だってあのビジュアルに期待してガチャ回してどうにか手に入れたのに、シーン内容は裸ワイシャツも休日も全く関係なかったんだもん……。
◇
「……子……。凜子……」
「ん……うん……」
自分の名を呼ばれていると感じた彼女は、まどろみの中から次第に意識を覚醒させていく。目に入ってきたのは見慣れない天井と、少し豪華にも見える電灯。そして――。
「起きたか、凜子? てっきり俺より先に起きているものだと思ったんだがな」
「あ……え……? な、なっ……!? お前……!」
次に視界に入ってきた、上半身が裸の男の姿に凜子はたじろいだ。が、直後、その男の顔を、そして目を見て、驚きの色を浮かばせていた表情が緩む。
「どうした凜子? まだ寝ぼけているのか?」
フッと小さく自嘲的に笑い、凜子は口を開いた。
「……ああ、どうやらそうらしい。すまない。起きたら隣に好きな男が裸で寝ていた、などという経験は無かったものでな」
「そういうお前も裸だ。人のことを言う前に、自分の姿も確認できていないとは、やはり寝ぼけているな」
その言葉に偽り無く、今の凜子は一糸纏わぬ裸体であった。対魔忍として鍛え上げられた肉体は引き締まり、しかし胸にはふくよかな双房が、腰のくびれによってより強調されて実っている。
そんな美しい肢体、特に男であれば無意識のうちに目を留めてしまうであろう乳房を反射的に隠す素振りを見せつつ、凜子は男から恥ずかしげに視線を逸らしていた。
「互いの休日を利用して、昨日から俺の持っている別荘に泊まりに来ている。それで昨日の夜は楽しませてもらったために、お互いに裸というわけだ。……どうだ、思い出したか?」
ああ、そうだった、と凜子はため息をひとつこぼした。今言われたことが真実であることを証明するように、昨夜の情事の光景が脳内で呼び起こされる。「まったく……」と、男に対してか、はたまた自分自身へ対してか。ひとりごちりつつ、彼女は自身の青い髪を後ろにまとめながらベッドから立ち上がった。
「どこへ行く?」
少し硬い声の男の問いに凜子は振り返る。その顔には男の声色と対照的、穏やかな微笑が浮かんでいた。
「喉が渇いた。何かもらいたいが、構わないか?」
「ああ、なんだ、そういうことか。冷蔵庫の中のものを好きに飲んでいい」
感謝する、と口にしつつ、台所まで行く道すがら、凜子は椅子にたまたま掛かっていたワイシャツを手に取って裸体の上に羽織った。
(しかし……完全に気休めだな。それでもまあ、多少は恥ずかしい気持ちは薄れるか)
そんな風に自分に言い聞かせ、冷蔵庫の中からミネラルウォーターを取り出してコップに注ぐと一気に呷る。身体に水分が染み渡る感覚を味わいつつ、凜子はベッドへと戻ってきた。
縁へと腰掛けたのを見計らったところで、ベッドの上で上半身だけを起こしている男が声をかけてくる。
「……さっきはいきなり立ち上がるから、出て行くとか言い出すのかと思ったぞ」
「面白いことを言う。出て行くわけがないだろう。私もこの休日を楽しみにしていたのだからな。剣士にも休日は必要だ。だがそれは私だけでなく、お前もそうだろう? 普段は対魔忍として厳しい訓練や任務、を……」
違和感。ふと、凜子はそれを覚え、尻すぼみになった言葉を切った。原因はわからないが、何か
相手の男は本当に対魔忍だっただろうか。いや、そもそも知り合ったのはいつだったか、恋人となったきっかけは何だったか。
思い出そうとすればするほど、考えがまとまらない。拭い去ることのできない、とりとめなく疑問が頭の中へと浮かんでは消えていくような錯覚。
(目の前のこの男は私の恋人……。そう、頭ではわかっている。なのに……なんだ、この違和感は……?)
どうした、と言いたげに男の首が僅かに角度を変える。同時に、どこか訝しげに見つめてくる瞳に影が差す。
そんな仕草が、ますます凜子の違和感を膨れさせていく。目の前の男は恋人だ。そう、頭ではわかっているのに、それが真実ではないのではないかと思えてきてしまう。
(なぜだ……? 彼は対魔忍……いや、本当にそうだったか……? 名前……確か苗字は、
なおも浮かんでくる疑念。無意識のうちに、凜子は手で顔を覆っていた。何かを忘れているように感じ、思い出そうとするも、やはり頭の中が晴れない。まるでまだ夢の中にいるのだと言わんばかりに、思考がぼやけていく。
「あっ……。ん……っ!? んんっ……」
が、それも長くは続かなかった。考え込んでいた様子の凜子の手をどかし、顔を自分の方へと向けると、不意に男は唇を重ねてきたのだ。
唇から感じる男の存在と、舌を絡め合う感覚に、凜子はこれが夢ではないことだけははっきりと理解していく。
(ああ……そうだ……。この感覚……たまらないほどに甘く、心地の良いキスの感覚……。私は何を迷っていたんだ。今キスを交わしているこの時は、紛れもない真実ではないか……)
凜子の頭の中でもつれた糸のようでさえあった思考は、今や完全に疑念からかけ離れていた。恋人である男の唇を啄ばみ、舌を絡ませ、口腔内を堪能していく。王子のキスによって眠りから覚めた姫よろしく、心がすうっと楽になっていく。
同時に、昨夜の情事が再び思い起こされ、それだけで身体が色めき立っていくのを感じざるを得なかった。
歯茎に舌が這わされ、互いの舌同士が絡み合うだけで身体の中の官能が疼いてくる。もっと激しく。もっと淫らに。
知らず知らずのうちに、彼女の心は目の前にいる異性への欲求であふれ、少し前に抱いたはずの疑問など、もはや微塵も感じなくなっていた。
「ぷあっ……! こんな……いきなりキスしてくるなんて……」
「急に何かを考え込んでいるようだったからな。剣士にも休日は必要だと言ったのはお前じゃないのか? なら、今は余計なことを考えずに休日を謳歌すればいい。違うか?」
反論の余地も無い。今、目の前の男が言っている通りだと凜子は思う。
折角の休日。そして目の前には恋人がいる。なら、この休日を満喫することに何の異論も無い。
「それに、だ……」
続けてそう言うと男は自らの下半身へと視線を移した。つられるように凜子も目を動かし――。
「あ……」
思わず息を呑む。逞しい下半身の中でも一際目を引く、男性であることを表す股間のシンボル。それが大きく自己主張をしていたのだった。
「俺の方もそんな休日を望んでいる、というわけだ」
「……昨日あれだけしたというのに。まったく……」
「男の生理現象だよ。自分の意思に関わらずにこうなる。朝立ちというやつだ」
はぁ、と凜子はため息をこぼした。「もっとも……」と、さらに男は付け加える。
「本当に生理現象だけ、とは言い難いがな。ワイシャツを1枚羽織っただけの美女が目の前にいる、となれば……。男なら皆こうなる、というものじゃないかな?」
「なっ……!? か、からかうな!」
「からかってなどいない」
いつの間にか、凜子の顔のすぐ傍に男の顔があった。瞬きをする間に、2度目のキスが交わされる。だが1度目とは異なり、それは長い間は続かなかった。
「あぁ……」
どこか落胆した声を無意識のうちにあげてしまい、凜子も自身の心に気づくこととなった。
(そうか……。私も……欲している……)
己の中の欲望を理解した上で、改めて男の股間を見つめる。今もなお変わらず、そこは立派にそびえ立っていた。
(あれが……昨日の私を乱れさせたのだな……。私が口で奉仕した後、私の大切な部分を幾度と無く抉り、中を満たした……。いや、あそこだけはない。お、お尻も……)
記憶を呼び起こすと同時、前と後ろの秘穴がキュンと甘い疼きを覚えていた。それは子宮へと響き、彼女の鼓動を早めていく。
軽く発情してしまった凜子は男の逞しいペニスから目を逸らせない。むしろ餌を前にした犬のように、涎さえ垂らさんばかりの勢いで凝視してしまっていた。
「凜子……。お前さえよければ、この朝立ちの処理をしてくれないか……?」
耳元で囁かれ、美しい肢体がビクッと震えた。今の言葉が意味することは無論わかる。同時に、その言葉をかけられることを期待してさえいた自分にも、心のどこかでは気づいていた。
縁に腰掛けていた状態から、ベッドへと上がる。改めて間近で男の逸物をまじまじと見つめ、凜子は生唾を飲み込んだ。
(これが……私を乱れさせ……満足させてくれたモノ……)
「どうした、そんな改まって。昨日も随分と眺めていたし、身体でも味わったはずだ。今更物珍しくもないだろう?」
「い、いや……。それは、そうなのだが……」
そう言われても、決して男性経験は豊富ではない。目の前にある逞しいそれが昨日の自分を乱れさせ、そしてこれからの自分もそんな風にしようとしていると考えるだけで、鼓動が早くなるようにも感じる。
「凜子。見ているだけでは何も始まらないぞ。……これが欲しいなら、わかっているはずだ」
男に催促され、凜子はゆっくりと頷いた。前髪をかき上げ、口を近づけていく。独特のオスの匂いが鼻をつき、クラクラとしそうになるのを堪え、まずは亀頭部分へと唇を触れさせる。
「ちゅっ……んっ……ぅん……」
先端部分への愛おしそうなキス。次いで色っぽい唇を開き、その中へと男のモノを咥えこんでいく。
(あ、あぁ……。この味……たまらない……。早く、早く私の中に……欲しい……!)
懸命に欲求を抑え、頭を前後へと動かし始めるワイシャツだけを羽織った美女。唾液をまぶし、舌を絡め、唇で吸い出す。口だけでなく、空いている右手で竿の根本や
「いい調子だ、凜子……。ただ、フェラしながらのオナニーもいいが……弄りすぎて俺が突っ込む前にイクんじゃないぞ? 寝起きの後の初アクメは、俺のチンポでくれてやる」
ゾクリと身体を駆け抜ける被虐の悦び。普段は気丈に振舞い、
今しているフェラチオは勿論のこと、数多くの器具や目隠し、手を拘束されての簡易SMなど、様々な体位とプレイで男と凜子はまぐわい続けた。その間に凜子が迎えた絶頂の数は到底数えられない。
挙句の果てには女性器ではなく、肛門を利用してのアナルセックスまで行い、対魔忍である凜子が疲労から音を上げて眠りに落ちてしまうほどであった。
「んッ……んんっ……ふっ……んッ……」
そんな快楽が呼び起こされる。またあの時のように早く欲しい。その思いが、口による奉仕の速度を速めていく。自ら喉奥まで利用しようとして深く咥え、同時に舌を這わせる。今や息苦しさや
「昨日よりまたうまくなってきてるな。もっと舌で裏筋の部分を……ああ、そう、そうだ。いい感じだぞ……」
「んんっ……! んっ、んっ、ンンッ……!」
男の指示を的確に実行し、なおも続けられる口奉仕。部屋の中に響くのはより激しさを増した、淫靡な水音だけ。
(私……なんていやらしい……。でも、このチンポがたまらないから……しょうがないんだ……。私にとって愛しい……これまでずっと
しかし不意に、そこで凜子の動きが緩慢なものとなり、やがて口までも離れてしまう。
(今……私はなんて思ったんだ……? 「ずっと犯し続けてきてくれた」……? なんだ……何か違うというか、違和感が……)
ついさっきの感覚が呼び起こされる。頭の中が白く霞み、考えようとしても思考が纏まらない。
「どうした、凜子? また考え事か? それとも嫌になったか? ……気分が乗らないならやめてもいいぞ」
「い、いや……! すまない……」
「余計なことは考えなくていい。……俺との楽しい時間を過ごす。それがお前の望みだろう?」
またしても先ほど同様、頭の中がクリアになっていく。男の言葉は不思議な呪文のように凜子の心に染み渡り、今彼女がするべきことをはっきりとさせる。
(情事の最中に、何を私は無粋なことを……。相手にも失礼ではないか。……そう、私は今日、恋人とここで休日を過ごすのだ。恋人同士が休日にベッドの中ですることといったら、ひとつしかないだろう……)
自分自身にそう言い聞かせ、一旦冷めかけてしまった心を切り替える。改めて男のシンボルに軽く口づけをし、口の中へとそれを頬張った。
(そうだ……私はこれに奉仕をするんだ……。それ以外、何を考える必要があるというのだ……? 私にとっておきの快楽を与えてくれる、この立派なものがあれば、それでいい……。ああ……。また、身体が熱くなってくる……)
前戯を中断したために冷めてしまったかもしれない、という不安と裏腹。考えが纏まり終わって口奉仕が再開されると同時に、再び官能の炎は燃え上がった。先ほど同様、いや、改めて男に対する欲求が生まれたことにより、一層心が身体を沸き立たせる。
「ちゅぷっ……んちゅっ……じゅるるるっ……」
「さっきよりがっついてるな。唾液も絡ませて、必死な様子がよくわかる。だがその態度は好ましいぞ。失点を取り返そうとする姿勢は、実に俺好みだ」
男が凜子の頭を撫でる。それだけでやはり興奮してしまう凜子の心。その悦びは今度は身体の喜悦へと移り変わり、咥え込んだペニスへの舌使いをますます激しいものへとしていく。
「んっ、んむっ、んんっ……! ふぅっ……ンンッ! じゅるっ……じゅぞぞぞっ……!」
もはや凜子に迷いはなかった。懸命に頭を前後に振り、口を窄めて吸い出すような動きも加えていく。
その動きにつられるように、男の表情からも次第に余裕が失われていった。眉をひそめつつ、しかし顔にはどこか邪悪にも思える笑みが張り付いている。
「くっ……! 凜子……そろそろ出るぞ……!」
「んんっ……! らひれ……わらひのくひに……!」
口いっぱいに肉の塊を咥えたまま、凜子はそう返事をしていた。だが口は決して離さない。話す時間も惜しいと、もてる技術の全てを動員して、喉の奥へと男根を咥え込んだ、直後。
男は凜子の頭を掴んでいた。口の中で白濁が爆ぜる。息苦しさこそ覚えたものの、不思議と苦痛はない。熱い精を口内に溜めつつ、その瞳はうっとりと潤んでいた。
「んッ! んんっ! んんんーッ!」
(あ、ああ……。出てる……。私の口の中に……熱くて、濃いザーメンがたくさん……! 昨日あんなに出したのに……まだこんなに濃いなんて……。早く……早く味わいたい……)
だがその衝動に耐え、凜子は溜まっている精液をまだ嚥下しようとはしなかった。頭を掴んでいた男の手が離れ、ペニスが引き抜かれる。それでもなお、次の命令を待つ犬のように、凜子は恨めしそうに男を見上げているだけだった。
「なかなかいい具合だった。それに、俺が言ったこともちゃんと守っている。……さあ、凜子。次はどうするかわかっているな?」
コクリ、と頷いた後、凜子は精液の溜まった口を大きく開いた。今しがた口内に射精された精液が、そこに溜まったままになっている。
「いいぞ。よく味わえよ」
待ちかねていた許しが出ると同時、口を閉じてぐちゅぐちゅと舌で濃厚な白濁を堪能する。それがしばらく続いた後で喉を鳴らし、今度こそ男の精を飲み干した。粘つくような、独特なオスの匂いの体液が喉を通り過ぎていく。喉元が焼け付くような感触を得たところで、それを待っていたと言わんばかりに身体が小さく震えていた。
(い、今……精液を飲んだだけで……軽くイッてしまった……。熱くて……ねばねばして……臭いはずなのに、苦いはずなのに、私を悦ばせてくれるザーメン……。それを飲んだだけで、私……)
完全にスイッチの入ってしまった凜子だが、教え込まれた作法にのっとり、口を開いて全て飲み込んだことを証明して見せた。だがその目は、熱を帯びた顔のまま男を見つめている。とろんとした2つの瞳に見つめられ、男はどこか不気味な笑みをこぼしていた。
「よくできたな。しかし……俺のザーメンを飲んだだけで軽くイッたな?」
「……ッ! す、すまない……。もう……我慢できなくて……」
「確かに……ここももう、こんなになってしまっているものな」
男の手が凜子の股間に伸びる。それを凜子が止めようとするより早く――。
「ひっ……! ひぃあああああああっ!」
ほんの軽く、肉ビラと肉芽を撫でられた。それだけで凜子の身体は悦びに打ち震え、身体が小さく痙攣する。溢れた愛液が、シーツにまた新たな染みを作っていく。
「イクなと言ったはずだぞ」
「す……すまない……。でも……オマンコも……クリトリスも……もう敏感になりすぎて……」
「こっちも、だな」
今度は豊満なその胸の頂へ。ワイシャツ越しに布地を押し上げているピンクの乳首を指で触られ、再び凜子の身体が跳ねた。
「ひっ……ひいっ……!」
「胸も弱いものな。昨日も胸だけで何度イッたことやら」
「う、うぅ……」
普段は凄腕の剣士として敵を切り裂く「斬鬼の対魔忍」とは思えぬほどに、凜子は赤面してその顔を俯かせていた。だが男は口の端を僅かに上げると、凜子の顎へと手をかけて俯いた顔を上へと向かせる。
「恥ずかしがることはない。むしろ普段のお前と全く違う顔を見られて、俺は嬉しく思ってるぞ」
「そっ……そんなことをまじまじと言うんじゃない!」
「可愛い奴め。そうやって素直になれないのも、またいいところだ」
顎にかかっていた手が離れ、凜子が着ている、はだけたワイシャツの裾を掴む。それは次に、服で乳首を擦るように動かされていた。
「あっ……ああッ……」
「身体の方はこんなに素直なのにな。……どうだ? シャツの布地で乳首が擦れて、こういうのもいいだろう?」
男の言う通りだった。手で摘まれたり口で吸われるのとはまた違う、鋭い感覚。もっとたっぷり弄って欲しいと、既に勃起していたはずの乳首がまた一段と自己主張をし、一回りほど大きくなったように感じられる。
「んっ……あっ……。お、お願いだ……。もう……」
「ああ、そうだな。あんまり焦らせたら悪い」
胸への刺激がやんだ。気を抜けば達してしまいそうだった胸の先が、まだジンジンと熱を持っている。それでもなおの欲望を求める凜子は次の段階へと進むべく、準備をしようとする。
だが、凜子が寝転がろうとするより早く。男がベッドの上に横になっていた。
「わ、私が……上か……?」
「不満か? 我慢できないんだろう? お前のペースで動いていい」
本音を言えば、男にリードしてもらって成されるがままに交わりたかった。が、発情し切った今の凜子にはそんなことも些事だった。
とにかく疼き続けるこの身体をなんとかしたい。その思いが勝り、男の上に跨って、腰を降ろす前にワイシャツを脱ごうとする。
「あ、待て待て。シャツは脱ぐな」
「……えっ?」
「寝起きというこのシチュエーション、ワイシャツは欠かせないというものだ。それにお前の裸体が、まるで隠される様子もないワイシャツに包まれているのも、なかなか乙なものだぞ」
「……まったく、お前の趣味はよくわからんが……。その方がいいと言うのなら、そうしよう。……それで。始めてもいいか……?」
何でもいいから早くしたい。凜子はそんな思いだった。その心を反映するかのように新たな愛液が秘所から溢れ、太股へと伝っていく。
「ああ、いいぞ。最初はお前のペースでやれ。どうしても俺の手助けが必要なら、そう言うといい」
「わかった。それじゃあ……んッ……あっ、はあああぁっ……!」
男の
「あっ……はあっ……!」
その最奥、子宮口にコツンと先端が当たった瞬間。ビクビクッと凜子の身体が跳ねた。
「入れただけでイッたか。奥はお前の弱点だものな。……お前のいやらしいマンコが、俺のチンポを噛み千切ろうという勢いで締め付けてくるぞ」
「あ……ああ……。奥に当たっただけで……イッてしまった……。でもこれじゃ全然足りない……。もっともっと……深い絶頂で……大きな快楽で……私を満たして欲しいんだ……」
「それを望むなら腰を振れ。まさか『斬鬼』ともあろうものが、この程度の絶頂で身体に力が入らない、などと泣き言を言ったりはしないよな?」
「フフッ……。言ってくれる。じゃあ……動くぞ……」
引き締まった腰がゆっくりと浮かされる。自分を貫くオスが抜けていく感触を惜しむように膣壁はキュンキュンと締め付け、抜かせまいとしていた。
その感覚を味わったところで、今度は腰を沈めていく。抜けかけたペニスが再び埋没され、カリ首が膣壁を擦り上げていくと同時。身体へと電流にも似た衝撃が走る。堪らず口が開かれ、喘ぐ声がこぼれていた。
「んああっ……気持ち……いいっ……! 私のオマンコを割り開いて……お前のチンポが入ってくる……この感覚……ッ!」
自ら卑猥な単語を口にし、なおも身体を昂らせようとする凜子。併せて、先ほどより早く腰を上げ、それから落とす。
騎乗位での腰のグラインドが早められ、ただひたすらに快楽を貪る。少しでも早く、より大きなで甘美な快楽を。彼女の欲望のままに、訓練で鍛え上げられた腰を振り続けていく。
「あんっ、あんっ、ああっ……」
甘いよがり声が部屋へと広がる。併せて、完全に発情したメスの香りも。ハッ、ハッと短く息を切らせて必死になって腰を振る様は、まるで獣同士の生殖行為だ。
傍から見れば浅ましくさえ見える光景かもしれないが、当の本人にそんな自覚はまるでない。蕩けた表情で腰を振り続ける。
そうして膣でのエクスタシーを覚えつつ、意図せずその箇所以外からも刺激を受けていることを感じてもいた。
(これ……ワイシャツの裏地に……乳首が擦れる……。あ、あぁ……こっちも……だんだん切なくなってきて……)
腰が上下運動すれば、当然人目につくほどに巨大な爆乳も激しく上下する。普段そこを抑えてくれている下着は今はなく、自然とワイシャツに擦れてしまっていた。
一応衣服の裏側に隠れてはいるものの、裏地に擦れたそこは、着衣しているにも関わらずはっきりとわかるほどに既に勃起してしまっている。白のワイシャツの裏側、透けて浮き出ている、鮮やかで可愛らしいピンクの頂。
視線を下に落とせばそれが自然と目に入ってしまう。そんな自分の胸にさえもますますの興奮を覚えつつ、凜子は遮二無二腰を振っていく。
「ククク……。随分と必死だな、凜子?」
「だっ……だってぇ……! これ……気持ちよくてぇ……!」
「そうか。俺も気持ちいいぞ。このペースで腰を振ってくれ。……しかし俺の目の前でこんな大きな物を揺らしているというのは……触ってくれ、という意思表示かな?」
男はそう言うと、目の前にある大きく揺れる双丘へと手を伸ばした。グラマラスなバストが、重力に逆らうように下から抑え上げられる。次いで親指と人差し指の間で、はだけたワイシャツから覗く桃色の蕾が擦り上げられた。
「むっ、胸えええええぇッ! ひっ……あああああああぁっ!」
その瞬間、凜子の身体は震えて脱力していた。姿勢を保てなくなり、男に覆い被さるように上半身が倒れこんでくる。
「くっ……。締め付けが強くなったな……。乳首でイッたか」
「はぁ……はぁ……。だ、だって……私の乳首……ずっとワイシャツに擦れてて……それなのにいきなり指で扱いたりするからぁ……」
普段の凛とした様子は見る影もない。半ば涙声になりつつ、斬鬼の対魔忍は子供が言い訳を言うように泣き言を漏らしていた。
「それは悪かった。……まあお前は虐め甲斐があるからな。こうすればイクだろうという計算通りでもあるが」
「う、うぅ……」
「それで、いつまでこうしている? お前とこうして抱き合ってるのも嫌いではないが、このままでは俺はいつまで経っても射精できないわけだ。つまり、生理現象が収まらない、ということになる」
「あ、あぁ……。く、あうぅ……」
だが男に促されても、凜子は身体を起こすことが出来なかった。膝立ちの姿勢に戻ろうとするも、足がガクガクと震え、やはりへたり込んでしまう。
「だ……ダメだ……。イッたせいで……身体に力……入らなくて……」
「なんだ、そんなに気持ちよかったのか? 少し腰を浮かせて、後は重力に任せて沈めるだけでもいいんだぞ。……ほら、こんな風に」
言うなり、男は腰を跳ね上げた。剛直が凜子の最奥を抉り、恥骨がぶつかり合ってその身体を押し上げる。
突然の激しい抽送に、凜子の目が見開かれた。口からは悲鳴にも似た嬌声が振り撒かれる。
しかしそれで終わりではない。押し上げたところで、男は腰を引く。そうなれば、当然のように次に待っているのは、ついさっきの言葉通り、重力による身体の落下だ。
「ひッ……いっ……いぃあああああああああァッ!」
乳首の絶頂が伝播してきていた、熱冷めやらぬ子宮。そこへと、2連続の強烈な刺激が再び駆け抜ける。胎内を貫かれる絶頂感に襲われ、男に覆い被さった凜子の身体がガクガクと痙攣していた。
「またイッたのか? まったく、これではいつまで経ってもお前1人が気持ちよくなるばかりで、俺は延々と生殺しだな。動けないというならここからは俺が勝手に動くが、いいな?」
「あ……あぁ……」
了承か、それとも未だ引かぬ快楽の波を受けての呻きか。凜子は上の空のまま、そう口にしただけだった。
が、男は再度の確認を取らず、自分が下で凜子が上というこれまでの体位を入れ替えた。自分が上になって覆い被さる、主導で動くことの出来る体勢。
「それじゃあ、改めていくぞ」
繋がったままだったペニスをギリギリまで引き抜き、それから遠慮無しに押し込む。
「あっ、ああああああっ! そんな……いきなりいいいぃっ!」
絶頂の余韻で脱力していた凜子の身体がギクギクッと強張る。彼女のプリッとした桃尻に男の肉がぶつかる音がしたことからも、一気に奥まで押し込まれたことは明白だ。
「まっ、待て! 動くな、動かすなああぁっ! イッたばかりで……膣内……敏感になってて……! 少し……少しでいい……休ませて……」
「おいおい、斬鬼の対魔忍ともあろう者がこの程度で泣き言か? 普段からもっとつらい訓練をして、任務にも励んでいるんだろう? だったら、なんということはないんじゃないか?」
一旦腰を引き、再び深い挿入。
「いっ……ぎいいいぃっ!」
「それに、だ……」
唇を舐めるようなキスを交わし、男は凜子の耳元で囁く。
「……お前だって、こうやって乱暴にされた方が感じるだろ? だってお前は、普段こそクールを装っているものの、本質は真性のマゾだもんな」
ゾクゾクゾクッと凜子の身体を駆け巡る背徳の悦び。己の仮面を剥がされ、本当の自分を曝け出し、それでもなお自分を自分として受け入れてくれた恋人の囁きに、得も言われぬ感覚が心にあふれてくる。
「ああ……ああ……! お前の言う通りだ……。お前にだけは嘘偽りのない私を見て欲しい……。だから……もっともっと私を虐めてくれぇッ……!」
男の顔に邪悪にも見える、嗜虐的な笑みが浮かんだ。凜子の懇願を了承する代わりに、腰が引かれて深く突き入れられる。
「ひゃあああああぁっ!」
「本当にかわいい声で鳴く奴め。……いいぞ。たっぷりとかわいがってやる」
凜子の色っぽい唇が男によって塞がれる。今度は先ほどのように軽いものではなく、より激しく交わされるディープキス。口腔内をまさぐり、舌を絡ませ合う。そうしつつも、男は腰の動きも止めることなく凜子を責めたてていった。
「んむっ……んんんっ……! んッ、ふうッ……んむンンンンッ……!」
酸素を求めて喘ぎながら、しかし凜子は口を離そうとしなかった。両手は男の頭の後ろへ、両足は腰へと回されている。相手を放したくないと身体を密着させつつ、ひたすらに快楽を貪っていく。
(気持ちいい気持ちいい気持ちいい……ッ! この快楽さえあれば、もう何もいらない……! もっと……もっと私をイかせてほしい……!)
激しさを増すほどにより感じてしまう淫乱美女。唾液の糸を引きながら離れた唇からは艶かしい吐息が漏れ、頬は真っ赤に上気している。
はだけたワイシャツをかきわけて男の無骨な手が伸び、
「胸もいいか? 乳首をこんなにしこらせて……」
「いい……イイッ……! 胸も、口も、あそこも、全部……!」
「だろうな。聞くまでもなかったか。マンコはずっと大洪水だ。もう何回イッたんだ?」
凜子は答えられなかった。絶え間ない官能の波に晒され、断続的に絶頂を迎えてしまっている。その度に膣が収縮してしまっている以上、相手にも勘付かれているだろう。なのに、手を緩める気配はまるでない。いや、それでいいとさえ凜子は思ってしまっていた。
(もっとすごいのがキそう……。今までのをはるかに越える、深い絶頂……。あぁ……そんな深イキしたくて、私のオマンコがキュンキュンって疼いてしまっている……)
そう思った直後だった。深く捻じ込まれた肉槍に、奥を小突かれるような感覚。
「あっ、そっ、そこおっ……! 奥……お前のチンポと私の子宮口がキスしちゃってるうぅっ……! あンっ、ンくうううううぅっ!」
全身が快感の渦に飲み込まれていく。それでも凜子はまだそこに飲まれないと必死であった。彼女はもう十分すぎるほどに気持ちよくなっている。しかし、相手はまだ1度として精を吐き出していないのだ。
「どうした? イクのを耐えているのか? ……ああ、ギリギリまで我慢してからイッた方が、快感も倍増するというわけか」
「それも……あっ、ああっ……あるけどぉ……。まだお前は出してないからぁ……。お前の精液を私の子宮で飲み干して……。種付けアクメで深イキしたいのぉ……。あんっ、ああんっ!」
「ククク……。それは殊勝な心掛けだな。よしわかった。では本気でいくぞ」
スタイル良くくびれた凜子の腰が、羽織っているだけとなったワイシャツごとホールドされる。遠慮も無しに、男は腰を振り始めた。
「んあっ、ああああああっ! はっ、激しすぎてっ……! ひっ、あっ、あああああああっ!」
パン、パン、と互いの肉がぶつかり合う音が響く。これまでよりもギアを上げてのピストンに凜子の顔はたちまち蕩け、深く甘美なオルガズムの足音が近づいてきていた。
「はぁうううぅッ……! う、あっ、あンッ、あああっ……!」
「俺はそろそろ出そうだが……お前もイきそうか、凜子?」
「イッ……イクぅッ……! もう……もうイク……ッ! 早く……早く私の中に出して……! 種付けアクメさせてくれえぇっ!」
抑え切れない多幸感の中で凜子は叫ぶ。普段の凛々しさからは程遠い、快楽を求めるメスの表情だ。
だが男は対照的だった。腰の動きこそ恋人と行うセックスのそれだが、顔は不気味なほどに冷たく、浮かぶ笑みはやはりどこか残酷ですらあった。
「そうか。それはよかった。では……とどめといくとしようか」
振られていた腰が一旦止まる。演技がかった様子で男がそう述べ、指を鳴らした。直後――。
「なんで止め……。えっ……!?」
凜子は、これまで靄がかかったように考えが纏まらなかった自分の思考が、急にクリアになっていくのを感じていた。
目の前の男は何者だったか。一体どこで出会ったのか。先ほど思い出そうとしてできなかった答えが頭の中へと浮かんでくる。
「きっ、貴様……! ふうまの……あっ、ひぃあああああぁっ!」
名前が思い出せない。出会ったきっかけも思い出せない。思い出そうとすれば、まるで糸が絡まったかのように思考が纏まらない。
どれも当然のことだった。なぜなら、凜子にはマインドコントロール、あるいは催眠術の一種のようなものがかけられていたのだから。
つい今しがたまで恋人だと信じて疑わなかった目の前の相手は、自分を捕らえた、対魔忍にとって敵対組織とみなされているふうま一族の頭領だった。何かの術であろうか、理由はわからないが、自分はこの男の恋人だと思いこまされ、そのことに何の疑問も抱いていなかった、と言うことになる。
正気を取り戻した凜子は、憎き敵の手から逃れようと、この状況からの脱出を試みるが――。
「あっ、ああっ! やめっ……あぐうううううぅっ!」
敵である男に腰を突き入れられた途端。抵抗する意思を奪い去るほどの快楽に襲われていた。
「やめろ? どうしてだ? さっきまであんなに俺のチンポとザーメンをねだっていたじゃないか。……お望み通りくれてやるよ、凜子」
「い、いやっ……! それだけは……いっ、ああっ、いやああああああっ!」
どんなに心で拒絶しようとしても、快楽の渦に飲まれた身体は素直であった。加えて、ほんの少し前まで恋人だと思いこまされて、その記憶が残っている心もまた、この行為を拒絶ではなく受け入れようとしてしまっている。
(だ……ダメだ……! 拒絶……できない……! 私……このまま……!)
駆け抜ける背徳の予感。たとえ心を操られていたといっても、人間の本質が変わるわけではない。
すなわち凜子は心の奥底では被虐を望んでいることになる。そして今現在おかれている状況は、まさにその被虐心を満たしてくれる、絶望の淵――。
「ダメダメダメえええええぇッ! 今、出されたら……ッ!」
「イけ! 恋人と思いこまされていた、憎い敵の男にザーメン中出しされてイクがいい、凜子!」
結局、凜子は抵抗らしい抵抗など全くできなかった。抉られ続けた膣の最奥。子宮口へとペニスの先端が押し付けられ、そこから熱い精液が爆ぜる。
欲望の白濁が子宮内へと流れ込む。アクメを望み、しかしそれを押さえ込もうとしていたせいで、まるで堪えることは出来なかった。生命の営みを司る女芯が歓喜に打ち震え、その喜悦はあっという間に全身へと伝播していく。
「イクうううううううッ! 中に出されてぇっ……! 私……私ぃッ……! やっ、あぁっ、あああああああンッ!」
どんなに心で拒もうとしても、身体が待ち望んでいた絶頂は実に心地よいものだった。断続的にオーガズムの波が押し寄せ、痙攣を止めることができない。
「あっ……ああっ……。まだ……まだイッたまま……止まらない……」
「ククク……。随分と深イキしてるな。俺のチンポを食いちぎろうとするほどに膣が収縮してるぞ。まあ無理もないだろうな。ずっと待ち望んでいた中出し種付けアクメだ」
「あ……うあぁ……。き……さま……」
強がり、睨みつけようとしても、顔がまるで引き締まらない。
「そんなトロ顔で凄もうとしても、まるで意味がないぞ。まったく、可愛い奴め」
男が凜子の唇へと自分のものを重ねる。歯を立てようにも未だ続く絶頂の余韻に力は入らず、いいように口内が蹂躙されてしまっていた。
「さて、そろそろ種を明かしてやろう」
口腔内を堪能した後で、男は口を開いた。
「捕まえた時にも説明したんだ、俺の術は知っているな? 邪眼『魔門』。他人の能力を奪い自分のものとする能力だ。今、俺の眼の中にはある呪術系忍法が入っている。そうだな、強力な催眠術とでも思ってもらえばいいか。それでお前を俺の恋人だと思いこませ、しばらくは甘い時間を堪能させてもらった、というわけだ」
凜子は荒い呼吸を繰り返しながら、その言葉を聞いていた。――いや、聞いていることしかできなかった。
(そういう……ことか……! だからこうして、余裕を持って説明などしているのか……。現に、今の私の身体は……)
四肢が、両手両足が動かない。
目の前の相手が説明を始めた時点で、僅かではあるものの快楽の波の引いた凜子は反撃に転じようとしていた。が、それができなかった。未だに残っていた絶頂の余韻などとは違う。その原因が、説明を聞いてはっきりとしていた。
「そして俺はまたお前に術をかけた。……さっき無様にイッた瞬間にな。この術は心の抵抗が弱ければ弱いほど、強力な効果を発揮する。絶頂などというのは、まさに心が無防備になる瞬間だ。その効果はお前が今身をもって味わっている通り。……俺の指示した通りにしか身体を動かせないという命令は、ちゃんと効いているようだな」
否定はできなかった。それでも凜子は目だけは相手を射殺さんと、鋭く睨みつけていた。
「おお、怖い怖い。そんな目をするな、凜子。俺達は恋人同士だろう?」
「ふざけたことを……! 術の力で貴様がそう私に思いこませていただけではないか!」
「だがお前は楽しんでいた。そして俺のザーメンを子宮に浴びてアクメまでしてみせた。……気持ちよかっただろう?」
図星だった。思わず反論につまり、凜子は視線をそらす。
「まだ素直になれないか。……まあいい。時間はたっぷりあるからな」
ふうまの男は凜子へと顔を近づける。そして、残忍な笑みと共に小さく呟いた。
「……さあ、続きをやるとしよう。せっかくの休日だ。じっくりと謳歌しようじゃないか、凜子……」