「おお!闇が、闇が祓われて行く・・・この世界に湧いていた禍々しい気が浄化されていく!!」
梵天翁が感嘆の声を上げ、皆も大喜びではしゃぎ出す。三種の神器の奇跡は、魔に憑かれた人々すら癒して行った。合田源児に憑いていた魔も払われ、合田は元の姿を取り戻した。だが、合田の心は晴れなかった。
(俺の姿が元に戻っても・・・涼子は・・・)
嬉しさも半減する合田、それは青沼も同じであった。平和になったのは嬉しい限りだが、素直に喜びを現せない青沼だった。
スサノオウは、戦士達に話し掛け、
「この世界が滅びを免れたのは、そなた達皆の頑張りのお陰だ!礼を言う・・・」
スサノオウはそう言うと、草薙神剣を海岸に優しく横たえた。スサノオウが印を唱えると、草薙神剣は光が徐々に収まり、神剣美剣の姿に戻り、その隣には全裸の雪代小百合の姿があった。小百合がよろめくのを、咲苗が、青沼が支える。小百合はニコリと二人に笑顔を向けた。スサノオウは愛しそうに小百合を見ると、自分と同じような、白い民族衣装のようなものを小百合に纏わせると、
「美剣一族よ!この剣を再びそなたらに託そう!!例え我が居らぬとしても、この剣が闇を切り裂かん!!」
スサノオウはそう言うと、美剣一族に神剣美剣を再び渡した。梵天翁は、恭しく畏まり、スサノオウに頭を垂れた。スサノオウは頷き、役目を果たしたのかのように、天空高く舞い上がって行った。
世界に溢れた闇の時代は、今終焉を迎えた・・・
中東某所・・・
剣鉄也と炎ジュンは、闇から開放された空を見上げた!
「見ろ、ジュン!兜甲児がやってくれたようだな!!」
「エエ、鉄也!魔物の姿も見当たらないようね!!」
ジュンが鉄也に寄り添うと、鉄也はジュンの腰に手を回し、二人は平和が訪れた事を実感して居た・・・
北欧某所・・・
炎魔と雪も、世界を覆っていた禍々しい気が消え去った事を実感して居た・・・
「兜甲児、それに凄まじい力を持った何者かが、本当にこの世界を救いやがった!」
「ええ、それに見て!カパ公が・・・」
雪がカパエルを指さすと、河童の姿をした魔になって居たカパエルもまた、魔が浄化された事で、人の姿を取り戻して居た。
「イヤァ!ワイもまた人間の姿に戻れるとは思ってませんでしたわ!!」
「何言ってやがる!頭の天辺に毛が無いお前の姿は、河童そっくりだぜ!!」
「本当!人間の姿に戻っても、エロガッパなのは変わらないみたい!!」
炎魔と雪はそう言うと、顔を見合わせ笑い合った。
「兄さん!空を見て!!闇が・・・」
「ああ、どうやら甲児君達がやってくれたようだ!甲児君、礼を言う・・・これで世界は、再生の道へと進む事だろう!!」
デュークは、妹マリアの肩を抱き、平和を取り戻した空を眺めた。
戦士達は、平和が訪れた事を肌で感じて居た・・・
戦いが終結した事で、戦士達にも忘れていた疲れが出てきたようで、何人かはその場にしゃがみ込んだ。皆の居る場所に、ある集団が訪れた。
「あ、居た!オ~ヤブ~ン!!十兵衛!!皆~!!」
その集団は、ハレンチ砦と共に全滅したと思われて居たイキドマリ達であった。
「お、おい、十兵衛!あいつら、あいつら無事だったんだ!!」
「ええ、良かった、本当に良かったわ!!」
八十八と十兵衛は、心の底から皆の無事を嬉しく思った。それは、ハレンチ砦に世話になって居た人々も同じ気持ちであった。
「おい、身堂無事だったんだな・・・良かった~!」
「エッ!?あ、あんた、タランチュラなの?まあ、顔は確かにタランチュラだけど・・・美人になってて驚いたわ!!」
「まあ、身堂ったら・・・ウフフ」
魔に憑かれた人々は、闇が祓われたのと同時に、人の姿を取り戻して居た。それは、ジルの配下の女魔物達にも同じ事であった。身堂は、タランチュラを心から美しく思えた。身堂の言葉に、タランチュラは恥ずかしそうに頬を染め、他の仲間達にからかわれて居た。そこにジルとハニーもやって来ると、
「皆の者、無事で・・・無事で良かった!!」
「ジ、ジル様!!」
皆がジルに跪き、再会を喜ぶ中、ハニーは一同を見渡し、皆が人間の姿に戻った事を嬉しく思って居た。だが、ジャンボに目が止まった時、魔物の時と変わらない姿にハニーは驚き、思わず哀れみの表情を浮かべながらジャンボに問い掛け、
「ジャ、ジャンボ・・・あなたは人間の姿に戻れなかったのね!」
そんなハニーの言葉を、他の仲間達は笑いを堪えながらジャンボを見て居た。ハニーは不思議そうに首を捻ると、ジャンボは可笑しそうに笑い出し、
「アハハハ!ハニー、何言ってるのさ!ご覧の通り、あたしも無事に元に戻ったさ!!」
「エッ!?で、でも、その仮面は?」
「ああ、これか?あたしは元々女子プロレスラーで、覆面選手だったのさ!!」
「あ、あら、そうだったの・・・ゴメンあそばせ!オホホホ!!」
ハニーとジル達が談笑して居る中、ヤマトは八十八と十兵衛、合田と共に、イキドマリとアユ、それに柴夫妻と談笑して居た。
「それじゃあ、マカロニ先生とジェーンさんは、ヒゲゴジラ達を見張って居るんだな?良かった、二人共無事で!ヒゲゴジラ達はどうでもいいがな!!」
ニタニタしながら八十八がイキドマリに言うと、ヤマトも微笑を浮かべ、
「ハハ!でも、良くあの爆発の中で無事でしたねぇ?」
ヤマトが思わず不思議そうに訪ねると、その疑問に柴夫妻が答え始め、
「その理由は・・・この子さ!」
竜一郎は、京子の胸の中でスヤスヤ寝ている子郎を指差し、一同の視線が子郞に向けられた。京子は子郞の髪を優しく撫でながら、
「あの凄まじい攻撃が、ハレンチ砦の周辺に起きる少し前、子郎が突然大泣きすると、子郎の身体を光が包み込み、子郎の影が突然巨大化し、実体化されると、ハレンチ砦を覆い始めたんですわ!まるで私達を守るように・・・」
「そう、その直ぐ直後に、あの物凄い爆発で辺りが吹き飛んで居たという訳さ!!」
柴夫妻の話を聞いて居たヤマトは、子郎の寝顔をジッと見つめて居ると、突然何かを閃き、
(そうか!今分かったぞ・・・この子は、俺と同じ学校の、柴子郎先輩の幼児の時だったんだ!!なるほど、柴先輩だと分かれば納得出来るぞ!!)
ヤマトは一人頷き、子郎との不思議な縁を感じて居た。