※この作品はR-18です。

この素晴らしい嫁たちに祝福を!   作:雄也

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2話

1.

 

森に、爆炎と轟音が響き渡る。

「エクスプロージョン!」

 

 

爆裂ライフが始まってもう1ヶ月が経とうとしていた。

今日はクエストで、一撃熊なるものの群れを消滅、いや消滅させてきた。

農家の人の畑を荒らす一撃熊は、この時期になると畑の物も出荷し終わっているので、食べるものがなく人里、つまりアクセル周辺にまで降りてくる。

10〜15くらいの群れからなる一撃熊は、本来なら腕きき冒険者が何パーティーか合同でクリアするものだ。何より安全だし、それだけの人数でクリアしても報酬が高いので手元にしっかりと入ってくる。

だからこそ難しいのだが。

それを俺とめぐみんは2人でクリアした。

やり方は簡単だ。

俺が敵感知で相手のいる位置を特定する。

細かい場所までは分からないが、大雑把な場所さえ分かれば問題ない。

大雑把な場所をめぐみんに伝え、一撃熊の群れに撃つ。

そして、万が一外れたときのために、バイトに行く前に奪っておいたアクアの魔力をめぐみんに与え、すぐに逃げられるようにして、一撃熊が2匹以上残った場合には離れた状態からもう一度放つ予定だ。

彼らは名前の通り一撃が致命傷なのだが、鈍重なので人間が走る速度の1/3くらいのスピードしか出ない。

一撃熊が全て倒されたか確認をしたので、もう一度爆烈魔法を撃つ必要性はなかったのだが。

 

「エクスプロージョン‼︎」

 

やっぱり、魔力があったら撃ちたくなるよなぁ。

分かるな、その気持ち。

金がなくてもゲーム買いたくなるし、金があったら絶対に買っちゃうよなぁ。それに今のめぐみんは自分の魔力じゃないわけだし。

あぁ、久しぶりにゲームやりたいなぁ。

 

 

2.

 

「うぅ、カズマに身体を動けなくさせられた上に俺の上に乗っかれと言われて無理やり乗せられて、挙げ句の果てにお尻と太ももまで揉みしだかれるなんて……」

「やめろよ!おんぶしてただけだろうが!」

 

ギルドに着くなり、わざと周りに聞こえる声の大きさでそんな事を喚いためぐみん。

おかげで、周りの女性冒険者の視線が痛いですね。もう慣れたけどね!悲しいことに。

失ったエネルギーを補給するため酒場へと向かう。

席に着くなり、どかっ、と腰を下ろし机に項垂れる。

 

「あぁ〜〜歩くの疲れました」

「待て、街まで運んだの俺だろ」

「割合的にはカズマと私は、街の外:街中=1:1なので同じです!」

「ふざけんな!おまえをおぶって街の外から戻ってくるのに1時間掛かったんだぞ!街の中?たったの5分だろ!それが何で同じなんだよ!」

 

料理が来るのを待つ間、目の前で馬鹿なことめぐみんがトンデモ理論を展開する。

 

「ふふふ、カズマ、忘れましたか?私は今日クエストも完了させてるんですよ?私の繊細なる爆裂魔法で、一撃熊の奴らを灰燼にしてやりましたよ!」

「敵を引きつけた危険を顧みない大胆傍若無人な爆裂魔法でもあるけどな」

「なっ⁉︎」

「それに、爆裂魔法撃って動けなくなったお前があのまま倒れていたら、他の魔物に食べられてたかもしれないんだぞ?なら、めぐみんをおぶって帰ってきた俺は、めぐみんの命の恩人と言ってもいいな」

「何ですかその横暴理論は!……あれ、なんかその理論、私も誰かに使った気がします……」(※スピンオフ1巻参照)

「うわ最悪。紅魔族と同じ発想かよ」

「なにおぅ!良いことを教えてあげましょう!カズマって名前、紅魔族的にはレベル高いですよ!」

「全く良いことではないわ!」

 

まだ出会って2ヶ月も経ってない相手と、こうして何の躊躇いや遠慮もなく言い争いが出来る仲間と巡り会えるというのは、そう簡単にはできないだろう。これも俺の運のステータスの高さのおかげだろうか、いやそんなことは無い。

紅魔族は元々知能が高く、学校と同じような施設もあるらしい。

人間、ダメなところの1つや2つあるだろう。この子は頭だけおかしかったのだ。そう、終わってるのは、たったそれだけ。

……終わってる気がするな。

でも、目の前で美味しそうにご飯を食べて幸せそうなめぐみんを見ていると、そんな些細なことはどうでも良く、ならないな。

ヤバイな。何とかしよう。

 

「カズマ、お願いがあります」

 

俺が思索に耽っていると、めぐみんが少し瞳を輝かせながら、まっすぐにこちらを見てきた。

なぜこいつは瞳は輝かせているのだろう。怖いんですけど。

 

「何だ、聞くだけ聞いてやるよ」

「私は今日、とてもよく頑張りました。それはそれはとてもよく頑張りました!」

「そのおかげでその轟音を聞きつけて他のモンスターまで来たけどな」

「うぐっ!……それを言われると、何とも言い返せませんが、でも、カズマ倒せてたじゃないですか!」

「おい、何も言い返せないとか言っといて言い返してるじゃねぇか」

 

そう、魔力を分け与えられてめぐみんは二発目の爆烈魔法を発射。

何もない空間に撃ったのだが、その音を聞きつけたのかカエルを含む雑魚モンスターが山ほどやってきた。

1匹ずつなら確実に倒せるが、数十のモンスターを相手に戦えるはずもない。

俺は持って来ていたバッグから小麦粉を取り出し、何袋もモンスターにぶちまけた。

突然視界が白くなりモンスターが驚いたのか、一瞬動きが止まる。

その機を逃さずに、ティンダーで火をつけておいた木の枝をモンスターに投げつける。

そして、爆発。

その規模と威力にモンスターの群れも壊滅。

生き残ったモンスターも、驚いて逃げてゆく。

これ以上は何もできないので、小麦粉の袋1袋を投げて力尽きためぐみんをおぶって街まで逃げ帰ってきたというわけだ。

 

「あれがなかったら、今頃俺ら死んでたな……」

「それは同感です。それにしても、あれは凄かったですね。あんな魔法をカズマはいつ習得したんですか?」

「ん、まぁ、あれは俺が昔いた国の知識だよ」

「確か、『日本』という国でしたね?一体何処にあるんですか?」

「海の向こうだな」

「行ってみたいです」

「あぁ、俺も帰りたいな。でも、もう望みは薄いけどな」

「え?」

「いや、何でもないよ。それより、俺も何か食べようかな」

 

かつていた日本に思い出を馳せながら、懐かしい光景を思い出す。あの世界に未練がないと言えば嘘になるが、今のこの世界も充実しているのではないだろうか。

あの時は、女の子と話すことなんてそんな機会そんなに多くなかったしなぁ。

まぁ、目の前にいるのは、女の子というよりも……ロリっ子か。

 

「おい、ロリっ子というのがどこに居るのか、教えてもらおうじゃないか!」

「地の文を読むな!」

 

 

 

続く。

 




めぐみん編第2話でした。
感想、リクエスト等お待ちしています!

次回の更新は3月28日です!
めぐみん編第3話をお届けします。
お楽しみに!
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