※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第112話:ヒミカの願い

 和子と瓜生が感じていた力は、ドラドとヒミカの戦いの事だった。二人の戦いは、まさに死闘と呼ぶに相応しかった。ヒミカの魔力の前に、さしものドラドも容易く接近する事が出来ず、またヒミカの攻撃もドラドの黄金剣に弾かれ、双方決定打を欠いていた。

 

「ヒミカめ、小賢しい!だが、大分辛そうだな・・・この戦い貰った!!」

 

 ドラドは、ヒミカの息があがってきた事にニヤリとするも、ヒミカは金色に輝く髪を蛇のようにくねらせながら、

 

「だ、だまりゃあ!ドラド、貴様を地獄に送るまで・・・わらわは、わらわは死ねぬわ!!」

 

 ムーの恨み、父と母の恨み、アマソ、イキマ、ミマシの恨みを晴らすまで、ヒミカは死ねないと思って居た。

 

 一方、ムラジに無理やり連れ出されたアイラだが、たった一人の肉親であるヒミカの身を案じ、

 

「ムラジ、離して!あなたは、あなたは私を犯しただけでなく、姉上まで見殺しにするというのですか?私は嫌です!一人ぼっちになるのは嫌・・・ヒミカお姉さまが居たから、私は数々の辱めを受けても耐えてこれたのです!!」

 

 アイラは涙を流し、ムラジに抗議すると、ムラジは、改めて自分の仕出かした行為をアイラに詫びた。

 

「アイラ様・・・操られていたとは言え、私はアイラ様に取り返しの出来ない事を致しました・・・しかし!どんなに罵られようとアイラ様、私は・・・」

 

 アイラは興奮していて、ちょっとムラジに言い過ぎたと思い、憂いを帯びた表情で、

 

「ムラジ・・・ゴメンなさい!あれは、あなたが悪い訳じゃないのに・・・でも、お願いよ!私を姉上の側に・・・お願い、ムラジ!!」

 

 ムラジは、溜息を付きながら思案する。アイラは幼き時から、一度決めた事は頑なに守り通そうとする面も持って居た。ムラジは、幼きアイラと今のアイラが重なって見えると、

 

「アイラ様には適いませんなぁ・・・分かりました!戻りましょう、ヒミカ様の下に!!このムラジも、ドラドに一矢報いてくれましょうぞ!!」

 

「ムラジ・・・ありがとう!」

 

 アイラとムラジ、二人はヒミカの下に引き返した・・・

 

 

 ヒミカは、己が持てる全てを掛けて、ドラドに魔力の限りを尽くした。さしものドラドも、ヒミカの執念に次第に追い詰められて行った。

 

「お、おのれ、ヒミカ~!!」

 

「今こそ、亡き父上、母上、アマソ、イキマ、ミマシの敵を討ってくれるわ!!オンマニカキリキリマハラ!!」

 

 ヒミカは、部屋の隅に追い詰めたドラドに突風を叩きつける。ドラドは無様に上空に巻き上げられ、地上に叩きつけられた所に、黄金の仮面にヒミカの雷が見事にヒットし、ドラドの黄金の仮面が吹き飛んだ。

 

「グウギャァァ・・・」

 

「どうじゃ!わらわの力思い・・・な、何!?」

 

 勝ち誇ったヒミカだったが、ドラドから巻き起こる凄まじき殺気に思わず背筋が凍り付いた。仮面の下から現われたドラドの顔は、腐りかけたように腐敗して居た。だがその目は、邪悪な視線をヒミカに浴びせる。

 

「見たな~・・・ヒミカ~~!殺してやる~~!!」

 

 ドラドの邪悪な視線に射竦められたヒミカは、身体の自由を奪われ、身動き出来ない所を、腹部にドラドの黄金剣が突き刺さった。

 

「ギャアァァァ!む、無念じゃ・・・」

 

 ドラドが黄金剣をヒミカから引き抜くと、ヒミカの腹部から血が流れ、ヒミカはその場に倒れ込んだ。ちょうどそこに、戻ってきたアイラとムラジだったが、瀕死のヒミカを見て、アイラは絶叫する。

 

「そ、そんな・・・ヒミカお姉さま・・・イヤァァァ!!」

 

 両膝を付き、その場に泣き崩れ落ちるアイラに気付いたドラドは、黄金剣で邪魔なムラジを吹き飛ばし、アイラにゆっくり近づ居た。

 

「貴様も、ヒミカの後を追わしてやる!死ねぇ、アイラ!!」

 

 ドラドの黄金剣が、アイラに突き刺さると思った刹那、何者かがアイラとドラドの間に割って入って来た。

 

「お前の相手は・・・この俺だ~!君、今の内に逃げろ~!!」

 

「あなた様は、まさか・・・」

 

 アイラは、自分の窮地を救ってくれた少年に見覚えがあった。この世界に導いた少年、火野ヤマトの事を・・・

 

 ヤマトは、砦に突入後、何かに導かれるように皆と別れてこの場所に現われた。突然現われたヤマトに、ドラドは驚愕し、

 

「こ、小僧何処から!?命知らずが・・・良かろう、貴様から死ねぇ!!」

 

 アイラは、自分の窮地を助けてくれた者が、ヤマトだと気付き思わず顔が綻ぶも、眼下でグッタリして横たわるヒミカに近づき、

 

「ヤマト様!ああ、私達を救いに来てくださったのね!!ヤマト様、ドラドを、姉上の敵を倒して!!」

 

 アイラは倒れているヒミカを膝に乗せ、必死に話し掛け、

 

「お姉さま、しっかりして!ヒミカお姉さま!!ヤマト様も来て下さいました!!」

 

 ヒミカは頷き、アイラに息も絶え絶えに話し掛け、

 

「アイラ・・・わ、わらわを・・・・朱紗・・・真悟の下に・・・」

 

 アイラは、ヒミカに何か考えがあると察し、ムラジの名を呼ぶと、ムラジにヒミカを抱き上げてもらい、

 

「ヤマト様、此処をお願いします!私達は、朱紗真悟様の下へ向かいます!!」

 

「分かった!気を付けて!!」

 

 アイラはヤマトにコクリと頷き、真悟の捕らわれている場所へと向かった。

 

 

 

 龍の洞窟は、侵入者に大騒ぎであった為、アイラは易々と真悟の捕らわれて居る場所に到着する事が出来た。真悟もアイラに気付き、以前に自分の様子を見に来た者達だと気付いた。

 

(むう、一人死に掛けている・・・何をするつもりだ!?)

 

 真悟は思わず警戒するが、ヒミカの心の中を覗いた時、ヒミカの本心が伝わり涙を流した。ヒミカは、魔を取込んだ今の自分ならば、真悟を救える事が出来るのではないかと考え、命尽きる前に、真悟の力になるべくやって来た事を真悟は知った。

 

(よ、止せ!私の為に・・・)

 

 ヒミカはヨロヨロ立ち上がり、呪文を唱えると、

 

「父上、母上、ムーの守り神よ!わらわに今一度力を・・・オンマニカキリキリソワカ・・・エェイ!!」

 

 ヒミカの渾身の雷が、真悟の周りに浮遊する四つの水晶を同時に破壊すると、真悟を覆っていた水玉が破裂し、真悟が落ちてくる。アイラの瞳は見る見る輝き、

 

「見て、ヒミカお姉さま!真悟様が、真悟様が解放されたわ・・・これも、ヒミカお姉さまのお陰よ!!」

 

 ヒミカはニコリと微笑むも、もう自分の力で立つ事は出来ず、再び倒れようとするのを、瞬時にヒミカの側にテレポーテーションした真悟が支えた。真悟はヒミカの両手を握りしめ、

 

「見えるかい?君のお陰で、私は忌まわしき牢獄から解放された!ありがとう・・・だが、何故こんな無茶を!?」

 

「わ、わらわも・・・あなたに賭けて見たく・・・なった!幸い、今のわらわは、魔を憑依させ、負のエネルギーを取り込んで居た!それを思い出し、あの水晶を破壊する事が・・・出来たわ!お願い、龍神魔王を・・・七大将軍を・・・滅ぼして!!」

 

「ヒミカ・・・約束する!必ず龍神魔王と残りの七大将軍を倒す事を・・・君に誓う!!」

 

 真悟は、ヒミカの腹部の傷跡を癒すと、ヒミカの傷口は塞がって行った。喜ぶアイラだったが、真悟は首を横に振ると、アイラは真っ青になり、ヒミカに縋り付いた。ヒミカは、最後の力を振り絞ったかのように、震える右手を必死に伸ばし、アイラの髪を撫でた。

 

「アイラ、お前を一人にしてしまう愚かな姉を許して・・・たもれ!こんな、醜い姿で死んでは、父も、母も、皆は気付かぬであろうな・・・フフフ」

 

 ヒミカは涙を流しながら自虐すると、真悟が突然ヒミカに口づけをした。真悟と口付けをしたヒミカの身体が光輝き、ヒミカが憑依させていた魔が真悟に祓われて行った。ヒミカは、嘗てのような美貌に戻り、真悟はヒミカの神秘的な裸体に思わず唾を飲み込んだ。ヒミカは、目を潤ませながら真悟を見て哀願し、

 

「真悟様、わらわの苦しみを解き放って下さい!わらわにお慈悲を・・・」

 

 真悟は頷き、ヒミカを優しく愛し始めた・・・

 

「ム、ムラジ!ヤマト様が気になります・・・応援してあげて下さい!」

 

「ハッ!」

 

 アイラは、姉の痴態をムラジに見せたくない一心で、ムラジを強引にヤマトの手助けに向かわせた。真悟の神秘的なオーラはアイラにも伝わり、アイラも真悟に縋るような視線を送り、真悟はムーの姉妹を、愛しそうに癒し、愛して行った・・・

 

 ムーの姉妹ヒミカとアイラは、龍神魔王に犯された事、ドラドの企みで配下の者達に犯された事などが、真悟と交わり突かれる事に、心の傷が癒されて行った。

 

 ムーの姉妹は、快楽に酔いしれ果てて行った・・・

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