※この作品はR-18です。

チートコマンドを使う少年の物語   作:長之助

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天界や教会のその前に!


白き鎧は何者をもはじき返すのか

シスター・グリゼルダ。

三同盟が築かれる前は悪魔や堕天使、それに悪霊等の『人類の敵』を数え切れないほど屠った猛者である。彼女の強さは天界、教会においても噂になるほどの実力者である。そしてゼノヴィアが唯一頭の上がらない…………というか恐らく苦手な人物であるらしいが……実際に遠目で確認してみたら俺もこいつだけは苦手分野だと思える様な性格の持ち主だった。

俺はまず天界に行きたい、だが天界に行く為に邪魔な存在とも言えるのがこいつである。だからこそこいつを手中に収める事が出来たら本格的に動こうと思っていたのだが…………

 

「お前が…………黒歌を倒した男か?」

 

何かいる。

銀髪で黒い上着を羽織っているイケメンが俺の前で立っている。いや誰かは分かっている。こいつが例のヴァーリとかって言う男か。

だがこいつの能力は把握している、相手の力を半減してその力を自分の手中に収める。キャパ超えした分は排出されるという便利な力だ。だがその力では俺に勝つ事は出来ない。さっさと時止めをしてーーー

 

 

白龍皇(バニシングドラゴン)禁手(バランスブレイカー)!!』

 

「開幕鎧かよ!!」

 

だが遅い、一瞬でも間があれば俺は余裕で時を止める事が出来る!

 

「ふんっ!」

 

「うごぉ!?」

 

気が付いたら顔面を殴られて吹っ飛ばされていた、何に? ヴァーリにだ。俺が時止めをする前に殴ってきたってことか? つまり今俺は時を止めれてなかったのか?

というかこいつ真昼間から襲ってきやがった。人に見られたらどうするんだ全く。

 

「ちっ…………速すぎんだろお前…………」

 

「普通に殴っただけで結構なダメージを入れた様に思えるが…………それに手応えもあったはずだ。何故お前は傷が治っている? 確かに歯の二、三本以上はへし折ったはずなんだがな。…………なるほど、圧倒的な回復力の持ち主というわけか…………だが弱いな…………あぁ分かっているさアルビオン、今鎧を外す訳にはいかないのは俺も分かっている」

 

…………? 今誰と喋ってた? もしかしてあいつの中にいる龍とでも喋っているのか?

アルビオン…………それがあいつの龍の名前か。

とりあえず起き上がろうとするがあいつに牽制されてるせいで動き辛い。右に動けば右に、左に動けば左にと恐らく不用意に動けば俺の頭はザクロの様に飛び散る事になるだろう。参った………………しかも今ちらっと聞こえた話から察するにやつは鎧を外すと今はヤバイらしい。…………もしかして俺の力、とりあえず時止めだけ能力バレしてる可能性が出てきたな。

 

「…………仮にそれが本当だとすれば……」

 

…………俺は敢えて時止めを解除する。それに気付いた様子は特に無いが途端に構えを取り出すという事は認識はしているはいる様だ。

俺の時止めをどうにか感知して鎧を着込む。何故か時止めをしても鎧を着込んでいるあいだは通用しないらしい。あくまでも憶測だが…………この警戒のしようは…………

 

「お前…………時を止められていても動ける能力があるのか?」

 

「………………アルビオン、お前が余計に話し掛けてくるからだぞ。仕様がバレているみたいだ」

 

あぁ、やっぱり正解だったみたいだな。鎧になんか仕掛けをしてあるっていうのは分かりきっているんだけど…………俺のコントローラーが効かないのかそれとも時止めだけが効かないのか………………多分後者なんだろうな。

前者ならおそらく俺が驚いている間に一撃で終わらせるはず…………だがこいつはあろう事か手加減して殴ってきた。つまり『俺の能力に何かしらのカウンタースキル』があると考えてたと思う。本当にコントローラーが効かないとすれば初手でそのまま殴り殺したりしてきてもおかしくなかった。

だがこいつは俺が時を止めること前提で殴ってきた。だが今はその時を動かしている、どういう事か? 今は真昼間だ。大きな音でも立て様ものならすぐに野次馬や警察が来る事だろう。そうなった場合困るのはこいつの関係者、兵藤に問題がいってしまう。問題に悩まされて修行不足云々が起きればライバルのこいつは多分よく分かんない理由で悔やむから…………もう面倒臭い。

簡単に言えばこいつは自分のライバルが弱くなってしまうと考えるんだ! 謎理論だけど!

 

「…………で? 俺はあんたを噂話でしか聞いた事がないからよく分かんないが超の付くほどのバトルジャンキー…………戦闘狂だって聞いてるぜ。仲間より戦いを優先したがる様なやつってな」

 

ちなみに冒頭の黒歌に関しては話題に上げない様にする。これでまだ話題に上げてくる様ならともかくな。と言うかこいつ誰から黒歌のこと聞いたんだよ…………覚えのある人物は大体俺の支配下にあると思っていたが…………いや、オカ研がいたか。だがあいつらがこいつ1人に任せっきりにするって言うのも考えられない。

じゃあ誰が…………っておい待て、こいつのパーティはあと二人男がいたはずだがそいつらはどうした!?

 

「…………まぁ確かに、そう思われていても仕方が無いのかもしれないが……()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ーーーへへ、俺っちの事まるで眼中にねぇもんで悲しいぜ」

 

戦闘なんて片手の指でも充分足りる程しか戦って無いのに咄嗟の危険察知能力(所謂直感)が働いて何とかギリギリその場を避ける事が出来た。直前まで俺の顔があった位置に棒が勢いよく振り下ろされて地面にヒビ割れを作っていた。いやはや恐ろしい威力の棒だな。

 

「悲しいと言ってる分には嬉しそうだな…………にしても、美候の変化を見破っていた訳では無いのに直前に避けれるとはな。ある意味では何かを避ける天才なのか?」

 

「おいおいヴァーリ、そりゃどう受け取っても皮肉にしかなってねぇよ」

 

美候…………思い出した。リアスが(何故か憤慨しながら)説明してくれたヴァーリの仲間だったよな。名前完全に忘れてた。確かあの孫悟空の子孫なんだっけか? つまりあれは如意棒か…………有名だが良く良く考えてみればリーチがほぼ無限の武器を持っている事になるのか…………にしても、こいつまでここにいるという事は後一人がどこかに隠れているはず…………

 

「ふ…………流石に俺達の事を知っている様だぞ美候、『あいつ』に頼まれて探しているが存外こっち側の情報が流されてるに違いない。恐らくは協力者もいる事だろう。この男は早めに潰しておくに越した事は無い」

 

やべぇ、このままだと俺消し炭にされる…………しょうがない。時止めが効かないとなると魔法陣で飛ぶしかできないな…………一応緊急の転移術式の札はいつも靴底に入れてあって魔力を流すだけで起動出来る。今回は不意打ちだったからな…………次戦う時は弱点を突いて倒してーーー

 

「…………あれ?」

 

「どうした? 逃げようと思って逃げられないのがそんなに不思議か?」

 

…………まさか、結界か! 結界に閉じ込められてるから飛べないのか!? というかいつこいつら結界を貼ったんだ!? 全然気付かなかったぞ!?

………………そうか、あと一人足りないやつはこれの制御に回してるって訳か、姿を表さないのがそうだとすると納得もいく。そんでもって結界内だから恐らくは人避けも完璧だろうし…………そりゃ鎧展開しても問題は起きないな。下手をすれば何をしても誰にも気付かれずに俺を殺す事が可能になる訳だからな…………やられた、が……結界の規模によってはリアス達が俺の救援に来る可能性が高いはずだ。俺を閉じ込めるだけでは意味が無い、なるべく誰にも見られずに聞かれずに俺を始末しないといけない。すると必然的に結界も大きくなってくる(中身を聞かせず見せずの効果を持った結界があるなら話は別だが)

だからこそ、結界が大きければリアス達がおかしいと様子を見に来る。そしたら兵藤もついて来るだろうし、たどり着いてくれさえすれば後は俺が被害者ぶってオカ研の影に隠れれば…………悪いのはあいつらになる。

 

「言っておくがリアス・グレモリー達は来ない。俺がそうしたからな」

 

…………なるほど、だが大方こいつらを指揮してる存在が手を回しているといったところなのだろうが…………流石にそれだけで来ないと言い切るのは考えが及んでいないぞ?

 

「注意した程度で来なくなる訳無いだろうに。あいつらは…………特に兵藤一成は正義感のある熱い奴だという事は俺も重々承知だ。だがお前らがなんと言おうともお前らより上のものがなんと言おうともあいつらは自分の正義感に則って動く。どれだけ権威が強かろうとも周りがおかしくなってて一人だけ真面目なのがいたとするならばおかしいのは真面目な方だ、自分の正義感を振りかざすやつはきっとここに来るさ…………俺という敵を守る為にな」

 

俺の言葉に口を閉ざすヴァーリ、俺の言葉を戯言と受け取ったかそれとも正論で言われて何も返す言葉がないか…………そこまでは流石に分かりかねるのだがまぁ聞いてはくれた様だ。

 

「………でだ、俺は常に誰かと通信して喋っているんだけど会話途中で切れた以上直前まで通信していた場所を嗅ぎつけてここに来るかもしれないぞ? まぁ間に合うかどうかはこればっかりは運だけどな」

 

因みに通信していたなんて全くのデタラメ、嘘っぱちである。けどあれからグレモリーの時の一件で俺に何か起きた場合において黒歌やルフェイが俺の様子を見てくれている。それが急に、しかも街中のど真ん中で消えたとなるとあいつらはきっと不審がるだろう。そしたら暇している誰かを連れて来るに違いない。

………………よくよく考えたら平日だしこの辺りだとベンニーアくらいしか来れないんじゃないのか? 今何時だっ…………時計身に付けてないんだった。

 

「ふーん…………なぁヴァーリ、こいつの言ってること何割が真実だと思うよ?」

 

「例え全て真実だとしても…………今ここで消してしまえば問題は無いだろう…………肉片の一つも残さない為には魔力では無く完全なる消滅を持って消してやらないとな」

 

やっべ、そろそろ本当に殺される…………結界内だから下手したら復活すら危ういかもしれんし…………しょうがねぇ、最後のとっておきの策を使おうか。こんな奴らには勝てないし唯一残されてる策を使うしかあるまいて。

 

「…………逃げるっ!」

 

「逃がすか『伸びろ如意棒!』」

 

「うげぇ!!」

 

逃げだす、背中をど突かれる、顔面からすっ転ぶ。見事な三コマを見た気がする。って言ってる場合じゃねぇよ!!

 

「いいぞ美候、少しの間頼むぞ。『我、目覚めるはーーー』」

 

あ、何か詠唱しだした。なんだっけ? 二天龍にのみ許された技なんだっけ…………って余計にやばい! 確かその技で半減されると凄い速度で体の体積を半分にされていって最後に消滅するやつじゃねぇか!!

 

「き、緊急回避!!」

 

「げっ!?」

 

咄嗟に俺は魔方陣を使って下に潜る。あいつらにはきっと魔方陣を介して俺が結界内のどこかに移動したもんだと思っているだろう。だが残念だったな。俺は今………………『地面の中にいる』

こらそこ、某ゲームのフレーズパクったとか言わない。不死にしか出来無い芸当なんだから許してくれ。動けないけど。

 

「…………なんだ、逃がしたのか美候」

 

「仕方ねーだろ! 魔力を使うのが苦手って聞いてたのに咄嗟に結界内のどっかに飛ぶなんて思わねーよ!」

 

「大方、民家の中かその辺りだろう。修復はミカエルがやってくれると聞いているからまぁ治せる範囲内で壊して探せばいい」

 

「壊すのは前提なのな」

 

すげぇ物騒な会話してるけどうまく勘違いしてくれた様でよかった。地面の中にいるだなんて普通は思わないだろうな、窒息死か最悪圧死するのが普通だからな。

…………さて、そろそろ離れたか? 足音が遠くなっていってる感じはするし…………まぁ遠ざかっていても出方が入ったところからしか出られないっていう制限が掛かっているんだからすごく慎重になるんだけどな。

 

「ふぅ………………何とか出れたか。にしてもあいつにどうやって勝つべきか…………」

 

そう言えば…………鎧の展開も無しに俺の事が見えてたんだよなあいつ。いきなり過ぎてそっちの事すっかり抜け落ちてた。どうやって俺を見ていた? 俺は解除したつもりは無いから恐らくは美候にも…………あいつは猿だし、孫悟空の子孫って所から考えて何か別の見方でもあったんだろうな。黒歌や小猫も仙術を使えば俺の事を認識出来てたらしいし。

そう言えばサーゼクスも魔力のオーラを広げて俺の事を認識しようとしていた。知らない間に結界が貼られていた事も考えるともしかして魔力で俺の姿形を認識していたというのか? 声も聞こえないのに聞こえていたのもよく分からん。

魔力って言うのは空気とは違うしもしかしたら音として認識できる様な状態になっていたという事か? まぁ仮説としてはそんなもんか。

 

「次、アイツの倒し方」

 

猿は問題無さそうだ。あいつには時止めが効くし最悪コントローラーでなんとかなるから無視しても問題無い。問題はヴァーリだ。

時を止めても何故か動ける、コントローラーの大きさを半分ずつにされそうなんで辛い。最悪俺も消滅させられる可能性だってある。

勝てそうにないんだよな…………真っ向からの勝負だと。

けど俺もただ半分にされても再生すると踏まえて向こうは例の技を使おうとした。あいつの神器には確か今までの白龍皇の魂があそこに入っていて、それを力でねじ伏せた事によって強力な力に目覚めたんだったな…………そして全員尻好きだと聞いている。意味が分からない。

そう言えば、もともとあった技を強化したから詠唱を変えたんだよなあいつ…………と兵藤は。

元々は確か…………神器の中の怨念達に則った破壊の権化となる呪文は…………

 

「『我、目覚めるは覇の理に全てを奪われし二天龍なり

無限を妬み、夢幻を想う

我、白き龍の覇道を極め

汝を無垢の極限へと誘おう』…………そんなおぞましいものでもないよなこれ」

 

因みに何故か知っていたレイヴェルに覚えさせられた。腹いせに気絶するまで犯した。

それはさておき、この呪文…………と、まだ中にいる魂達の怨念をどうにかして呼び戻せれば…………いやもういっそ俺がそれ以上の怨念を………………よし、この作戦でいくか。

かなり危ない橋を渡るがなんとかなるだろう。

 

「ヴァーリ…………殺す訳じゃないがお前の最後だ…………!」




因みに結界は地面の下にまで張り巡らされていないという仕様で出来ております
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