【短編集】東方夏淫夢 作:命楼
──其の者、焔を纏いし者也。
──其の者、壁を超えし超越者也。
──其の者、人妖神魔の括りなく全てを打ち倒す者也。
──其の者、人間の屑ながら人間の鑑也。
初投稿です。
暗い森の中、其処に男が一人立っていた。男は道着を身に付けており、鋭い眼光と整った顔、凛とした佇まいから武人である事が容易に想像できる。
夜の森の中に道着姿の男。夜にも関わらず寝る間も惜しみ鍛錬に精を出している、訳ではない。
「……何処だ此処?」
男は自らの意思で此処に居る訳ではない。男は思い返す。
「帰る前にぃ、シャワー浴びようと荷物持って部屋を出て……」
此の男、とある大学の教師をしている。其の大学にある空手部の顧問に就いているのだが、あまりにも厳しい指導を行っており鬼の顧問として学校内外問わず有名である。其の所為で部に入っても直ぐに辞めていく生徒が後を絶たず、今現在三人しか居ない。
「シャワールームに着いて……シャワー浴びるから、全部脱ごうとして」
男は指導の為に三人の生徒をこってりと痛め付けていた。ハードな練習によって三人は汗に塗れていたが、男だけは汗一つ掻かず平然としていた。三人いっぺんに相手しているというのにだ。
だが部活の後はシャワーを浴びる事にしている男は、何時もの様にシャワーを浴びに向かっていた。
「気付けばこんな所につっ立ってんだよ」
そうなのだ。何時の間にやらこんな所に立っていた。廊下を歩いていた、瞬きをしたほんの一瞬の後には土を踏んでいた。
どんな事にも動じない男でも此れには驚きを隠せなかった。普段男を見慣れている教師や部員たちが見れば驚きに目を見開く事請け負いだろう。
「如何なってんだこれ、瞬きした瞬間に何かあったんだろこれ。町探すか取り敢えず………………大人しく此処に出て来いよ、おい。隠れるの下手くそじゃねぇかオルァ」
携帯を開いてみても。其処に表示されたのは圏外という二文字。近くに町、民家でも何処でも良いから人が居る場所へと思考を切り替えた。だが何者かの気配を感じ暗闇へと声を掛けた。
「……………………」
しんと静まり返る森。小動物の鳴き声しか聞こえぬ静寂。然し何かが隠れていると分かっている男は悠然とした侭待ち続ける。
「出て来いよほら、姿見してみろ。あん、ビビってんのかかオラァン、姿見せてみろオルァン!」
「ッ……………………」
「何だ出てねぇのかよ」
何故隠れているのかも分からぬ相手、待ち続けるのが面倒になってきた男は挑発する。コソコソとする事しか出来ないのかと、怖がっているのかと。すると如何だろう、挑発に乗ったのか小さくだが気配が乱れる。
だが出て来ない。早く家に帰りたいと思っている身としては何処かの誰かに付き合うつもりはない。
「テメェが来ねぇならこっちから行くぞ」
出て来ないのなら此方から向かえば良い。さも当たり前の様に感じる気配へと向かっていく男。此れには驚いたのか林の向こうから焦る気配が漏れる。
「〜〜〜ッ!」
「ガキだと?」
草むらから現れた影に漸くかと立ち止まった男が見たのは少女だった。九か十、其れ位の年齢の子供。金髪で黒の服を見に纏った何処にでも居そうな子供。だが一番目に付いたのは赤い目だった。アルビノや一部の人種、病気位しか発現しない鬼灯の様に赤い目。
何故こんな所にガキが一人で居る。民家が近くに在るのかと期待していた。
「食らえッ!」
「何ぃ!」
電話が使える近くの家迄連れて行けと言おうとした所で、光が広がった。少女の周りに突如として光の玉が現れたのだ、玉は一つでは無く銃を余裕で超える多さ。見知らぬ場所に居た事以上に驚く男。其れが隙となった。
ズドドドドドドド!!
辺りを漂っていた光の玉が一斉に男へと殺到した。無防備な男へと吸い込まれる様に進み、爆発。
「やった!」
周囲へと煙と衝撃が撒き散らされる其の中で、少女が歓声を上げる。
少女の名はルーミア、闇を操る常闇の妖怪。ルーミアは男を狙っていた。スリや物取りの様に金目の物を狙っていたのではない、男の命を狙っていた。人間がそう簡単に食べられはしなくなった為に、普段はしない隠れての奇襲を行ったのだが見つかってしまった。焦った結果姿を現し攻撃を行った。だが見事に決まった。此れ程の攻撃、普通の人間ならバラバラになってしまう。
「面倒だけど、仕方ないか」
煙が立ち込める爆心地へと向かっていく、グチャグチャになった男の死体を頂こうというのだ。
だが。
「なんだよオイ今のやつは?あん!?」
「なっ!グギャア!」
煙が薄れていった其処には男が立って居た、道着が土煙によって汚れているが先程と変わらずにだ。驚愕を浮かべるのも束の間、腹に衝撃と痛みを感じた時には吹き飛ばされていた。背中から背後の木へとぶつかり息が止まる、激痛と呼吸困難によって、汚れる事も厭わずに地面を転がり苦しみに喘ぐ。
「ハッ!な、ん……」
「……」
そうだ、あの男は如何した。痛みに染まっていた思考の中に新たな考えが浮かぶ、顔を上げ探そうとすれば、視界を遮る白い何か。顔を上げれ男が見下ろしていた。
「さっきのは何だ?」
「あ、あぁ……」
男から発せられる威圧感に言葉が出て来ない。男の背後の空間が歪んでいる。山の様に巨大に見える。
初めてだろう、強大な力を此れ程近くで感じたのは。死ぬ、殺される。少女は瞬間的にそう思った、思ってしまった。其処からは思考を止められない。死んじゃう殺されちゃう如何にかしないとでも如何するの分からない分からない分からないでも何とかしなきゃ殺されちゃう。
「きゅー……」
「……気絶しやがった」
防衛本能だろう、少女は其の儘気を失い倒れてしまった。
「カスが聞けねぇんだよ」
溜息を吐き、男は空を見上げそう呟いた。
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「道に迷っただぁ?なら案内してやろう」
「コスプレってやつか」
「外に戻したいのは山々なんだけど、今は無理よ」
「あぁ?外だぁ?」
「外来人の貴方には信じられない話でしょうが……」
「全部話せっつっただろ全て吐け」
「此れが弾幕よ」
「全然出ねぇじゃねぇかよ」
「あ、ちょっと。本当にごめんなさい!」
「よ〜し、此処で面白い事やれ」
「甘かったかなぁ」
「だから直ぐに見つかんだ」
「くっ!私が人間程度に!!」
「殴って来いよオラ!何お前ペースダウンしてんだ!」
「其れじゃあ次は私が相手だ、人の子よ」
「じゃあ次、お前を倒してやるから」
2513文字、普通だな!
AKYSはAKYS語録だけで書こうとして難しいかな?って思ってたけど、案外いけて安心したゾ。
三十分で書いたとはいえ文章ガバガバ過ぎだろ……。もっと上手く書きたかったけど頭回らないんだよオラァン!