※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第136話:マジンガーZを継ぐ者

 美剣千草は、天浮舟の中で気を失って居た・・・

 

 天浮舟の中に突入した瓜生は、倒れて気を失う千草を発見し、千草を抱えると優しく声を掛けた。

 

「千草、千草、大丈夫か?お前を死なせはせんぞ・・・もしも、お前が此処で死ぬ時は・・・俺の死に場所でもある!!」

 

 瓜生が千草に口づけをすると、千草はゆっくり目を開けた。

 

「エッ!?れ、麗?私は・・・また、夢を見ているの!?」

 

「夢なもんか!良かった・・・千草、無事で・・・良かった!!」

 

「麗!?」

 

「千草・・・済まなかったなぁ!もっと早くお前の助言に耳を傾けて居れば・・・本当に済まなかった!!」

 

 瓜生は、愛しそうに千草の頬に頬擦りし、何度も千草に謝罪した。千草は、見る見る顔を赤らめながらも、涙を流した。こんな日が来る事を望みながらも、その思いは心の奥深くに封じ、美剣一族の使命に生きて来た。だが、今目の前で瓜生の口から謝罪の言葉を聞いた瞬間、美剣一族の使命から解放された一人の少女、美剣千草に戻る事が出来た気がした。千草は瓜生に身体を預けた。瓜生は力強く千草を抱きしめると、

 

「千草、此処から脱出しよう!」

 

 瓜生の言葉に千草はゆっくり首を振り、

 

「麗・・・邪神の影響で、内部からの脱出は無理だわ・・・ゴメンなさい!あなたを巻き込んでしまって・・・私、私・・・」

 

 千草は、瓜生の胸に顔を埋めて涙を流した。

 

「何を言うんだ、千草・・・詫びを言うのは俺の方だ!君の忠告を聞かず、俺はこの世に魔神凄ノ王復活の元を作った愚かな男だ・・・この世の有様をこの目で見て、俺は自分の愚かさにようやく気付いた!!千草、俺には・・・俺には君が必要だ!!千草・・・愛して居る!!!」

 

 瓜生の告白に、千草は真っ赤になり、涙を流し喜ぶと、

 

「私、私、嬉しい・・・麗・・・私も、ずっとあなたの事が・・・」

 

 千草は、身に纏っていた戦闘服を解除すると、モデル並のスタイルを一糸纏わぬ姿で瓜生に晒した。だが、千草に恥ずかしさは無かった。どうせ此処で朽ちるなら、大切な人に全てを晒して果てたいと、千草は思った。

 

「麗、あなたになら・・・私の全てを・・・」

 

「キレイだ・・・千草!!」

 

 瓜生も着ていた服を全て脱ぎ去り、二人は熱い口づけを交わし、燃え盛る天浮舟の内部で、愛を確かめ合おうとして居た・・・

 

 

 

 炎上し、ボロボロになっていく天浮舟の姿に、皆は為す術も無く呆然とする。だが、その静寂を、一人の絶叫が掻き消した。

 

「お父さ~~ん!お母さ~~ん!!畜生、邪神め・・・許さん、絶対に・・・」

 

 怒りに震えて居たのは、火野ヤマトであった。側に居た弁天ゆりは、思わず、ヤマトに話し掛け、

 

「き、君、何かの間違いでしょう?どう見たって、あなたと千草様達は、殆んど年も変わらないじゃないのよ?」

 

 ヤマトは、涙交じりの目で皆を見回すと、

 

「俺の本名は美剣ヤマト、父は美剣麗、この時は、まだ瓜生麗を名乗って居ました!母は美剣千草、俺はアイラの呼びかけで、今から16年後の未来から来たんです!!」

 

「エェェ!?未来からぁぁ?」

 

 ヤマトの告白に、アイラ以外の全員が目を丸くして驚くも、ヤマトはそんな一同にお構いなく、力のない自分を嘆いた。

 

「畜生、俺に力があれば・・・力が・・・」

 

 ヤマトは膝から崩れ落ち、地面を叩き続ける姿を、アイラは愛しそうに慰めて居た。その様子を見ていた兜甲児は、アイラを呼ぶと、自分の推察をアイラに話し出した。

 

「アイラさん、あなたはムー大陸の姫で、マジンガーを守護神だと言った!そのあなたがヤマトをこの世界に導いた・・・今の俺では、マジンガーZにはなれない!俺は、ヤマトなら俺の意思を継いでくれそうな気がするんだが・・・あなたはどう思う?」

 

 甲児の問い掛けに、アイラも微笑むと力強く頷き、

 

「はい!甲児様の仰有るように、私もヤマト様なら・・・マジンガーと一体化出来ると信じてます!!」

 

 甲児は頷くと、直ぐにヤマトに命令を下した。

 

「ヤマト、嘆いて居ても、お前の両親は救えないぞ!ヤマト、マジンガーZを使え・・・お前なら、出来る!!!」

 

 甲児は、マジンガーの仮面をヤマトに託した。受け取ったヤマトだったが、不安そうに甲児を見つめ、

 

「俺が、甲児さんのマジンガーZに?俺に出来るんでしょうか!?」

 

 アイラはヤマトの手を握り、ヤマトにニッコリ微笑むと、

 

「私も、甲児様と同意見ですわ!ヤマト様、あなたなら出来ます!!」

 

「その通りだ!俺達が認めた者を、マジンガーは必ず認めてくれる!!行け、ヤマト!!お前の両親を救って来い!!!だが、勘違いするなよ・・・両親を救い出せたら、お前は時間を稼げば良い!無理に奴と戦おうとするな!!奴は、朱紗真悟の敵だ!!」

 

 甲児とアイラの励ましに、ヤマトは二人を交互に見つめると、力強く頷き走り出した。ヤマトはマジンガーの仮面を被ると、

 

「マジンゴー!」

 

 ヤマトは、恐々マジンガーの名を呼んだ。その時、ヤマトの脳裏に声が聞こえて来る。

 

(フフフ、我が怖いか?兜甲児と、ムーの姫が認めたお前になら、我は喜んで力を貸そう!さあ、唱えろヤマト!!)

 

「パイルダーオン!!」

 

 ヤマトの身体を光りが覆い、マジンガ-Zが装着されて行く。甲児とアイラは頷き合い、ヤマトを見送るが、ボスとさやかは複雑な心境でマジンガーZを見送るのであった。

 

 今、ヤマトが身を纏うマジンガーZが、天浮舟に残る両親を救いに向かった。

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