※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第105話:二人の母

 やれやれといった表情の甲児が、近付いて来た和子に気付居た。

 

「ところで、あんた誰?」

 

 甲児は、突然現われた和子に問い掛けると、和子はその場で軽く一同にお辞儀し、自己紹介を始めた。

 

「私は、朱紗和子と言います!あなたが、兜甲児君?もしかして、兜十蔵博士の?」

 

 和子の言葉に甲児は大変驚いた。こんな所で亡き祖父の名前を聞くとは思っても見なかったのだから・・・

 

「エッ、兜十蔵は俺の爺ちゃんだけど・・・あんた、俺の爺ちゃん知ってるの?」

 

「ええ、私の祖父が存命だった頃だから、20年ぐらい前だけど・・・私の祖父とあなたのお爺様は知り合いだったの!何度か家にお見えになって、魔物の事、超能力の事などを、私の祖父に聞いてらしたわ!!その身に付けているのが・・・Zなのね?それと、ついでに言えば、あなたのお父様も知って居るわ・・・」

 

 甲児は、祖父十蔵やZの事だけで無く、父剣造まで知って居ると話す和子に興味を持ち、

 

「お、俺のお父さんまで・・・あなたは一体!?」

 

「あなたのお父様とは・・・昔、お見合いした事あるのよ!ウフフ、もっとも剣造さんには、既に心に決めていた女性が要らしたそうで、私に必死に断るようにお願いされたわ!あなたのお爺様には、頭が上がらなかったのね・・・その女性こそが甲児君、あなたのお母様よ!!」

 

 和子の話を聞き、そんな事もあったのかと甲児は驚く、言葉の合間を縫って、ミーコが和子に話し掛けると、

 

「おばさん、お久しぶりです!覚えてますか?涼子と高1の時一緒だった黒田ミコです!何回かお家の方にもお邪魔した事がある・・・」

 

 和子は驚き、ミーコの顔を見ると思い出したようで、

 

「まあ、ミーコちゃんだったの!ますます、可愛くなって・・・まさか、甲児君達と一緒だった何て・・・」

 

 和子はニコニコしながらミーコと話した。世が世ならば、このまま世間話を続けて居たい事だったであろう・・・

 

 ミーコは、他の仲間達を和子に紹介し始め、

 

「おばさん、他の人を紹介するね!このモサっとしてて頼りなさそうなのが、私の彼氏で茂坂公司、通称モサよ!こちらは耳宇高校で英語の教師だったレイ・ミランダさん!こっちの女の子は、獣神魔王の支配していた関東で知り合った錦織つばさちゃん!隣は、光子力研究所の弓博士の娘さんで、甲児君の彼女のような弓さやかさん!あっちの顎の出た人がボス、それと向こうのツルツル頭が、私達のお目付け役で一緒に来てるもりもり博士!最後に・・・こちらの女性は、雪代小百合ちゃんのお母さんの雪代咲苗さんです!」

 

 和子も紹介された人々も軽く会釈をして居たが、最後に紹介された咲苗に和子は驚く。

 

(この方が雪代さんの・・・娘さん同様奇麗な方ね!)

 

「初めまして、朱紗真悟の母、朱紗和子です!雪代さんのお母様、後で娘さんの事でお話があります・・・」

 

 突然の和子の申し入れに咲苗は驚き、

 

(さ、小百合に何かあったのかしら?)

 

 段々顔色が青ざめる咲苗を、和子が優しく支える。和子は甲児に再び向き合い、

 

「此処に伺ったのは他でもないわ・・・甲児君、あなたの力を私に貸して!あなた達もこの山陰に来たという事は、既に龍神魔王の事も知っているわね?」

 

 甲児は無言で頷くと、和子も頷き返し、

 

「私の息子、朱紗真悟が龍神魔王に捕らわれて居る!龍神魔王に勝てるのは、現時点では真悟のみだわ・・・そこで、龍神魔王と七大将軍に捕らわれて居る人々を救出する部隊と、奴らを陽動する部隊を結成したい!甲児君、あなたには敵を引き付ける陽動部隊をして欲しい!!あなたとZなら、七大将軍とも互角以上に戦える筈だわ!!皆の力を結集すれば、必ず龍神魔王達を倒せる!!お願い、甲児君力を貸して!!!」

 

 甲児はニコリと微笑み、

 

「ヘヘン、言われるまでも無いぜ!こっちも龍神魔王やヘルの野郎には用があるんだ・・・あんたの申し出、喜んでこの兜甲児が引き受けた!!」

 

 和子もニコリとし、甲児と固く握手をする。

 

「ありがとう!2時間後に私達は行動を開始する予定よ!!甲児君、それまでに敵の陽動の方をお願いね!!!」

 

 甲児達は出発の準備を始めて居る中、和子は咲苗を呼ぶと、

 

「さっきはゴメンなさい・・・私は、あなた達を犯した男、青沼一馬と共に旅をして居たわ!彼は、真悟によって試練を与えられ見事に克服したわ・・・彼は、あなた達を犯した頃とは別人のようになり、人の心を取り戻した・・・そんな中、私は、とある人からあなたの娘さんの保護をお願いされたの!娘さんは世界崩壊後、瓜生麗と行動を共にしていたのだけど、彼と離れた後で数々の辱めを受け、精神を崩壊させた・・・でも、私達と旅を続けていく内に、徐々に心を取り戻し始めたわ!!今は、ハレンチの砦という場所で、大勢の人々と避難生活をして居るわ!!」

 

 咲苗は、和子の言葉を黙って聞いて居たが、

 

「娘が無事な知らせを受けただけで嬉しいですわ!私は、母親失格ですから、あの子に顔を会わせる資格は無いですけど・・・どんな目に遭っていても・・・無事で居てくれれば・・・ウッウウ」

 

 咲苗は小百合の事を思い出し、ポロポロ大粒の涙を流した。和子は、そんな咲苗の肩を優しく抱き、

 

「そんな事無いですわ!平和が訪れたら会ってあげて下さい。雪代さんも喜びますわ!!」

 

 咲苗は涙を流しながら、和子の言葉に頷き続けた・・・

 

「では、私は他の同志達に話しに向かいます!皆さんによろしくお伝えください!!」

 

 和子は、咲苗と別れの挨拶をすると、テレポーテーションでこの場を去った。咲苗は改めて娘小百合の事を思い描き、

 

(小百合、辛い目に遭って居たのに、側に居てあげられなくてゴメンね!きっと、きっと迎えに行くから無事で居てね!!)

 

 咲苗はそう心に誓い、ワゴン車に戻って行った。

 

 

 

 和子は、瓜生麗、兜甲児に続き、ハニーとジル、合田とヤマトを探し出し、同志になるように説得していった。既に面識のあったハニーやヤマトが相手だったので、交渉はスムーズだった。もっとも、和子が涼子の母親だと知った合田が、和子をお母様と呼び始め、和子を違う意味で困らせたが・・・

 

(これで、お膳立ては整ったわね!邪神が来る前に決着を着けなければね!!)

 

 和子を中心に戦士達が動き始めた!!

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