕。だが少女は、本当にこれ以上襲う気はないようだった。

 

 

「こういうことしてるのは天人の中であたしくらいよ。天人ってのはどいつもこいつも偉そうで、ちょっと悪さしただけで説教してきたり、天人としての自覚あるべき振る舞いをどうのこうのと、うるさいばっかでつまらない奴ばかりだもの」

「あなたはそうじゃないんですか?」

「ええ、だってあいつらみたいに行儀よく生きてたらつまらないじゃない。天人を羨ましがってる人間もいるけど、実際はちょっと悪さしただけで怒ったり、いちいち天人らしい振る舞いをとか言ってきたりして、ほんと毎日窮屈で……あーもう、とにかく色々うるさいのよ、わかった?」

「な、なんとなくは」

 

 

 頭を掻きながら説明すらも煩わしそうにする天人の少女。彼女の言った天人を僕は頭の中で想像してみるが、目の前の少女はそれとはかけ離れた印象を感じた。偉そうというのもあるが、少女からは天人という良い育ちでありながら、普段の素行の悪さがひしひしと伝わってくる。これだと天人からも変に思われてるんじゃ?

 

 

「ちなみにあたしは、おかげさまで他の天人からは不良天人って言われてるわ」

 

 

 ああ、やっぱり。

 

 

「最初はことある事に不良天人不良天人言われてうるさかったけど、今はもう慣れた。小言がうるさいのは変わらないけど、不良天人呼ばわりされるってことは、あたしがやりたいようにやれている証明でもあるからね」

 

 

 そして無駄にポジティブだ。いや、ポジティブというより身勝手なだけか。

 

 

「ちょっと。これだけあたしが喋ってあげたんだからお茶のひとつくらい出しなさいよ」

 

 

 うん、やっぱり身勝手なだけだなこれは。この性格だと、たとえ彼女が人間でもまわりから不良呼ばわりされていただろう。

 それよりもこの状況一体どうすれば。妖怪相手よりも対応に悩むぞこれ……。

 

 

「先生、無事ですか!」

 

 

 頭を抱えていると、突如としてまた女の子の声が暗い空から響きわたる。今度は聞き覚えのある声に僕は空を見上げると、そこからは全速力で向かってくる早苗の姿が見えた。

 

 

「早苗!」

「げっ、守矢神社の巫女!? なんでここに!?」

「ん? どうしてあなたが先生のそばにいるんですか?」

 

 

 早苗は地上に着くなり、問い詰めるように天人少女に近づいた。

 

 

「あー、それは……」

「答えられないんです? もしかして先生になにかご迷惑になるようなことでもしたんですか」

「ち、違う! えーと────ちょ、ちょっとあんたこれどうにかしなさいよ!」

 

 

 天人少女は逃げるようにして僕の後ろに隠れて耳打ちしてくる。ちょっかい目的でいきなり襲いかかった相手に助けを求めてくるとはなあ……まあこれで反省してくれたらそれでいいし、ここは僕がどうにかするとしよう。

 

 

「言えないなら先生に聞くまでです。先生、彼女になにか嫌なことでもされたりしましたか?」

「と、それよりも先に聞きたいことがあるんだけど、早苗はどうしてここに」

「どうしてって先生が私のあげたお札を使ったからですよ。前に先生が妖怪にお札を使った時も駆けつけてきたじゃないですか」

 

 

 え? あ、そっか。前もそんなこと言ってたな。

 

 

「それで、先生。彼女になにかされたんですか。もしそうなら私がお仕置しておきますが」

「大丈夫大丈夫。実はまたさっき妖怪に襲われてお札を使ったんだけど、偶然近くにいた彼女が助けに来てくれたんだ。怪我も無いし、彼女は僕に変なことしてないよ」

「え、彼女が人を助けるなんて珍しい。ともかく、先生にお怪我が無いなら良かったです」

 

 

 ほっ……誤魔化せたようで一安心だ。そうしていると、例の天人少女は空を飛び上がりながら、僕たちに言った。

 

 

「そういうわけよ。人助けなんて柄じゃないから疲れちゃったわ。もう私は帰るから」

「あ、待ちなさい!」

 

 

 早苗の呼び掛けを無視してすぐに天人の少女を空の向こうへと飛んで行ってしまった。いきなり現れていきなり襲ってくるなんて、台風みたいな天人だったな……。

 早苗は「まったく」と言いながら僕のほうへと振り向く。彼女は嬉しそうな笑みを浮かべながら、手を伸ばして僕の胸に優しく這わせるように触れてきた。くすぐったいが、その所作は僕に何か求めているようだった。

 

 

「先生の身体、温かいですね」

「早苗、この手はいったい」

「……すいません。そのつもりは無かったんですけど、こうして先生に前にした途端、色々な気持ちが膨れ上がってきちゃいました。はしたないのは分かっていますが、私、この気持ちを抑えられそうにないです」

「ぐっ……」

「もし嫌でなければ、私を愛していただけませんか。ね、先生?」

 

 

 早苗が艶めかしく光った瞳で僕を見つめ、桃色の華やかな唇を近づけてくる。

 さっきまでこれから真面目に門番業につとめると心を入れ替えた僕だったが、早苗のような美少女にここまでされて我慢などできるはずなく────

 

 

 

 

「ああっ、やああっ、やぁんっ! せ、先生……はぁ、あんっ、気持ちいいです。外なのに声っ、我慢できないっ、気持ちよすぎて声でちゃううっ、あぅぅっ、あんっ、ああんっ、んんっ、やぁぁっ」

 

 

 夜の外で遠慮のない喘ぎ声を響かせる早苗。目の前の木に両手を添えて立ったままの体勢を維持している彼女に、僕は背後からおしりを掴んで肉棒で膣奥をガンガン突きまくっていく。

 けっきょく、僕は誘惑に負けてしまい、可愛い教え子である早苗と濃密な時間を過ごし、

 

 

「あんっ、ああんっ! 先生、せんせいっ、せんせぇぇ……ああぁぁっ、やああっ、んぅぅっ、ああっ、ああぁぁんっ、やっ、んんんんっ────ああああっ、やあぁ、ぁぁああんっ……!」

 

 

 

 

 こうして一回だけではなく、次の門番が来るギリギリまで僕は早苗の膣に何回も射精したのであった。

 

 

 


 

 

 

 不良天人の少女にちょっかいをかけられた日から少し経った日のこと。

 夜の門番は今日は休みであり、僕はどのような休日を過ごそうか考えていたところ、タイミングよく阿求ちゃんが家にやって来た。

 どうやら今日の阿求ちゃんは夕方まで何も予定がないらしく、それで僕の家に遊びに来たのだという。

 最初は家で一緒に食事をして、のんびりと会話をしていた。……のだが、ふとお互いの肌を触れ合う軽いスキンシップから始まり、なんやかんやあって、ついには真昼間から阿求ちゃんとセックスに至っていた。

 

 

 ぐちゅっ、ずぷずぷっ、ずぷっ、ずっ、ずちゅっ、ぬちゃっ、ずぶぶっ

 

 

「あっ、あっ、はぁっ、やあぁぁ……っ! 門番さん、わたしっ、この体勢好きですっ。正面から抱きしめられてるのがすごく心地よくて、幸せで、それにあなたの顔が良く見えます……あんっ、やあっ、やあぁぁっ」

 

 

 こちらの膝の上に正面から座ってきて、僕の背中に両手を回してぎゅっと抱きついてくる阿求ちゃん。その状態のまま僕は腰を振り、身体を乗せてきた阿求ちゃんの膣奥へと何度も肉棒を挿入させる。

 いわゆる対面座位というやつだ。腰を振るたびに阿求ちゃんがぎゅっと抱きついてくるので、控えめな乳房がこちらの身体にぴたっと何度も重なり、彼女の喘いでいる表情がよく見えた。

 紫陽花のような淡い紫色の瞳はとろんと蕩けきっており、だらしくなく開いた口の中から唾液が漏れ出ている。実に気持ちよさそうな表情であり、それを見ているだけで僕はもっと彼女を喘がせてやりたいという気持ちが膨れ上がり、さらに腰を振って狭い膣内を肉棒でぐちゃぐちゃにしていく。そうしていると、阿求ちゃんが喘ぎ声交じりに何か言い始めた。

 

 

「あっ、あぁっ……も、門番さんっ、私っ、知ってるんですよ。この前、守矢神社の巫女さんとデートしてましたよね。最近は勉強を教えたりして、随分仲が良さそうじゃないですかっ……ひゃっ、やあっ、んぁぁっ」

 

 

 肉棒で膣奥を突かれ身体をふわっと浮き上がらせる阿求ちゃん。そのたびに彼女は僕の背中に回している両腕でグッと抱きついてくるが、どこか不満そうな声音が交じっていた。

 僕は一旦腰の動きを止めて、彼女の話を聞いた。

 

 

「門番さんが色々な女性と仲良いのは知ってますが……ずるいですっ! 私だって門番さんを想う気持ちは負けてないし、同じ里に暮らしてるのに……ですから今日はいつも以上に激しくしてください、お願いです!」

 

 

 そんな可愛いこと言われたら彼女の気持ちに答えない訳にはいかない。

 僕は阿求ちゃんを寝かせると真上から覆い被さる体勢をとる。そして、そのまま腰を勢いよく一直線に真下に突き落とし、一物の先端を膣奥の一番深いところにぶつけた。一応、こんな感じで大丈夫なのか阿求ちゃんの反応を確かめる。

 

 

「あぁっ、ああんっ! す、すごいですっ。これ、激しすぎて、息、苦しくなっちゃいますけど……すごく気持ちいいです。門番さん、さっきのもう一回お願いします。ううん、何回もしてください、お願いです!」

 

 

 そう言われた僕は先程の動作を繰り返し、勢いよく阿求ちゃんの膣内をかき乱していく。真上から真下に一物を突き落とし性器どうしをぶつけ、自らの全身で阿求ちゃんの身体にプレスするかのようなその行動に、彼女の身体や膣奥が潰れてしまわないか心配だったがそれは杞憂だったようで。

 一物を容赦なく突き下ろすたびに阿求ちゃんは喘ぎ声を上げ、膣内をぎゅっと引き締めて落ちてくる一物を何度も受け止めていた。

 

 

「はぁ、はぁぁ、あっ、あんっ、んぅぅああっ……! あんっ、ああんっ、やぁぁ、あっ、き、気持ちいい……っ! 門番さんの激しすぎて、わたしっ、もう耐えられそうにありません」

 

 

 阿求ちゃんはそう言うが、容赦のない腰のぶつけ合いに僕もそろそろ限界が近づいていた。

 もし今の体勢で膣内で限界を迎えてしまえば阿求ちゃんが孕んでしまうかもしれない。それほどまでにこの体勢でのセックスは、一物と膣奥がしっかりと絡み合い衝突し合っていた。

 

 さすがに偉いところのお嬢様を孕ませたら洒落にならないし、阿求ちゃんには悪いけどここは旦外に出した方が……。

 

 

「も、門番さん、何を考えてるんですかっ、に、逃がしませんよ!」

 

「くっ……阿求ちゃん!?」

 

 

 なんと僕の考えを察したのか大きく開いていた両足を僕の腰の後ろに回し、両手も伸ばして僕の肩を引き寄せてきた。

 限界目前というところでこの行動。無論、逃れることは出来なかった僕は一物と膣奥が強く密着したタイミングで精液を解き放ってしまった。

 

 

「あぅぅっ、あんっ、門番さんの精液っ、熱くて気持ちいいですっ……ふぅぅ、あああっ、し、幸せですぅ…………っ」

 

 

 結局、僕は観念して阿求ちゃんの体を上から押しつぶすように密着した状態で、残りの分の精液も膣内へと吐き出していく。阿求ちゃんはそれをしっかりと受け止めて、余韻が抜けきるまで僕たち二人は抱きしめあったのであった。

 

 

 

 まだ太陽が上ったばかりの真昼間から阿求ちゃんと濃厚なセックスをしたあと、僕は彼女を屋敷前まで見送っていた。

 

 

「門番さん、今日も楽しかったです。また会いましょうね」

 

「僕もとても良い思いをさせてもらったよ。でも、身体の方は大丈夫?」

 

 

 阿求ちゃんとは既に何度か肉体を交えている親密な仲ではあるが、あれほど激しいセックスに興じたのは今回が初めてだ。阿求ちゃんはまだ身体が小さいしダメージが残らないか気になっていたが、阿求は首を横に振った。

 

 

「いいえ、問題ありませんよ。たしかにちょっとだけ腰に違和感を感じますが、何よりも門番さんが私をあれほど深く愛してくれたのが嬉しかったので……また機会があれば、私を愛してくださいね」

 

「う、うん。分かったけど、周りに僕たちの秘密がバレたらだからね、こういうことは外で話さないようにしないと。それじゃあまたね、阿求ちゃん」

 

「はい、失礼します」

 

 

 ぺこりと頭を下げて阿求ちゃんは屋敷に向かう。

 

 ……ふぅ、まさか休日の昼間から阿求ちゃんと最高の時間を過ごせるなんてな。彼女とのあの濃密な時間を過ごせただけでも、今日は有意義に過ごせたと言ってもいいだろう。

 

 さて、まだ昼ごはんも食べてないし、せっかく外に出たんだから飯屋にでも行こうかな。

 

 

「……ふーん、あんたって大したことなさそうに見えて、女の子にすごく好かれているのね」

「え?」

 

 

 女性の声が背後からした。ツンとしていて、気の強そうなこの声に僕は聞き覚えがある。しかもどちらかと言うと嫌な意味で。

 無視する訳にもいかず、僕は若干悪い予感を抱きつつも背後を振り返ると、そこにいたのはやっぱりあの時の不良天人の少女で……ええと、そういえば名前を聞いてなかったな。

 

 

「比那名居天子よ。高貴な天人自らが人間のために名前を名乗ってあげたんだから、ありがたく思いなさい」

 

「は、はぁ。ありがとうございます、比那名居さん」

 

「ところであんた、今から時間ある?」

 

 

 比那名居さんのいきなりの問いかけに僕は戸惑ってしまう。

 時間はあるにはあるが本当のことを言ってしまうと、なんだか面倒に巻き込まれそうな気がした。だけど、時間が無いと言ったところで彼女の性格上引いてくれるとは思えない。

 僕は今日は休みなので問題ないことを告げた。

 

 

「そう、ならいいわ。あんた、あの時私を守矢神社の巫女から庇ってくれたでしょう。あたしはそのお礼をするためにあんたに会いに来たのよ」

 

 

 お礼だって? 初対面相手にいきなり攻撃しかけてきたあの比那名居さんが……これは驚きだ。

 しかし、お礼ってどんなのだろう? 比那名居さんって見かけは美少女だしもしかしたらえっちなお礼でも……っていかんいかん、 最近はずっと美少女と身体を重ねる日々を送ってるからって、いくらなんでも煩悩に塗れすぎだ。

 

 変な妄想をかき消して、僕はどんなお礼をしてくれるのか比那名居さんに聞いてみた。

 

 

「よく聞いてくれたわ。本来なら天人が人間の世話になったところで、お礼をする必要も無いんだけど……今日の私は気分がいいから特別よ。

 あんた────今からあたしの遊び相手になりなさい」

 

 

 ……はい?

 

 

 


 

 

 

 不良天人であることを自他共に認める比那名居さんにまともなお礼を期待した僕が馬鹿だったと思う。

 遊び相手になれと言われ、比那名居さんに強引に里の外に連れ出された僕がやってきた場所は、とある川岸だった。

 

 

「あの比那名居さん? 僕をここに連れてきて、何をするつもりなんですか?」

 

 

 不良天人の言う遊び相手など、きっとろくなものでは無い。もしかしたらネズミを追いかける猫のように、比那名居さんは僕に攻撃してきてそれを避ける様を見て楽しむつもりなのかも……。

 僕の質問に、比那名居さんは即座にある物を僕に渡してきた。しなやかな丈夫そうな木の枝。先端には長い糸が付いていて、さらに糸の先端には釣り針が付いている。

 

 

「これは、釣竿? ……これを僕に渡すってことは、もしかして一緒に釣りをしろってことですか?」

 

「ええ、そうよ。天人と一緒に釣りができるのよ、光栄に思うことね。そして、あたしと釣りができる幸福をしっかりと噛み締めなさい」

 

 

 ……え、ええ。どんなことをさせられるのかと思って緊張してたけど、まさかの一緒に釣り。

 横暴な彼女のことだからどんな無茶ぶりを要求してくるのかと思ったけど、まさかの釣りですか。てか、なんで釣り?

 

 

「なによ、その気の抜けた顔は」

 

「すいません。比那名居さんの遊び相手ってことは、きっと危ない目にあわせられるんだろうなあって思ってたので」

 

「はあ? このあたしをただひたすら暴れ回った挙句に博麗の巫女に退治される脳の無い妖怪どもと一緒にしないでくれる? さすがのあたしでもそんなことするつもりは無いわよ」

 

 

 いや、あなたは一応今のところ僕の中では危険人物扱いですからね? なんなら初対面でいきなり面白半分で襲いかかってきたわけだし。……まあ一緒に釣りをするだけで満足してくれるなら僕としても助かるし、機嫌を損ねたくもないので黙っておこう。

 

 

「分かりました。比那名居さんが釣りをしろって言うならそうします。それに僕も釣りをするのは久々なので楽しみです」

「なんだ、あんた経験者だったのね。言っておくけど、あたしは暇つぶしにしょっちゅう釣りばかりしてたから。あたしの腕前に嫉妬してしまうかもしれないわね」

「それなら尚更楽しめるかもしれませんね。ちなみに比那名居さんは釣りする時はいつも一人なんですか?」

「……」

 

 

 あれ? 返事がない。

 

 

「あの、比那名居さん?」

 

「……うっさいわね。そうよ、釣りする時はいつも一人よ。天人の連中を何度か誘ってみたけど、不良天人との釣りなんか楽しめないって全部断られたわよ。それで、なに? 何か文句でもあるの?」

 

「いやいやそんなことないですよ!? せっかく比那名居さんに釣りに誘ってもらったんですから、今回は存分に楽しまさせていただきますね!」

 

 

 危うく地雷を踏んでしまうところだった。

 僕が今やるべきことは比那名居さんの機嫌を損ねないように一緒に釣りを楽しむことだ。

 

 

「まったく……そうだ! どうせなら勝負しましょうよ。内容はシンプルにたくさん魚を釣り上げた方が勝ちよ」

「いいですね。言っておきますけど、妨害とかは無しですよ?」

「なに言ってんのよ、妨害なんてしなくてもあたしが勝つに決まってるでしょ。天人と人間の格の違いってやつを思い知らせてやるわ! ちなみに負けた方は勝った方の言うことをなんでも一つ聞く、わかった?」

「まじですか」

「ふふ。あたしが勝つに決まってるんだから今のうちに覚悟しときなさい」

 

 

 自信満々に言いながら、「とりゃあ!」というかけ声とともに川に向かって釣り竿を振りかざす比那名居さん。……もし僕が負けたらどんな事を要求してくるか分からない。これは負けられないな。

 僕も彼女に続いて釣り糸を垂らし、勝負が始まった────のだが…………。

 

 

 

 

「……ど、どうして!? どうしてさっきからあたしだけ釣れないのよ!?」

「あ、また一匹釣れました」

「はぁ!? いったい全体何がどうなってんのよ!?」

 

 

 地団駄を踏んでいる比那名居さんを他所に僕はかかった魚を釣り上げる。僕はこれで五匹目、一方で比那名居さんはというと未だに一匹も釣れていなかった。

 最初は勝負がどうなるか、負けた時の考えると不安で仕方がなかったがこの調子だと僕が普通に勝てそうだ。あ、また一匹釣れた。

 

 

「くっ……このままだとボロ負けしてしまうわ。人間なんかに勝負で負けたら天人の恥よ。衣玖に知られたら笑われちゃうわ」

 

 

 僕も釣りのプロという訳では無いが、なぜこんなに差が開いたのかは僕でも分かる。

 比那名居さんは落ち着きが無さすぎだ。魚がかかるまで待っている最中も竿を大きくブラブラさせてるし、ちょっと待っても何もかからなかったら再度竿を振り直している。

 一方でさっきから連れている僕だが、何も特別なことはしていない。釣り糸を水面に垂らして、ただひたすら待ち、魚がかかったところを釣り上げる。

 

 

「……ちょ、ちょっと。あんた、どうやったらそんなに……」

「え? どうしたんですか?」

「うっ、やっぱりなんでもないわよ! 見てなさい。この程度の差くらいすぐに追い抜かしてやるんだから!」

 

 

 やがて躍起な感じになってしまう比那名居さん。

 だか、時間が経てば経つほど差は開くばかりで、比那名居さんがやっとの思いで魚を一匹釣り上げるが、彼女以上のペースで僕は魚を釣り上げていた。

 このまま進めば僕の勝利は間違いないが、それで比那名居さんの機嫌が悪くなったらどうなるか分からない。かと言ってアドバイスをすれば、彼女のプライドを変に刺激するだけかもしれない。

 どうするべきか悩んだが、さっき話しかけてきたのは釣りのコツを聞こうとしたからだろうし、結局僕は彼女にアドバイスすることに決めた。

 

 

「比那名居さん、あまり竿を揺らないでください。魚に餌を気づかせるためにはたまに竿を揺らしたりもしますが、比那名居さんは揺らしすぎです。それだと餌が不自然に動いて魚が食いつかなくなります」

「え? ……あ、う、わかってるわよそんなことくらい」

「それと少し経って釣れなかったとしても、そこはじっと耐えてください。静かにしていれば魚は餌に寄ってきます」

「じっと待つね、了解……じゃなかった。ふん、それくらい知ってるわよ!

 でもいいわ。あんたはあたしのために言ってくれたんでしょ? じっとするのは得意じゃないけど、人間からのせっかくの気遣いなんだから、今回は特別にその通りにしてあげる。あたしの配慮に感謝しなさいよ」

 

 

 思ったよりすんなり僕の助言を聞き入れた比那名居さんは、今度は静かにして魚が釣り餌にかかるのを待つ。表情は焦っているようにも見えるが、彼女は僕の言う通りじっとしていた。それから、少しして────

 

 

「──うそ! もう釣れた!」

「おめでとうございます。いいですね、その調子でもう一回やってみましょう」

「ええ!」

 

 

 ついに比那名居が二匹目となる魚を釣り上げる。

 要領を掴んだ比那名居さんは続いて三匹目も見事に釣り上げ、以降は僕と同じペースで魚を釣り上げていった。

 会話を交えながら僕と比那名居さんは魚釣りを楽しんだが、やがて空が夕暮れになり、釣り勝負はそこまでとなった。

 結果から言うと勝負は僕が圧勝だった。比那名居さんは途中から調子が良くなったとはいえ、その時点で僕との差が開きすぎていたのだから当然と言えるだろう。

 

 

「悔しいけど仕方ないわね。この勝負、あんたの勝ちよ」

「いいんですか?」

「いいんですかってどういう意味よ。どうみたってあんたの勝ちでしょ」

「それはそうですけど」

 

 

 比那名居さんがこうもあっさり負けを認めるとは意外だった。てっきり、機嫌が悪くするか、勝負をなかったことにすると思ってたんだけどな。

 

 

「本当なら力づくであんたを黙らせて勝負をなかったことにしてもよかったんだけどね。……その、あんたは私に釣りのコツを教えてくれたじゃない? それにあんたと釣りができて、楽しくないこともなかったし、だから今回は特別に負けを認めてあげるのよ」

 

 

 比那名居さんは顔を赤くしてそっぽを向きながらそう言った。気を紛らわせようとしてか、釣竿の先端で地面を軽くつついている。

 なるほど、出会いが出会いなだけに僕は比那名居さんを今まで警戒していたが、彼女は根っからの悪人という訳では無いらしい。

 比那名居さんはきっと素直になるのが苦手で、そのせいで周りにひねくれた振る舞いをしてしまうのだろう。人に迷惑かけたり、自分勝手な態度をとるのはさすがに治した方がいいと思うけど……うん、釣り勝負をしてわかった。比那名居さんとは今後も仲良くなれそうな気がする。

 

 

「それなら比那名居さん、今度また暇な時にでも一緒に釣りしませんか?」

「は、はぁ? なんで天人のあたしが、人間の暇に付き合わないといけないのよ。時間がもったいないじゃない」

「勝負の約束ですよ。負けたら勝った方の言うことをなんでも一つ聞くって、そう決めたじゃないですか」

「お、覚えていたのね。あんた、天人に対してなかなかいい度胸してるじゃない」

「だってそういう約束ですから。あ、釣りが嫌なら一緒に食事したりとかでもいいですよ。それとも、それも嫌なら他の言うことを聞いてもらってもいいですよ、オススメはしませんけど」

「こ、今度は脅し!? ……くっ、わかったわよ。今度また一緒に釣りしてあげる。約束するわ」

「ありがとうございます」

「言っておくけど、あたしは好き好んで人間のあんたと釣りに行く約束したとかじゃないんだからね。あんたがどうしてもって言うから、仕方なく付き合ってあげてるだけよ! そこんとこ勘違いしないでよ!」

 

 

 一時は無理やり里の外に連れ出されてどうなるかと思ったが、こうして僕はどうにか比那名居さんと少しだけ仲良くなることができた。

 

 それから数日後、比那名居さんと約束の釣りをしていると、彼女は釣り糸を垂らした水面を見ながらこんなことを言い始めた。

 

 

「……まったく、私と釣りをしたいだなんて言い出すやつ初めて見たわ。それも大して力もない人間の、冴えなさそうな男が言うなんてね」

 

「すいません。もしかしてやっぱり嫌でしたか? 僕のような男と二人で釣りだなんて」

 

「別に嫌とは言ってないけど……もう何度か話したでしょう。私は不良天人で、天人達からも避けられたりお小言言われたりしてるって。だから、そんなあたしと一緒に釣りをしたいなんて言うあんたはかなり変って言いたかったのよ。

 ……ねえ、あんたはどうして、あたしと釣りをしたいと思ったの?」

 

 

 気のせいだろうか。いつも気が強いはずの比那名居さんが漏らした言葉からは、どことなく寂しそうな感じが漂っていた。

 前も思ったが、たしかに比那名居さんと初めて会った時はわがままで我の強い女性というイメージだった。でも、ただ素直になるのが苦手で、実際はこうして僕と一緒に釣りを楽しんでくれる一面もあったりして……実は、比那名居さんは誰かとこうして過ごす時間を求めていたのかもしれない。だから、気まぐれではあるのかもしれないけど僕をいきなり釣りに誘ってくれたのかもしれない。

 

 それなら僕が彼女に答えてあげるべき言葉は……。

 

 

「僕が比那名居さんとはこれからも仲良くしたかったからですよ。この間、初めて釣りをした時の比那名居さん、結構楽しそうにしてましたから」

 

「は、はあ!? か、勝手にあたしが楽しそうにしてたとか決めないでくれる? あれはいつもより釣りの調子が良かったからで、別にあんたが釣りのコツを教えてくれて嬉しかったとか、あんたを釣りに誘って良かったとか思ってたりしてないわよ!!」

 

「比那名居さんってもしかして焦れば焦るほど本音を言っちゃうタイプですか」

 

「え? ────は、あああ!?」

 

 

 比那名居さんは顔を真っ赤にすると、思うつばの広い帽子を深く被って僕から見えないようにした。かと思えば、僕の方をキリッと睨みつけてきて、近くの小石を手に取り投げてきた。い、痛い……。

 

「う、うるさい! あんたあたしを馬鹿にしてるな? 変な事言うなら、これ以上もう喋るな!」

 

「馬鹿になんてしてないですよ! さっきも言った通り、これからも比那名居さんと仲良くしていきたいなと思って」

 

「うるさいうるさい! あんたがそう言うことばかり言うから、調子が狂って釣りに集中できないのよ!」

 

 

 そう言いながら、今度は三回くらい小石を投げつけてくる。じ、地味に痛いんだけど! 照れ隠しするにしてももう少しやり方があるだろうに。

 これ以上喋ったら、小石の代わりに拳が飛んできそうなので僕は何も言わずに彼女が落ち着くのを待つ。すると、彼女の方からまた自ずと声をかけてきた。

 

 

「まあ、あんたがもし今後もあたしと釣りがしたいって言うなら、たまになら付き合ってあげてもいいわ。あたしも基本暇してるし、釣りをする時はいつも一人だったから、あんたがいれば少しは退屈しのぎになりそうだしね」

「比那名居さん……」

「い、言っておくけど、あたしが一人で釣りをするのが寂しいからとかじゃなくて、競う相手がいた方が釣りも多少楽しめるかなって思っただけよ! むしろ天人のあたしが人間のあんたと釣りをしてあげるんだから、感謝しなさい!」

「はい、ありがとうございます」

「はあ……あんたと話してるとほんと調子おかしくなる」

 

 

 

 なんだかんだで比那名居さんは今日の釣りを楽しんでくれた。まあこの日も僕が勝ってしまったばかりに、ちょっと拗ねられてしまったのだが。

 ともかくも僕と比那名居さんは、時々一緒に釣りに出かけるくらいには親しい間柄になっていった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 比那名居天子は、自他共に認める天人だ。

 しかし、小さい頃から天界という何不自由ない贅沢な環境で育ったせいか、彼女は横暴でわがままな性格になってしまった。

 周りからは不良天人と蔑まされていたが、本人は至って気にせずに自己中心的な性格を省みようとも思わず、天界でも天界の外でもわがままし放題してきた。

 

 

 そんな彼女に、最近、一緒に釣りをする相手ができた。

 

 天人の天子から言わせれば冴えない感じの男で、天人と一緒に釣りをするには似つかわしくない至って平凡な人間。そう思っていたが、暇を持て余していた天子は気まぐれで彼を釣りに誘った。というより、無理やり一緒に釣りをさせた。

 

 それから色々あって、彼とは時々一緒に釣りをする仲になった。最初はちょっとした暇つぶしと、たまには天人様である自分が人間の釣りに付き合って感謝してもらおうというつもりで、彼と釣りをするようになったのだが……。

 

 

「総領娘様、今日はご機嫌ですね。何か良い事でもあったのですか?」

 

 

 彼との釣りを終えて帰ってきたところ、天女である永江衣玖にそう言われた。天子は即座に否定したが、彼女の推察は間違っていなかった。

 最近、彼との釣りをそれなりに楽しむようになってしまっている。最初は本当にただの暇つぶしのつもりで、飽きれば彼との釣りの約束も放置するつもりでいたのだが、今はもうそんな風に考えたりすることは無くなっていた。

 

 

「……や、やっぱり違うわ! これはあいつに釣りで勝ちたいからで、別にあたしは楽しんでなんかいない! そうよ、勝負する相手が強ければ強いほど燃えるってだけで、別にあいつとの釣り自体はこれっぽちも楽しくないんだから! ただ、人間のあいつがこの天人であるあたしに勝つのが腹立つだけで、ほ、本当に楽しくなんかは……」

 

 

 部屋で一人、頭をわしゃわしゃ掻きながら言い訳をする天子。途中で虚しいことをしている自分に気づき、彼女は気晴らしに外に出た。

 外は既に暗く深夜帯。夜の空の下を飛びながら、どんな気晴らしをしようか考えるが特に何も思いつかなかった。

 

 代わりに頭の中で思い浮かんできたのが、何故か例の門番の男だった。釣り勝負では容赦なく勝利をもぎ取っていく生意気な彼だが、ちょっとわがまま言えば困った表情になる。そんな彼の表情を天子はそこそこ気に入っていた。

 

 そこで一つ、天子は気晴らしの方法を思いついた。

 

 

「ふふ、いいこと思いついたわ。あたしが気晴らしするためにわざわざ外に出ることになったのも、あいつのせいみたいなものだし、今から驚かしにいってやりましょう」

 

 

 今の彼は、里の外で門番をしているか家で寝ているかのどちらかだろう。門番をしているなら背後からこっそり驚かせればいいし、家で寝ているなら叩き起こしてやればいい。天人相手に釣り勝負で勝ち越し続けている人間には、ちょうどいいお仕置だろう。

 天子は彼が見張りをしている場所まで向かい、そして遠くから彼の様子を確認した。

 

 

「さぁーて、またぼーっと突っ立っていたりするのかしら。……あれ、どこにもいない? 小屋の中にいるのかしら?」

 

 

 もし今の時間帯が彼が門番をしている時間帯だとして、外にいないのら小屋の中にいるのだろう。そう考えた天子は、気配を悟られないようにして地上に降り立ち、そっと小屋に近づいて窓から中を確認する。

 

 そこで、彼女はとんでもないものを見てしまった。

 

 

 

「────ああっ、す、すごいっ! お兄さんの大きなおちんちん、わたしの中をぐちゃぐちゃにしてきてますっ、やああっ、あんっ、良い、お兄さんとのえっち、すごく気持ちいいよぅぅ……お兄さん、ちゅーも、ちゅーもしてください! 私、お兄さんとちゅーしたいです」

 

「ああ、いいよ大ちゃん。ほら顔近づけて」

 

「……んんっ、れろ、れるるっ。じゅるるっ、お、おにいさんのだえき、おいひっ……ちゅるるっ、んぅぅ。……れるっ、ああっ、あんっ、おにいさん、だめぇ、奥っ、ぐちゅぐちゅされるの、気持ちよすぎて、だめぇぇ、やああっ、ああっ、あっ、ああんっ!」

 

 

 小屋の中で門番の男と、緑髪のポニーテールをした小さな女の子が裸のままくっついてせめぎ合っていた。

 男は座った姿勢になり、緑髪の少女が正面を向いて股を開いたまま、彼の腰の上に乗っている。よく見ると、二人の腰の間で男女の性器どうしが繋がっていた。

 

 

「……な、な、な、なあっ」

 

 

 思わず大声を出してしまいそうになるが、そこを何とか堪える。天子は改めて小屋の中で行われている門番の男と少女のやり取りを確認する。

 あの少女は確か『大妖精』という少女だ。以前、天子はチルノという氷の妖精に喧嘩を売られたことがあり、その時に氷の妖精を宥めていたのが大妖精だ。一瞬で二人ともまとめて倒したのでそこまで記憶に残っていないが、多分間違いないだろう。

 

 

「ああんっ、やああっ、おにいさん、好き、大好きですっ! 今日はチルノちゃんはいませんし、好きなだけ私とえっちできますから……だからもっと激しくしてください!」

 

 

 大妖精の欲求を皮切りに、門番の腰の振りがさらに激しくなった。離れてしまわないようにと男の背中に両手を回す大妖精の表情は、とろんと蕩けきっておりすごく心地良さそうだった。

 それを窓越しに見て気が動転してしまう天子だが、今二人が行っている行為が何なのかは理解できる。

 情事、性行為、セックス、夜の営み。ロマンチックな言い方をすると、契りを結ぶ……言い方は色々あるが、これらは愛し合う男女がより仲を深めるための行為だ。

 

 

「な、なんでそれをあの二人がしてるのよ……っ」

 

 

 訳が分からなかった。本当ならここは一旦退避して気を落ち着かせたいところだが、中でのやり取りが気になって離れられないでいた。

 彼は一緒に釣りをするための暇つぶしの相手でしかないが、こうも別の女とイチャコラしていることが分かった途端、天子に妙な気持ちが生まれていた。

 

 

「あ、あたしとの釣りをする時間が楽しいって言ってたくせに……他の女と過ごしてる時の方が楽しそうにしてるじゃない」

 

 

 恨めしく、だが二人に聞こえないようにそう呟く。

 

 

「なによなによ。雑魚同然の妖精との時間なんて、何が楽しいって言うのよ……」

 

 

 今も門番の男は懸命に腰を振り続け、大妖精との愛を確かめ合うように情熱的に混じりあっていた。

 この光景を見る度に、よく分からない感情が膨れ上がって天子の心の内側で渦を巻く。それをどう足掻いても落ち着かせることが出来ず、天子は苦しげな息を漏らした。

 

 彼に特別扱いして欲しいわけではない。しかし、天人である自身を差し置いて、別の女があのような扱いを受けている事実を前に、天子は……。

 

 

「し、嫉妬なんかじゃない。それだと、まるであたしがあいつのことを……」

 

 

 そう。これはただ、妖精の少女よりも立派な身分である天人の自分が下だとでも言いたげなあまりにも失礼すぎる扱いに、苛立ちを感じずにはいられないだけだ。

 ちょっとでも気分を害するような行為や扱いを受けたら苛立ちを感じずにいられないのは、いたっていつも通り……いつも通りの、はずなのに……。

 

 

「んっ、はぁ……っ」

 

 

 甘ったるく、快感に身を震わせたような声。

 しかし、その声が大妖精のものではなく自身の声だと天子が理解したのは、お腹の奥の疼きに気がついた後だった。あの男に大妖精が気持ちよくされている光景を見返すと、より疼きが強まった。

 

 

「ど、どうして……あたしは別に、こういうことに興味なんか……はぁ、んぅっっ」

 

 

 否定しようとしたが出来なかった。お腹や奥に感じる強い感覚に思わず腰を抜かしそうになり、転ばないためにゆっくりと膝を地面につけた。

 

 

「はぁぁ、んっ……だ、だめ。こんなことここでしたら、あいつにバレるかもしれないのに……」

 

 

 ────もう、我慢できない。

 

 

 そう頭の中で悟った天人の少女は、小屋の中で交じり合っている二人にバレないようにと隠れるように壁に背中を預ける。そして、ゆっくりと自身の指を身につけたスカートの中に忍び込ませた。

 そして、天子はいつの間にか門番の男に抱かれる妄想しながら、自分自身を慰めるのであった。

 

 

 

 

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