※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第135話:天浮舟(ラン・グーン)炎上

 邪神ヤマタノオロチは、闇の中、天空より照射された光に、怒りの咆哮を上げた。禍々しい八つの光の頭は、狂ったように暴れ回る。

 

「ハニー・・・成功だ!お二方が、我らの願いを聞き届けて下さった!!」

 

「ええ、ジルお姉さま・・・しかし、邪神にも分かったようで・・・ジルお姉さま!この二つの神器に宿った御二方の力を使い、この世と黄泉を繋ぐ道を切り払いましょう!!そして、朱紗真悟の負担を・・・」

 

 ハニーとジルが頷き合い、未だ邪神が塒を巻く龍神魔王の死骸に向け、二つの神器を照射する。

 

「フフフ、どうやら彼女達、上手くいったようね!ヒミカ、あなたは天に召されるべきだわ・・・ここに居れば、あなたも黄泉の住人になるわよ?」

 

 女ジャックがヒミカに一緒に此処から出るよう促すが、

 

「お心遣いは感謝するが、わらわは此処に残ります!わらわの家臣達は、わらわが側で見守らなければ、闇に堕ちるやも知れませぬ!!」

 

 ヒミカは、アマソ、イキマ、ミマシを見ると、先程アイラを犯そうとした恥さらしな行為を思い出したのか、三人は意気消沈して居た。

 

「冗談じゃ・・・わらわには、お主達三人の力が必要じゃからな!!共にこの世界を見守ろうぞ!!!」

 

「「「ハハァ!勿体無きお言葉!!」」」

 

 アマソ、イキマ、ミマシが、ヒミカに跪き改めて忠誠を誓った。英介と剛三は清々しさで一杯であった。6人の思いを受け止めた三人のジャックは、

 

「ならば、我らは此処に用は無い・・・行くぞ!!」

 

 女ジャックと少年ジャックは頷くと、三人のジャックは黄泉を脱出した。

 

 

 邪神が忌々しげに八つの頭を動かし咆哮を上げると、その視線の先で、天変地異が巻き起こった。ある所では大津波が、ある所では火山が大噴火を、またある所では暴風が巻き起こり、世界の生き残った人々を苦しめた。その視線の一つにハレンチ砦があった・・・稲光が巻き起こり、ハレンチ砦のあった周辺は無に帰した。

 

「あ、あそこの方角は・・・ハレンチ砦の・・・み、皆!?」

 

 呆然と山岸八十八が、柳生十兵衛みつ子が、ハレンチ砦に世話になった人々が驚愕した。

 

「そんな、あそこには・・・アユちゃん、イキドマリ君、マカロニ先生、ジェーンさん・・・皆、皆、イヤァァァ!!」

 

 十兵衛が顔を覆い号泣し、その肩を霞竜子が抱き慰めると、十兵衛は竜子に縋り泣きじゃくる。

 

 だが、戦士達は悲しむ暇は無かった・・・

 

 邪神ヤマタノオロチは、その目に朱紗真悟を捕らえた。邪神は凄まじい咆哮を上げると、真悟に狙いを定める。

 

 二神の力で結界を張らずにすむようになった真悟だが、邪神ヤマタノオロチと戦うには、今の姿では不可能なのを悟って居た。

 

(クッ、奴は俺に狙いを・・・皆を此処からテレポートさせねば・・・)

 

 真悟は、自分が邪神の囮になる事にして、皆を強制的に1キロ程離れた浜辺にテレポートさせた。

 

「な、何!?此処は?み、見ろ!あそこに邪神が!?」

 

 瓜生の指差す方に、戦士達は視線を向けると、邪神は今まで自分達の居た場所に近づいて居た。和子は真っ青になり、

 

(真悟・・・駄目よ!あなたが死んでは、全てが・・・ン!?こ、これは?)

 

 和子が真悟の身を案じている時に、天空を一隻の巨大な舟がやって来る。

「あれは、天浮舟(ラン・グーン)だわ!千草様、皆~~!!」

 

 天浮舟を見つけた霞竜子は、大喜びで仲間の乗る天浮舟に手を振った。

 

(千草・・・無事に戻って来てくれたか!)

 

 瓜生も嬉しそうに天浮舟を見た。その時、和子は天浮舟の美剣一族にテレパシーを送った。

 

(美剣一族の皆さん、私は朱紗和子です!単刀直入に言います・・・真悟が私を、私を吸収してスサノオウノミコトになる時間を稼いで!!お願い!!!)

 

 和子のテレパシーを聞いた天浮舟では、邪神が今朱紗真悟を葬り去ろうと動き出した事を知る。艦内に動揺が走り、千草は表情を険しくすると、

 

「皆、朱紗君を援護します!倒せないまでも、邪神の動きを封じます!!攻撃開始と共に、我らは今一度シャインスパークを使います!!!」

 

 梵天翁を始めとする皆も同意し、天浮舟から邪神に向けて攻撃が開始される。邪神は不愉快に感じたのか、先ず天浮舟を八つの頭で威嚇し始めた。千草の目に光りが宿り、

 

「掛かった!今よ、シャイン・・・エッ!?」

 

 千草の合図の下、今まさにシャインスパークを邪神に仕掛けようとした刹那、天浮舟は、邪神からの強力な衝撃波をまともに喰らい炎上した。

 

(そ、そんな!?い、一撃で・・・この天浮舟が?)

 

 美剣千草は、邪神ヤマタノオロチの圧倒的力に呆然とする。邪神は、尚も逃がさんとばかり、一つの頭が天浮舟に絡みつき、天浮舟を締め上げる。魔神凄ノ王の攻撃にも大した損害も無かった天浮舟は、邪神の攻撃で脆くも破壊されようとして居た。

 

 地上で見ていた霞竜子が絶叫し、

 

「ち、千草様ぁぁ!皆ぁぁ!!逃げて~~~!!」

 

 真悟の下にテレポートしようとしていた和子も、邪神の凄まじい力を目の辺りにし、思わず呆然とした。

 

 天浮舟は、皆の呻き声、悲鳴などが響き渡り、千草は、心の中で必死に瓜生に呼びかけた・・・

 

(麗、お願い!皆を、あなた達の下にテレポートさせて!!私では・・・お願い、麗!!)

 

 瓜生は、千草のテレキネシスに頷くも、全員を移動させるには自分一人ではキツかった。瓜生は和子にテレキネシスを送り協力を頼むと、和子も頷き、天浮舟より乗員をテレポートさせた。

 

「エッ?此処は!?」

 

 十文字菊乃がキョロキョロ辺りを見回して居ると、

 

「菊乃~!皆~~!良かった・・・無事だったのね!!」

 

 霞竜子が近づき、九人の仲間達に抱き付いた。他の九人も竜子との再会を喜び、今、久しぶりに美剣十人衆が勢ぞろいした。

 

「瓜生麗・・・久しぶりじゃの~!まさか、貴様に救われると思わなんだ・・・それから、朱紗の娘・・・そちも暫く見ぬ間に美しくなられたのう・・・礼を言う!!」

 

 梵天翁は、瓜生と和子に礼を言い、頭を下げた。

 

 レイ・ミランダは、懐かしい人物にようやく再会する事が出来た。それは、ニック・ボーマンである。

 

「ニック・・・無事だったのね!?ニックのバカ!私がどんなに酷い目に遭わされたか・・・私がどんな辱めを受けたか・・・お仕置きよ!!」

 

 レイは、ニックに超能力をヒットさせ、ニックを痺れさせた。

 

 一方の美剣十人衆が辺りを見渡すと、天浮舟の乗員が皆救助されて居た。だが、美剣千草の姿は何所にも見られなかった・・・

 

「そ、そんな!?千草様が居ないわ?瓜生~~!!」

 

 竜子は、泣きそうな顔で瓜生に尋ねるも、瓜生にも何故千草の姿が見当たらないのか分からず首を振った。

 

「俺にも・・・千草!!」

 

 その時、天浮舟から更なる爆発音が聞こえ、皆が天浮舟を見上げた。

 

「千草様は・・・千草様は・・・きっとまだ天浮舟に・・・イヤァァ!!」

 

 和泉白鳥が悲鳴を上げ、十人衆の皆も千草の名を呼び泣き叫び続けた。

 

(千草・・・お前だけを死なせないぞ!!)

 

 瓜生は精神を集中すると、天浮舟内部に突入した。

 

 和子は、梵天翁に簡単な事情説明をすると、この現状を打開する切り札、真悟と同化する為、急ぎ真悟の下にテレポーテーションして消え去った。

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