※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

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第14話:不死団(ノスフェラトゥ)の影!

 真悟は、ビビリまくる安村の案内で、ノスフェラトゥのアジトへと向かっていた。ノスフェラトゥは、旧校舎を根城にしていると噂されているが、安村の話によれば、旧体育館こそがアジトであると教えられた。

 

「嘘だったら・・・分かってるよなぁ?」

 

「い、今更嘘何か言わねぇよ!それより・・・本気で行く気かよ?せめて、明日にしないか?」

 

「ダメだ!」

 

 真悟に却下され、安村は再びトボトボ歩いた。真悟がモサと覗きをした公園を更に上に昇り、真悟に取ってトラウマになった、雪代母娘輪姦現場となった神社へ向かう道と、空き地に続いている分かれ道に出た。真悟が眉根を曇らせた時、真悟の心にテレパシーで話し掛けてきた人物が居た。真悟は複雑そうな表情を浮かべると、

 

(美剣さんか!?俺に何か用か?)

 

(朱紗くん、ひょっとしてあなた・・・ノスフェラトゥに会いに行く来じゃ!?ダメよ!今直ぐ引き返して!!それに、大松君から聞いたわ!超能力クラブを辞めるそうね?)

 

(俺がどうしようが、あんたには関係無いだろう!?大体、あんたの役に立たない講義より、瓜生の方が・・・)

 

(ま、待って!超能力クラブを辞めても構わない・・・でも、瓜生には、瓜生麗にだけは、近付いてはダメよ!!)

 

(何動揺してやがる!?俺は雪代の件で、瓜生には借りがある!だが、あんたには・・・)

 

(その件は私からも謝るわ!謝って償える事じゃ無いけど・・・私があなたから注意を外さなければ、雪代さんがあんな目には・・・)

 

「うるせぇぇぇ!!」

 

 美剣と会話していた真悟は、美剣が雪代の名を出して詫び始めた途端、烈火の如く怒り、思わず口に出した。安村はビクリとして立ち止まり、恐る恐る背後に居る真悟を見ると、

 

「ど、どうかした!?」

 

「何でもねぇ!それより、まだ付かねぇのか?」

 

「いや・・・もう」

 

 安村は、震える手で闇の中に佇む旧校舎と、その脇に立っている旧体育館を指さした。

 

 テニス部を終え、帰り支度をした美剣は、真悟が安村と共に何処かに行こうとしている事に気付き、真悟にテレパシーで話し掛けて見るも、真悟を怒らせたようで少し落ち込んでいた。

 

(ダメだわ!朱紗くんは、何故だか私の事を拒んでいるみたい・・・私が手助けに向かっても、朱紗くんはきっと・・・)

 

 手助けするべきか悩む美剣の心に、何者かがテレパシーで話し掛け、美剣は思わずハッとした。

 

(その声・・・弁天ゆり!?)

 

(はい、千草様!ちょっと千草様と、彼氏の痴話喧嘩を聞いちゃったものですから・・・)

 

(ち、痴話喧嘩!?あなたは何を言ってるの?そんな事で私を・・・)

 

(フフフ、千草様、冗談ですよぉ!朱紗真悟の事は、私に任せて貰えますか?)

 

(何か考えがあるようですね・・・分かりました!朱紗真悟の事をお願いします!!)

 

 弁天ゆり・・・

 

 本家である美剣千草を護衛する、美剣十人衆の一人で、オレンジと白のツートンカラーのベレー帽を愛用していた。ゆりは、大勢の少女達に紛れながら、窓からこちらに向かってくる真悟と安村を見て、思わず口元に笑みを浮かべた。

 

(街中で声を掛けられたのが、まさか千草様から聞いていたノスフェラトゥとはねぇ・・・ノスフェラトゥの情報を得る為にやって来たけど、フフフ、千草様ご執心の朱紗真悟がどういう人物か、ついでにジックリ見極めてやるわ!!)

 

 真悟と安村は、ノスフェラトゥのアジト、旧体育館にやって来た。安村は益々怯え、真悟の心臓の鼓動もドキドキ早まっていた。安村は、怯えながら錆付いた体育館の重い扉を横に開くと、暗闇の中に大勢の人間の気配を感じていた。闇の中から低い女の声で、

 

「誰だい!?」

 

「や、安村です!話があって来ました!!」

 

「入りな!入り終わったら、扉を閉めな!!」

 

 闇の中から許可がおり、真悟と安村が中に入り、今度は真悟が重い扉を閉めた瞬間、体育館の電気が爛々と輝き、真悟と安村は思わず呆然としていた。何故なら、そこには女だけのパ-ティー中だったようで、大勢の女達が騒いでいた。美女も居れば、それなりの少女も、そうでない少女も居て、大はしゃぎだった。酔いが回った女の何人かは、服を脱いでいて、全裸で闊歩していた。動揺した真悟は、安村に改めて確認し、

 

「お、おい、何だコリャ!?」

 

「い、いや、俺に聞かれても・・・」

 

 混乱する二人に女達が群がり、酒を勧め、エッチしようと誘い、タバコを薦めた。真悟は止めろと怒鳴るも、女に乱暴する訳にも行かず、手でシッシと追い払うのがやっとだった。一方の安村は、キスをされたり、胸を押しつけられたりして、思わずニヤケ顔しながら、女達に揉みくちゃにされた。

 

(随分スケベな奴ねぇ!?あれじゃあっさり罠にかかりそうね!でも、此処で私が手を貸してボロを出しては、朱紗真悟の身も・・・)

 

 ゆりは、奥に連れ込まれた安村を気に掛けるも、先ずは真悟の安全を優先させようと、女達を押しのけ、真悟に接近していった。だが、ゆりが真悟の側に近付く前に、真悟の左右を陣取った、ショートヘアーの金髪女や、髪を立てたパンク風出で立ちをした女が、真悟の手を取って自分達の胸を揉ませたり、正面に居た髪の長い金髪女が、口にビールを含むと、真悟に無理矢理口付けし、口移しでビールを飲ませた。真悟は、左右の手に感じる胸の感触の良さに、思わず顔が綻んだ。ゆりは目を丸くして驚き、

 

(アララ!?この坊やも・・・さっきの奴同様スケベなようね?千草様ったら、この子の何所が気になるのかしら?)

 

 ニヤケていた真悟だったが、頭が朦朧としてきて、足下がふらつき出した。女の口には薬が塗られていたようで、油断した真悟の意識が遠のいて行く・・・

 

(しまった!?油断した・・・い、意識が・・・)

 

 辺りに響き渡る女の笑い声を子守歌に、真悟は眠りについた・・・

 

 その時、奥からギャァァァァという安村の悲鳴が沸き起り、それを合図に体育館の重い扉が開き、数人の人影と共に、黒装束に覆われた女のシルエットが現われた。ゆりは、その女が持つ超能力の力に内心驚き、咄嗟に体育館に空いていた穴の中に潜り込んだ。

 

「女達よ!余興の時間は終りよぉぉ!!」

 

 女の声と共に、あれだけの人数の女達が、次々に体育館から消えて行き、3分程で元のボロい体育館へと変わった。

 

(な、何て超能力!?あれだけの人数を、3分程で・・・)

 

 ゆりは動揺した・・・

 

 あれだけの超能力者が相手では、ゆりに勝ち目は無かった。だが、千草との約束もあり、真悟に危害を加えるようならば、自らの命を掛けて、真悟を守る決意をしたゆりだったが、何故かノスフェラトゥは、真悟をそのまま置き去りにして体育館を後にした。

 

(ノスフェラトゥは、朱紗真悟に危害を加える気は無いという事!?だったら!)

 

 ゆりは、行動に出ようとしたものの、この体育館内には、数人の猛者が残って居る事を感じ取り、身動きする事が出来なかった・・・

 

「フフフ・・・出て来い、鼠!居るのは分かってるぞ!!」

 

 ゆりの存在に気付いたノスフェラトゥが、ジリジリとゆりが隠れる穴の中に近付いて来る。ゆりは物音に集中し、体育館から漂う気配を感じ、顔から汗が滴り落ちる。

 

(中々の手練れみたい!3人って所ね・・・)

 

 ゆりは、ブラの中に右手を入れてゴソゴソし、ブラの中を漁ると、中から紙を取り出した。ゆりがフウゥと紙に向かって息を吐くと、紙は徐々に変化して、小さな弁財天が姿を現わした。ゆりの超能力は物質変化、ゆりは紙を小さな弁財天に変え、ノスフェラトゥを攪乱し、その隙に外へと飛び出した。真悟の身から、ノスフェラトゥを引き離す策であった。ゆりの策に嵌り、ノスフェラトゥはゆりを追いかけ体育館を後にした・・・

 

 何とか追っ手を逃れたゆりは、美剣の家に赴き、自分の目で見た事を美剣に報告した。

 

「何故かは分かりませんが、ノスフェラトゥは、朱紗真悟を殺そうとはしませんでした!それに、ノスフェラトゥの首領らしき女を見ましたが・・・凄い超能力を感じました!!」

 

「自分達の仲間に引き込む為・・・と言った所でしょう!それに、ゆりが見たノスフェラトゥの首領らしき女の事も気になりますねぇ・・・ゆり、他の十人衆に連絡して下さい!ノスフェラトゥが、朱紗真悟に接近してきた以上、彼女達の力も借りなければならない!!」

 

「分かりました!それにしても・・・千草様は、朱紗真悟にご執心でいらっしゃいますねぇ?」

 

「ゆ、ゆりぃぃ!?」

 

「冗談ですってば!では、早速他のみんなに!!」

 

 ゆりは、思わず肩を竦め、トレードマークのベレー帽を取って、ペロっと舌を出して、美剣家を後にした。美剣は、帰って行ったゆりの事を思い、溜息を付くと、

 

「もう、ゆりったら、一言多いんだからぁ・・・」

 

 思わず美剣は頬を膨らませた。普段の彼女は、何処か憂いを帯びたような表情をする事が多いが、美剣十人衆と共に居る時、素の自分が出せる事を、美剣自身も感じて居た。

 

 

 その夜、帰って来ない真悟を心配した涼子は、警察に電話しようと母和子に訴えるも、和子は目を閉じて精神を集中させると、

 

「大丈夫よ、涼子!真悟は大丈夫!!」

 

「けど、ママ・・・」

 

 不安がる涼子を、和子は優しく抱きしめた。普段真悟をからかうものの、涼子は小さい時から、真悟を庇っていたのを思い出した和子は、涼子が真悟の姉で居てくれた事を、心から嬉しく思うのだった・・・

 

 

 翌朝、鳥の囀る声で目が覚めた真悟は、一人旧体育館の中に居た・・・

 

 ゆっくり起き上がった真悟は愕然とした。何故なら、あの大勢のイカレタ女達の姿は何所にも見当たらず、周りは嘗て体育館だった形跡の残る、跳び箱やマット、ネットの残骸が散らばった、荒れ果てた体育館だったのだから、

 

(な、何だこれは!?昨日のあの集団は、どこに消えたんだ?安村も居ない!?)

 

 真悟は、昨日の記憶を朧気ながら辿っていった。安村を連れ、ノスフェラトゥのアジトである、この旧体育館へ二人で乗り込んだ事、だが中では、女達の乱痴気パーティーが開かれて居た事、安村とはぐれ、真悟は女に口移しのビールを無理矢理飲まされた時、女の唇に塗られていた薬で、気を失った事などを思いだした。

 

「そうだ!安村は!?あの野郎、俺を欺して逃げたのか?あいつ、確か奥に・・・」

 

 真悟は小首を傾げながらも、旧体育館の裏側に抜けるドアを開けた瞬間、

 

「ウッ・・・ウワァァァァァァァ!」

 

 真悟は、思わず腰を抜かして絶叫した。何故なら、真悟の目の前で安村と、雪代母娘を犯した、青沼以外の6人の首吊り死体がぶら下がっていたのだから・・・

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