【短編集】東方夏淫夢 作:命楼
初投稿です。
「あそこ……」
「なんだよあれ?」
「おいちょっとあれ如何する?」
「おいやっちまおうぜ!お前!」
「やっちまうか?」
「やっちゃいますか!?」
「やっちゃいましょうよ!」
「その為の右手?」
「おー、マジで」
「右手」
「使うとぉ…」
「あと其の為の拳?」
「拳?やる為にあるでしょ」
「金、暴力、SEX!金、暴力、SEXって感じで……」
** ** ** ** ** ** ** **
** ** ** ** ** ** ** **
「ハァ……ハァ……くっ……!」
「「「グギャギャギャ!」」」
片膝を付き荒くなった息を吐く。周りから浴びせられる嘲りの笑い声が喧しい。苛立ちが募る、其れをして良いのは私だけなのだから。
「此の程度かァ〜風見幽香さんよォ〜?」
「……」
そんな訳がない、私は風見幽香……最強の存在なのよ。此の程度の有象無象が集まった所で私を倒す事など出来ないのよ!
「ほう、まだ立ち上がるか。だが今にも倒れそうじゃないか?泣いて媚び諂えば今迄の事は許してやっても良いぞ?ん?」
「……誰が」
「んァ?何か言ったかァ〜?」
本当に苛立たせてくれる。さて、如何料理してやろうかしらねぇ……?
「誰があんたみたいなやつに許しを請うと?そもそも私は悪い事などしてないわ、強いモノが弱いモノを如何しようが勝手でしょう?」
弱いから悪いのよ、そう鼻で笑ってやれば顔を赤くしている。簡単に挑発に乗るこんな奴等に負ける訳がないじゃない。
「なら此処でお前を負かせばお前を好きにさせてもらうが……良いのだろう?」
「ふん、勝手にすれば?まぁさせないし、出来ないでしょうけどね?」
「チィッ!テメェラ!此の生意気な女を傷め付けてやれェ!」
「「「オォォオォォォォオオオ!!」」」
杖代わりにしていた傘を構える。此の傘も自分の様にボロボロになっている。此れが終わったらあの出不精で物好きな男の所で直さなきゃ。
「ヒャッハー!久し振りの女だァ!しかも上玉だぜェ!」
「俺が一番乗りだァ〜!」
「俺が先に犯んだ!邪魔すんな!」
下品な奴等、弱いクセに良く吠える弱者。身体中に傷が出来て思うように動けない、だけど好きな様にはさせない。勝てないのなら舌を噛み切ってでも死んでやる、其の前に殺せるだけ殺してやる……。
「ッ……何を弱気になっているの風見幽香。私は最強の妖怪なのよ、負ける訳がないじゃない」
さっさと終わらせて着替えなくちゃ、荒れた花畑も整地する所から始めなくちゃならないのが憂鬱だわ。
「傷め付けて犯して、思う存分嬲ってやんぜェ!」
飛び掛かってくる馬鹿に向け弾幕を──。
「──おい何やってんだおい~?楽しそうだね~?」
目の前迄迫ってきていた妖怪が吹き飛んだ。
「おいおい俺らも混ぜろよお前~」
後に続いてやってきた妖怪が驚き止まった所で地面に叩きつけられた。
「おい楽しそうじゃねぇかオラァ」
真横を巨大な何かが飛んでいき妖怪の群れを吹き飛ばした。
「あんた達は……」
目の前に現れた黒い服と赤い服の男、背後から歩いてくる青い服の男。服装からして外来人、だが外の人間にしては其の身に纏う空気が違う。まるであの巫女の様に鍛錬を積んだ者特有の、戦い慣れた者の気配がする。
「貴方達、何者かしら?」
人里の裏通りに居る破落戸の様な雰囲気をした三人組、へらへらと笑ってはいるが実力は未知数。だけど仕立てに何か出ない、私が上なのだと威圧しながら話し掛ける。だが。
「おい何やってんだオイ、ゴルァ!オイ!お兄ちゃん俺らも混ぜてくれや!なぁ!楽しそうだね~!」
唯の人間なら気絶するであろう空気を重く圧する空気の中を平然とし、剰え無視だ、苛立つ。
「何だァ、テメェラ?人間のクセに俺達に楯突こうってのかァ?」
一度は崩れたものの再度周りを見て囲む妖怪の群れ、其れでも臆する事なく自然体でいる三人、苛立つ。
「兄ちゃんよ~」
「……何だ」
「ほら兄ちゃんよ~。おお、お前!?おお!?聞いてんか?兄ちゃん?」
「へいへ~い!気持ち良いかゴルァ?おい!おお、調子乗ってんなぁお前!」
此の馬鹿にした様な態度が、余裕そうな様子が、まるで私を庇おうと周りを囲む様に立つ姿が、苛立つ。
「〜〜〜〜ッ!?テメェラ先ずは此の三人を殺しちまェ!!」
「「「ウォォォォォォオォォォ!!」」」
向かってくる妖怪が。
飛んでくる弾幕が。
其の後ろで笑みを浮かべるあの男が。
背を向ける三人の人間が。
此の場に在る全てが私を苛立たせる。
「私を、馬鹿に、するんじゃないわよォォ!!」
「ん?」
「お?」
「は?」
間抜け面して此方を振り返る男をブン殴りたいが、其れは後。出せるだけの弾幕を生み出し辺り一面に放つ。
「ぐっ……此れであの余裕面も消えたでしょ」
土煙を吹き飛ばした先に広がる穴ぼこだらけの大地、其の上に這い蹲る雑魚共。
「気持ち良いか〜?」
「本当に、苛立たせてくれるわね」
平然としている三人組が其処に居た。苛立ちを越えて呆れてしまう。妖怪が此の体たらくなのに人間が此れでは立つ瀬がない。
「おっ生きてんじゃ~ん!」
「生きてんじゃんよ~お前~」
「お〜、こっちも生きてんぞぉ~オイ!」
あの弾幕の雨の中を生き残ったのかフラフラとだが立ち上がるのが数匹。
「やっちまうか?」
「やっちゃいますか!?」
「やっちゃいましょうよ!」
ボロボロになり今にも逃げ出しそうな奴等がほんのちょっぴりだけ可哀想に思った。
「カネ!」
「法力!」
「Sacred!」
一人は虹色の光沢を放つ赤い鎧を纏い。
一人は宙へと無数の陣を描き。
一人は聖なる武具を浮かせていた。
一人一人が特殊な力を身に纏い駆けていく。其の背中を見送った所で足に力が入らず、膝を着いてしまう。動けそうにない。
** ** ** ** ** ** ** **
** ** ** ** ** ** ** **
「ちょっと拙いんじゃない?こんな所に置いとくの?」
「お〜、彼方に家あんぞ〜オイ!」
「家あんじゃんよ〜お前」
「わ、私一人で大丈夫よ!」
「彼処に連れて行っちまおうぜ」
「連れて行こう連れて行こう」
「其の為の力、後其の為の親切さ?」
「ちょっと!持ち上げるな!話を聞きなさい!」
2436文字、普通だな!
K(幻の金属ヒヒイロカネを用いた鎧を身に纏う者)
B(千年もの時を掛け研磨された法力の後継者)
S(聖なる力を秘めた複数の道具を内に秘めた者)
って感じで……。
Kは子供の頃山奥に隠された鎧に触れてしまい、以後使える様になった。
Bは家がかなりの歴史を持つ仏道の名門。天才だがワル。
Sは聖具によって選ばれた今代の聖具所有者。