※この作品はR-18です。

東方色贄録   作:猫毛布

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遅くなりました。申し訳ございません。
エロ描写を次に回すために短くなっております。
許してください。


03 ムカシの日常

 窓から差し込む光が赤く変わった事で、太陽も今日の仕事を終える事がわかる。

 向日葵達もそんな太陽を見ながら、少しだけ肩を落としてションボリとしている。

 

 ぼんやりと朱い太陽を見ていると、身体が震えてきた。

 何年も続いた事だけれど、どうも身体が忘れてはくれないらしい。

 深呼吸を何度もして震える身体を押さえつける。落ち着け、落ち着け、落ち着け。

 何度も、何度も自分に言い聞かせて、けれども瞼は決して落とさない。

 落としてた瞬間に見えるのは自分が犯され続ける普通が思い出されるのだ。そんな自分を見て幽香がどう思う?確実に嫌になるだろう。捨てられる。捨てられて、拾われた筈の僕の命は?

 ゾクリと背筋が凍る。凍った背筋の感覚でさえも、最悪な事にゾクゾクと頭に違う刺激に変わっていく。

 どうしようもない脳内と身体。痛いも、悲しいも、寂しいも、苦しいも、全部、全部、全部、ぜんぶぜんぶゼンブぜんぶ全部ぜんぶぜんぶ…………。

 荒くなった息と少しだけ釣り上がる頬、身体が風邪になったように温かく、視界が潤んでいく。

 落ち着け、落ち着け、落ち着け、落ち着け。

 何度言い聞かせても、戻らない。自分を力いっぱいかき抱いて、着流しの上から爪が食い込むほど握る。痛い、痛い、気持ちいい、気持ちいい、痛い、痛い、キモチイイ、イタイ、キモチイイ。

 またゾクゾクとした波が自分に迫ってくる。

 椅子の上で身を縮めて必死で抵抗する。幽香が戻ってくる頃には、戻さないと、戻して、いつもの様に迎えなくてはいけない。

 死んだ筈の自分と生きている自分がグラグラと入れ違う。

 村にいて犯されていた自分と、幽香の家に居て犯されている自分。

 同じで、でも絶対に違う。こんな感情で、こんな汚れた欲情で交わってはいけない。ダメだ。

 ダメだ、ダメ、絶対に、ダメ。

 

 

 

 

 

~~

 

「遅くなった……」

 

 遅くなった原因であるスキマを思い出して舌打ちをして飛ぶ速度を速める。

 すっかり星まで見えてしまう時間になったが、向日葵達はレンがどうにかしてくれるから大丈夫だろう。が、問題は、そのレンだ。

 

 逃げる可能性はかなり少ないが襲われる可能性は高い。特に私がいない時に。

 出来る事なら無事であってほしい。

 

 ここまで考えて、頭の中でスキマの言葉が思い出される。

 

『随分ご執心のようだけれど、その少年はアナタにとって何なの?』

 

 と、そういう言葉。

 その時はテキトウにはぐらかして出されていた酒を煽ったけれど、どういう関係なのだろうか。

 嫁、というには性別が違い、婿と呼ぶべき存在でもない。

 餌……と言えば、彼に当てはまるのだけれど、ソレは私の感じているソレではない。確かに、美味しいけれど。

 

 結局答えなど出ない問いなのだ。けれど答えを考えることは不毛ではない。

 考えを放棄する事自体が不毛なのだから。

 ようやく我が家に到着し、少しだけ乱れた髪を整える。

 

 ドアノブを握り、ガチャりと扉を開ける。

 

「帰ったわよ」

 

 ……返事はない。

 嫌な予感が頭の中を過ぎり、傘立てに傘を突き刺し、急いで部屋を移動する。

 それ程大きい家でもないので、レンを見つける事は容易かった。

 容易く見つけられた彼はベッドの上で小さくなっていた。

 最初は寝ているのかと思ったけれど、息が聞こえているので寝てはいないのだろう。

 

「レン?」

 

 私が声を掛けると、ベッドの上でビクリと反応して、荒い息を更に荒くする。

 ようやく、ムクリと上半身を起こした彼は、酷く妖艶で潤んだ瞳と半分に開いた口から荒い息を吐いていた。

 無表情が珍しく泣きそうな顔をしていて、白い着流しが片方の肩からずり落ち、それでも何かを耐えるように自分をかき抱いていた。

 

「幽、香……ダメ、」

「どうしたの?」

「ダメ、近寄らないで」

 

 落ち込んでいいんじゃないだろうか。

 始めて彼から拒絶の言葉を聞いたような気がする。

 

「違う、違うの、ダメ」

「何がどうしたっていうのよ……」

 

 彼が何度もつぶやくように口から何かを吐き出している。

 近づくな、と言われたけれど、拒絶は言葉だけで、実際の彼は無防備だ。料理の時に抱きついた時の様にトゲトゲはしていない。

 一歩だけ踏み出して見ても、彼は後ずさったりはしない。つまり、拒絶は形だけなのだろうか。

 ようやく、彼を触れれる距離に辿り着き、少しだけ血色の良くなった頬に触れる。暖かい。

 触った時に彼はビクリと反応して、ダラシない顔が更に綻んだ。

 

「ダメ、ダメなの、」

「何が、ダメなのかしら?」

 

 落ち着け、落ち着くんだ私。

 流石に彼がどれだけ妖艶であっても、自分の心に流されてはいけない。理性の無い獣は、きっと彼に嫌われてしまう。

 何度か気づかれないように大きく息をしていれば、彼がキュッと私の袖を掴んだ。

 それに反応して思わず彼を直視してしまったのだ。

 潤んだ瞳と、上気した肌で、少し上目遣いで。

 

「犯して、壊して、ぜんぶ、全部、ぜんぶぜんぶぜんぶ全部ぜんぶ」

 

 私の中の何かが弾け飛んだ気がした。

 仕方ない、仕方ない事なのだ。別に私は悪くない。悪くないったら、悪く無いのだ。

 




エロ描写の前に質問なのですが。
ボーイズラブと書くと男と男の絡みなのですが、作品の都合上、一瞬だけオッサンと男の娘との絡みが出てくるのです。
ま、まぁタグつけはしませんが、その辺り、ご注意ください。
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