自分の部屋で待機していたヘルは、龍神魔王の呼び出しを受けて居た。生贄の朱紗の女を吸収するので出席せよという命を受けて居た・・・
(ほう、朱紗の女を捕らえたのか・・・おそらくはザンガーか!龍神魔王などに構っていられるか!それより、兜甲児が接近して居るという事は、ブロッケンめ・・・しくじりおったな!!)
ヘルは、テレパシーで龍神魔王に話し掛けると、
(龍神魔王様、この砦に近づく輩が居ります!おそらく、ダイザーを倒した輩だと・・・私が蹴散らして参りますので、龍神魔王様は儀式の方をお楽しみ下さい!!)
(そうか、お前が出るほどなのか?良かろう、その者の首、我に捧げよ!!)
(ハハァ!!)
ヘルは、自分の軍団に招集を掛けた。ヘルの大軍団が、続々と集まってくる。
(兜甲児、覚悟しろ!貴様だけは、わしの手で八つ裂きにしてくれるわ!!!)
怒りに燃えるヘルは、遂に自ら甲児を殺す為に動き出した。
今、龍の洞窟を見渡せる崖の上に、朱紗和子を始めとする戦士達が集まった。瓜生と竜子が、ハニーとジルが、合田とヤマトが、一同が顔を揃えた。簡単な顔見せが終わる中、和子は改めて一同に挨拶し、
「皆さん、急なお願いを聞いて頂きありがとう!兜甲児君も約束通り来てくれたようだわ・・・見て!龍の洞窟から軍勢が出て行くわ!!」
和子の言う通り、竜の洞窟からヘル率いる軍勢が甲児目掛けて出撃した。その規模に瓜生は表情を曇らせ、
「このまま行かせて良いのか?かなりの軍勢だぜ!?」
瓜生の問い掛けに、和子も表情を曇らせた。此処までの大軍団を従えて、甲児を倒そうとは、和子も思わなかった。だが裏を返せば、龍の洞窟の警護が手薄になっている現われでもあった。和子は甲児達一行を信じ、
「甲児君達ならきっと大丈夫!それよりも、まだ、龍の洞窟には龍神魔王と七大将軍の二人が残って居るわ!私達も気を引き締めましょう!!」
皆が頷く中、ヤマトは瓜生の事をジッと見つめていた。瓜生はそんなヤマトに気付き、
「どうした!?俺の顔に何か付いて居るか?」
「い、いえ・・・何でもありません!」
ヤマトは慌てて、視線を外して何でもありませんと答えると、竜子は二人を見比べて思わずクスリと笑い、
「フフフ、そう言えば、少しヤマト君って瓜生に似てい居るもんね・・・スケベな所は別でしょうけど!」
竜子が瓜生をからかうように話すと、ジルも瓜生をジィと見つめ、
「そうなのか?ではハニー、我らもこの男と二人っきりにならないように気をつけよう!」
「ウフフ、そうねジルお姉さま!」
ジルとハニーも、竜子の話に乗っかり瓜生をからかう。瓜生は苦笑を浮かべながら、
「おいおい、からかわないでくれよ!これでも、高校じゃ生徒会長やるほど人望はあったんだぜ!なあ、合田?」
突然話を振られ合田は戸惑いながら、
「まあ、人望は兎も角、確かに生徒会長ではあったな・・・」
「お前らなぁ・・・まあいいさ!」
これから敵の本拠地に乗り込む雰囲気には思えない程であった。合田は、思案する和子に話し掛け、
「お母様、私達はどう攻め込みますか?」
「ご、合田君・・・そのお母様は止めて頂戴!力が抜けちゃうから・・・洞窟の中は、ジルさんが詳しいから先陣をお願い!!」
苦笑しながら合田を軽く窘め、和子はジルに突入部隊の先陣を頼んだ。ジルは頼もしく心得たと和子に返す。その時、和子と瓜生が龍の洞窟内で激しい戦いの気配を感じた。
(どういう事!?私達以外にも龍神魔王達と戦う者が居たというの?)
「あなたも感じましたか・・・既に何者かが、龍の洞窟内で戦闘を行って居る!」
瓜生の発言に皆も驚き、瓜生と和子の顔を交互に見つめた。思案を纏めた和子は、
「皆、行きましょう!このチャンス逃す訳にはいかない!!」
和子が率いる戦士達が、遂に龍の洞窟目掛けて動き出した!!