久しぶりに真っ当なエロを書いた気がする
こういう面倒くさい文章を書くのはやっぱり楽しいです。
目が覚めた。
ボンヤリとする頭を整えて、ハッキリしていた視界を塞ぐ。
記憶を辿っても、どうして眠ったのかは分からない。けれど、どうせ今持っている本を読んでいた眠ってしまったのだろう。
よくあることだ。
首をコキリと動かして、息を吐きだした。
「む、起きたか」
声の方を見れば、ロウソクに火を灯し、机で何かを執筆している誰かがいた。
碧銀の髪に角を生やし、片方に赤い布が結ばれていて、そしてつり上がった瞳が僕を見ている。座している座布団から太い尻尾が出て畳に横たわっていた。
「……だれ?」
僕の応対は至極真っ当なモノだった。
目の前の人物、いや、人というには些か突起物の多い存在は顔をキョトンと固めて、そして苦笑して口を開く。
「あぁ、そうか。私の事をまだヒトだと思ってくれていたのか」
「……?」
「いや、すまない。贄という事は知っていたから、私が勘違いをしていたんだ。
改めて自己紹介をしよう。私の名前は上白沢慧音。見ての通り人外であり、そして種族をワーハクタクとでも言おうか……この辺り、ハッキリとしてはいないのだがな」
自分の紹介をしているというのにまるで自嘲するように苦笑する上白沢慧音。
そういえば、上白沢慧音に師事すると昼頃に言っていたのだったか。
そう思い出していると、上白沢慧音はコホンとわざとらしく咳をして筆を置いた。
「そうだな……まずは自己紹介もした事だから、私の事について少し説明しようと思う」
「……正座、した方がいい?」
「そうだな、いや、しなくても構わない。 病み上がりの身だろう? 私とて無理はさせたくないさ」
「……そう」
では直座の状態で彼女の講説をきかせてもらおう。本で得た知識以外を得る、というのはなんとも不思議だ。
「ハクタクという種族については知っているか?」
僕は首を横に振る。
「そうか。ではソコから説明しよう。
ハクタクというのは元は中国神話に登場した聖獣だ。人の言葉を操り、森羅万象に通じていたそうだ」
「……そうだ?」
「あくまで仮説さ。なんせ神話の世界だからな。 こうして私が『ワーハクタク』なんて謂われている理由はまた別にあるんだが、ソレは後で説明しよう」
「……うん」
「姿形は出典によりけりだが、総じて上げれるのは一対の角だな」
そう言いながら上白沢慧音は自身の角を指で軽く触った。
そして忌々しく言葉を繋げていく。
「下顎に山羊髭、額に三つ目、胴体の左右に三つずつ目があったりする」
「……ない」
「当然だろう。私はあくまで謂われているだけの存在だ」
僕の疑問がわかっていたのか、上白沢慧音はやはり口を早くして否定をした。
「謂われている、つまりそう称されている。あくまで他称の話だ。私自身は誰かが『上白沢慧音はワーハクタクである』という事実を自称しているだけだ」
「……?」
「例えば、その最初の誰か、或いは周囲の存在が『上白沢慧音はワーキリンだ』なんていい始めたら私は『ワーキリン』と自称しなくてはいけない。
故に私はあくまで謂われているだけの『ワーハクタク』でしかなく、言ってしまえば其処らにいる妖怪と似たような存在だ。強いて言うなら、人間に好意的という事実だけが残っているだけだ」
「…………」
「む、すまない。少し哲学になってしまったか」
「……大丈夫」
これでも専攻は歴史学なんだがな、と頬を指で掻いている上白沢慧音。どうやら思ったよりも語っていたらしい。
「さて、えっと、どこまで話たんだっけか」
「……謂われている所まで」
「そうか。うむ。 謂われている、という事はそれだけの能力が備わっているということだ。
その辺りは君の方が説明しやすい。便宜上、贄と呼ばせてもらうが、『人外の力を向上させる能力』を持っている君は贄と謂われる」
「……? 贄だから、じゃないの?」
「そうかもしれない」
「……?」
「例えば鶏と卵、どちらが最初にこの世界に出来たと思う?」
「……卵?」
「どうしてそう思った?」
「……鶏は卵から生まれるから」
「ではその卵を生むのは鶏ではないのか?」
「…………」
「つまりはそういう事なんだ。贄だから持っている、或いは、持っていたから贄。どちらにせよ、結果は変わらない」
大人は卑怯だろう? なんて少し口角を歪めて笑う彼女をムッと睨んでしまう。
そんな睨みも効果はない様でカラカラと笑われて流されてしまった。
「さて、能力という事だ。
私の能力……『歴史を創る程度の能力』の説明だ」
「……
「程度の違いさ。歴史というのは先から言っている『謂われている事』だ。例えば、君は本を読んでいる、それが未来に伝わり歴史になれば、君は本を食べていた事になっているかもしれない」
「……」
「極端な例え話さ。そう眉間にシワを寄せないでくれ。 私がこの状態、所謂ハクタクの状態では幻想郷の全ての歴史の知識を得ている……と思う」
「……」
「もちろん、私は得ている自負はあるが、確認しようがないのだ。間違ってはいないだろう、けれど合っているかは分からない。今の所、賢者殿には言及されていないからおそらく合っているのだろう。もしくは間違いを笑っているか、か……」
上白沢慧音は何処かを向いて、そして溜め息を吐いた。僕も彼女の視線を追ったがそこには何もなかった。
「こうして私は幻想郷の全ての歴史知識を有している、つまりは極所的に森羅万象に通じているといえ、姿形を以てして『ワーハクタク』と謂われている。 質問はあるか?」
「……ワーウルフ、だと変身は満月だけだけど?」
「うむ、そうだな。私も今日まで満月だけだと思っていた」
「……?」
「あくまで予想の話だが、贄の力がハクタク側の私に伝播しているのだろう。ソレに夜という時間とこの永遠亭が重なってこの状態になっているのだろう」
「……予想? 幻想郷の知識は?」
「歴史知識だ。一時間前の過去はまだ歴史ではない、という事さ」
噂話程度にはなっているかもな、と付け加え、上白沢慧音は肩を竦めた。
まだ歴史にすらなっていない事実は彼女にとって予想でしか無いのだろう。
「ふむ。 さて、私は何を話たいか、という話になるのだけど」
「……うん」
「正直な話、限界なんだ」
「……?」
「言った様に、ハクタクだなんて聖獣扱いされたモノの半獣だ。半分であれ、全部であれ、私は人外である事に変わりない。
君が起きる前まで歴史の編纂作業に没頭していたのも、君が起きてソレをやめてまで君に私の説明をしたのもちょっとした自己弁論でしかない。
これに関して私は君に許しを求める事はないだろう。もちろん悪いとは思っているから君は私の事を恨んでくれても構わない。というか、恨んでくれ。しかし君はアレだな贄だと言うのに無防備というか、いや贄だから無防備なのか?ともあれ、先生という事でなんとか自我を保とうと頑張ってた訳だ。もちろん、私としても久しく自身を人外だと納得させられた」
顔に手を置いて何かを耐える様に口を早くして捲し立てる。そしてその自身の中の何かを抑えるように息を吐き出して、ようやく改めて口を開いた。
「それでも私は知識と知性を保有する半人半獣である。君を食い散らかすなど下品な事はしないし、君の了解を得るまでは我慢するつもりだ。しかし考えてもみてくれ、君は空腹の時に目の前に御馳走があれば迷いなく食いつくだろう? 私は飢餓状態ではないが強制的に空腹状態になっている訳だ。そして贄が目の前にいる。
さて、君を食べても構わないか?」
「……どうぞ」
まるで飛び付くように碧銀が靡いて床に押し倒され、僕の唇に吸い付いた。 熱い舌が口内を蹂躙し、僕の舌が吸われる。
一頻り僕の唾液をすすり、そして僕に唾液を流し込んで満足したのか、口を放し荒い息を繰り返す半獣。
「先にも言ったが、私は知性ある生物である。私の事は『先生』と呼んでくれ」
「……
「あぁ、ありがとう。最高だ」
そうして再度僕の唇を荒々しく奪った先生は僕に唾液を流し込んでくる。ソレをゴクリを嚥下した。
その事に気付いたのか先生はニヤリと口角を歪めて、僕の頭を撫でる。 そのまま僕の耳元に顔を寄せて軽く耳が噛まれた。チクリとした痛みと熱い口の感触。更に熱い舌が僕の耳を蹂躙し、甘く噛まれて吸われる。
彼女が何かを嚥下した。
「なるほど、美味だな」
「……そう」
「うむ。君も楽しめばいい」
「……楽しむ?」
何を楽しめばいいというのだ。
いつかも誰かに言われた事だけど、何が気持いのだろうか、何が楽しいのだろうか。腰が砕けてしまう程の快感の事は気持いいと言えるか?ソレが僕が思い込んだモノだったして……
「ふぁっ」
「む、すまないな」
思考を中断される様に僕の股間を先生が掴んだ。
「そう難しい顔をするな。今、君は快楽を感じているのだろう? 故にココもこれ程固くなっている訳だ」
「……うん」
「なら、今はソレに身を委ねればいい。 あとの事は歴史が勝手に綴ってくれるさ」
丁寧に先を撫で、僕の先走りで手を汚した先生はゆっくりと幹の部分を摩ってくる。
咄嗟に襲ってきた快感に腰を引こうと動いたが、押し倒されている僕の腰は床に阻まれている。
その行動を感じたのか、先生はまた口角を意地悪く歪めて摩る手を強くしてく。
「まだ固くなるのか、この卑しんボウめ」
「ひぅ、ッ」
「おっと」
「ッッ!?」
僕の中から吹き出るのを察したのか、先生は僕の幹を強く握り締めた。同時に痛みと吹き出る筈の何かが押し止められた事で僕の頭は混乱する。
確かにイッた筈なのに、何も出ていない。頭がチカチカする。歯を自然と食いしばり、頭の中に襲ってくる波が引いてようやく息を吐きだした。深く息をしているはずなのにどうしてか酸素が足りない。
「中々可愛い表情だ」
「ーー、はーー、」
「けれど私の許可なくイこうとしたのはいけないな。それに、トロトロと溢れ出てたものが私の手を汚したぞ?」
ぬちゃり、と自身の手を僕の前で広げた先生。その指の間には半透明の何かが橋作り、そしてソレを躊躇する事なく先生は口に含む。
赤い舌がソレを舐めとり、唇がソレを吸い取る。 手に付着した何かが無くなるまで舐めて、そして思いついた様に僕の唇を塞いだ。
苦い液体と先生の熱い舌が口内に入り込み無理やり嚥下させる様に唾液が流し込まれる。ゴクリ、との喉が動いた。
「ん、……よし、飲み込んだな」
「ぁ、……苦い」
「それはそうだろう。そういうモノさ」
にっこり笑い、先生は服を脱いでいく。綺麗な肌色が露わになっていき、虚ろになっていた瞳でソレを眺めていると先生は苦笑する。
「そう、見つめられると流石に恥ずかしいな」
「……ごめんなさい」
「いや、君を魅了させた、と考えよう」
ふわりと尻尾を動かして先生は腰をコチラに向けて四つん這いに成る。
そして首だけコチラに向けて、僕を見る。
「その、なんだ……君から入れてくれないか?」
その言葉に少し疑問を感じてしまい、けれどソレを願われているのだから、と改めて思い返し僕はゆっくりと立ち上がり、先生の腰を掴む。
張りのある臀部を掴んで、
「入る場所は分かるか? やっぱり、私が上に」
「……大丈夫」
「ひ、ぁぁ!!」
ズブズブと幹が隠れていき、入っていく度に先生の嬌声が響く。
そのまま奥へと進むように腰を近づけ、先生の背に胸を押し当てる様にして根元まで入れ込む。
幹を絞る様に柔肉が動き、先の部分が更に奥へと導かれる様にキュ、と締め付けられる。
単純に、動けない。それだけで達してしまいそうだ。けれど、僕が落ち着く事はなかった。
先生の腰が動き、僕を扱きだす。
「ひぅ!?」
「動いても大丈夫、だぞ?」
頭が快感に支配されていくのが分かる。途方もない何かを上り詰めるように、僕の腰が自然と動き出す。
パンパンと先生の尻肉と僕の腰が音を立てて、ソレに先生の嬌声が響く。
「あ、あぁ!! イイ!! 贄はイイな!!」
「ッ、しぇんせい!! もう、」
「もう少し我慢しろ! 私も、もう少しだから!!」
歯を食いしばって僕は迫る何かを耐える。
先生の中が収縮して僕を責め立てている。僕はソレに従う様に、最奥へと腰を打ち付ける。
「イッッ!!」
先生の顔が跳ね上がり、中が痙攣を起こす。その痙攣の刺激に耐え切れず、塞き止めていたソレが僕の頭を支配する。
腰を打ち付けたまま、僕から何かが溢れ出しソレが先生の中を汚していく。半開きになった口から唾液が溢れ、ソレが先生の背中を汚していく。
溢れ出した何かを出し切った僕は力なく先生の中から
「ふむ……沢山出したな」
むくりと起き上がった先生は自身の股間を指で拭って、その指を舐めた。
僕の肩に手を置いて、そのまま倒れこむ様に僕を押し倒していく。
「まぁ、その、なんだ……こういう時はなんというのだったか……」
「……?」
「夜はまだ始まったばかりだ。なんてな」
また唇を奪われながら、僕の記憶は飛んでいく。最後に思い出せるのは先生のどこか申し訳なさそうな、けれども満面の嗜虐的な笑みだった。
~~
起きた。起きてしまった。頭を触れれば角はない。
やはり、贄である彼と夜という事象がそういう現象を起こしたのだろう。
うむ。
改めて考察を完了して、布団を捲る。
裸で眠っている彼がいた。
いけない、彼が起きてしまし、風邪を引いてしまうかもしれない。
私はそっと布団を戻し、息を吐いた。
「ふむ……」
やってしまった!!
思わず頭を抱えてしまう。隣に彼がいなければ頭をブンブンと振って柱に打ち付けていた事だろう。
なんだよ!知性ある生物って! ただ先生って呼ばしたかっただけだろ!
なんて思い出すと赤面モノの言い訳である。
彼が起きないようにぐぉぉぉ、と小さく唸ってしまう。流石にハクタク状態だったけど私の意識はハッキリしていたし、完全に私の責任だ。
しかもアレだ、俗に言う『ナカダシ』というモノだ。いや、歴史的にソレ以外をしている方が稀ではあるし、彼と私の外見的な年齢を考えれば結婚とかも大丈夫だ。
しかし、出来婚だぞ? 落ち着け、落ち着いて考えるのよ上白沢慧音。今なら無かった事に出来る。
いや、歴史にすらなっていない出来事だ。隠す事は出来ない。しかも例え歴史となり隠す事ができたとしてもソレは事実を消した事には成らない。つまりは打つ手無しだ。
何を慌てているんだ、相手は子供だぞ。
慌てるんだ、相手は子供だぞ。こ、こんな時はどうすればいいんだ! 歴史の著名人共は少女を犯した時どうした!? そう困った時は権力で解決だ!
クズめ! 反吐が出る!幼気な少女になんて事をしているんだ!
クズだ! 反吐が出る!幼気な少年になんて事してしまったんだ!!
少し落ち着こう。うん。 きっと落ち着いたらいい案を浮かぶかもしれない。
お腹の中が少しだけ温かい。そういえば精子って数日程生き残るんだっけか。
って何冷静に考察をしているだ!! 今はそれどころじゃないんだぞ私!
ホッコリしている場合か! 畜生め!
「んぅ……」
彼が瞼を揺らし、ゆっくりと瞼を押し上げていく。
翡翠色の瞳と黒色の瞳が私を見つけたのか、少し潤んだ状態で私を見つめる。
そのまま私の手を握って、むふぅ、と鼻から息を吐き出して、また瞼を落としてしまった。
よし、この子は私が育てます。何処かの男もしただろう幼子から成長を見守ります。
あぁ、でもあの神様が親代わりだったか、この際この子をもらうために根回しをしてしまうか。
そしていつか「私にレンをください」だなんて、言って……。
溜め息を吐いた。
どうせ事実は変わらないんだから、もう吹っ切れるしかないんだろうな……。
贄、という存在上しかたない事ではあるのだけど、人間である自分がそれを許しはしない。
ハクタクである自分はむしろ彼との繋がりを消さない方で思考している。
「まったく……困ったモノだ」
溜め息をもう一度吐き出して、布団に改めて横になる。
握られた手をすこし強く握って、逆の手で彼を抱き寄せる。いい匂いがした。
根本的にダメになっているのを自覚をしながら、私は瞼を落とす。
とりあえず思考をリセットした方がいい。寝よう。そのほうがきっといいに決まってる。いい匂いがするなぁ、チクショウめ。
病み上がりと理解しつつしっかりと致しているケーネ先生マジかっけーね。