中東某所・・・
自衛隊員として、後方支援要員として赴任して居た剣鉄也は、この地で世界崩壊を体験した。同僚の炎ジュンと共に、何人か生き延びた世界の兵士達を纏め上げ、彼はこの地に蔓延る魔と戦い続けて居た。
自衛隊勤務時には、戦闘のプロと称されたほどの凄腕で、自分自身はもちろん、他の部下達にも厳しく接した。その結果彼は孤立し、同期の炎ジュン以外距離を取るようになって居た。炎ジュンは、日本人の母と黒人の父とのハーフで、その褐色の肌と魅力的な身体を、自衛隊服に身を包ませて居た。同期の剣鉄也とは幼馴染の関係で、ジュンは鉄也と恋人同士でもあった。
「ジュン、今の声を聞いたか?」
「ええ、鉄也!最初の不気味な声と違い、今の声は・・・」
「ああ、何故かは知らんが、兜甲児にマジンガーZか・・・フフフ、ジュン、賭けをしよう!俺は、兜甲児が勝つに、今日の晩飯を賭けるぜ!!」
「まあ、鉄也ったら・・・それじゃ賭けにならないじゃないの?私も、甲児君って人が勝つと思うわ!!」
二人の戦士は、闇に包まれた空を見上げ、兜甲児の勝利を信じた・・・
嘗て兜甲児に救われた街の住民達は、甲児の声を聞き驚いて居た。
「兜甲児じゃと?確かその名は・・・」
長老の男性が首を傾げながら考えて居ると、マリア・フリードが誇らしげに答え、
「長老、何言っているのよ!この街と、兄さんを救ってくれた兜甲児よ!!甲児、勝って・・・そんな化け物に負けないでぇ~!!勝ったら私をあげるわ~~!!!」
マリアの発言に、兄デューク・フリードは唖然としながらも、妹マリアを窘め、
「お、おい、マリア!どさくさに紛れて何言ってるんだ?そんな応援の仕方じゃ、甲児君の力になれんぞ!!甲児君、君ならば大丈夫・・・僕は信じているよ、君の勝利を!!!」
デュークは、隣に居る恋人、牧場ひかると共に、甲児の勝利を信じ、闇に包まれた空を見上げた。
北欧某所・・・
嘗て、瓜生麗の呼びかけに応じた同志がこの地に居た。
「炎魔、今の声聞いた?悪魔王にマジンガーか・・・何だろうね?」
髪は薄いブルーで、髑髏の髪飾りをし、全身を白い着物に身を纏った、モデル並のスタイルを持った美女が、椅子に座り込む茶髪の青年に語り掛けた。
「さあね、興味ねえや・・・瓜生の野郎の計画が狂ったかと思えば、この世は化け物だらけになっちまった!俺らの仲間のカパ公まで、河童みたいな化け物になっちまいやがったし、どっちにしろ、この世は終わりだろう!?その前に・・・雪ちゃん、こっち来いよ!!」
炎魔と呼ばれた青年が、雪ちゃんと言った美女の手を掴み、自分の上に座らせて、雪の着物の隙間から手を入れ、雪の胸を弄る。炎魔の長い眉毛が喜んで居るのか時折動き、
「もう、炎魔ったらぁ・・・こんな事してる場合じゃ・・・アァァン」
雪は、炎魔の腕の中で激しく悶えて居た。激しいキスをして、舌を絡めあう二人だったが、
「た、た、大変だ~~!炎魔く~ん!!・・・ありゃ!?お楽しみ中でしたか?いや~雪ちゃんの乳は、何時見ても・・・デへへへ」
スケベそうな顔を浮かべ、河童の魔物が入って来た。雪は慌てて、白い裸身にピンクに染まる胸を隠すと、手元にあった物を、河童に思いっきり投げつけた。
「この、エロガッパ!何時も、何時も、良い時に邪魔しに来て!!」
雪はヒステリックに、何度も、何度も物をぶつける。炎魔が雪の胸を揉み、キスをして宥めると、雪が大人しくなる。炎魔はジロリと河童を睨み、
「やい、カパ公!雪ちゃんの言う通り、何時も良い時に邪魔しやがって、お前が人間の心を無くしてやがったら、とっくに地獄に落としてやったのに・・・ところで何騒いでやがる?」
エロガッパの名はカパエルと言う・・・
炎魔、雪、カパエルは、北欧の仲間を纏め上げ、瓜生の計画が実行の時を待って居た。だが、魔神凄ノ王の力は、炎魔達の計画を狂わせ、カパエルにも魔が憑いてしまった。炎魔達は、逃げるようにこの北欧の雪山に隠れ住んで居た。この雪山にも魔は現れ、炎魔の炎、雪の氷、カパエルの水の超能力で返り討ちにして来た。
カパエルは、水掻きの付いた手を叩き、
「アッ!思い出したぁぁ!!炎魔くんも雪ちゃんも、さっきの声聞いてはるでしょう?二人共外を見て!!」
カパエルが指差す方に先ず雪が、続いてだるそうに立ち上がり、炎魔が近づき驚きの声を上げた。そこには、マジンガーZと悪魔王ゼノンの戦いの姿が、ボンヤリ映って居たのだから・・・
「炎魔・・・あの薄気味悪いのが、悪魔王!じゃあ、あっちのが兜甲児!?」
「らしいな・・・闇に覆われたこの世界は、もう終わりじゃねえのか?あいつは信じてるのか?まだ人類が救われると!?」
炎魔の心に希望が湧いて来る。雪は炎魔を見て、
「私、何かあいつの言っている事、信じられる気がする・・・やっちゃえ~!兜甲児!!」
「そうだな・・・俺に奇跡を見せてみろ!兜甲児!!」
カパエルは、雪に気付かれないよう、そっと着物の下を覗いて居た・・・
ハレンチ砦でも、その騒動は伝わって居た。ヒゲゴジラ達を連行して来たマカロニ・キッドやスパゲッティ・ジェーンは、ヒゲゴジラ達を監視しながら、甲児の声を聞いて居た。
「キッド、これ山岸や、十兵衛を助けた二人が言ってた人だよね?」
「ああ、兜甲児の応援に行くって言ってたもんな・・・よっしゃ~!俺達はあいつの勝利を信じよう!!」
「そうね、そんな奴ギッタギッタにしちゃいなさいよ!!」
マカロニとジェーンは、甲児の勝利を祈った。
「み、皆、今の声聞いた?」
「ああ、最初の不気味な声を聞いた時は、震えが止まらなかったわ」
「そうね、でも、兜甲児か・・・何か信じたくなる男ね!あたし、ああいう男好きだわ!!」
ジルの配下、タランチュラやスネークを始めとする女魔が話しあって居た。その側には、柴夫妻とスヤスヤ眠る子郎、イキドマリやアユ達も居た。
皆は甲児の勝利を信じて居た・・・