なんだかんだ言って復活させちゃいました。しかし前編です。
sideレイナーレ
「ーーーはっ!? こ、ここは………………」
目が覚め、気付けば私は見覚えのある様な無い様な…………そんなところにいた。というのも記憶が曖昧になっている…………何故私はこんなところにいるのか、どうしてこうなっているのかが良く思い出せない。
「う、うぅ…………」
「う…………ん………………」
「…………ミッテルト? カラワーナ……?」
そして聞き覚えのある部下の二人の堕天使の呻き声を聞き、どうやら彼女達もこのよく分からない場所に飛ばされていたのだ。
にしても…………私は何故ここにいるのか。そもそも確か私はアーシア・アルジェントの治癒の神器を奪おうとして…………!?
「お、思い出したわ…………私はあの時あのリアス・グレモリーに消し飛ばされて…………え…………? なら、ならばどうして私は生還している……!? それにこの二人もドーナシークと一緒に消したとあの女は言っていた…………ならば、何故私達は一切傷一つ無く生きている…………!?」
あの時奪った治癒の神器がその後発動して自動修復して蘇った? いや、もしそうならばこの二人がここにいる説明にならない。それにあの時あった治癒の神器があるという感覚が無くなっている。と言う事は神器は奪い返された可能性が高い。
ならばここは冥府か? 考えとしてはそれが一番近いだろう。だがこんなにも一般的な……というより、人間界に近い作りになっているのか? どう考えても違う。冥府がここまで平凡なはずでも無いだろう。
「…………とりあえず二人がなにか知っている可能性もある、さっさと起こして現状を聞かないと」
明らかに異常なこの事態、一体私達に何が起こったのか…………それを探らないといけない。
「ほら、起きなさい二人共…………!」
とりあえず私は彼女達の頬を軽く叩いて無理やり起こさせる事にしたのだった。
「……つまり、貴方達もなにも覚えていない…………という事ね?」
「そうっす、あのリアス・グレモリーとかいう悪魔に滅びの魔力ぶつけられた辺りで記憶が途切れてるっす」
本当に使えない…………まぁでも、これで確定したのは誰かが私達になにかして助けたという事は理解出来た。仮に私達が一度死んだとして、それを蘇らせれるほどの力を有している人物なら…………アーシア・アルジェントのよりよっぽどいい、何せ本当に死ぬ事を恐れないで済むのだから。
「レイナーレ様悪い顔してるっすねぇ〜」
本来ならぶん殴っているところだが生憎そんな能力の持ち主を見つけたから機嫌がいい、だから今回だけは見逃してやろう。
「しかし、そんな力の持ち主だとすると私達で勝てる気がしないな。それに私たちの事をどうやって知ったのかも気になる」
カラワーナが妙な心配をしているが今気にしてもしょうがないだろう。そもそもそれを知ったところで私たちにはどうしようも無い。重要なのはその人物の能力をどうやって奪うか、という事だ。
男ならば誘惑すれば容易い事だろうがその人物が女性の、しかもノーマルだった場合は女である私に篭絡させるのはかなり難しい事態になるだろう。こんな事をしておいて初心な貴族娘では無いのは明白だ。もしただの初心な貴族娘ならば篭絡させるのも容易いが流石にそれは都合が良すぎる。
「……まぁ、会ってもいない相手を篭絡させるだとかの事を今考えていてもしょうがないわね。
兎も角ここはどこかの人間界の住宅街っぽいし私とカラワーナは服装を変えましょう」
「あれ? 私はどうすればいいっすか?」
「あなたは色々ちっこいしその服装で十分通用するでしょ。私なんてこの格好だと悪目立ちしてしまうから目立た無い様にする必要があるのよ。カラワーナももうちょっと服装を普通の人間界のに近付けたら問題無いと思ったのだけど」
今のこの服の方が着慣れていて楽なのだが…………しかし、悪目立ちして変な野次馬でも集られたら私達をここに甦らせて捨てた謎の人物に会う前に色々と面倒な事になる。人間界の常識に合わせるのは癪だがこれも私達の為だ。とりあえず見た目だけを変えよう…………そう思って一時期使っていた『天野夕麻』の姿になろうとする。だがーーー
「…………? おかしいわね、力が出ないわ…………」
「…………私もです。翼は出せるものの…………何故か姿を変えようとしても何も起こらない。まるで空っぽになってしまったかのような…………」
私とカラワーナが姿を変えようと体を光に包む……………が、その光は途中で霧散してしまいそれ以降どれだけ練ろうとしても何も起こらなくなってしまった。
「え、二人共どうしちまったんですか…………力が使えないなんてそんな…………あ、あれ? 私も使えないっす…………!?」
そして私とカラワーナが使えないのを見て若干ビビったのかミッテルトも光を使おうとするが集まって霧散するならともかく集まりすらしないという事が起きていた。ということは予め翼以外の能力を奪われていた…………? そうなると結構面倒臭いわね。
「姿が変えられないとなると…………私たちの姿を見たやつを片っ端から消していく事になりそうだけど…………それも殴る蹴る、といった筋力に頼らないといけないのね」
普通の人間より身体能力のスペックは悪魔や堕天使などの人間の見た目をしていながら人間じゃない種族は総じて人間を筋力だけで余裕で殺せるくらいの力は持つ。
だがこの姿を見られるのが人間なら即座に殺していけば白昼の大通りでも無い限り騒ぎが起きる事も無いだろう…………問題は、堕天使以外の種族に見つかる事だ。今の何も力の無いこの状態で出会えば良くて拘束、悪かったらその場で始末されかねない。
「あ、あのレイナーレ様…………私達がもし悪魔達に見つかったらどうなってしまうんすか」
本能的に恐怖をしているのかミッテルトが少し震えながら私に問い掛ける。まぁ、ミッテルトの言う事も分からなくは無い。抵抗するだけの力があるならともかく悪魔や天使に見つかった場合…………天使ならば問答無用で消しに掛かるが悪魔だとどうなるか…………
「…………天使ならまず消されるだけ、けれど悪魔が相手だとすると消されるよりも前に死ぬより辛い目にあうかもしれないわね」
「し、死ぬより辛い目って………………」
無論そこまで言えば彼女も分かる筈だ、というよりこの顔は分かっている顔だ。
敢えて同族に捕まった時の事は言わないが…………私達が悪魔に見つかった場合、殺される以外の選択肢……陵辱、レイプ、持ち帰られての監禁行為、ヤバイ薬を打たれての性行為、拷問レベルのSMプレイ、それらを総じての調教行為の末の奴隷として売りに出される。最悪の場合死なない様な肉体改造をされて四肢を切断されて…………これは考えたくないわね、吐き気がしてきたわ。そんな事になるのは勘弁だわ。
「…………とりあえず飛ぶ…………のは今昼間みたいだし駄目ね。黒い翼が目立ってしまうわ。かといってこのまま歩こうものなら私とカラワーナの格好が目立ってしまう…………ミッテルト、ちょっと何人か連れて来なさい」
「わ、私っすか!? い、今一人で出歩くのはちょっと………………」
「貴方の格好ならただのコスプレで通せるのよ。そんな喋り方じゃなくて適当な欲求不満そうなトロそうなオタク男をここに連れてきてくれるだけでいいのよ。そうしたら私かカラワーナが情報聞き出すんだから。今の私達に必要なのは情報よ、その次くらいにお金が必要になるかもだけど…………っ! 誰か来たわよ」
そうやって話してる間に誰かの足音が聞こえてくる。よく気付けたものだと思ったが今ここに近付いてきているのはただの一般人かそれとも……私達を捨てた奴らのどちらかだ。
もし後者なら…………とりあえず塀を飛び越えて相手をミッテルトに任せてみましょう一般人なら問題は無いのだろうけど。
「カラワーナ」
私が声を掛けるとカラワーナも軽く頷き私と一緒に塀を飛び越える。もし私達を捨てた人物だとしたらミッテルトに近付いた瞬間不意打ちでその首をへし折ってやる…………!
「え、ちょレイナーレ様ーーー」
「…………何してるんだい?」
見つからない様にこの場に来た人物を確かめようと顔だけ塀から出す。声からするに間違い無く男、だがまだ安心は出来ない…………見た目はどうにも人間っぽいがよくよく考えてみればここまで人気が無かった場所にピンポイントで私達を見付けて声を掛ける、というのが既に怪しく思えてくる。ちゃんとやりなさいよミッテルト…………!
「あ、その…………ご、強姦魔に私達襲われて…………何とか私だけ逃げて来たんですけど…………その、姉達を助けて欲しいっす! ふ、服が無くて困ってるんす!!」
…………まぁ確かに服も必要だけど、今一番欲しいのは情報だって言ったのに…………けどまぁ、もう服でいいだろう。あの様子だと街中に送り出して情報を集めさせてくるなんて難しそうだ。凄い焦ってしまっているしね。
「ふーん…………なるほど、それは困ったね」
そう言いながら男はミッテルトの肩を手を置く。って肩といっても何というか……ほぼ首ね。首と肩の間くらいの位置に手を置く。
「あ、あの…………ちょっと…………」
ミッテルトもこれには困惑している……当たり前だ。自分よりも(見た目だけなら)そこそこ年上の奴にセクハラ紛いの事をされてるのだから。もしかしてロリコンというやつかしら? となるとミッテルトは運が悪かったわね。けれど…………今ここでミッテルトを使えなくさせられるくらいならこの男を…………始末しなければならない…………
「………………ソイヤァァァァ!!」
「っ!?」
男は突然の叫び声と共に肩に置いた手を下へ思いっきり引き下ろす。手で服を掴んでいたのかそのまま服も破かれる。ミッテルトはあまりの事態に反応が遅れてしまった様だがすぐに冷静になり男の頭を掴もうと腕を伸ばす。堕天使の力なら人間の頭は簡単に粉砕出来るだろう。そして私達はその成り行きを見守る為に未だ隠れている。
「おっと危ない、服を破いた程度じゃダメか……にしても簡単に破けるとはいえ服があるのは面倒臭いな…………何で服が存在する事になってんだか…………やっぱりイメージ図だと服も再現されるのかね」
「は、離すっすこの変態!!」
だが、男はミッテルトの動きを読んでいたのか腕を掴んで動かせない様に引き寄せていた。掴んだ腕を持ち上げられてもう1本の腕で腹とミッテルトのもう片方の腕も拘束されてしまって身動きが取れない様だ。
だが掴んだ瞬間に私とカラワーナは同時に飛び出す。こいつからは情報を得ずに殺してしまおう。ここでミッテルトを使い物にさせられなくなるのはゴメンだから。
私とカラワーナが後ろから腕を伸ばしてその頭を掴もうとーーー
「ーーーんぶぅ!?」
「お、やっぱり反応はするんだな」
気付けば私は口の中一杯にナニかを入れられていた。さっきまで無かった目隠しを付けられ、手は後ろ手に縛られていて……そして先程からしきりに私の口の中を性臭と小便の臭いがする何か棒の様なモノを前後させられていた。なにか変に生暖かくて男臭く棒の先からしょっぱい味のする液体が出てくる…………そして私の頭上からさっきの男の声がする。
…………まさか、まさかこれって…………
「いやあ、まさかすぐそこに隠れてるなんてな。普通なら即殺されてるんだろうけど力なんてほとんど使えない様にしてるからほんとにもう隙だらけ。で、どうだ俺のちん〇の味は」
ーーー男の性器!! 今私はこいつに頭を掴まれて無理やり咥えさせられてる!!
「ーーーな、なんすかこれぇ!!」
抵抗しようとしたところでミッテルトの声が聞こえてくる。彼女も何かされているのだろうか。とてつもなく驚いてるみたいだけど…………って今はそんな事よりこの汚いものを早く噛み千切ってやらないと……この男をブッ殺す為に…………!!
「言っておくが…………
そんな余裕も今の内ーーー
「あー…………ほら出すぞ、
「んぎゅう!? んぐっ、んぐっ…………!?」
噛みちぎろうとした瞬間、運悪く奴は私の口の中に精液を出しやがった。いや、それだけならまだいい………………
すると、漆黒だった私の視界に光が入る。
「んっ…………なっ…………こ、これは…………!?」
そこにあったのは服を全部脱がされて頭からつま先まで精液だらけになってるミッテルトと、ギャグボールと目隠しを付けられてその肢体を見せびらかす様に電柱に括り付けられて、何やら色々なモノを付けられているカラワーナの姿があった。
「ようこそ…………いや、ご復活おめでとう堕天使の諸君。今日から俺がお前達の主だ」
そして、私達の目の前には例の男が満面の笑みで私の視界にその表情を写していた。私は気を失った覚えは無い。
「ご、ご主人様…………なんて…………笑わせてくれるじゃないの!!」
幸い足は拘束されていなかった。手だけを拘束すれば堕天使を封じ込めると思ったら大間違いよ!! その無駄にデカい棒と金玉蹴り潰してーーー
「っ!?」
「どうだ? 攻撃出来ないだろ? というかそもそも攻撃出来ないって言ってるのに話を聞かないんだなお前。そんな猪だから負けるんだよ」
ど、どういう事…………明確な殺意と敵意を持って私はこいつの金玉を潰そうとした…………けど出来なかった。これ以上足が動こうとしない…………!
「お、お願いします…………なにか貴方のお怒りに触れたのならそれは謝罪いたします…………だ、だからどうか私を許してください…………!!」
怯えた目と声音を『天野夕麻』と同じ様にして謝罪をしながら媚びる…………少し腹が立つが今はこうでもしておかないとまず間違いなく殺られる…………! 折角復活してまで拾った命…………ここで無駄にしていい訳が無い…………!
「へ? 許すも何も元からお前らのやった事に興味無いよ。
そもそも俺がヤリたいのはお前らをブチ犯して俺の牝奴隷に加えるってだけで蘇らせただけなんだから。
自分達の力量すら測れずに喧嘩を売ったが為に無為に落とした命を俺が拾ってやったんだ…………俺のものなら俺がどうしようと勝手だろ?」
「そ、そんな…………」
狂っている。どう考えてもこの人間は狂っている。だがその狂った牙に私たちは既に囚われてしまっていた。もう…………逃れる術は無い。
「そうだなぁ…………あの二人はどう料理するかはともかく…………まずはお前の自尊心をボロボロに砕いてみようか!! 今からお前の身分はあいつらより下どころか最底辺中の最底辺、キングオブ最底辺にしてやるよ!!」
男は狂った笑顔でとんでもない事を言ってくる。最早私がこれからどうなろうともこいつには逆らえないし逆らおうとしても何かしらの邪魔が入る事だろう。
そして、男はそんなふざけた事を言った後…………思い出したかの様に自身の名を告げる。
『築城金男』、それがこれから私達が永遠に従わされる男の名だった。
レイナーレってイッセーに助けを求めたのでしょうね。プライドがあるのかないのかわかりませんね。
※何故か序盤の方でレイナーレの名前をユーベルーナと間違えているという自体が起きていました。その部分を訂正いたしました。