真悟は、良い気持ちで小百合と共に眠りに付いて居た・・・
その真悟に呼びかける者が居た!
「朱紗よ、朱紗真悟よ!お前の生き様、確かに見届けさせてもらった!!」
真悟は、ゆっくり目を開けて起き上がると、小百合はまだ気持ち良さそうに寝息をたてていた。真悟は、その寝顔を愛しそうに見て居たが、小百合から少し縮まった自分の物を引き抜くと、向かい側の崖を見上げた。その崖の上には、三人のジャックが居た。ジャックと少年ジャックは薄ら笑いを浮かべ、女ジャックは、少しムッとしたように小百合を見て居たが、真悟と目が合うと、はにかみながら小さく手を振った。
真悟は、女ジャックのセクシーで可愛らしい仕草を見てドキリとするが、ヤマトの言葉を思い出して動揺した。
(ヤマトは、彼女も妊娠したと言って居た・・・まさか!?)
ジャックは、真悟の心を読んだのか、女ジャックを見ると、女ジャックはお腹を摩り、ウットリと真悟を見る。青ざめる真悟に、女ジャックは笑みを浮かべ、
「オホホホ!冗談よ!!もっとも、数ヶ月後は分からないけど・・・ウフフフ!」
女ジャックは、冗談よと告げるも、真悟をからかうようにお腹を摩った。真悟は、そんな女ジャックを見てホッと安堵した。ジャックはギロリと女ジャックを睨んで窘め、
「朱紗真悟をからかうのもその辺にしておけ!朱紗真悟よ、ある世界でのお前は、世界を崩壊させた事に良心が耐え切れず、魔に堕ち、魔神凄ノ王として全世界を壊滅に追い込んだ!!我らはその世界に見切りを付け、お前を殺した!!そして、再びこの世界にお前が居る事を知り、我らはこの世界に管理者として現れた!!!」
真悟は頷き、ジャックの話に聞き入った。
「かつて、地球から文明が消え去り、デーモンとデーモンの力を持った人間、デビルマンが雌雄を決し、デビルマン側は敗れ去った・・・だが、デーモンの神大魔神サタンは、親友不動明を殺してしまった事に後悔して居た!そこに神の軍団が舞い降りて来た!!」
ジャックは目を瞑り、言葉を選びながら話を続け、
「戦意を喪失して居たサタンは、呆気なく神の軍団に捕らわれ、神の牢獄コキュートスに封印された・・・だが、サタンの創造神としての力を欲して居た神は、サタンを洗脳し、自分達に都合の良い世界をサタンに作らせようとした!神の計画を知ったサタンは、自分の意思が残って居る内に、二つの自分の分身となり得る者を蘇らせた!!一人は悪魔王ゼノン、そして、もう一人は・・・不動明、デビルマンだった・・・」
ジャックはそこで目を見開くと、
「サタンは、神の思い通りにさせない為に、神の思い描く通りに世界が動く時は、ゼノンがその世界を破壊する破壊神として、デビルマンには、世界の行く末を見守る管理者として、時空を越える力を授けた!だが、神はそれに気付いた!!神は、ある世界においてゼノンの記憶を操作し、神の思い通りに進まぬ世界を破壊する破壊神として操った・・・デビルマンが動けば、神に再び計画が発覚される事を恐れたサタンは、ゼノンに代わりうる力を求めた・・・それが、凄まじい力を持ったスサノオウ・・・お前だ!!その事に気付き始めた神は、この世界にゼノンの分身を潜り込ませた。それが、ドラドと早乙女門土・・・」
ジャックはそこで笑い声を上げると、
「フハハハ!後はお前も知っていよう!ゼノンが手を出した事により、この世界は微妙に狂い始めた!どうなるかと俺も思って居たが・・・この世界は、滅ぼすべきでは無いと我らは判断した!暫くはこの世界も安泰であろうが、神は再びこの世界に牙を向くかも知れん!!だが、不思議なものだ・・・この世界での神であるお前達の姿こそ、サタンが求めて居た神の姿、実際は・・・神とは傲慢な生き物でしかなかった!!」
真悟が頷き、微笑みを3人のジャックに向けると、
「サタンの下に行くのだろう?バイオレンスジャック・・・いや、デビルマン!!」
「私は、あなたの側に居たいのだけどね・・・あなたが望むなら、あなたの赤ちゃんも欲しいわ!!」
何時の間にか女ジャックが真悟の側に舞い降り、寝ている小百合に見せ付けるように、真悟の唇を奪い、股間を弄る。真悟も嬉しそうであったが、小百合を気に掛けるのを見て、頬を膨らませて女ジャックは不満そうにした。
「この世界に残れるなら、私はこの娘にも負けないのに・・・でも、しょうがないわ!!」
女ジャックはそう言うと、少し寂しげな視線を真悟に向けた。真悟はそんな女ジャックが愛しくなり、軽く口付けをすると、女ジャックは満足そうにジャック達の下に戻った。
「余程朱紗真悟にお熱のようだな・・・だが、我らの役目は終わった!朱紗真悟よ、お前が言って居たように、我らはサタンに会わねばならん・・・我らの役目を、お前に引き継ぐ!やがては、兜甲児も我らと同じような宿命を背負うだろう・・・行くぞ!!」
三人のジャックが顔を見合わせ頷き会うと、少年ジャックがジャックに吸収される。
「さようなら、私の愛した人!」
女ジャックは真悟にウインクし、ジャックと一つになる。ジャック達の周りを物凄い気が覆い光を放つと、蝙蝠のような頭部、そして筋肉逞しい上半身、毛に覆われた下半身を持つ悪魔、デビルマンがその姿を現した。デビルマンは、ゆっくり空中に浮くと、次元を歪ませた。
「さらばだ、朱紗真悟!!」
デビルマンは、ゆっくり、ゆっくり、次元の狭間に消えて行った・・・
(さらばだ、デビルマン・・・もう一人の俺よ!!)
真悟は名残惜しそうに、デビルマンの消え去った空間を見つめて居た・・・