光のオーラを纏った10メートルはあるであろう巨人は、邪神を鋭い眼光で睨み続ける。その出で立ちは、髪は黒々とした長髪、白い羽織袴に、腰に差した神剣の姿からは、威厳すら感じさせた。だが、その巨人を持ってしても、数百メートルはありそうな邪神が相手では、勝ち目は無いと思う者も居た。しかし、邪神はその巨人の姿を見るや動きを止め、巨人を見た小百合は、歓喜の表情を浮かべ、止め処無く涙が溢れて居た。
(私は、私は知って居る!あのお方を、愛しきあのお方の姿も・・・)
スサノオウノミコト(以後スサノオウと称す)は、チラリと小百合の姿を見ると優しく微笑み、皆の周りに更なる結界を張る。スサノオウと邪神の気のぶつかり合いに、辺りの海は大荒れ、強風が吹き荒れる。
「オロチよ・・・我は貴様に、生まれ変われる機会を与えた!だが、貴様は再びこの地上を・・・姫を、数々の恐怖に陥れた・・・最早、許す訳にはいかぬ!!我が貴様を葬ろう!!!」
「グゥゥゥゥ・・・スサノオウ!!」
スサノオウは、ゼノンと戦って居た時のマジンガーZのように、動き出す事に身体が巨大化し始める。邪神は忌々しげに、スサノオウに八つの頭から攻撃を開始する。邪神の八つの頭から、続けざまに炎が、雷が、水が、強風が漆黒のエネルギー波が放たれるも、スサノオウは歩みを止めず、腰に下げて居た剣を引き抜き、弾き返しながら、邪神目掛け一歩一歩巨大化しながら近付いて行った。
英雄神と邪神の壮絶な戦いに、地球が震えた・・・
「オオ!スサノオウノミコトが降臨された・・・冥土の土産話が出来たわい!」
梵天翁は目頭を熱くさせ、スサノオウの戦いを見守り続ける。千草も瓜生も、その神々しい力を見て圧倒される。
「れ、麗・・・あれがスサノオウの真の姿なのね?」
「ああ、あの恐るべき悪魔王ゼノンさえ遥かに凌駕する・・・あれが神の力なのか!?」
瓜生と千草は、邪神と激しい戦いを繰り広げるスサノオウの力に驚き、そして頼もしそうに見守り続けた。
邪神と戦うスサノオウは、神剣を構えると、スサノオウの放つ気に邪神は咆哮を上げた。八つの頭が、再び一斉に襲い掛かって来る。スサノオウは、その攻撃を剣で受け流すのだが・・・
剣士である霞竜子、柳生十兵衛みつ子、身堂竜馬は、攻勢に見えて居るスサノオウの剣の方が、刃毀れを起こして居る事に気付いた。三人は思わず顔を見合わせ、お互いに気付いたかと言う様な表情で見つめ合い、
「千草様、スサノオウが構えているあの剣こそが、草薙神剣なのですか?」
竜子が千草に聞くが、千草にもそれは分からず首を捻る。そこに、梵天王が皆に説明するように話し出した。
「いや、あれは草薙神剣では無い・・・草薙神剣とは、神剣美剣の進化系と言われて居る!言い伝えでは、神話の時代に八俣大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した須佐之男之命(スサノオウノミコト)が、刀で大蛇の尾を切り裂いた時に現れたと言われて居るが、我らの一族の記録書に拠れば、元々須佐之男之命が持っていた十拳剣(とつかのつるぎ)が、ある力が加わり進化したものだと書かれて居った!残念ながら、それが何の力だったのかまでは、記録書には書かれて居なかったのじゃが・・・」
「そうですか・・・」
竜子は複雑な表情を浮かべるも、梵天翁は更に話を続け、
「そして、地上に残られた須佐之男之命より、我らの先祖がこの世界を見守り続ける為、そして、何時の日か須佐之男之命が蘇る時まで、神剣美剣と名を変えお預かりして居たのじゃ・・・だが」
梵天翁は、無惨に真二つになり、海岸に突き刺さる神剣美剣を悲しそうな目で見て居た。
邪神の激しい攻撃に、遂にスサノオウの持って居た剣は折れ、スサノオウは、素手で邪神と対峙して居た。
「素手でも邪神と互角に戦える何て・・・あれが神の力なのか?俺が、神剣美剣を折られなければ・・・」
ヤマトは、スサノオウの力に改めて驚き、自分が足を引っ張ったのではと悔いるのであった。アイラはそんなヤマトを庇いながら、スサノオウの戦いを見守った。
そんな中、神剣美剣に近づく者が居た!
それは雪代小百合であった・・・
一同は、何事かと小百合の行動を見守って居たが、突然小百合がスサノオウに大声で話し掛けた。
「スサノオウ様・・・私も、私もあなたと共に戦いたい!」
小百合の必死の呼びかけに、スサノオウは愛しそうに小百合を見つめると、
「姫よ、愛しき姫よ・・・時代を超え、今一度我と共に戦おうと言うのか?汝の思い、確かに聞き届けた!!」
スサノオウが、神剣美剣の柄を引き寄せ握り締めると、折れた剣先は光に包まれ、小百合を光の中に飲み込んで行った。小百合の身体がスサノオウに引き寄せられた時、小百合は、微笑む五人の光に包まれる全裸の人々を見た。和子、涼子母娘と光子、真弓母娘が小百合を見て微笑んだ。そして朱紗真悟が、小百合に手を差し伸べると、小百合は嬉しそうにその手を握った。
今、草薙神剣はこの世界に蘇った!!