※この作品はR-18です。

真説・凄ノ王   作:鳳凰009

19 / 147
第19話:真悟と竜子

 翌日・・・

 

 学校に登校した真悟は、話し掛けてきたモサから、瓜生が会いたがっている事を伝えられた。真悟は肩を竦(すく)め、

 

「モサ、お前まだ瓜生と付き合ってるのか?お前も、ミーコも、良い奴だから伝えておくが、あまり瓜生に近付きすぎない方が良いぜ!」

 

「アニイ、そりゃぁどう言う意味で?」

 

「確かに雪代母娘の事では借りがあるが・・・どうもタイミングが良すぎる」

 

「タイミングですかぁ?」

 

「いや、何でもねぇ!」

 

 真悟の脳裏に過ぎる瓜生への疑惑・・・

 

 瓜生から仲間に誘われた時、真悟はその申し出を断った。その翌日に、雪代母娘事件が起きた事、青沼グループに雪代母娘が輪姦され、真悟も袋だたきにされ、瓜生に超能力が欲しいと願った時、瓜生は絶妙のタイミングで現われた事が、どうも真悟の頭の中で引っ掛かっていた。

 

「瓜生に言っといてくれ!俺は超能力に何か、もう興味はねぇってな!!」

 

「分かりやした!アッ!?そうそう、アニイから頼まれてた、ノスフェラトゥに関してですけど・・・」

 

 モサは、ノスフェラトゥの事を調べ、真悟に知らせた。この町の暴走族は、全てノスフェラトゥ傘下だと言う情報を教えてくれた。

 

(この町の暴走族共が、ノスフェラトゥの・・・)

 

 真悟は表情を険しくし、ノスフェラトゥという謎の組織の情報を、聞き出す手掛かりを得た気がした。

 

 放課後・・・

 

 真悟は帰り際、四人の空手部の部員達から因縁を付けられた。空手部キャプテン、鬼頭が道場まで連れて来いと指示を出した事が始まりだった。真悟は、我関せずと素通りしようとすると、空手部部員達が真悟を取り囲み、

 

「主将からは・・・腕ずくでもと言われてるんだ!」

 

「ほう・・・空手部って言うのは、まだ怪我が完治してない奴にも、無理矢理チョッカイ出すのかい?」

 

「黙れ!」

 

 数人が真悟を囲み、空手の構えを取ると、真悟はヤレヤレといった表情で、タバコに火を付けて一服煙を吸うと、それを合図にしたかのように、

 

「「「「キィエェェェェ!!」」」」

 

 雄叫びと共に、四人が一斉に真悟に殴り掛かって来た。真悟は、以前戸村と戦って居て、空手の動きは学習していた。突きを、蹴りを、真悟は巧みに躱し、一週間合田から教わった、ジャブからストレートのコンボを叩き込み、四人の空手部員達を秒殺した。

 

「帰ったら主将とやらに伝えな!こちとら暇じゃねぇんだ!!」

 

 真悟はタバコをプッと吐き捨てると、そのまま学校を後にした・・・

 

 真悟の去って行く後ろ姿を見た佐々木剣道は、口元に笑みを浮かべると、

 

「フフフフ!鬼頭め、抜け駆けするからそのような醜態をさらすのだ・・・奴は、この佐々木剣道が葬る・・・キェェェ!!」

 

 佐々木は、持って居た竹刀で大木を横に払うと、大木は真っ二つに折れ曲がった。それを超能力クラブの講義中に目撃した美剣は、見る見る顔を青ざめた。

 

 美剣には見えていた・・・

 

 佐々木剣道は、竹刀に念動力を送り、その力が竹刀に宿っていた事を・・・

 

(佐々木剣道・・・恐ろしい使い手でわ!彼も超能力を使えるとなると、朱紗くんでも危ないかも知れない・・・彼女の出番ね!!)

 

 美剣は目を閉じると、誰かにテレパシーを送った・・・

 

 

 真悟は家に戻ると、モサから聞いていた、ノスフェラトゥに関係する暴走族を襲撃し、ノスフェラトゥの情報を聞き出そうと考えた。

 

(今日の俺は、むしゃくしゃしているんだ・・・覚悟しろ、ノスフェラトゥ!!)

 

 黒装束に身を包んだ真悟が、家から出掛け、暴走族からノスフェラトゥの情報を聞き出そうと街中を駈けだした。どのくらい走っただろうか、真悟の横を一台の真っ赤なバイクが通り過ぎるや、真悟の行く手を遮るかのように、バイクが止まった。真悟は思わず立ち止まると、ライダーはバイクから降り、フルフェイスのヘルメットを取った瞬間、長い黒髪が靡くように揺れ、ほのかに良い匂いが漂った気が真悟にはした。

 

 長い黒髪を、紐を使って後ろで結わき、前髪を垂らしたその姿は、時代劇で見るような女剣士のようだった。目は閉じているようで、長いまつげがまた少女の美しさを引き立てているかのようだった。そんな大和撫子風の顔とは一変し、服装は胸元が開いた黒いライダースーツを着ていて、大きな胸の谷間がバッチリ拝め、真悟は思わず顔を赤らめた。

 

 そんな少女と出会い、真悟は戸惑って居ると、少女が話し掛けてきて、

 

「君が・・・朱紗真悟ね?」

 

「誰だ!?」

 

「私!?私は・・・霞竜子!」

 

「霞竜子!?知らねぇなぁ?その姉ちゃんが、俺に何の用だ?」

 

「随分口が悪いのね・・・」

 

 瞬間、霞竜子が真悟の側に一瞬で近付き、虚を突かれた真悟の腹を、何かが突いた。

 

「ウッ!?テ、テメェ、いきなり何しやがる?」

 

「ガッカリね・・・千草様が気に掛けてる超能力者が、どんな人かと見に来れば・・・」

 

「待て!あんた、今千草って言ったな?あんたまさか!?」

 

「そう、私は千草様をお守りする美剣十人衆が一人・・・霞竜子よ!!」

 

 竜子が真悟に自己紹介を始めた事で、目の前の竜子が、昨日自分達を覗いていた三人組の仲間だと悟った。

 

「成る程、昨日の覗き魔達のお仲間って訳か?」

 

「覗き魔!?何の事?」

 

「いや、こっちの事だ!それより、美剣さんの知り合いが、俺に何の用だ!?ただ喧嘩を吹っかけに来た訳じゃねぇだろう?」

 

 そう言った瞬間、真悟はさっきのお返しとばかり、合田を破った念動パンチを竜子目掛け放った。勿論手加減はしたつもりだったが、竜子は、仕込刀を居合い斬りのように抜くと、真悟の念動パンチと相殺させた。

 

「成る程、潜在能力はたいしたものね!」

 

 竜子は口元に笑みを浮かべ、真悟は忌々しげに舌打ちした。

 

「私があなたの下へやって来たのは、千草様から頼まれたから・・・佐々木剣道という男と戦うには、あなたの念動力を、物質に送り込む方法を教えてやって欲しいってね!」

 

「佐々木剣道!?大げさな名前の野郎だなぁ・・・また武団連合か?」

 

「私はこの学校の者じゃ無いし、詳しい事は知らないけれど、次はこの男があなたに挑戦してくると、千草様は読んでいるようね!」

 

 二人が会話をしている側を、暴走族のバイクが爆音拭かして近づいて来た。真悟は表情を険しくして背後を振り向き、竜子はゆっくり歩き出すと、

 

「折角の会話を、邪魔されるのは好きじゃ無いわね・・・朱紗真悟、あなたは教わるよりも、その目で見て実戦で本領を発揮するタイプのようだから、そこでこれから私がする事を見て居なさい!」

 

 竜子はそう言うと、そのままゆっくり歩き、バイクの音がある一点を過ぎると歩みを止め、仕込刀に右手を掛けた。近づいて来た暴走族達、その数15台、竜子の姿を見付けるも、そのスピードを緩めず、

 

「構う事はねぇ!轢いちまえ!!」

 

 そのまま竜子を轢き殺そうとでもするかのように、スピードを上げた刹那、竜子の仕込刀が一閃すると、15台のバイクは、何かに真っ二つに切られたかのように、吹き飛び、乗っていた暴走族達が宙を飛んだ。竜子が刀を鞘に戻すと、辺りでバイクの爆発音が発生し、竜子は暴走族達を見向きもせず、真悟の下へと戻って来た。

 

「ス、スゲェ・・・あんた今、念動の力をその刀に!?」

 

「フフフ、見えてたかしら!?それならあなたには才能があるわ!拳に念動力を纏わせる事が出来るあなたなら、コツを掴めば刀にだって送れる筈よ!!」

 

 竜子はヘルメットを右手の小脇に抱えると、さっきの真悟の言葉を思い出し、

 

「ねぇ、さっきの事が気になったんだけど・・・私が美剣十人衆だって名乗った時、あなたは、覗き魔の仲間って言ってたけど・・・どういう事!?」

 

「ン!?言った通りだぜ!俺と美剣さんが会話してるのを、草むらに隠れて覗いてた奴らが居たって話だ。確か・・・ゆりとか、あけみとか、鏡子とか言ってたな?そういやぁ、珍しく美剣さんが怒ってたな」

 

「弁天ゆり!神薔薇あけみ!万華鏡子の事!?あの子達、また何かやったのね・・・全く!!」

 

 竜子は、一瞬キリッとした切れ長の目が開き、直ぐに再び目を閉じると、

 

「今の事、心の何処かに留めておいて!佐々木剣道との戦いで、きっとあなたの役に立つはずよ!!」

 

 そう言うと、竜子はバイクを噴かし、その場を後にした。真悟は、去って行く竜子を呆然と見つめて居たが、直ぐに我に返り、竜子にバイクを斬られ呻く暴走族達の下に駆け寄ると、

 

「おい、一つだけ聞く!ノスフェラトゥとはどんな組織だ?何を目的としている!?」

 

 真悟の問いに、暴走族の男達はただ不気味に笑うだけだった。真悟はその不気味さに背筋に汗が滲み出す思いだった。

 

「お前はもう終わりだ!!」

 

 一人の男の言葉を合図に、無数の爆音が真悟を取り囲んでいた。超能力で音を消して居たのか、真悟は暴走族達の動きに気付かなかった。

 

「しまった、バレて居たのか?」

 

 無数のバイクの輪は次第に縮まり、真悟を威嚇するように止まると、真悟は右拳に念動力を蓄え、念動パンチを放った。正面の陣形が崩れ、そこを突破しようとした真悟だったが、

 

「朱紗真悟、超能力を使えるものがお前だけだと思うなよ?見ろ、我らが最高の超能力者!ノスフェラトゥ首領とその幹部達を!!」

 

 男の叫びと共に空間が蠢き、真悟の前に十数人の人影がテレポートして現われた。

 

「我らが首領・・・クィーンカーミラ様だ!!」

 

 真悟は見た・・・

 

 まるで黒い悪魔の衣装を纏っている様な姿を・・・

 

 良く見れば、目元だけは見えていて、確かに女性のような目をしていた。その周りを十数人の男女が固める。その全てから、真悟はプレッシャーを感じ、焦りが生まれてきた。

 

「朱紗真悟!カーミラ様の前で無礼だ!頭巾を取れ!!」

 

 白髪の男の念動力で、真悟の頭巾は無理矢理剥ぎ取られた。真悟は、男達から発せられるプレッシャーにも焦り、

 

(こいつら・・・相当の超能力の持ち主だぞ・・・)

 

 真悟は、自分の迂闊さを思い知らされ、そんな真悟の動揺する姿を見て、不気味に微笑むノスフェラトゥの幹部達・・・

 

 真悟の覆面を剥いだ白髪の男、腰の曲がった小男、顔を包帯で巻いた男、鼻が人一倍大きい男、2メ-トルは在るであろう大男・・・どれも凄い超能力者である事が、真悟には脅威だった。

 

 朱紗真悟に危機が迫ろうしていた・・・

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。