ベッドへ押し倒されて、口が犯されていく。
熱い舌が、歯茎を撫でて、薄く開いた歯の間から更に奥へと進んでいく。
僅かな抵抗で、舌を奥へと隠したがそんな事は抵抗とも呼べなかったようだ。
「ん、んぁ…」
「んチュ……」
逃げていた事を責められている様に、幽香の熱い舌が僕の舌を絡めとり、啜り上げる。
強い刺激で僕の意識がボンヤリと混濁しているのがわかる。アイツ等とは違う、違うけれど、違うことはない。
彼女の肩に手を当てて押しのけようと力を込めてみても幽香にとってそれは至極関係の無い事らしく、僕の口内を犯し、唾液を啜り上げる事の方が重要らしい。
それでも、その僅かな抵抗も鬱陶しいのか、肩に触れていた手が払われ、指を絡ませて行動が制限される。
その行動に少し驚いて、握られた手に少し力を加えて強く指を絡ませてしまう。ほんの一瞬だけ。幽香に気づかれない程度に。
ようやく口を解放されて、足りなくなった酸素を必死で吸い込む。
「フフ、ダラシない顔……」
大きく口を開けていた僕に幽香はほんのりと赤くなった顔でそう言った。
今は、ダメなのだ。熱く接吻された口も、繋いでいる手でさえも、彼女に触れられた部分からどうしようもなく快感が走るのだ。
「こっちも、随分大きくなってるじゃない」
「ヒゥッ!?」
快楽は脳へ伝わり、心臓からの血液が下腹部に溜まる。もう一人の僕は僕らしくなく自己主張を始めている。
僕ではない僕が彼女に握られて、じんわりと汗を流す。
彼女はそんな僕を見ながら意地悪そうに嗤い、握っていた手を上下する。
頭の中がチカチカと点滅して、強烈な何かが僕を支配してくる。
空いていた片方の手が宙を漂って何か掴める場所を探す。そうでもしないと、何処かへ飛んでしまいそうだったから。
「ダメ、ダメ!!こぇ、らめなの!!」
「いいのよ!!さぁ、イキなさい!!」
幽香の言葉が聞こえて、更に下腹部からの刺激は増加した、だんだんと頭が白く染まっていく。
ドクドクと心臓が脈打ち、ソレと同じ鼓動で力が抜けていく。しっかりと握った手をもう一度握り直して、荒くなった息で深呼吸を開始する。
「いっぱい出たわね……んちゅ」
薄く開いた口から真っ赤な舌が出てきて、指に付いた何かを舐めとる。腕に付いたそれまで、しっかりと舐めとった彼女の息が荒くなっている事に気づく。
脱力して動けない、脱力していなくても動くことは出来ない僕と、低俗にも自己主張を続ける僕。
その自己主張している僕を見つけて、彼女はまた薄く笑う。
「いいわよね」
やはり、その問はコチラに答えを求めるモノではなくて、ただの言葉だった。
敏感すぎる僕を掴んで、狙いを合わせるように彼女の腰がゆっくりと降りてくる。
まるで捕食するように、ゆっくりと、じっくりと、僕は彼女に飲み込まれていく。
熱い、と感じられる彼女の中がまるで僕の侵入を拒む様にグニュリと形を変えていく。
「はいっ、たぁ……」
それだけの事なのに、いつもの気丈な顔が少しだけ緩んで、真っ赤な瞳がコチラを見てくる。
そんな緩んでいる彼女とは対象的に彼女の中は僕を追い立てていく。
まるで揉まれる様に脈動して、幽香が腰を動かたびにゾクゾクと快楽が脳へと送られていく。
僕に抵抗なんて出来る訳もなく、搾取と言っても過言ではないその行為は続行される。
彼女の腰が僕の上で前後左右に動かされて、幽香はズット僕を見つめている。真っ赤な瞳がジッと。
どうしようも無く、心地いい。
もう、ソレでいいじゃないか。あの時と一緒だ。
快楽に流されてしまえ。流されて、それから考えればいい。
そうさ、ソレがいいのだ。
僕が二度目の脱力を感じたのは、幽香の中がヤケに僕を締め付けたのが原因で、二度目の脱力から先の事は僕は覚えていない。
~~
目が覚めた。
いつもの様に、起きれば相手の寝顔が見れるのだ。少しだけ、ホッとする。
いつもは無表情を貫き通している相手が珍しい程に乱れていた。いや、ソレはソレで非常にヨカったのだけれど。
最初の拒絶は何だった、と言わんばかりに乱れていた。
何かあったとしても、ソレは私が問い詰めるような事はなくて、彼が言ってくれるまで待つべきである。
問題は、これによって彼がここから出て行かないかである。
当然のことだけど、彼には行き場がない訳で、ここから出ていくことなんて無いのだろうけど。
と、愚考している間も彼に触れている自分に気付く。
そして反応の無い事にも気づいて、少しだけ不安になる。もしかして、シている時は演技なのではないか?とか。
いやいや、うんうん。
そろそろ悪戯も止めにしなければ、朝から彼に怒られるかもしれない。プンスカ怒っている彼は非常に可愛らしいけれど、どうしても無言で圧力をかけてくる彼である。怒らせるのはやめよう。
悪戯をやめて、またいつもの様に彼が私を起こしてくれるのを待つとしよう。
あわよくば、そのままベッドインという事もあるのだから。
~~
目が覚めた。
珍しく先に起きていたらしい幽香の悪戯を耐えて、瞼を上げる。
どうやら二度寝に移行したらしい。
昨晩のゾクゾクした感覚はなくなっている。
溜め息を一つだけ吐き捨てる。
触れられては感じてしまうこの身体が少しだけ鬱陶しく思う。けれど、こう成ってしまったのだから仕方ない。
うん、仕方ない。
布団から出ようとして、腕が少し引っ張られた。
腕を辿れば、彼女の手を握っていた。それこそ、指までしっかりと絡められている。正確には、僕の指が幽香の指に絡まっている。
よく考えていから、顔が少し熱くなって、幽香が起きない様に静かに、しかし急いで指を離して熱くなった顔を冷やすことにしよう。
寝返りを打った彼女の耳が少しだけ赤くなっている事に気づくこともなく、僕はいつもの様に朝を迎える。
やはり、短いです。
もう少しエロエロ書ければいいのですけど。
↓ボツ
今は、ダメなのだ。熱く接吻された口も、繋いでいる手でさえも、彼女に触れられた部分からどうしようもなく快感が走るのだ。
『圧倒的快楽空間はまさに快感的刺激の小宇宙!!』