「んー……ん?何か忘れてる気がするな。」
白猫を撫でながら俺は考えに耽る。何かを忘れているような気がしているのだ。
いや、実際何かを忘れてる気がしてるんだけど思い出せない。『思い出せないことならどうでもいい事じゃね?』とは思うんだけど何か妙に気になった。
「あ、そう言えば小猫はどうしてるかね。ちょっと面白半分で外に括りつけてしまったわけだしな……ま、何かあったなら……時と場合、ケースバイケースってところだな。」
実はついさっき一緒に出かけたわけだが……面白半分でくっそ硬い首輪を小猫に付けてしかもチェーンは小猫の手が届かないようにかなり短くなっており、それをそこら辺の電柱に括りつけたのだ。
いやな?何でそんなことしたのか自体には理由はあるよ?そこまで面白半分ではやらないよ。
実は今撫でてる猫の餌買いに行った時に、健康よりの餌を両方買ったのはいいけど与える量で喧嘩しちゃったわけで。
イラッときたので面白半分で思いついた方法で拘束しておいた。
まぁあれは拘束されてる本人は手が届かなくて無理だけど、外からなら問題ない訳で……誰かにお持ち帰りされてる頃かな、そろそろ。
「……うーん、様子見に行ってみるか。」
最近自分の魔力を分け与えた人物の元へ直接ワープできる技を覚えたもんでね。それで試してみようか。さてさて、どうなっているやら……
side?
金男がワープを始める数時間前のこと。
小猫は案の定見知らぬ男達に拉致されていた。小猫のパワーなら抵抗することも可能なので何も問題は無いが、金男が使った拘束は悪魔の力を全面的に封じるものだったので何の抵抗もできないままによくわからない場所に持ち帰られていた。
「くっ……はぁ、はぁ……」
「いやぁ、体のなりは小さいとはいえいい雌が見つかるとは思っていませんでしたぜ。」
「確かになぁ……ま、ここ知ってるのは俺たち2人だけだし誰かに見つかって取り返される心配はねぇだろうな。」
小猫は視界を封じられており、男達の声しか聞こえてこなかった。どちらも少し歳を食った男のような声をしており、年齢としては20~30くらいだろうと予測していた。
だが、そんな事よりも既に彼女の服がボロボロに破かれてしまっている事の方が小猫にとっては一大事だった。
今のこの世界の実情は男は女を犯す存在。理想を叶える願望機。つまりはその場で犯しても何も問題は無いのだ。だが、わざわざ犯すことなく一旦連れてきた、という事を考えて見れば小猫は嫌な想像が現実のものになっていくことに感じた。
「いやぁ、これからやることを見られるわけにゃあいかねぇからな。だったらさっさと犯させてもらうぜ、って話だからよ。」
男達が
性に関しては緩くなったが暴力に関しては元々よりも少し厳しくなったくらいである。
『女を屈服させるなら暴力による統治ではなく、快楽による矯正』というのがこの世界の理念伴ってきているだろう。
リョナラーだとすれば、彼女が唯一願うのはこの男達がただ殴る蹴る程度のものであることだけである。
「へっへっへ……んじゃあ、俺らでお楽しみするとするか。」
side金男
「………ふーん、なるほど。」
何か飛んだと思ったら変なところに出た。廃工場みたいなところ。も一つ言うと目の前には下半身露出させている男が2人と身体中を痣だらけにしてぶっかけられまくってる小猫がいた。
物凄いボロボロになっている……どう考えてもこれはSMプレイの範疇を超えているわけだ……
「お、お前今どこから出てきた!?」
「動くんじゃねぇぞ!これで刺されたくなかったら今見たこと全部忘れやがれ!誰にも言うんじゃねぇぞ!!」
幸い小猫には痣だけで刺されたり体が欠損しているとかグロテスクなことにはなってないみたいだ。
しかしかなり殴られているのか身体中が腫れてたり靴の跡があったり……それに胃の中のモンぶちまけてるみたいだしな。
「……ないとは思ってたけど、はぁ……まさか初めて処罰する奴らがこういう奴らとはねぇ……どうせならもっと強いヤツが良かった訳だが……いやいや、それじゃあ戦闘狂となんら変わらないじゃないか……」
「何ごちゃごちゃ言ってやがるんだてめぇ!!このナイフが見えてねぇのかおぉん!?」
またこいつらも何か古風というか……やってることがテンプレというか古臭いと言うか……とりあえずありきたりな反応しか返さない事に俺はただ一つだけ、つまらないと思っていた。
「なぁ、波動砲って知ってるか?知ってるよな?昔の戦艦アニメであった敵を消し飛ばしていくあのすっごい強いあれだよ。」
「は、はぁ……?!」
なんか呆気に取られてるけど関係なくは話を進めていく。今ここでお前らが話を聞こうが聞くまいが……
「んでさ、俺もあぁいうかっこいい必殺技みたいなの?使いたいわけなんだよ。分かるだろ?男って言うのはいつまでもああいうカッコいいのに憧れてもいいと思うんだよね。
でさ、作ってみたんだよ。俺なりの必殺技をさ。」
「っ!うるせぇうるせぇうるせぇ!!そんなに死にてぇなら殺してやらァ!!やろう、ぶっころしてやる!!」
そう言いながらナイフを持って突撃してくる男。全く……言っただろ?必殺技を用意してるってさ。
『必』ず『殺』す『技』と書いて『必殺技』なんだから……正しくその通りにしてやろう。
「奥義………確殺キック!」
そう言って俺は男のナイフを受け止めながら全魔力を持って斜め上に蹴り飛ばす。俺の魔力はミリキャスの『滅びの魔力』だから当然触れたものを消す性質がある。
そしてそれを無限龍の力と赤龍帝の力で限界を超えて一瞬(というのはあいつらの視点からであって俺は時を一時間ほど止めてた)で超強化した魔力を蹴りの1発で全て放つ。
これぞ、確殺キックである。
因みに、魔力を放射した瞬間に対象は全て(屋根ごと)消し飛んでいるので俺は次の表的であるもう1人の男に俺は視線を向ける。
「ひっ!ひいいい!化け、化物ぉ!!」
腰が抜けたのか四足歩行しながら逃げていく男。はっはっは!そんな簡単に許すわけなかろうがこの戯けめ!
ならば俺のもう一つの必殺技を持って死ぬが良い!
「
そう言いながら俺は拳を男の方に突き出す。するとそこからビームが出てきて伸びていく。そしてそのビームが上下に裂け、まるで男を食らう獣のようにその上下に裂けたもので、男の身体を地面ごと世界からえぐって消すかのように、包み込んで霧散していった。勿論その場所に男の姿はない。
男はこの世界から消されたのだ。その魂は天界にも冥府にも行っていない。さてさて……ご愁傷さま、とは言わないさ。奴らの自業自得だからな。
「うっ……」
「さぁて……一族郎党皆殺しタイムと行こうか。」
人を殴る蹴るして快感を得るようなヤツらには家族ぐるみで命はないと思え……簡単に言えば、俺のお気に入り達を傷つけた奴らは血縁は確実に滅ぶと思え。俺はそんなこと一切宣言していないがな!
「アーシア、どうだ?」
「はい……傷の方は完治しました。骨折などもしていないようですしこの後どれだけ動いても問題ありませんよ。」
一旦小猫を家に連れて帰ってアーシアに治療させた俺。どうやら何も問題ないらしい、そりゃあ良かった。
さすがに体に傷がついちゃたまんねぇからな。まぁとりあえず大丈夫そうなら一族郎党皆殺し……いや待てよ?魂ごと消してるんだから消滅の方が正しいのか?まぁいいや。
「んじゃあ俺出かけてくるから小猫の様子を頼むぜ〜」
「え?あ、は、はい……」
そう言って手を振りながら部屋から出ていく。意外にも骨は折れてないってんなら本当によかったさ。折れてたらアーシアの能力で治したとしても痛みが残りやすいんだよな。
さてさて、さっきのヤツらから実は奪っておいた財布とか携帯とかその辺りから奴らの住所は既に把握している。
とりあえず奴らの住所で家を調べて家族がいるなら場合によっては消そう。嫁や子供が娘でいい感じだったら飼う事にしよう。
親は狙わないでおくか、どうせジジイババアだろうし放っておくことにしよう。
「……お、よしよし。」
足元に飼ってる白猫と黒猫が擦り寄ってきた。何かこいつら妙に懐いてくるな。
ま、俺も猫好きだからいいんだけどな。可愛いし。
「……うーん、あいつらにも防御系コマンド与えておくか……『故意かつお互い合意していない暴力を振るわれた時に相手は死ぬ』みたいなコマンド。」
今回の小猫の様に何かしら暴力行為に及ばれることはあるだろう。とは言っても能力無効化なんて事は俺くらいしか出来ないけどな。
だがまぁ、無いよりはましだろう。もしかしたら後ろから不意を突かれて眠らされてボコボコにされる可能性もない訳じゃないしな……俺?自分で飲む分には問題ないけど、相手から飲まされても絶対に効かないっていうご都合主義コマンドがあるので問題ない。
「さて、とりあえず殺ってくるか。」
連帯責任という言葉は嫌いだが暴力奮って快感を得ているような変態になるには必ず原因があるはずなんだ。
大体そういうのって心がネジ曲がるような家庭環境なんだろうしね。まぁ、はっきり言っちゃうと八つ当たりなんだけども。女だったら確率で生きるからワンチャンあるかもしれないし(人間としてはどう足掻いても死ぬがな)
「ただいまー、オーフィスはいるかー?リリスでもいいぞー?」
だがしかし返事は帰ってこない。寝ているのかそれとも遊びに夢中になっているのか……あいつら暇を持て余しがちだしゲームを与えたんだが暇すぎて1日でクリアしてしまうしなんとも言えねぇぜったく……
「……む?物音がするぞよ……然らば然らば…」
何やら2階から物音が聞こえてくる。泥棒だろうか、それとも誘拐犯?前者ならオーフィスorリリスが気づかなかったら生き延びれるだろう。後者なら死ぬだろう。
「むむむむむ……おやおや?」
どうやら俺の部屋から物音が聞こえて来ているようだ。この家でかいから忍び込むのにも苦労しただろうに……よりにもよって金目のものなんてゲーム本体くらいしかない俺の部屋に忍び込んでしまうなんて……不運な窃盗犯だこと。
「犯人の正体………見破ったり!!」
「……にゃあ。」
「……り?」
つい変な返事で返してしまったが何故ここに小猫が全裸……では無いな、バイブに尻尾付きアナルバイブを付けて猫耳生やしているだけの小猫がそこに居た。他に何も身につけていない。
「……いや、何してんだお前。」
「奉仕、したいと思ったので。」
……いつもならばっちOKなんだけどな。今は興が乗ら無いんだよな……そもそもこいつがボロボロになったのも俺の不手際みたいなもんだからなぁ……だから今日の間はあんまりやりたくねぇって訳だ。
「いや、今日はいいってぇの……気分が乗らねぇからな。押し倒そうとしても無駄だぞ、俺以外のヤツにズボンを下ろさせないようにしたし風呂の扉は俺が入っている間は外側からは開けられない。
という訳で俺が欲しいっていうまで奉仕禁止、絶対に触るな。」
「……分かりました。」
いつの間にか部屋にはペット用のトイレと檻が設置されていた。でかさは普通のより何倍もあるが。
いつの間に部屋にこんなの設置しやがったこの堕猫。
「あなたが部屋に来る前から設置してました。」
お前アーシアのところで寝てただろうがよ。何でいきなりこんなことになってんだ。
「……怪我人……じゃあないけど大事をとって寝るなりなんなりしろよお前。」
「痛くない、怪我もない、なら寝る必要なんてあるんですか?」
……確かにその通りなんだが、折角珍しく俺が心配してやってるんだからその気持ちを受け取れよ。
今乗らないって言ってんだから自分の部屋に帰ってくれよ……
「……わかった分かった。もう何も言わねぇからせめてそこの檻の中でじっとしておけよ。」
「分かりました。」
これ以降、今日の間はずっと小猫に見張られることとなった。
見るのはいいが見られるのはやはり気分が悪いものだと……再認識させられただけだった。
今回いうほどエロが無かったですね、ほんと。