備えよう。
誤字訂正
NTR→NTL
に訂正。
報告に感謝
目を覚ました。
夜の会話から結局僕は眠れず、横になったのはの日が少し昇ってきた時。
目はしっかりと冴えていたのだが、やってきた八意永琳がニッコリと笑いながら、寝なさいな。と言ったのだ。
眠れないと言えば顎に手を当てて何かを考えたあとに小さな錠剤を僕に手渡した。
曰く、睡眠薬だそうだ。薬が効きにくいらしい『素』に正常に効くかどうかは分からないけれど、と付け加えられたので手渡されたそれを眺める。
八意永琳が、また口付けで飲ませて、と言ったところで水で錠剤を流し込んだ。
どうしてか八意永琳がションボリした顔をしていて、その顔を見て瞼を落としたのを覚えている。
皮肉なことに眠る前の記憶までしっかりとしている。
本当に、昔には無かった事だ。
思わず溢れてしまった苦笑を浮かべて、僕は水を飲むために半身を上げる。
水差しから水を注ぎながら、視界の中に新しい水仙が生けてあるのが見えた。
どうやら幽香は今日も来てくれたらしい。
どうしてか緩んでしまった頬を戻すために水を飲み込む。
「起きてますかー」
襖が開かれ、淡い紫色の髪がふわりと見えた。覗かせた顔には真っ赤な瞳が二つ付いていて、僕を見ている。
僕を見て、ニパッと赤い目を閉じて笑顔になった誰か。
「どうもー、いつもの様に身体を拭きにきましたよ」
「……いつも?」
「あぁ、そういえばずっと寝てたんでした……あー、えっと……初めまして? でいいんですかね。一応、ほぼ毎日会っているんですけど」
「……」
むむむ、と唸り出すヘタレたウサギ耳の彼女。手には桶と手拭い。
身体を拭いていた、という事は八意永琳の関係者なのだろうか。いつだか、聞いたことのある声だった気はする。
「まぁいいか。初めまして、私は
「……ハツジョーうさぎさん?」
「ハゥァ!? 違います!」
ようやく思い出した声から推測で思わず出てしまった言葉。否定されたという事は、きっと彼女の事ではないのだろう。
桶を近くに置きながら、手拭いを構えた鈴仙・優曇華院・イナバは深呼吸を一つだけして、よし、と意気込む。
「さぁ、脱いでくださいね」
「……」
その言葉に対した躊躇もなく、着流しをはだけて腕を抜く。
「はわぁ……こう、躊躇とかそういうのは」
「……?」
「いえ、いいです。 じゃぁ背中から拭きますねー」
僕の後ろに回り込んだ彼女。後ろから再度深い深呼吸とよし、と聞こえたあとに少し温かい濡れた感触が背中に触れた。
それが上下に動いて離れれば水の音がして、また濡れた手拭いが僕の背中に当てられた。
「しっかし、白いですねー。羨ましい」
「……?」
「それに、すべすべですね」
少しだけ冷たい手が僕の背に当てられる。脇腹を摩り、湿った手が肌を撫でる。
「これは介護の一環。介護の一環だ、落ち着け、落ち着くんだ私」
なんて後ろから呟いた様な小さな声が聞こえる。手拭いと手が離れて、水音がなる。
手拭いが絞られる音は無かった。代わりに荒い鼻息が聞こえる。
「はーい、じゃぁ舐めますね」
「……?」
「コレはあくまで垢を取る作業であって、私にやましい気持ちなんて微塵もありません。あるわけないじゃないですか。 私だって普通の子供に欲情なんてしませんよ、それは、もう、当然の事です」
後ろから手を抑えられて、首筋を舐められる。
熱い、柔らかく湿った感触が皮膚をなぞる。彼女の言う様にまるで身体の垢を取るように何度も舐められて、そしてソレを集めて取るように、歯は立てられずに甘噛みされながら吸われる。
ぢゅ、と唾液と一緒に何かを吸い込んだ音がして鈴仙・優曇華院・イナバはようやく口を離した。
「ん、っく……ふぅ」
ごくり、と唾液を飲み込んだらしい音がして、彼女は吐息を吐きだした。
後ろから聞こえる荒い息。抑えられた手が更に強く絡められる。
「これは、なるほど……イイですね」
僕の背中に柔らかい感触が押し潰れる感触が広がる。
耳元に荒い息が聞こえ、熱い吐息が耳に当たる。絡められた手の片方が消え、僕の脇腹を撫でる。
「はぁ……んむ」
「……ン、ぁ」
ジュルジュルと大きな水音が僕の鼓膜を揺らして、耳に熱くヌメった何かが侵入する。
優曇華院の舌が僕の溜まった何かを削り落とすように入り込む。
出てしまった声を無理やり押さえ込む、あくまでコレは介護やそういったモノの一環なのだから、声が出ては可笑しいのだ。
「さぁて、こっちも垢が溜まってますよねー、いやー仕様がないですよねー」
脇腹を摩っていた手がお腹を撫でながら下腹部へ伸びる。
手は容易く僕のソレを握りしめてしまう。
「お、ふむ……中々に」
「……なに、が?」
「いいえ、気にしないでください。介護の一環ですよー」
手がゆっくりと上下し始める。
渇いた手が擦れて、鎌首をもたげる様に徐々に存在をあらわにしていく自身。介護だと言うのに。
「おぉ、おぉ……」
ついには抑えられていた手も解放され、空いた手に唾液を乗せて、僕のソレに塗りたくられる。
ぐちょぐちょと水音を立てながら、激しくなる両手。
「ぁ、ぁあ、やめ、」
「介護なのにいやらしい声を出して、イケマセンネー」
「……ふ、ぐっ、んん」
無理やり口を噤んで声を抑える。
更に水音が激しくなり、抑えている声が漏れる。
「ほら、イケナイんですから。そろそろ出しちゃいましょうねー」
「んんぁぁぁぁ……」
ドクドクと漏れ出したソレは彼女の手に掛かり、溢れた液体が布団を汚していく。
「あぁあ、こんなに汚しちゃって。悪い子ですねー」
「ハァ……はぁ……」
荒くなった息を整えながら自分のした惨状が虚ろに見える。
歪んだ視界に真っ赤な光が二つ程揺れる。
知っている。僕はこの感覚をよく知っている。
「悪い子でも大丈夫ですよー
私に任せてくださいね。
私の声はとても気持いですから
仕方ない事ですよ。
全部ぜーんぶ、私に任せてくださいね
私は正しいんですよ。私に従えばもっと幸せになれますよ。
大丈夫、大丈夫、私に全て委ねてください
ほら、私に……」
「何をしているのかしら、ウドンゲ」
「ひゃぅ!?」
あぁ、誰かが来た。
誰だろう、どうでもいい。
だって、僕には――
違う。
違う。
違う。
違う。
僕はあの時のように成らない。
僕は……。
~~
「あら、永琳てどうかしたのかしら?」
「私も今聞いている所です。さぁ、説明して貰いましょうか」
顔に思いっきり怒ってますよと書いている従者を発見して声を掛けた。
障子の向こうには確か彼がいた筈。
覗いて見れば、紫銀のウサギと着流しをはだけた彼がいる。
肌が少し赤らんで、荒い息をしている彼。
「えっと、ですね……」
あはははは、と目を横に向けて自分の責任では無いと言っているかの様に言うウサギ。
思わず、無理だろ。と言いそうになったけれどここはグッと我慢する。
「どう言い訳するのかしら?」
「……ええ、そうですよ!! 私がシましたよ!! 何か悪いんですか!?」
「吹っ切れないで、面倒よ」
逆ギレに対しても極めて冷静に切って捨てた永琳は鈴仙を見るでもなく、彼を見ている。
「ほら! 今なら催眠状態で出来上がってるから大丈夫ですよ!」
「何が大丈夫なんだか」
「すぐできます!」
「黙りなさい、発情ウサギ」
「ハグゥッ!!」
胸を抑えてワザとらしく怯んだ発情ウサギさんは「ぐぬぬ」と漏らしてみせた。
内心でグっと拳を握ったのは私だけだろう。
「でも、よくやったわ!」
「師匠!」
「よし、お前らちょっと待て」
思わず出てしまった言葉で二人を止める。ガッツポーズをしたのは私だけじゃ無かったらしい。
4Pか……ゴクリ。
「姫様こそ落ち着いてください。今なら合法的に彼を襲えるんですよ!?」
「永琳、どうしてそんなに錯乱してるのよ……」
「姫様! ここはご決断を!」
「ウドンゲ、そんな事だから発情ウサギって言われるよの」
思わず溜め息を吐き出してしまう。
ここは二人を放して、私だけ美味しい思いをするべきだ。いや、しなくてはいけない。
「永琳はウドンゲをお願い」
「何を言ってるのよ、輝夜。私はショタコンじゃないのよ」
「今の言葉からどうしてその言葉に行き着いたのか気になるけど、とにかく頭は冷やしなさい」
「至って冷静よ。超ヒモ理論だって証明出来る程冷静よ」
「元から呼吸をするように出来る事で冷静を証明しないでよ」
思いっきり眉間を寄せられた。こうやって表情を出すほど冷静ではないらしい。
相変わらず従者をしてくれている永琳。変わらずも従者である。
「わかったわよ……うどんげ!!」
「ハヒッ!?」
「ちょっと来なさい。説きょ……実験体にしてあげるから」
「あれ? 何か可笑しい? 言いかけてた方がよかった!?」
引き摺られていった発情ウサギさんを見送って溜め息を吐いていつの間にか部屋の隅へ逃げてしまった彼を見る。
荒い息でコチラを見る彼。相変わらずはだけた着流しが色っぽい。怯えたようにコチラを見ながら布団を抱きしめている。
うん、何あれ、可愛い。
可愛いは正義とか、私に用意されてると思ってたけど違うわ。可愛いって兵器だ。
「……こな、いで」
「……」
襖を閉める。これで誰もこない。逃げ道は塞いだ。
彼の瞳が揺れる。揺れすぎている。
そういえば鈴仙の催眠に掛かってるんだなぁ、と何処かで思考しながら彼に手を伸ばす。
―ベチン
弾かれた……だと……。
いいや、待て、待つんだ私。きっと警戒しているからに決まっている。当然だ。
じっくりと、ゆっくりと責めればいい。
彼の手を掴んで、彼に顔を寄せる。
「……やぁ、やだ、」
「ええ、そうよね。 私は大丈夫よ」
彼の頬に手を這わせて、撫でるように彼を落ち着かせる。きっと、今食べてしまうのはとても簡単な事なのだろう。
けれどこの蓬莱山輝夜が最も好きな事のひとつは自分が容易いと思っている事にノーと断ってみる事だ。
なんてネタを混ぜてみたけれど苦笑する余裕なんて一切無い。
しかし、アレだ。ここで食べてしまって彼に嫌われてしまう事は先を考えるとそれはとても勿体無い。
ソレに何よりも、面白くない。
なら、きっと……
「落としてしまう方が楽しいに決まってるじゃない……!!」
きっととても邪悪な笑顔になってるだろう。なんせ自分でも分かる程の笑顔なんだから。