※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第128話:マジンガーZ

 兜甲児は、意識を失い海の中を沈んで行った・・・

 

 だが、その周りを四つのオーブが取り囲み、甲児を光の中に包み込んだ。

 

「甲児、甲児、目を覚まして・・・あなたはまだ戦える筈よ!」

 

 何者かの声が甲児の耳に聞こえて来ると、甲児はゆっくり目を開き、声の主を見て驚いた・・・

 

「あ、阿修羅!?阿修羅じゃないか?そうか、俺はヘルに敗れて死んだのか・・・」

 

「いいえ、違うわ!甲児、あなたは生きて居るわ!!」

 

 甲児が呼んだ阿修羅とは、嘗てヘルの配下であったが、甲児との出会いが阿修羅に人の心を取り戻させた。甲児の初めての女性でもあった・・・

 

「生きている!?そうか・・・だが、Zの攻撃は魔物になったヘルにはまったく通用しなかった!お爺ちゃんの作り上げたZが・・・」

 

 俯く甲児だったが、そんな甲児に叱責が飛んだ。

 

「甲児、諦めたらそこで全てが終わってしまうのだぞ!」

 

「そうよ、甲児!私達はあなたを見守って居ますよ!!」

 

 甲児は、叱咤激励してくれた人物が、科学者のような白衣に身を包んだ両親だった事に、二人を見た懐かしさで、思わず甲児は涙ぐんだ。

 

「お、お父さん!?お母さんも・・・しかし、Zは・・・」

 

 尚も俯く甲児に、白衣を着たマッドサイエンティストとも噂されて居た天才、祖父十蔵も姿を現して甲児を励ました。

 

「甲児、Zはまだ完全に目覚めては居ない・・・わしは、友人に魔神凄ノ王の話を聞き、来るべき戦いに備える為にZを完成させた!だが、Zにはモデルがあったのじゃ!!」

 

「な、何だって!?Zにモデルがあった?」

 

 Zにはモデルとなった物があると聞き、初耳だった甲児は驚き、十蔵に問い返すと、十蔵は頷きながら話を続け、

 

「そうじゃ!嘗て、世界に存在して居たと言われるムー大陸!その守護神の名を、マジンガーと言った・・・マジンガーは、その強さで侵略者を倒して来たそうだが、ある魔との戦い後、深い海に沈んで行ったと言い伝えられて居った!マジンガーが居なくなった後、ムー大陸は滅びたと文献には記入されて居た・・・わしは、友人の朱紗さんの話や、古い文献を更に詳しく紐解き調べ上げた!マジンガーは、人々の祈りが、平和を愛する心が伝わった時蘇ると分かった!!わしは感銘し、Zにも人の意志で強さが増すように、苦心しながらもZを完成させた!!!」

 

(マジンガー!?それがZのモデルだったのか?知らなかった・・・)

 

 甲児は、初めてZ誕生の秘密を聞いた。十蔵は尚も話を続け、

 

「わしは、Zを身に着ける者に負担が来ぬよう、業と制限時間である33分33秒のタイムリミットを付けた!だが、真にZと同化した時、Zに限界時間などなくなり、Zは人々の聖なるエネルギーを糧として、神にも、悪魔にも成り得る力を手に入れるであろう!!甲児、最後迄希望を捨てるな!!」

 

(Zが神にも悪魔にも成り得る力だって!?)

 

 阿修羅が、兜夫妻が、十蔵が、尚も次々に甲児を励ました。甲児はそんな四人の励ましを受け目に炎を点すと、

 

「分かったよ・・・阿修羅!お父さん!お母さん!そして、お爺ちゃん!!俺は負けない、この世界を守る為、もう一度奴と戦って見るよ!!」

 

 甲児の強い意志が、Zと同化した時、甲児は何者かの意思を感じた。

 

「誰だ!?俺を覗いて居るのは?」

 

「フフフフ、兜甲児・・・お前の強い意志が、私を呼び覚まさせた!我はマジンガー!!ムー大陸の守護神なり・・・兜甲児、お前の平和を愛する心に、私は感銘を受けた!!守るべき国が無くなった私だが、今度は、この世界を守る為に戦おう!兜甲児、お前と共に!!マジンガーは蘇る・・・お前のZと同化し、魔神を凌駕する力、マジンガーZとして!!!」

 

 マジンガーはそう語ると、甲児の着けて居たヘルメットに、激しい光りが合わさった時、ヘルメットは、まるで西洋の鉄仮面と魔神が融合したような、おぞましき仮面へと変化した。

 

「これが、マジンガー・・・Z!?」

 

「そうだ!さあ、目の前にある私の顔をした仮面を被れ!!」

 

 甲児は、マジンガーが語ったように、目の前にある不気味な魔神のような仮面を被ると、甲児の心が、肉体が、瞬く間に回復して行った・・・

 

 光は、兜甲児と今一つになった!

 

(マジンガー・・・か!やろうぜ、マジンガーZ!!)

 

 甲児は、マジンガーの言葉に何の疑いも持たず、言われるまま仮面を被り、

 

「マジ~ンゴ~~!パイルダーオ~~ン!!」

 

 兜甲児の身体を、一段と光が包み込みんだ!!

 

 

  邪神ヤマタノオロチが、龍神魔王の屍に巻きつき咆哮し続ければ、魔神の力を手に入れたヘルは正気を失い、生ある者に絶望を与える為、動き出そうとして居た。

 

「み、見ろ!魔神がこちらの存在に気付いたぞ!」

 

 瓜生の言葉に、皆も魔神の方を振り向くと、魔神の負のオーラを感じ、戦士達は恐怖に駆られた。

 

「ア、アァァ・・・む、無理だよ・・・あんな化け物・・・」

 

 つばさが絶望の声を上げ、魔神に気付いた真悟もその状況を見るが、今自分が動けば、一瞬の内に邪神の影響で、皆が全滅する事が明らかで動けなかった。魔神が咆哮を上げ、こちらに向かって来ようとした時、突然荒れ狂う海が割れ始めた。

 

「お、おい、あれを見ろ!う、海が割れて行くぞ!?」

 

 合田が驚きの声を上げ、指を指した。一同が釣られるように海を見ると、割れた海の中から、光がゆっくり昇って来る。

 

「ヒィェ~、ま、またおっかなさそうなもんが出て来ただわさ・・・」

 

 ボスがその姿を見て身震いする。真悟も気付き、その物体を見て思わず驚き、

 

(な、何者だ!?今の俺と同等の力を感じるが・・・あれは一体!?)

 

 さやかがモサから双眼鏡を奪い取り、海から上がって来た者を見てみると、

 

「あ、あれは、Zに似ているような・・・でも、頭部がまるで違うわ!Zの頭部は、甲児くんが被っているヘルメットの筈だもの・・・あれは一体!?」

 

 アイラは、遠巻きに見えるその姿を見たくなり、さやかに双眼鏡を借りると、海から現われた新たなる魔神を見るや、驚きの声を上げた。

 

「み、皆様!あれは私の故郷、ムー大陸の守護神、マジンガーに酷似して居ます!あれは、マジンガーなの!?」

 

 アイラは小首を傾げながらも、さやかに双眼鏡を返した。ヤマトがアイラに話し掛け、

 

「アイラ、マジンガーって?」

 

「ヤマト様、マジンガーは、我々ムー大陸の守護神です!我々はマジンガーを神と崇め、ゴッドマジンガーと呼んで居ましたが・・・」

 

 その時、皆の頭に強烈なテレパシーが伝わった。一同がハッとする中、

 

(皆、心配掛けちまったなぁ!俺だ、兜甲児だ!!Zは蘇ったよ・・・マジンガーZとして!!!)

 

 甲児の声を聞き、さやかを始めとする皆の表情が一変した。

 

「甲児く~ん・・・無事だったのね!良かった、良かったわ!!」

 

 さやかが涙を流し大喜びすれば、ボスは小躍りしながら大喜びで甲児に話し掛け、

 

「兜~!心配させやがって~・・・俺は、嬉しくて、嬉しくて~!!」

 

 ボスも喜びの涙を流すと、甲児は苦笑混じりに、

 

「何だよ、さやかさんもボスも・・・今からヘルの野郎を、チョチョイとやっつけて来るから、そこで待っててくれ!!」

 

 兜甲児の身体を装着しているマジンガーZとは、基本的にはZの時同様、黒と銀の色彩は変わらなかったが、その出で立ちは、西洋の甲冑をイメージさせた。特に頭の部分はZの時とはまるで違い、頭頂部は左右で分かれ、その真ん中を繋ぐように、嘗てのヘルメットの頭頂部が出ていた。耳の部分から左右に、真っ直ぐに伸びる角(つの)のような物が出て、口から耳の辺りは、マスクのような物で覆い、その間を幾つもの縦長の穴が開いて居た。正に魔神と呼ぶような風貌をして居た。

 

 ヘルは、マジンガーZとして復活した甲児の存在に気付き、もの凄い唸り声を上げ、

 

「カ~ブ~ト~・・・コロスゥゥゥ!!」

 

 不気味な声が甲児を威嚇するが、甲児は逆に威勢良くヘルに啖呵を切り、

 

「ヘヘヘン!蘇ったZ、いや、マジンガーと同化したマジンガーZの力、見せてやるぜ~!!」

 

 甲児とヘルの戦いが、三度始まろうとして居た・・・

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