side朱乃
「……はぁ、何であの人と……」
私は家にいた。憂鬱な日だった。毎日がしんどくて、家に帰らないなんてことは無かったけれど、勉強や部活をなるべく学校でやってそして夜遅くに帰る……そんな日を悶々と過ごしていた。
門が開くかどうかくらいの早い時間に朝早く学校に行き、閉まるギリギリの時間まで学校に残る。家に付けばさっさとやることはやって早く寝た。
何かを忘れてしまっているような気がするけど、きっと気のせい……私はそう思い込みながら毎日を過ごしていた。
父親の名前はバラキエル、堕天使である。私は父親だと思っていない……恐らく、向こうも私の様な娘は知らないフリをしているだろう。
私の母親は私とそっくりだった。今の私と何もかもが似通っていて……正直、私でも違いを見つけるのが少し難しい。
と、そんなことはどうでもいいのだ。問題は、学校が終わる今の時期……これからどう毎日を過ごそうか悩んでいた。
学園は既に夏休み、つまり授業がない上に学校が空いていないのだ……正確には、部活で使う以外に部屋が空いてない&開けられないというところだが。
「……毎日、どこかに出かけるにしても……」
最近、さらにあの人に近寄りづらくなっていた。厳格だったあの人……しかし、それはあくまでも昔の話。仕事はちゃんと出来ているみたいだが、家での生活が日に日に悪化していっていた。
帰ってきてからはビールを何本も飲み、買ってきた弁当などを食べてそこら辺に捨てて自分は汚い部屋で寝る。私に被害が及ばないようになっているのは最後の良心がそうさせているのかは分からなかった。
だが、日に日にやつれてやさぐれていってるような気がしているのは恐らくは気のせいではないように思える。そして、たまに私を見かけた時はぼーっとこっちを見ていて薄気味悪かった、余計に離れていたくなってしまった。
「……ともかく、お金は充分にあるから……どこかのホテルにでも泊まりに行ければ……」
カプセルホテルで半月は過ごせるお金はある。食べ物も最小限にすれば悪魔の仕事などで稼げるお金でやりくりができる。明日からは本格的な夏休み……私がカプセルホテルで住み込むのも、明日からである。
「……今日はもうそろそろ帰りましょう。ご飯も無かったし……私の分だけ買って帰るとしますか……」
既に夜の八時を回ってしまっているが、スーパーならまだギリギリで閉店はしていないだろうし大丈夫だろうと私はそのまま勉強を終わらせて帰ることにした。
少し時間をかけて帰ればあの人は寝てしまっていることだろうと……そういう思いを胸に期待しながら学校から出ていくのであった。
「……家の電気は、消えてるわね……」
警戒しながら私は家の周りをぐるっと回っていた。いつも行っている事だったけれど、何故か今回は無性に不安に駆られていた。
寝ているはずだから人の気配はしないはずなのに何故ここまで怖く感じてしまうのか。
子供の頃に感じた物の陰から、見えない死角から、何かの後ろから、『実は何か出てくるんじゃないのか?』と感じていたあの恐怖感を今更ながらに味わっていた。なぜ感じるのかは分からない、けれど何故か気のせいだとは思えなかった。
「……?」
家の扉をゆっくりと開ける。しかし、どこにも電気がついている事は無かった。私は余計に怖くなった。自分の家なのに自分の家じゃないかのようなそんな感覚。
音を鳴らさずにゆっくり靴を脱ぎ、扉を閉めて、床を鳴らさないように摺り足で周りを伺いながら進んでいく。
私は自分の部屋へと即座に行きたくなった。しかし焦ったら何事も成功しない。私はゆっくりと自分の部屋まで向かって、扉をゆっくりと開ける。悪魔なので夜目が効くことをいいことに、誰もいないことを確認してから扉の音を出さずに入る。
流石にあの人ももう寝たのだろう……そう思って服を脱ぎ始めた途端に、私は急に何者かによって口を抑えられ何かの薬を嗅がされる。
そうして倒れた私の目には、見慣れたあの人の姿で、見慣れない必死な顔つきをしたあの人の顔が目に映っていた。私にはそれがとても印象的に残ったが……意識を失った私を前にしてする表情ではない、ととても怒りたくなったまま……私は眠らされたのであった。
「……ここ、は……?手も、足も……動かせないし……頭もいまいち働かないし…何が、あってこんなことに……」
動かない頭をなんとか働かせて、私は何が起こったのかをよく思い出そうとする。まず自分の部屋に入ったことまではちゃんと覚えている。
けれど、そのあとに誰かに押さえつけられて眠らされてしまって、その時のことが曖昧になってしまっていた。つまり、私は犯人の顔がぼやけているのだ。
「……服、は脱がされてないのね……けど、何で私の家に……」
不法侵入者、この家に入ることが出来たとしても全く気配を感じさせないのはおかしい。床は板と板を組み合わせているタイプのものでいくら新調したとしてもよほどのことが無い限り音がならないなんてことはありえない。
つまり、いきなり私の後ろに現れたか、床に足をつけていないか、この家の床を鳴らさないように歩ける……つまり、家を歩くのが手慣れている人ということになってしまう。
そして、それらの条件すべてに当てはまる人間は一人もいない。そう、『人間は』1人もである。
「……きっと、隠れて見ているのでしょう………バラキエル……!貴方くらいよ、こんな、こんなこと出来るのは……!」
私がそう言うと奥の影から堕天使バラキエルが現れる。家に慣れていて、足をつけずに宙に浮いたまま移動が出来て、転移を使うことで私の後ろに突然現れることの出来る人物はこの人しかいない。
けれど、私は心の中でとても疑問に思えていた。『何故こんなことを?どうして?』という気持ちが、嫌悪感と一緒に溢れ出てくる。
嫌いだったけれども、その性格は認めていた、やっていたこともこなしていたことも、全て理解しているつもりだった。けれどやっぱりこうする理由はわからなかった。
「黙ってないで……何か言ったらどうなの?実の娘にこんなことをしておいて……許されるわけ━━━」
「……娘?何を言っているんだ
「……は?」
私は開いた口が塞がらなかった。朱璃というのは私の母の名前、そして今それを目の前の人は私に向かって言った。
それを私は頭で処理しきれていなかった。私の母親はもう既に故人である。だからその名前がこの家で出ることは、ましてや私に向けていう言葉でも無かった。
「な、何を━━━」
「そう言えば朱乃はどこに行ったんだろうな……こんな時間まで……お前からも何か言ってやってくれ。
あんなに顔も体つきも似てきているのに性格だけは殆ど似なくて困ってるんだ。」
私は困惑していた、こんな状態になるまで彼が壊れていること自体に恐れながらも困惑していた。
「……ところで朱璃、今日は珍しく誘ってくるのだな?
しかも自分の体をそんな風に縛り上げて……なるほど、今日はいつもと違うプレイを楽しもうというわけだな?」
「なっ!?」
自分でしたことすらも忘れるほどに都合のいい脳みそになったのか、と憤りたくなってしまったが、それ以上に今は実の血縁関係のある父親に犯されそうになっているこの現状をどうにかしないといけなかった。
しかし、両手足の拘束は外れない。むしろ外そうとすればするほどに傷んでしまう。
「……む?胸が大きくなっていたのか?こんな年になっても成長はするものなのだな。」
「ひ、ぐっ……!いだ、いだっ……!」
近づいてきて、私の胸を服の上から乱暴に揉むバラキエル。しかし、どういう訳か今のこの状況を『そういうプレイ』だと思い込んだ私のそんな悲痛の言葉も届いていないようだった。
「こんな朱乃のところの制服を着て……随分と変態プレイがしたいと見える……いつもは受けの側だが……たまには攻めも悪くないだろう。
ならば……こんな服は、こうだ……!」
そう言いながら私の服は下着ごと破り捨てられた。すぐに私は全裸も同然の格好となってしまっていた。
しかし、羞恥心よりも、目の前の男からどうやって逃れるかのことしか頭になかった。
「い、いや……やめ、やめ……!」
乳首を引っ張られ、足でおま〇こを触られいじられ続ける。普段こういうことをするのは私なのに、まるで普段の素っ気ない態度のせいでやり返されてしまっているような感覚になってしまう。
そのせいか、より惨めになってくる。嫌ってはいても尊敬はしていたが、その尊敬すら、信用すらも意味をなさないと言われているような気になってしまう。
「ほう……なんだかんだ言っても濡れてくるものなのだな……ならば、こういうことは早めに入れる方がいいだろう……激しくいくぞ……!」
「ひぐぅっ!?ま、待っ……まだ、濡れて、無いのにぃ……!」
濡れていると勘違いしたバラキエルが私の中へと入れてくる。実の父に組み伏せられて犯されるなんてこれほど惨めなことはないだろうと私はとても泣きたくなってしまった。
「ほう……お前がそういう泣き顔を見せるのは初めてだな……いいだろう……もっとそういう顔を見せてくれ……!」
「ひぎっ?!は、激しいのはぁ……やぁ……!」
何かに興奮したのか、バラキエルは腰を打ち付ける速度を早くする。私にとってはそれはただ痛いだけの行為だった。
けれど、そんなことを考えていてもバラキエルがやめる訳では無い。
「何故だろうな……今なら何度でも出せる気がするぞ……!」
そう言って高速で打ち付けてくるバラキエル。私が生まれてからご無沙汰だったみたいで、すぐに限界が訪れてきたみたいだった。
「出すぞ出すぞ……!」
「ひっ!?い、いや……中は、中はダメぇ……!」
「もう我慢出来ん……!」
そう言ってバラキエルは私の中へと精液を吐き出した。私は絶頂することは無かったものの、中に出されたショックで放心してしまっていた。実の父親に、母親と間違われてレイプされる……そんなのでショックを受けない人間は居ないだろう。
私も、そのショックを受けていた……けれど、男の性欲というものは簡単には晴れないらしく……
「そういう顔もそそるものだな……しからば、もっとしてくれようじゃないか。」
「ひっ……!?い、いやぁぁぁぁぁあ!!」
私の絶望は、まだ終わらない。取り戻すことのない理性と冷静さをバラキエルが取り戻してくれるのを待つしかない……つまり、もう二度と戻ることがないのだ。
side金男
「朱璃、朱璃……!」
「ひぁ……ぁ、ん、んん……!」
時刻は朝八時を過ぎております。何10年ぶりってレベルだから何発もやりたくなるのは仕方ないとはいえ、流石に10時間くらいぶっ続けでし続けてるのには驚いた。
俺も多分それくらい続けられるんだろうけど、精神的にそんな長い間一心不乱に腰を打ち付けることは出来やしない。
そして、何時間も犯されたせいで朱乃は反応が薄くなってしまって目に生気が宿ってなかった。まぁ実の父親に何時間も犯されてしまったらそうなるわな。
「また出すぞ朱璃……!」
「ぁ……」
にしても、朱乃の記憶とバラキエルの記憶を戻して同棲させるとこんな感じになるみたいだな。
バラキエルは自身の妻である姫島朱璃と娘である朱乃を見間違える。そしてその勘違いから娘を犯し始める。感じ始めたら今度は『やはり朱璃だった』みたいな勘違いを起こして勘違いスパイラルが巻き起こってしまう。
「……堅実である真面目な堕天使は、簡単なことで心を壊して娘を犯すのであった……って感じか。
ま、見たいもんが見れただけでも良しとするか。」
俺がコマンドでそうしたのだ。そしてどうなるか観察した。やはり何年も行為をしていない人間、しかも娘が嫁に激似とくりゃあもう襲わない手はないってな。
「……まぁ、しばらく監視カメラここに設置しておくから良いかな。」
俺はカメラだけ設置して踵を返して帰り始める。たまにはあんな感じの絶望に歪んだ朱乃の表情もいいもんだ、みたいなことを考えながら帰るのだった。