家に帰った真悟は、美剣の言葉を思い出し、居間で一人特訓を開始する。その様子を見ていた姉涼子は、不思議そうに小首を傾げながら話し掛け、
「真ちゃん、何やってるの!?どっかに頭でもぶつけた?」
涼子は、何時ものように真悟をからかい始めるも、真悟は涼子の挑発には乗らず、
「うるせぇぇ、あっち行ってろ!!じゃないと・・・イヨッ・・・ハァァッ」
真悟が気合いを込めるものの、しかし、何か起こる訳でもなく、涼子はやれやれといった表情でその場を離れた。
「タハハ・・・そんな直ぐ出来る訳も無いか・・・」
真悟はそう言うと頭を掻き、自分の部屋に戻って行った。その姿を、台所に居た和子は、神妙な面持ちで見つめて居た。
2回目の会合では、美剣は超能力の必要性、使い方、練習方法などを、独自の視点で皆に解説した。納得する者、不安そうな者等色々居るが、皆熱心に聞き入っていた。その日の帰り道、真悟は美剣と一緒に下校した。美剣の家は、真悟の家からそう遠くない場所にあった。美剣家は、古くからこの一帯を治めていた地主らしく、新興住宅地となったM市に置いても、旧家として有名だった。
「いやぁ、美剣部長が僕の家と同じ方角とは光栄ですよ」
美人である美剣と一緒に帰っている事で、照れたように真悟が言うと、美剣も真悟に悪い感情は持っていないようで、
「まあ、そんな大げさな・・・でも、これからはクラブの帰り道は朱紗君が居るから安心ね。ウフフ」
美剣も楽しげに答えて真悟を喜ばせた。小百合とはまた違った雰囲気を醸し出す美剣に、真悟は惹かれていた。真悟は美剣の実力を称え、
「いやぁ・・・でも部長なら、どんな暴漢が来ても返り討ちでしょう?」
真悟の問いかけに、美剣は寂しそうに答え、
「そうでもないわ・・・私以上の超能力者が相手なら・・・特にそれが悪の心を持っている相手なら・・・」
真悟は、その美剣の表情を見て、それが本心から答えていることが分かった。その刹那、美剣の表情が険しくなり、愁いを帯びた表情で真悟に謝り始め、
「ゴメン、朱紗君!あなたを巻き込んでしまったみたい・・・」
美剣が真悟に詫びた事で、真悟にも今何が起ころうとしているのか薄々分かって来た。その予感は的中し、真悟達の前には、超能力クラブを妨害しに来た長髪の男とそのアニキ格、二人の男が立ちふさがった。男達は、付いて来いと合図を送り、真悟と美剣を近くの公園に案内すると、そこには2メ-トル近い大男が一人待機していた。
「美剣千草、破壊王がお怒りだ!超能力クラブを解散せよ・・・破壊王の命令だ!!」
真悟は、男がテレパシ-で話し掛けている筈なのに、自分に聞こえる事に驚き、大男の超能力が凄いと感じると、
「何て超能力何だ!?俺にも聞こえる何て・・・」
焦る真悟に、美剣は首を横に振ると即座に否定し、
「朱紗君、それは違うわ!元々持っていたあなたの力が、超能力者と接触した事で、開花してきているのよ!!」
美剣の言葉に、真悟は驚きを隠せなかった・・・
自分は今まで超能力になど無縁な存在で、先日も超能力を試そうとして失敗したばかりだった。そんな自分に、美剣は超能力が開花してきていると告げる。真悟は激しく動揺し、
(俺の力が開花してきているって?)
思わず真悟は、自分の両手をジィと見つめていた。大男は、そんな真悟にお構いなく、美剣に話し続け、
「破壊王がお前の超能力を封じれば、お前は只の女だ・・・逆らうなら、俺達がお前を可愛がってやるぜ!!」
大男は、美剣のモデル並のスタイルを凝視し、透視能力を使おうとしている事を感じた美剣は、慌てて胸元を隠し心で呟く、
(あの人が、それ程まで私を・・・)
美剣の表情に悲しみが宿ったその時、公園がざわめき始める。木々は大きく揺れ始め、ブランコは独りでに大きく揺れる。強風が真悟と美剣の髪を激しく靡かせた。男達はニヤニヤしながら、
「ハハハ、見ろ!我らが破壊王のお出ましだぞ!!」
公園内の空間が歪み始めると、美剣は咄嗟に真悟に抱きつき、美剣の豊満な胸が真悟の身体に密着し、真悟は堪らず勃起をしてしまった。美剣は、頭の中に雑念を浮かべる真悟を諭し、
「このままじゃやられる・・・朱紗君、意識を集中してぇ、一緒に飛ぶのよ!」
「と、飛ぶ!?どうやって?」
「良いから、私に密着して離れないで!」
美剣の必死の形相に、事態は急を要すると察した真悟は、無我夢中で美剣を抱きしめた。二人の意識が重なり、真悟と美剣の身体は瞬間移動をした。入れ違いに破壊王は現れたが、その姿は強風で歪み、目が爛々と輝きを帯びているのが見えるだけだった。
(美剣め、逃げたか・・・まあいい、我々の邪魔をするなら排除するだけだ!)
四つの影は、夜の闇と共に何処かに消え去った・・・
真悟と美剣は、何処かの部屋にテレポートしてきた。美剣はだいぶ疲れている様子で、ベットに倒れ込み、肩で激しく呼吸をしていた。真悟は部屋を見回すと、何処か和風な部屋で、勉強机と本棚、そして美剣が横たわるベットがあるだけで、殺風景だった。真悟は、ここは美剣の部屋なのだろうかと考えながら美剣を見ると、ベットに倒れ込む美剣のスカートは、膝上まで捲れ上がりスタイルの良い太股が露になっていた。思わずゴクリと生唾を飲み込むと、先程の美剣と抱き合った時の感触を思い出す。美剣の豊満な胸が、髪から漂う良い匂いが、真悟の記憶に甦って来ると、真悟は忽ちムラムラし、股間は見る見る大きくなり、真悟は慌てて位置を変えた。
(ま、まただ・・・最近妙にムラムラしてきちゃうぞ)
真悟の心の奥底で、このまま美剣を抱きしめてしまいたい衝動が沸き起り、真悟は理性を奮い立たせ、邪念を祓うかのように美剣に話し掛け、
「み、美剣部長、こ、この部屋は一体!?」
何時もの美剣なら、真悟の邪念に気づきそうなものだが、超能力を使いすぎた美剣は気づかなかった。まだ辛そうに肩で息をしながら、美剣がゆっくり起き上がり、真悟に答え始め、
「ハァ・・ハァ・・・ここは、私の部屋よ・・・初めて人と一緒に飛んだから疲れたわ・・・でも、もう・・・大丈夫!」
真悟は、美剣がはまだ辛そうなのを見て心を痛め、
「大丈夫ですか?まだ辛そうですね・・・誰か呼びましょうか?それとも、水でも?」
真悟が心配そうに美剣に話し掛けると、美剣は苦しそうにしながらも少し笑みを浮かべ、
「ありがとう!朱紗君って優しいのね・・・もうちょっと休めば大丈夫よ!」
美剣は、憂いを帯びながら、真悟を心配させまいとしているのか、気丈に振舞い、真悟はそんな美剣の事を、心より美しいと思っていた。
「フゥゥ~、だいぶ楽になったわ・・・」
美剣の言葉に、真悟も安堵した。安堵すると先程の男達、そして破壊王について美剣に聞いてみたくなった。真悟は表情を険しくすると、
「美剣部長!あいつらはいったい・・・部長はあいつらを知っているんですか?それに、あいつらが言っていた破壊王って・・・」
真悟が発した、破壊王という言葉に美剣は動揺し、突然立ち上がると、真悟を部屋から追い出そうとする。動揺する真悟を余所に、部屋から真悟を追い出すと、美剣は部屋のドアを閉め、
「ゴメン、朱紗君!今日は、帰って・・・帰って頂戴!!」
美剣に部屋から追い出され、困惑する真悟を尻目に、美剣は真悟を部屋から追い出した部屋の鍵を閉めた。真悟は慌ててドアをドンドン叩き、
「ちょっ、部長!気に障ったなら謝ります!!帰れと言われても・・・」
家の玄関から入っていない真悟は、美剣の家族に見つかったら何と思われるだろうかと考えると、背筋が冷たくなってきた。そんな真悟の声が聞こえたのか、美剣家のお手伝いである、年老いた婦人が近寄ってくると、真悟は思わず動揺するも、不自然に思われないように愛想笑いしながら挨拶をした。お手伝いは小首を傾げながら、
「あのうどちらさまですか?それに土足で!?」
「エッ!?土足?・・・・・し、失礼しましたぁぁぁ!」
真悟は自分が土足だったと息づき、大慌てで靴を脱ぐと、お手伝いに詫びながら玄関を聞き、逃げるように美剣家を後にした。庭から出て行く真悟の姿を、美剣は涙を流しながら見ていたのを真悟が知る筈も無かった。
「はぁ、驚いたなぁ・・・それにしても大きな家だなぁ、部長ってお嬢様なのかな?」
真悟は、改めて美剣家を振り返って見て驚きを隠せなかった。数百坪はゆうにあるのではないかと思うものの、美剣のさっきの不可解な態度を気に掛け、
「それにしても、破壊王の名を口にした時の、美剣部長の動揺の仕方は只事じゃなかった。あんな奴がこの世に居るのか!?破壊王とは一体・・・?」
真悟はそのまま、美剣の事や破壊王の事を考えながら家路に着いた・・・
その夜、家に帰った真悟は、まだムラムラが収まっていなかった。涼子は、真悟が帰る前に入浴し終わり、今は母和子が風呂に入っていた。真悟はまるで夢遊病者のように、フラフラと風呂場に向かうと、そっと和子が入浴中の風呂を覗こうとするが、
「真ちゃん!?何やって・・・・コラァ、真悟ぉぉ!!」
和子の入浴姿を覗こうとしていた真悟は、涼子に見つかり我に返った。真悟は大慌てで、何とか涼子を誤魔化そうとするが、このような場面を見られて、上手い言い訳が見つからなかった。姉弟の言い合いが、脱衣所から聞こえてきて、和子は風呂場のドアを少し開き、顔を出して二人に声を掛けた。
「涼子、また真悟と喧嘩してるの?」
和子は、40前後とは思えないようなプロポーショーンを保持していた。柔らかそうな巨乳と、少し黒ずんだ乳輪と乳首が真悟の目に入ると、それを見た真悟は忽ち勃起した。涼子は真悟を蔑んだ目で見つめ、
「ママァァ!真悟ったら、ママのお風呂覗こうとしてたのよ!!」
涼子に和子の前で覗こうとしていた事を暴露され、真悟は大慌てで姉を拝み倒し、指でシーと合図を送るが、涼子はそんな真悟を憮然とした表情で無視した。和子は困惑気味に真悟を見つめ、
「あらあら、真悟ったら・・・覗くくらいなら、一緒に入る?」
和子の意外な言葉に、真悟は顔を真っ赤にしながらも嬉しそうな表情でデレデレし、涼子は信じられないと言った表情で和子を見ると、
「マ、ママァァ!何言ってるのよ!?」
涼子は目を丸くして驚くと、和子は二人にウインクして、
「ウフフ、冗談よ!真悟、もう高校生何だから、親離れしなきゃ駄目よ?」
和子はそう言うと、風呂場に引っ込み扉を閉めた。再び浴槽から和子が入浴しているシルエットが真悟の欲求を刺激するも、涼子はそんな真悟をキッと睨み、思わず真悟はしょんぼりした。更に涼子がそんな真悟に追い討ちを掛け、
「やぁぁい、エロ真悟!今の事を雪代さんって子に話したら、何て言うかしらねぇぇ・・・マザコンの男って嫌われるのよねぇ?」
真悟はドキリとし、頭の中で小百合に軽蔑され、更には美剣にまで無視される自分の姿が目に浮かび、真悟はその場で涼子に土下座して、
「ね、姉ちゃん・・・そ、それだけは、それだけは許してぇぇ!」
真悟が半泣き姿で必死に哀願すると、涼子はどうしようかなぁ?といった表情を浮かべ、
「そうねぇ、愛しい弟の恥じを、他人に話すのも姉としては辛いしね・・・良いでしょう、デザ-ト奢ってくれるなら良いよ!」
涼子の提案を拒絶する事など出来ない真悟は、渋々ながら涼子の提案に同意して自分の部屋に戻った。
(ハア、最近どうしたんだろうな俺・・・欲求不満なのかなぁ?)
その夜真悟は、欲求不満を解消するように、美剣の肢体を妄想し、夜のオカズにして欲求を発散した・・・